Electronic Entertainment Expo 2002現地レポート

Infogrames、「Unreal Tournament 2003」プレビュー
UT2は頭上に注意しろ! サテライトレーザー“イオンキャノン”公開

会期:5月22日~24日(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center

 今年のE3は、コンソールも巻き込んでネットワークFPS花盛りといった印象だったが、その中でも注目すべきなのはInfogramesブースで展示されていた「Unreal」シリーズだ。今回Infogramesは、PC向けに「Unreal Tournament 2003」と「Unreal II: The Awaking」、Xbox向けに「Unreal Championship」の3本の新作を投入。本稿では発売直前の「Unreal Tournament 2003」のプレビューをお届けしよう。


■ 「Unreal Tournament 2003」と「Unreal Championship」は同じ作品

 具体的なゲームの紹介に入る前にUnrealシリーズ各タイトルの概要について簡単にまとめておくと、PC版「Unreal Tournament 2003」とXbox版「Unreal Championship」はタイトル名とインターフェイスが異なるだけで、内容はまったく同じもの。「Unreal II: The Awaking」は本家筋の最新作に当たる作品で、発売時期は年末。ブースでもプレイアブルデモの姿はなく、Infogramesステージでデモンストレーションイベントがあっただけだった。

 「Unreal Championship」は、PC版「Unreal Tournament 2003」をベースに、ターゲットへの自動照準(AutoAim)機能など、いくつかコンソール向けの改良を施している。Xbox Liveに対応し、最大16人対戦が可能。ただし、内容は同じながらPC版との対戦はできない。発売時期は第4四半期が予定されている。

 今回ブースでは、LAN接続した状態でDeathMatchモードをプレイできたほか、シングルプレイモード(「Unreal Tournament」と同じくBotを従えて各ゲームモードを戦い抜く)も試すことができた。ゲームモードは、DeathMatch、TeamDeathMatch、Capture the Flag、DoubleDomination、BombingRunの5種類が確認できた。

 また、以前の発表では乗り物が使えるような話だったのだが、今回の展示バージョンでは確認できなかった。また、プレーヤーは復活時にすべての武器を持って復活する予定だったのが、アサルトライフルとシールドガンという2種類の武器だけを持って復活する形に変更されていた。

「Unreal II」のステージイベントの様子。多くの人々がステージ前に押しかけて歓声を上げていた Xboxブースでは「Unreal Cahmpionship」のバトルアリーナが設置されていた 「Unreal Tournament 2003」の展示は常に多くの人で賑わっており、プレイするのに15分ほど待つ必要があった


■ より高いスポーツ性を実現した 「Unreal Tournament 2003」

 さて、「Unreal Tournament 2003」を実際にプレイしてみての印象だが、「『Quake』シリーズの挙動に近づいた」という印象を受けた。その理由として、

 1、プレーヤー自身の移動速度が大幅にスピードアップし、滑るような移動スタイルが強まり、全体としてよりスポーツ性が高くなっている

 2、爆発系の武器(ロケットランチャーやフラックキャノン)といった武器のダメージ範囲が狭まり、より厳密な射撃スキルを要求されるようになった

 3、マップの作り自体が前作に比べて格段に広く入り組んだ内容になったために、マップ全体に気を配ることが重要になった

 などが挙げられる。前作「Unreal Tournament」は、ゆったりした動きと破壊力抜群のな武器の数々といった点が特徴として挙げられるが、「Unreal Tournament 2003」はスピーディーな動き、厳密な照準、ダメージを与えにくい武器といったゲーム性に代わり、UTの続編というよりむしろ、スポーツ性の高いFPSの代表格である「Quake」、「Unreal Tournament」の双方の利点をうまく融合させた作品に仕上がっている印象を受けた。

 E3バージョンで実際に使うことができた武器は、アサルトライフル、ロケットランチャー、ショックライフル、ミニガン、バイオライフル、リンクガン、スナイパーライフル、フラックキャノン、アサルトライフル、シールドガンなど。その性能に関しては、前作から大幅な再調整が行われている模様だ。

 たとえばロケットランチャーは、前作では6発まで溜められたロケット弾が3発までとなり、瞬間移動用の特殊武器であるロケーターは、エネルギーチャージ型に仕様変更され、連続射出はで5回までとなり、ロケーター自身にも遠隔操作のできるカメラが搭載されている。使い方によっては、曲がり角の先の安全を確保してからワープするといった使い方もできるようだ。

 また、「Unreal Tournament」にはロケットランチャーやショックライフルなど、広範囲にダメージを与える爆発系の武器が数多く登場するが、「Unreal Tournament 2003」では、これらの武器はダメージ範囲が縮小されており、相手の足元付近を撃って爆風でダメージを与えるといった攻撃スタイルが取りにくくなっている。

 新しい武器としては、前作のRedeemer(核ミサイル)に相当する特殊武器として「イオンキャノン」と呼ばれる武器が追加されている。これは一種のサテライトレーザーで、天井が開けた屋外のマップのみで利用可能。フィールド内の好きな着弾位置にターゲットレーザーを一定時間(対象ポイントまでの距離によってだいたい5秒から10秒間くらい)動かずに照射し続けると、上空の衛星から高エネルギーレーザーが発射され、着弾地点に大爆発が起こるというもの。

 いうまでなく当たれば即死の究極兵器だが、レーザー光の照射は視覚出来るため、Botにはもちろん対人戦でもすぐバレてしまい、使うケースがひどく限られてしまうのが難点だ。実戦での使い方としては、屋内から野外への出口で待ち伏せるか、乱戦時もしくはCTF戦での牽制ぐらいだろうか。ともあれ、UTらしいド派手なウェポンだ。

画面がぶれてしまっているがエアドッヂ(三角飛び)の瞬間。効果的に使えば確実に敵の弾に当たりにくくなるだろう イオンキャノン炸裂の瞬間、発射まで時間があるものの着弾の爆風の広がる速度は速い。あまり近い距離をねらうと自爆する恐れもある イオンキャノンに使用するサテライト。これが上空に浮かんでいると、イオンキャノンを使用することが可能になる

【Unreal Tournament 2003】
「Unreal Tournament 2003」では、前作のようなアリーナばかりではなく、屋外ステージも数多く用意される。美しいビジュアルとスピーディーなゲーム展開。次世代スポーツ系FPSを担うのはやはり本作になりそうだ

□Infogramesのホームページ
http://www.infogrames.com
□「Unreal Tournament 2003」のホームページ
http://www.unrealtournament2003.com

(2002年5月27日)

[Reported by 中村聖司]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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