Electronic Entertainment Expo 2002現地レポート

Codemastersブースレポート
イングランドの雄もコンソールへのシフトを鮮明に
「Colin MacRae Rally 3」、「Project I.G.I 2」ほか

会期:5月22日~24日(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center

 「Colin MacRae Rally」、「Operation Flash Point」の両シリーズの大ヒットにより、ここ数年で目を見張る成長を遂げたCodemastersは、昨年とはうって変わってPCメインからXbox中心のラインナップに戦略転換を図っていた。北米市場のゲームタイトルとはひと味違う同社の作品を今後PCで気軽にプレイできなくなりそうなのは寂しい限りだが、これも時代の趨勢だろう。そろそろ海外ゲームファンは、海外仕様機の購入を真剣に検討すべき時期にきているのかもしれない。


■ ラリーレースの最高峰「Colin MacRae Rally 3」 ついにお目見え

フロントガラスにたたきつける雨の表現がもの凄い。左右に高速で流れていく水滴、ワイパーの動きによって作られる水の流れなど、すべてリアルタイム処理される
 Codemastersブースは商談スペースをたっぷりと取り、プレスでもアポイントなしでは入れないクローズドでの出展だった。全世界のレースファンおよびバイヤーから熱い注目を集めていたラリーレースシミュレータ最新作「Colin MacRae Rally 3」は、ラストボスよろしくブースの最奥に布陣。Xbox版とPS2版をプレイアブルの形で出展していた。

 さっそく「PC版は?」と質問したところ、「予定はあるが、発売時期は未定」というそっけない返事。カタログを見ると、いつのまにかPCのアイコンが削られており、海外担当の私自身、よくよく考えるとCMR3の発表以来、PC版のスクリーンショットだけは一度も見た記憶がない。これはひょっとすると残念なことになるかもしれない。

 それはともかく、肝心のゲーム内容は「素晴らしい」のひとこと。3人称視点で表示される車のサイズが通常のレースゲームよりひとまわり大きいのがミソで、前作から格段に精度が向上した車のモデルリングデータに加え、ボディ側面への細かい環境マッピングのリアルタイム処理なども相まって、ごく普通に走っているだけでもとにかく画面から凄まじい迫力が伝わってくる。相変わらず凄みを感じさせてくれるゲームだ

 ゲーム性は、前作とほぼ同じような感じで、車の制動についてはリアリティよりゲーム性を重視し、初走行でもそれなりに楽しく走ることができる。今回は日本、イギリス、オーストラリア、フィンランドなど世界8カ国を舞台に、全56コースを走行することになる。搭乗できるラリーカーはMitsubishi Evo 7、Subaru Impreza 44S、Ford Focus RS WRCなどが用意される。

 サスペンションやシャフト、ブレーキパッド、ロールバーなど、ラリーカーの各パーツは個別にデータを持ち、描画レベルでも正確にシミュレートされ、最終的にラリーカーの挙動にリアルに反映される。衝突時には車両の各部分(車体、ドア、ボンネット、バンパーなど)のダメージが個別にシミュレートされ、その結果が、ビジュアルと操作の両方にリアルタイムで反映されていく。欧米での発売は2002年9月を予定。ぜひPC版も発売して(発売するとアナウンスしたはずだが)ほしいところだ。

【Colin MacRae Rally 3】
掲載画面はすべてXbox版。リプレイモードはまるでTV中継を見ているようなドラマティックな映像が続く。これはレースゲームファンならずともほしくなる作品だ


■ 見つかったら即ゲームオーバー!! ナチスの収容所から脱獄せよ!

手前の冴えない顔をした男が主人公。いつ脱獄を決行するか、それが問題だ
 今回、Codemastersブースで掘り出しものだったのが「Prisnor of War」。これはXbox、PS2に加え、PCでの発売も予定されており、日本語版の発売も十分期待できる。

 「Prisnor of War」は、とにかくアイデアのユニークさの光るゲームで、プレーヤーは第二次世界大戦でドイツ軍に捕らわれた捕虜として、収容所からの脱走を目指す。ゲームは早朝の訓辞から始まり、続いて日々の使役に移っていく。収容所にはプレーヤーのほか、多数の捕虜がさまざまな使役に従事し、会話を行なって情報を集めたり、アイテムを融通してもらったりといったことができる。

 プレーヤーの行動はほぼガラス張りの状態で、看守の目の届く範囲で少しでも不穏な動きを見せるとすぐ独房に入れられてしまう。国産のRPGならここから新たな展開が見えてくるものだが、本作では独房に入れられると本当にゲームオーバーとなり、また朝の訓辞からやり直しとなる。「見つかったら終わり」という単純明快なシステムがおもしろく、何度も繰り返して遊んでしまった。

 プレイアブルデモの内容はまだまだ荒削りの印象だったが、看守の監視の目をくぐり抜けて金網をよじ登ったり、土管の陰に隠れたり、違う列にちゃっかり並んだりなど、自由度の高いシステムが印象的だった。自由度の高さとは裏腹に、正しいルートは幾通りしかないというゲームブック的なおもしろさがある作品だ。

【Prisnor of War】
時間帯によっては比較的自由に収容所内を移動できる。といっても収容所は広く、金網を乗り越えてもまた別の区画に移動できるだけ。脱獄成功への道のりは長い。発売時期はXboxとPS2が6月、PC版が9月の予定


■ マルチプレイに対応し、多人数による山岳戦が可能に 「Project I.G.I 2: Covert Strike

広大なフィールドで輸送トラック破壊のミッションを遂行。スコープを覗けば気分はもはやゴルゴ13だ
 「Project I.G.I 2: Covert Strike」は、一昨年にEidos Interactiveより発売された「Project I.G.I」の続編。開発元は同じだが、発売元がCodemastersに変更になっている。

 「Project I.G.I 2: Covert Strike」は、前作が終わった直後からスタートする。主人公は前回から引き続き元SAS隊員で、現在はフリーランスの戦闘工作員(コードネーム:I'm Going In=I.G.I)であるDavid Jones。今回の物語はロシアからスタートし、リビアを経て、最終的には中国へと向かうことになるという。前作同様、シナリオ重視のゲームスタイルは変わっておらず、テクノスリラー小説ばりに3つのストーリープロットを複雑に絡ませ、プレーヤーはわずかな情報を手がかりにその全貌を掴むべく、世界を転戦しながらさまざまなミッションに従事していく。

 新しいゲームシステムの特徴としては、GPSシステムを利用したマップ一覧機能が挙げられる。これはマップ全体をサテライトビューで見ることができるだけでなく、ミッション達成条件の順番や目指すべき建物を表示したり、敵兵士の巡回ルートを見ることができるといった特徴を持っている。

 また、前作からの変更点としては、マルチプレイに対応したほか、ミッション途中でのセーブ、敵AIの改良などが挙げられる。ゲームの方向性としては前作から大きく逸脱することはなく、スニーキングによる潜入を重視したつくりになっている。

 フライトシミュレータのエンジンをベースに改良を加えた独自エンジンによる、広大なフィールドを戦場としたリアルな野外戦と、周りの山脈まで実際に登ることができるというダイナミックなシステムが最大の持ち味だ。プラットフォームはPCのみで、発売時期は2002年9月を予定。日本での発売元はイマジニアが有力だ。

【Project I.G.I 2: Covert Strike】
小高い丘から双眼鏡で敵本拠地を偵察するなど、通常のFPSにはないダイナミックな野外ミッションがウリ。十分な偵察を行なったあとは丘をおり一気に強襲する

【TOCA Race Driver】
Codemastersのツーリングカーシリーズ最新作「TOCA Race Driver」。ブースではPS2版に加え、PC版も出展されていた。アスファルトに照りつける太陽光の表現や車のモデルデータなど、SCEIの「グランツーリスモ 3」を意識したハイレベルなビジュアルが印象的だった。掲載画面はすべてPC版。発売時期はPS2、PCとも夏頃を予定している

【Dragon Empires】
Codemastersが現在総力を挙げて開発しているファンタジーMMORPG「Dragon Empires」。ブースではプレイアブルデモも出展していたがまだコンセプトレベルで、完成はまだまだ先になりそう。プラットフォームはPCで発売時期は2003年初頭を予定している

□Codemastersのホームページ
http://www.codemasters.com/

(2002年5月27日)

[Reported by 中村聖司]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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