Electronic Entertainment Expo 2002現地レポート

会場：Los Angeles Convention Center

　Ubi Soft Entertainmentのトム・クランシーシリーズを別記事で紹介したが、それ以外にもアクションやMMORPG、コンバットシムなど、様々なジャンルのタイトルがラインナップされている。それらの最新タイトルをまとめて紹介しよう。

■　コンバットシムにファンタジーMMORPG、カートゥーン仕様のFPSなどなど

　トム・クランシーシリーズ以外のラインナップも非常に充実していた。全体としてはアクションゲームが多いものの、現代戦を扱ったエアコンバットシム「Lock On: Modern Air Combat」やファンタジーMMORPG「Shadowbane」、PS2版「Myst III: Exile」などなど、同社の底力を感じさせるバラエティに富んだラインナップだった。

　アクションジャンルでは、Ubiを代表するクリエイターMichel Ancelの最新作「Rayman3 Hoodlum Havoc」、およびまだ仮称の新シリーズ「Project BG&E」の展示に力が入れられていた。同氏の代表作である「Rayman」シリーズは日本国内ではほとんど知られていない存在だが、現在までに通算1,000万本近くのセールスを記録している同社の屋台骨的大作だ。

　そのほかのアクションとしては「XIII(サーティーン)」が秀逸。全編カートゥーンシェーダーを使ったFPSで、「ジェットセットラジオ」を彷彿とさせるエッジの効いたゲームデザインやゲーム内で発生するあらゆる効果音に対し擬音を表示させるなど、アメコミの主人公気分でゲームが楽しめるのが特徴だ。

　それから映画「グリーンディスティニー」のゲーム化作品「CROUCHING TIGER HIDDEN DRAGON」もユニーク。開発元は日本のゲームデベロッパー元気が担当し、北米先行で発売される。ゲーム内容は映画と同じ舞台設定の剣劇アクションで、垂直大ジャンプや真横に飛んだりといった香港映画ならではの多彩なアクションがおもしろい。

　ちなみに、エアコンバットシム「Lock On:Modern Air Combat」、ファンタジーMMOROG「Shadowbane」、ターンベースのファンタジーストラテジー「Warlords IV Heroes of Etheria」といったPCゲーム勢は、市場規模を反映して扱いこそ小さくなっていたものの、昔ながらの熱気に満ちていた。

【Project BG&E】
Ubiを代表するクリエイターMichel Ancelの新シリーズ「Project BG&E」。とにかく動きが軽快で、アニメーションパターンも豊富なのが印象的だった。日本での発売は未定

【Rayman3 Hoodlum Havoc】
この手のコミカル系ファンタジーアクションはヨーロッパ市場で特に人気が高い。一連のディズニーシリーズも含め、同社はヨーロッパにおけるアクションゲーム市場で圧倒的なシェアを誇る

【XIII(サーティーン)】
トゥーンシェーダーでFPSを作ってしまった「XIII(サーティーン)」。ラインナップにはPS2のほか、PCも確認できる。見た目こそユーモラスだが、内容もはしっかり作られている。基本的に低年齢層をターゲットにしているようで、全般的にゲーム性重視のつくりだ

【CROUCHING TIGER HIDDEN DRAGON】
「元気さんが開発しているので、内容については安心している」とは日本広報の弁。斬撃、薙、払いといった剣劇アクションに加え、超人的なジャンプや動きが特徴。プラットフォームはPS2で、日本での発売は未定となっている

【Lock On: Modern Air Combat】
Microsoftの「Combat Flight Simulator 3」と同じく、こちらもコンバットシムファンには発売が待ち遠しい1作。外部ビューで確認できる機体のモデリング精度のすばらしさもさることながら、正面視点からシームレスに視点移動できるコクピットビューが凄い

【Shadowbane】
数年前から一部のMMORPGファンの間で話題となっていた「Shadowbane」。発売元もUbiに決まり、ファンにとってはほっと一安心と言うところだろう。ただ、開発に時間をかけすぎたせいかグラフィックは完全に時代遅れ。今後のブラッシュアップに期待したい

□E3のホームページ
http://www.e3expo.com/
□Ubi Soft Entertainmentのホームページ
http://www.ubi.com/

(2002年5月22日)

[Reported by 中村聖司]