サトシ役の松本梨香さん (左端) とゲスト声優陣が、ポケモンを抱えて勢揃い

ポケモン総合プロデューサーの石原恒和氏。ゲームボーイアドバンス対応のポケットモンスターを今年の第4四半期に発売するとコメント。映画に登場する新ポケモンを含め、ゲームには350種類を超えるポケモンが登場するという

　都内のホテルにて、この夏公開される劇場版ポケットモンスターの正式タイトルが発表された。通算5作目となる今作は、以前から「ポケットモンスター2002」という名称で紹介されてきたが、1月30日を期して全世界に正式タイトルと詳細が同時発表されることになった。

　タイトルは『水の都の護神 (みずのみやこのまもりがみ) ラティアスとラティオス』。世界で一番美しい町と言われる水の都「アルトマーレ」を舞台に、伝説のポケモンであるラティアス、ラティオスと、主人公サトシそしてピカチュウの活躍が描かれる。同時上映の短編は「ピカ★ピカ 星空キャンプ」。7月13日から全国東宝系の映画館でロードショー公開される。

　制作発表の席には、ポケモン総合プロデューサーの石原恒和氏や監督の湯山邦彦氏をはじめ、豪華な声優陣が顔を揃えた。毎回、話題になるゲスト声優には、神田うのさん、釈由美子さん、グッチ祐三さん、そして優香さんを配役。それぞれが、ポケットモンスターや今回の映画に対する気持ちをコメントした。

　会見の冒頭に挨拶した石原氏は、ポケモン映画とゲームソフトの関連について言及。これまでの映画では、順にミュウツー、ルギア、エンテイ、セレビィがフィーチャーされてきた。そして今回はラティアスとラティオスが新ポケモンとしてクローズアップされる。ミュウツーの時には151種類だったポケモンも、第二作「ルギア爆誕」が公開された年の冬には、ゲームボーイ向けにポケモン金銀が発売され251種類に増えている。石原氏によれば、今年はその時とほぼ同じ流れのなかにあり、ラティアス、ラティオスを中心にポケモンワールドが拡張する節目の年になるという。そして、ゲームボーイアドバンス向けの「ポケットモンスター」は、今年の第4四半期に発売。350種類を超えるポケモンが登場するとコメントした。

　『水の都の護神 ラティアスとラティオス』の監督を務める湯山氏は、今作の舞台に『街』というこれまでなかった情景を設定した理由を説明。ロケハンに向かったベネチアのイメージから、水路そして迷路のような路地を歩いていて不思議な世界に入り込むような感覚を表現できれば……という。曰くヨーロッパ的な感覚があふれる映像になっているということだ。

【水の都の護神 ラティアスとラティオス】
秘宝「心のしずく」を人知れず守るポケモン『ラティオス』(右)と『ラティアス』(左)。ラティオスは兄、ラティアスは妹という兄妹ポケモンだ	『水の都の護神 ラティアスとラティオス』のタイトルロゴとイメージカット。ラティオスとラティアスは“むげんポケモン”で、高さと重さはそれぞれ2m、60.0Kg、1.4m、40.0kgと紹介されている
【スクリーンショット】
左端にいるのは「ピカ★ピカ 星空キャンプ」に登場する新ポケモンの『ソーナノ』。ポケモン金銀で登場したソーナンスの進化前の姿だという	『ピカ★ピカ 星空キャンプ』のイメージカット。発表会にも登場したソーナノをはじめ数種類の新ポケモンが登場するという

制作発表記者会見に臨んだゲスト声優の皆さんと石原プロデューサー。サトシ役でお馴染みの松本梨香さんの顔も見える	監督の湯山邦彦氏は、今作の舞台に『街』というあらたな情景を選んだ経緯を説明。これまで以上に華やかなキャスティングにも自信を見せた	強気のコメントの連続で会場を盛り上げるエグゼクティブ・プロデューサーの久保雅一氏。「昨年はこの席でジブリ（宮崎駿監督作品のこと）に挑戦状を叩きつけたわけですが(笑)、今年は世界中で私たちの作品を待っている子供達のことを一番に考えるようにしています」

■ 思い思いに映画への意欲とポケモンへの思いを語るゲスト声優陣

　ゲスト声優陣のなかで神田うのさんと釈由美子さんは、姉妹の宝石泥棒ザンナーとリオン役を務める。映画のキーとなる秘宝「心のしずく」を狙う世界的な怪盗だ。湯山監督によれば、おしゃれ泥棒というイメージになるそうで、台本を読んだ神田うのさんは、おしゃれ、宝石好き、楽観的、そしてセクシーなところが私に似ているという印象を持ったとのこと。会見ではピカチュウの大ファンであることを公言し、毎朝ピカチュウの目覚まし時計を利用していることまで披露した。

　 　釈由美子さんは「大泥棒という悪役をやることになったんですが、台本をよく読んで、しっかりと演じきりたいと思います」と一生懸命なコメント。ポケモンについては、「まだまだ初心者なので、この映画を通じて神田うのさんのようなポケモンフリークになりたい」と話していた。

　一昨日、日本橋のポケモンセンターでいろいろ揃えてきたというグッチ祐三さんも黄色を基調としたいでたち。代々街を守っているという守り神ボンゴレという役どころだが、最初はその名前からコックの役だと思ったと話して会場の笑いを誘っていた。

　優香さんは、短編の「ピカ★ピカ 星空キャンプ」のナレーションを務める。はじめての経験となるナレーターに意欲を見せていた。優香さんのお姉さんの子供がポケモン好きと言うことで、きっと喜んでもらえると顔をほころばせた。

姉妹の宝石泥棒ザンダーとリオン役の神田うのさん(左)、と釈由美子さん(右)。姉妹役とはいえ今日が初対面というおふたりだが、公開日の舞台挨拶には役どころのコスプレで行こうか? というコメントもあって息の合ったところを見せていた	ピカチュウを意識してコーディネートしたという神田うのさんの衣装。ツメも春に向けて流行るというフレンチネイルを黄色と黒のピカチュウカラーにして、会見に臨んだという	胸にピカチュウのバッジとワッペンを付けて登場したグッチ祐三さん。笑いを誘うコメントを連発して、会場を盛り上げた。ポケモンはやっぱりピカチュウが好きとのこと
「ピカ★ピカ 星空キャンプ」のナレーションは優香さんが担当。音楽とナレーションでつづられる短編だけに、優香さんの役割は重要だ。映画には人気のピチュー兄弟が再び登場する	主人公サトシ役の松本梨香さんは「ロケハンの舞台となったベネチアは私も一度行ってみたい場所。サトシと一緒に旅をしながら、いろいろな経験を分かち合えたらいいな」とコメント。そんな気持ちでたくさんの人に見て欲しいという	記者発表の司会は、子供向け情報バラエティ「おはスタ」でお馴染み、元祖「オハー」の山寺宏一さんとテレビ東京アナウンサーの家森幸子さんが担当した

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(c)2002 ピカチュウプロジェクト

□東宝のホームページ
http://www.toho.co.jp/
□「水の都の護神 ラティアスとラティオス」のページ
http://www.pokemon2002.jp/

(2002年1月30日)

[Reported by 矢作　晃 (akira@yahagi.net)]