Electronic Entertainment Expo 2002現地レポート

コーエー、「紅の海 Crimson Sea」を発表
Xboxの性能を最大限活かしたSFファンタジーアクション

5月21日開催(現地時間)

会場:Millennium Biltmore Hotel

 株式会社コーエーは米現地時間の5月21日、ロサンゼルスのダウンタウン中心部にあるMillennium Biltmore Hotelにて、北米市場を対象とした新作発表会を開催した。発表会の中心となったのは、同社のXbox向けオリジナル第1弾タイトル「紅の海 Crimson Sea」。会場には代表取締役会長の襟川恵子氏、同作のゼネラルプロデューサーを担当するシブサワ・コウ氏に加え、激励のため米MicrosoftのXbox事業部バイスプレジデント、Ed Fries氏も同席。Xboxの発表以来、長らく秘密のヴェールに包まれていたコーエーのXboxタイトルのゲーム内容がついに明らかになった。

プレゼンターそろい踏み。右端の男性は「紅の海 Crimson Sea」のディレクター小堤氏
 コーエーがE3で全世界のプレスを集めて大規模な発表会を催すのは始めてということもあり、まず最初に同社の紹介が行なわれた。発表会のプレゼンターを務めたのは襟川恵子氏で、同社の紹介後、襟川氏の紹介を受けてXbox事業部のバイスプレジデントEd Fries氏が挨拶を行なった。

 Ed Fries氏は「シブサワ・コウという20年以上もの経験を持つクリエイターを(Xboxに)迎えることができて大変光栄に思います。Xboxはこれまでにないパワフルなゲーム機として開発しましたが、マシンのパワーを最大限活かすにはゲーム開発にもある程度の負担を強いるのも事実です。今回、コーエーに提供していただいた「Crimson Sea」、「真・三國無双2」はまさにマシンパワーを最大限に活かしたゲームタイトルになっています」とコメント。コンソール市場で大成功を納めた同社の最新作に最大限の賛辞をおくった。

 続いて登場したシブサワ・コウ氏は、「Crimson Seaは、同社が自信を持って全世界におくる超大作のアクションゲームです」とコメント。続いて公開されたムービーでは、同社が「今までにない新技術と新システム」と謳う、新感覚SFアクションの一端をかいま見ることができた。

 「Crimson Sea」は、壮大な宇宙を舞台に無数の敵をなぎ倒していくという、ジャンルでいえば「真・三国無双2」タイプに近い爽快感重視のアクションアドベンチャーゲーム。隆起海面都市「グラーヴェ」、神秘の海中都市「メノ・モッソ」など、想像の翼を自由にふくらませたSF世界を舞台にしている。「極限まで追い込まれた状況下で、敵を一掃する一網打尽の爽快感」を作品の軸としており、プレーヤーが担当する主人公達は「ウェポン」を使った基本攻撃に加え、「ネオサイオニクス」と呼ばれる強力な特殊攻撃が使え、これらを使いこなしつつ、惑星ごとにまったく設定の異なるさまざまなSF世界で敵を蹴散らしていく。

 冒頭で紹介したように、Xboxの性能を限界まで引き出したグラフィックを最大のウリとしており、これに同社独自の群れ制御エンジンを組み合わせ、「今までにない」劇的な演出を実現している。具体的には敵をただ単に群れ制御させるだけでなく、ドロドロに溶けたり、バラバラのパーツが襲いかかってきたりなど、敵1体1体に対してSFモンスターならでは変形、離散、集合をリアルタイムで表現していくという。今回はその処理を実際に見ることはできなかったが、実に楽しみな要素だ。

 また、リアルタイムドルビーデジタル5.1chに対応し、敵が発する音や仲間が放つ叫び声などを前後左右から聞くことができることに加え、これを有効利用したエネミー探知システムも実装するという。そのほか、未来兵器「ウェポン」のカスタマイズ要素やリプレイ機能の搭載など、北米市場のみならず、日本でも大ウケしそうな印象だ。

 発売時期は日本と北米が今秋を予定し、ヨーロッパのみ来春。日本30万本、北米50万本、ヨーロッパ20万本の合計100万本の売り上げを目指す。価格は6,800円を予定。なお、質疑応答では、Xboxで初のミリオンセラーを達成したSFアクションシューティング「Halo」との違いについての質問が集中した。北米のプレスにはゲーム性を重視したコーエーのアクションゲームシリーズの魅力がいまひとつ伝わっていなかった印象だが、リアルさを重視する北米市場にどう切り込めるのか、今後の展開に期待したい。

左から順番に代表取締役会長襟川恵子氏、米Microsoft Xbox事業部バイスプレジデントEd Fries氏、「紅の海 Crimson Sea」ゼネラルプロデューサーシブサワ・コウ氏

超美麗なムービー。無数の敵に囲まれた男女の主人公ふたりが奮戦する様子が描かれている。男はショウ、女はシャミというらしい

開発中のゲーム画面。まだまだ荒削りなところも見られるが、リアルタイムモーフィング処理されるという液体状のモンスターや「ネオサイオニクス」発動シーン(右上)などはかなり期待させるデキだ

(C)2001 KOEI Co.,Ltd.

□コーエーのホームページ
http://www.gamecity.ne.jp/
□「紅の海 Crimson Sea」のホームページ
http://www.gamecity.ne.jp/products/products/ee/new/c_sea/index.htm

(2002年5月22日)

[Reported by 中村聖司]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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