コーエー、ネットワークゲームを強力に推進
PS2「信長の野望 Online」、WIN「三國志 Battlefield」を発表

4月17日 発表

 株式会社コーエーは今年発売予定のネットワークゲーム2タイトルを発表した。ひとつは秋の発売を予定しているプレイステーション用MMORPG (多人数参加型オンラインRPG) の「信長の野望 Online」。もうひとつがこの夏の発売を予定しているWindows用RTS (リアルタイムストラテジー) 「三國志 Battlefield」。両作品とも発売日、価格は未定。

 発表会で同社代表取締役会長の襟川恵子氏は「ゲームは日本の中で数少ない世界を代表する産業だと思うが、ネットワークゲームだけはインフラの整備も整っていないこともあって、他国の後塵を拝していた。でもインフラも整い始めこれから伸びると思う」と語った。

 ここで株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントの久夛良木健氏がゲストとして登場。「PS2のネットワーク構想を発表したときシブサワ・コウ氏は『これはクリエイターへの新たなる挑戦状だ』とコメントされた。そしていよいよ今日初めてそのゲームを見せてもらえる。これはプレイステーションプラットフォームのエンジニアとして、またクリエイター冥利に尽きる」とコメントし、「ネットワークゲームは元気でクリエイティブなジャンルだ。プレイステーション 2で最大限サポートしていく」と力強く宣言した。

【スクリーンショット】
PS2「信長の野望 Online」 WIN「三國志 Battlefield」

(C)2002 KOEI Co.,Ltd.

 PS2用「信長の野望 Online」はネットワーク専用ゲーム。プレーヤーは7つの職業の中から選択し、架空の世界の住人となる。城下町やその周辺、そして魑魅魍魎が跋扈するダンジョンや戦いのフィールドとしての合戦場などで世界は構成されている。プレーヤーは必ずどこかの勢力に属さなければならず、所属勢力の本拠地からゲームはスタートする。所属勢力には隆盛があり、プレーヤーの戦いや外交によりその世界が常にダイナミックに変化し続けるという点が新しいと言える。

 プロデューサーの松原健二氏は「『ウルティマオンライン』や『EverQuest』といった既存のネットワークゲームとパイを奪い合うつもりはない。では、これまでのゲームとどこが違うのかと言えば、世界観が違うことや、世界が常に変化するという歴史シミュレーションの要素を入れた点にある」と説明した。
 プレイするには「PlayStation BB Unit」が必要だが、ブロードバンド専用ではなくナローバンドでもプレイすることは可能となっているという。この夏にβテストを始め、秋には発売される予定だ。サービスの利用は有料だが、詳しい課金のシステムや料金などはβテストの様子を見ながら発表されるという。

 Windows用「三國志 Battlefield」はRTSだが、同社によれば「スピードと物量が勝敗を決する従来のRTS」とは違い、戦略性が高いことを強調している。多言語にも対応しており他言語のプレーヤーとも対戦プレイができるなど、システムはすべて始めから作り上げられている。
 なお、当初Windows版で発売されるが、発表会において襟川恵子氏は久夛良木健氏に向かって「PS2には真っ先に移植する」と語りかけていた。このことから時期はわからないが、Windows版が発売された後はPS2に移植される可能性が高いことが判明した。

 これらのネットワークゲームのサーバーに関しては、同社グループのコーエーネットが行なう。また、グループ企業の株式会社エルゴソフトが「PlayStation BB Unit」専用のPS2用ブラウザソフト「EGBROWSER BB」を6月ごろりリースする。価格は3,800円。もちろんハードディスクに対応しているため、メールやWEB情報をハードディスクに保存可能なほか、キャッシュなどにも対応している。「EGBROWSER BB」のDEMO版は「信長の野望 Online」に同梱される予定となっている。このようにコーエーは、グループ企業一体となってネットワークゲームを推進していく考えだ。

 ゼネラルプロデューサーのシブサワ・コウ氏は「ネットワークゲームの開発は着々と行なってきた」とコメント。「『信長の野望 Online』はPS2の骨の髄までしゃぶり尽くして開発されたもので、PS2ならではの仕掛けが満載となっている。『三國志 Battlefield』は韓国、台湾、日本で同時発売するというコーエー初めての試みだ」と続けた。ネットワークゲームの楽しみについてシブサワ・コウ氏は「子供の頃『ケンちゃん遊ぼう!』といいながらみんなでいっしょに遊んだようで、大変新鮮で非常にのめり込む」とネットワークゲームの楽しさをアピールした。

 会場には日本だけでなく、台湾や韓国といった国からもマスコミが来場。注目度の高さを伺わせた。これまでからもWindowsプラットフォームでネットワークゲームを開発してきた同社なだけに2作品の動向が楽しみだ。

代表取締役会長の襟川恵子氏。「日本のネットワークゲームは後塵を拝してきたが、これから一気に伸びる」とコメント 同社のゼネラルプロデューサー、シブサワ・コウ氏。「ネットゲームはスタンドアロンのゲームとは違った楽しみがあり、のめり込んでしまう」と語った 同社代表取締役社長の小松清志氏。「日本、韓国、台湾で同時期に発売し、市場のトップに立ちたい」
「信長の野望 Online」のプロデューサー松原健二氏。「迫力あるみんなが楽しめるゲームにしたい」と語った 「三國志 Battlefield」のプロデューサー上野彰三氏。国際大会を開催し東アジアのトップを決定したいなどの構想を語った 挨拶に立ったSCEIの久夛良木健代表取締役社長兼CEO。「ネットワークゲームを最大限サポートしたい」と力強く語った
コーエーコリアの代表理事、李 知映氏。韓国でもユーザーの期待が高まっているという 台湾光栄の范 良俊氏。25年前コンピュータを触ったときはコンピュータでこんなに楽しめるようになるとは思わなかったとコメント 社団法人デジタルメディア協会の山科誠氏。「ネットワークはxDSLが普及し高速道路がほぼ完成したのと同じ。これからはどんな車を走らせるかが問題」とコンテンツの重要性を指摘


□コーエーのホームページ
http://www.gamecity.ne.jp/
□「信長の野望 Online」のページ
http://www.gamecity.ne.jp/products/products/ee/new/nob_online/
□「三國志 Battlefield」のページ
http://www.gamecity.ne.jp/products/products/ee/new/san_bf/
□「ネットエンターテインメント」
http://www.gamecity.ne.jp/net/

(2002年4月17日)

[Reported by 船津稔]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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