★ PS2ゲームレビュー ★

気軽に遊べてダイナミックな滑りを楽しめる
「アルペンレーサー3」

  • ジャンル:スキー(レース)
  • 発売元:株式会社ナムコ
  • 価格:6,800円
  • プラットフォーム:プレイステーション 2
  • 発売日:発売中(3月28日)

【ゲームの内容】
 雪上でのレースをテーマとした「アルペンレーサー」シリーズの最新作。7人のキャラクタたちが、得意なギアを選択して急斜面を豪快に滑り降りる。ステージに合わせたギアの選択がタイムに大きな影響を与える点が、他のウィンタースポーツゲームと異なるポイントといえよう。賞金でギアを購入し、最終ステージを目指す「エクストリーム ウィナーズ カップ」をはじめ、CPU3人とレースを行なう「クロスレース」、旗門の間をくぐってゴールを目指す「スラローム」、画面上下分割の対戦モード「ワン オン ワン」、クリアタイムを競う「タイムアタック」などのモードが用意されている。



荘厳な景色の中を走るレースゲーム
 独特の筐体で話題を提供した業務用初代「アルペンレーサー」からもう7年。最新作はプレイステーション 2のみの販売となる。昨今のスノボ流行で類似タイトルが多い中、レースをメインとした作りで勝負する「アルペンレーサー3」の出来栄えはいかがなものなのだろうか?


 シンプルな操作法で雪上の格闘技を再現

 スキーを題材にしたゲームだが、これはレースゲーム。レースがスタートすれば何もしなくてもどんどん滑走していく。プレーヤーが操作するのは左右への旋回移動(左スティック)、そしてジャンプ時のエアトリック(L1orR1ボタン)が基本となる(デフォルト操作時)。より追い込んだプレイをしたい人には、マニュアル操作をオプションで選択し、エッジングとカービング(右スティック)を行なうことで、コーナーの大きさや状況に合わせて、より細かい操作が可能となっている。

 また、ギアによっては固有のアクションがあり、スキーなら直滑降、アルペンボードなら加速、スキーボードなら緊急回避(障害物にぶつかることなくスピード低下を防ぐ)、フリースタイルボードはスタンスを左右切り替えることで、コーナリングのキレを上げることができる。このアクションをポイントを押さえて使うことで、タイムアップが狙える。

左から直滑降、スイッチ、緊急回避。うまく使うことでタイムアップできたり、ミスをフォローできる

ショートカットを探す楽しみも
エアトリックは魅せどころだ
 このゲームがクルマを題材にしたゲームと違う点は、コースが雪山であるという点(一部異なる。後述)。雪の深さや固まり具合、地形などによりコース状況はさまざまなので、ベストラインを見つけるのは意外と難しく、やりこみ度はかなりのもの。また、滑走途中で雪崩れが起こるなどのアクシデントもあるので気が抜けない。そして何より、ショートカットコースを見つける楽しみがあるのはこの題材のなせる強みだろう。画面左上に常にマップが表示されているが、ショートカットポイントはそれではわからないので、何度も滑って探してみよう。

 また、ジャンプシーンもこのゲームの醍醐味。タイミングよくボタンを押せば、最大3回までのエアトリックを決めることができる。通常シーンでは固定のカメラアングルも、ここぞとばかりに切り替わってくれるので、腕の見せどころだ。

 基本的にカメラのポジションがやや引き気味なので、ぱっと見、のめり込むようなスピード感はあまり感じられないが、実際滑ってみると次から次へと景色が流れる感じのスピード感が得られる。大きくスラロームするような場面では、景色を眺める余裕はあるが。


 「エクストリーム ウィナーズ カップ」がメイン

 7人の登場キャラクタには、それぞれ特性が与えられ、得意なギアも異なる。パラメータは「SPEED」、「TURN」、「POWER」の3つに分類されてセレクターに表示される。「SPEED」は、最高速と加速度の統合判断。「TURN」はコーナーでの曲がりやすさ。このパラメータがよければ急コーナーでも減速せずにコーナリングできる。「POWER」の値がよければ、ライバルとぶつかっても転びづらく、雪の深いところでも減速しにくいという特性が与えられる。

【登場キャラクタ】
三船 駿リン・ユーフェンブラッド・バクスター
メリーナ・ヴェルレーヌホセ・エルゲラ
チェルシー・エーメリーゲオルグ・ビュッフェバルド

 キャラクタの特徴を伸ばすのもそうでないのも、ギアのチョイスにかかっている。得意なギアを装着すると、得意でないキャラクタが装着したときと異なり、ボーナスポイントのようなもの(赤いマークで表示される)が与えられ、より特性が引き伸ばされる。この組み合わせを試しつつ、ベストパターンを見つけることがタイムアタックでのポイントとなってくる。それに、さらにコースとの相性もあるので、同じ組み合わせで全部のコースを走破するのがベストというわけにはいかないだろう。

 さて、そのギアだが、初期状態では1つしか所持していない。ウェアも2種類しか選択できない。そこで登場するのが「エクストリーム ウィナーズ カップ」。1対1のレースに出場し、対戦相手に勝てば賞金がもらえるこのモードでは、予選から本戦(6戦)、そして大会で優勝するとスペシャルステージである「サイバートリックモンスター」に挑戦できる。この1戦ごとにもらえる賞金を使って、ギアを購入し次の戦いに挑むというのが基本パターンだが、途中でライバルに敗れると、もらえる金額はガタッと下がってしまう。しかも、コンティニューするにも所定のコストを払わねばならない。

「エクストリーム ウィナーズカップ」。ギアとウェアのセレクトの後、レーススタート。勝利すれば賞金が手に入る
得られた賞金を使ってギアを購入。コレクションの楽しみも

 ここでリタイアしてまた最初からやり直すか、コンティニューして次に進むかは微妙な選択になる。続けると当然次がつらくなる。後半になると、新しいギアを購入するために必要なコストが1回のレースで貯まらないこともあるからだ。そういう時にコンティニューでコストがかかってしまうと、目標金額に遠くなる。ギアのセレクトと腕次第で先に待つコースとライバルを出し抜くことも可能なのだが……と悩ましいことが起こる。

 ステージによって、バラエティ豊かなコース設計がなされているのポイント。高速で疾走する列車や、長いトンネルの中を抜けるコース、橋の下を抜けてみたり、意外なところにジャンプ台があったり……。コースとの闘いもこのゲームの楽しみの1つだ。衛星写真を元にしたという山々の作りも、実際に斜面を滑っているだけではすべてわからないが、ジャンプなどアングルが変わるとかなりダイナミックに作り込まれているのがわかる。

【コース】
Sunset Rush Sheer Madness Acrobat Alley
High Powder Blue Moon Run The Great Mogul
Nostalgia Remix 1.0 Nostalgia Remix 2.0 Cybertrick Monster

「スラローム」はコース取りを別に考える楽しみが
白熱のレースが展開できる「クロスレース」
 そして、本戦を勝ち抜くことで登場する「サイバートリックモンスター」。唯一の周回コースで、路面も雪に被われているわけではない。途中には触れてはいけないトラップ、加速と減速ゾーンの入り乱れるスラローム、移動するジャンプ台など、かなりアクロバティックなコースとなっているが、逆にコース幅が限られているため、ベストラインが組み立てやすいともいえる。レイアウトがダイナミック、かつベストタイムが出したくて、ついついこのコースをやり込んでしまう。本戦以外にこういったコースがあと2、3あってもよかったかもしれないと思った。

 それから、旗門の間をくぐってゴールを目指す「スラローム」は、旗の間をくぐっていけばいいという追加ルール以外は他のモードと変わらないが、ショートカットなどの利用に制限が出るため、これはこれで意外と燃えるモードになっている。旗にぶつかっても減速はしないので、ギリギリのところを狙ってのコーナリングは結構アツい。「タイムアタック」とは異なるラインでの走りを極められるという点では、1つのコースを2倍楽しめるという点でもユニークだ。


 タイムアタックコンテストも開催! 自ら楽しもうという人にピッタリのゲーム

 3時間以上プレイしてみたのだが、操作法もシンプル、コースも9つで基本的なことは変わりないが、タイムアタックに燃えたり、ショートカットを見つけようという意欲のあるプレーヤーに向いているという感想を持った。逆に、ゲームにあれこれ用意してもらったものをレストランで食事をするように楽しみたい、という人は、とりあえず「エクストリーム ウィナーズ カップ」の「サイバートリックモンスター」まで滑ってみることをおすすめする。そのあと、「タイムアタック」や「スラローム」、「クロスレース」を試してみると違いがわかっておもしろくなってくるはずだ。

 アイテムがあったり、特殊なアクションがあるわけではないので、「マリオカート」のようなバラエティ色は薄いが、サッと集中して遊べてすぐやめられる、という点は非常にありがたい。だが、実はハマると麻薬のように滑ってしまうので、やめ時が難しいというワナが待っていたりもする。

 サウンドもゲームを意識した軽快なもの。ナムコのBGMとしてはちょっと珍しい傾向かもしれないが、滑走する際のSEをかき消すことなく、耳になじむサウンドは好感が持てた。

 それから、隠しキャラとして「クロノア」が登場することもナムコファンにはうれしいニュースだ。「クロノアチーム」によって制作された新しいモデリングで、「風のクロノア2~世界が望んだ忘れもの~」に登場した「フロートボード」に乗って参戦する。

 また、ナムコオフィシャルサイトにて、タイムアタックコンテストも行なわれる。パスワードの出し方は、タイムアタックモード終了後、「RESTART」、「PLAYER SELECT」、「MAIN MENU」を選択する際に、「L1+R1+L2+R2」を入力することで、パスワードが表示される。また、RANKINGSのTIME ATTACK画面で同じコマンドを入力すると、全1位から4位までの全パスワードが表示される。この場合は、デフォルトタイムがランキングに残ったままでは表示されないので注意が必要だ。このパスワードをオフィシャルサイトで入力することで登録される。また、クロノアはコンテスト対象外となっているのでパスワードが出力されないようになっている。

フロートボードをひっさげて、クロノアも参戦する



(C) 2001 NAMCO LTD., ALL RIGHTS RESERVED

□ナムコのホームページ
http://www.namco.co.jp/
□製品情報
http://www.namco.co.jp/home/cs/ps2/alpineracer3/index.html
□関連情報
【3月20日】ナムコ「アルペンレーサー3」動画公開!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020320/namco2.htm
【2月18日】ナムコ、PS2「アルペンレーサー3」 ビルの谷間を滑り抜けろ!「サイバートリックモンスター」公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020218/alp3.htm
【1月19日】ナムコ、「アルペンレーサー3」の新キャラクタを紹介
11歳の美少女タレント「チェルシー」登場
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020119/namco.htm
【2001年12月28日】ナムコ、PS2「アルペンレーサー3」コース画像など最新情報を公開!!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20011228/alp.htm
【2001年10月11日】速ければなんでもあり! 雪上のバトルが楽しい ナムコ「アルペンレーサー3」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20011011/namco.htm

(2002年3月28日)

[Reported by 佐伯憲司]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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