日本版Xboxファーストインプレッション

2月22日 発売

価格:34,800円 (39,800円)

 ついに日本でも発売が開始されたXbox。GAME Watch編集部では、渋谷で行なわれたカウントダウンイベントの取材のかたわら、日本向けXboxの通常版とSpecial Editionを購入。そこで、それらの仕様や内部のメニュー構成、北米版Xboxとの違いなどを検証してみた。


■ Special Editionはオリジナルケース採用だが、内部の仕様は北米版とほぼ同じ

日本版Xboxの“通常版”。北米版Xbox同様、本体にコントローラ、標準AVケーブル、電源ケーブルが付属する
 日本版Xboxには、北米版Xboxと同じブラックボディの通常版と、黒のトランスルーセントボディを採用した日本市場向けオリジナルモデル「Xbox Special Edition」の2種類が存在している。双方の違いは、本体の素材と本体同梱の付属品のみで、当然ながらXboxとしての機能には違いはない。ちなみ通常版は専用コントローラ、標準AVケーブル、電源ケーブルの3点が同梱されるが、Special Editionは専用コントローラ、標準AVケーブル、コンポーネントAVパック(接続ユニットとコンポーネントケーブル)、電源ケーブル、ビル・ゲイツサイン入りキーホルダーの5点となっている。

 では、北米版Xboxとの違いはあるだろうか。日本版Xboxでは、当然ながら日本語のマニュアルが付属し、本体裏面のシールもその多くが日本語表記となっている。ただ、目に見える部分での北米版Xboxとの違いはこの程度であり、電源部分などハードウェア面の仕様は全く同じとなっている。すでに発表されているXboxの仕様を見ても、北米版Xboxと日本版Xboxに差はなく、内部のハードウェアは同一のものと考えていいだろう。

 次に、ソフトウェア面はどうだろう。結論から言えば、こちらも北米版と基本的に違いはない。Xboxの各種設定メニューである「Xboxダッシュボード」の言語設定が日本版Xboxでは標準で日本語に設定されている点を除き、設定項目やメニュー形式など全く同一のものであった。また、音楽CDの録音機能を利用した場合の曲名入力で入力できる文字もアルファベットとひらがな、カタカナだけで、日本版Xboxで漢字入力ができるようになっているということもなかった。日本版Xboxではこの点が改善されるかもという淡い期待もあったのだが、仕様変更がなかった点はやや残念だ。

 ただし実際には、日本版Xboxと北米版Xboxの間には決定的な違いがある。それは、対応ソフトのリージョン設定だ。Xbox用ソフトには、あらかじめリージョンコードが設定されており、Xbox本体のリージョンコードとソフトのリージョンコードが合致しなければそのソフトを利用できないようになっている。つまり、日本版Xboxでは、日本向けとして発売されているXbox用ソフトしか利用できないわけだ。実際に日本版Xboxに北米向けのXbox用ソフトを挿入してみたところ、警告メッセージが表示され、そのソフトをプレイすることはできなかったし、もちろんその逆も同様であった。

日本版Xboxの“Special Edition”。トランスルーセントボディの本体に、こちらもトランスルーセントボディのコントローラ、コンポーネントAVパック、電源ケーブル、ビル・ゲイツサイン入りキーホルダーが付属する Special Editionに付属するキーホルダー。表にはXboxのロゴとともにシリアルナンバーが刻印されている キーホルダーの裏面にはビル・ゲイツ氏のサインが刻印されている
2種類の日本版Xboxに付属するマニュアル。基本的に同じ内容だが、Special Editionのマニュアルには表紙に“Special Edition”の文字が印刷されている。ちなみに本体の型番も異なっている 日本版Xboxの裏面。日本語表記のラベルが貼られている。北米版Xboxにはなかった、中央部のシールも見られる 日本版Xboxの電源部分の仕様。北米版Xboxと全く同じで、電圧は100V~127V、周波数50Hz/60Hzに対応する
Xbox起動後に表示される「Xboxダッシュボード」は、標準設定で日本語表示となっているが、メニュー構成や表示内容は北米版Xboxを日本語表記にした場合とほぼ同じだ 「設定」メニューで設定できる内容も北米版Xboxと全く同じだ 「システム情報」では、本体(ファームウェア?)のバージョンと思われる数字があらたに表記されるようになっている
音楽CDの録音機能を利用する場合の文字入力は、ひらがな、カタカナ、英数のみで、漢字入力には対応していない 内蔵ハードディスクの容量表示は、北米版Xbox同様ブロック単位となっており、その数字も「50000+ブロック」と全く同じだ 日本版Xboxに北米向けのXbox用ソフトを入れてみると、地域制限に関するメッセージが表示され、ゲームは起動しなかった



■ 北米版Xbox向け周辺機器は日本版Xboxで利用できるのか

 次に、北米版Xbox用として発売されている周辺機器が日本版Xboxで利用できるかどうかチェックしてみたところ、北米版のコントローラは日本版Xboxでも全く問題なく利用可能であった。また、北米版Xboxに同梱されている標準AVケーブルや、北米向けとして発売されているコンポーネントAVパックの利用も全く問題なかった。

 ただし、DVDビデオ再生キットに関しては、若干の問題が確認された。それは、北米向けのDVDビデオ再生キットに同梱されているリモコン受信ユニットを日本版Xboxに取り付けてしまうと、本来再生できるはずの日本で発売されているDVDビデオ(いわゆるリージョンコードが「2」に設定されたDVDビデオ)が再生できなくなってしまうというものだ。

 今回、実際に購入してきた日本版Xboxを利用し、北米向けのDVDビデオ再生キットを取り付けて試してみたところ、リージョンコード2のDVDビデオの再生はできず、なぜかリージョンコード1のDVDビデオのみ再生が可能となった。しかも、その後日本向けのDVDビデオ再生キットに同梱されているリモコン受信ユニットに取り替えた場合には、リージョンコード2のDVDビデオだけでなく、リージョンコード1のDVDビデオまでも再生できなくなってしまった。つまり、この日本版Xboxは、北米向けのDVDビデオ再生キットに同梱されているリモコン受信ユニットを取り付けた場合のみ、リージョンコード1に設定されたDVDビデオの再生が可能、というものになってしまったのだ。

 実は、XboxのDVDビデオのリージョンコードは出荷状態では設定されておらず、購入後に初めて取り付けたDVDビデオ再生キットのリモコン受信ユニットに設定されているリージョンコードが本体に設定されるようになっている。しかも、一度Xbox本体にDVDビデオのリージョンコードが設定されると、その後その設定を変更することはできない。つまり、日本版Xbox購入直後に北米向けのDVDビデオ再生キットを取り付けてしまうと、Xbox本体のDVDビデオのリージョンコードが「1」として設定されてしまい、リージョンコードが「2」に設定されている日本のDVDビデオはその後いっさい再生できなくなってしまうのである。

 この件について、Xboxカスタマーサポートに問い合わせてみたところ、次のような回答をいただいた。
 日本版Xboxでは北米向けのDVDビデオ再生キットの動作は保証しておらず、日本版Xboxに北米向けのDVDビデオ再生キットを取り付けるという行為はサポート外の行為となる。そのため、その行為によって日本版XboxのDVDビデオのリージョンコードが「1」に設定されてしまったとしても保証は受けられない。修理によってリージョンコードの設定内容を変更することは可能だが、その場合には有償修理となり、最低8,900円の費用がかかる。

 この問題を回避する方法は、日本版Xboxに北米向けのDVDビデオ再生キットを取り付けなければいいだけだ。ただ、北米向けのDVDビデオ再生キットに同梱されているリモコン受信ユニットと、日本向けのDVDビデオ再生キットに同梱されているリモコン受信ユニットは、形状や色、裏面のシールにいたるまでほとんど同じで、一目で違いを認識できるようにはなっていない。そのため、北米向けのDVDビデオ再生キットに同梱されているリモコン受信ユニットを間違って取り付けてしまうということもないとは限らない。

 とはいっても、実際には北米向けのDVDビデオ再生キットを日本で手に入れることは非常に難しいため、こういった問題が起こる可能性はほとんどないと言っていいだろう。しかし、もし北米版Xboxと北米向けのDVDビデオ再生キットをすでに所有しており、今回日本版Xboxも購入したというユーザーは、DVDビデオ再生キットの扱いには十分注意する必要があるといえる。

 ちなみに、DVDビデオのリージョン設定とXbox用ソフトのリージョン設定は個別に管理されているようで、リージョンコード1のDVDビデオしか再生できなくなった日本版Xboxでも、日本向けのXbox用ソフトは正常に動作し、北米向けソフトは動作しなかった。つまり、DVDビデオ再生キットによってXbox用ソフトのリージョン設定が変更されることはなく、この点は安心していいだろう。

日本版Xbox Special Editionに、北米版Xbox同梱のコントローラや拡張AVケーブル、北米市場で発売されているコンポーネントAVパックを接続してみたが、全く問題なく動作した。北米版Xboxに日本版のコントローラを接続した場合も問題は発生しなかった 左が北米向けのDVDビデオ再生キット、右が日本向けのDVDビデオ再生キット。見た目はどちらも全く同じだが、リモコン受信ユニットの型番(Part No.)が異なっている。ちなみに手元にあるもので確認したところ、日本向けは「X08-25402」、北米向けは「X08-25387」だった 日本版Xbox購入直後に北米向けDVDビデオ再生キットのリモコン受信ユニットを取り付けると、Xbox本体のDVDビデオのリージョンコードが「1」に設定されてしまい、日本で発売されているDVDビデオは再生できなくなる。しかもリージョン設定の内容は変更できない。リージョン設定を戻したい場合には有償修理となるので注意


□Xboxのホームページ
http://xbox.jp/
□関連情報
【11月19日】Xboxファーストインプレッション
メニューから起動画面まで細かくチェック
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20011119/xbox.htm

(2002年2月22日)

[Reported by 平澤寿康]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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