バンダイ、ネット世界を中心に展開する
壮大なRPG「.hack 感染拡大 Vol.1」、アニメDVDを同梱

6月 発売予定

価格:5,800円 (OVA同梱版)
   3,800円 (ゲームのみ)


OVAの一場面
 株式会社バンダイは2001年秋の東京ゲームショウなどでその存在だけは公開していた謎のプロジェクト「.hack」の内容を公開した。「.hack (ドットハック) 」はプレイステーション 2用ゲームを中心にオリジナル・ビデオ・アニメ (OVA) やTVアニメーション「.hack//SIGN (ドットハック サイン) 」など多方面に展開する巨大プロジェクトとなる。

 ゲームは、「.hack」のゲームパッケージにOVAを同梱し、5,800円で発売される予定。全4巻構成で、1巻目の「.hack 感染拡大 Vol.1」が6月に発売されるのを皮切りに、「.hack 悪性変異 Vol.2」、「.hack 浸食汚染 Vol.3」、「.hack 絶対包囲 Vol.4」が順次発売される。2巻目以降の発売スケジュールは決定していないが、約3カ月毎の発売が妥当ではないかとしている。1巻目に同梱されるアニメーションDVDは45分だが、2巻目以降は30分となる予定。また、各巻ともゲーム単体のパッケージとして3,800円のバージョンも用意。ゲームのプレイ時間は1巻あたりが20時間を想定している。ネットワークゲームを題材とし舞台とはなってはいるが、ネットワークゲームではなく、あくまでもシングルプレイのRPGとなっている。

 「.hack」の作品世界の中枢となるのが「The World」というネットワークゲーム。2007年に米国で発売され大人気となり、全世界で2,000万人以上のプレーヤーがいるモンスターゲームという設定。この「The World」がひとつの意志を持った世界となり、暴走を開始。倒せるはずのモンスターが倒せなくなり、進める場所が進めなくなってしまう。主人公キャラクタのカイトはモンスターデータを書き換えてしまう特殊能力“データドレイン (一種のチートのような感じ) ”を駆使して敵を倒し、ゲームの謎に迫っていく。秩序の崩れたネットワークゲームの世界で、プレーヤーは友人を助けるためにデータドレインという“悪の力”を使って正義を行なっていく。

 プレーヤーがゲームでプレイするのはこのカインではなく、カインを操作しているプレーヤーという設定になっている。ここがこのゲームの複雑なところで、プレーヤーは「.hack」を起動すると、パソコンのようなデスクトップ画面が表示される。この画面では壁紙を変えることができたり、音楽を聴いたりといったことが可能なのだという。
 この画面からゲーム「The World」を起動。「The World」の中では他のキャラクタもゲームにアクセスしており、他のキャラとチャットを行ない、メールアドレスを交換し3人でパーティを作りゲームをプレイ。ゲームは基本的にはレアアイテムの収集が中心となるという。フィールドにはダンジョンがあり、そこにはより強力なモンスターがいるかわりにレアアイテムも豊富になっている。戦闘はセミリアルタイムとなっており、背後から急に登場することもあるという。他のキャラとはチャットで作戦を練ることも可能。
 「The World」からログアウトするとゲームでパーティを組んだ他のキャラクタからメールが送られてきて、情報交換を行なったり、BBSコーナーに行けばゲームのヒントが掲載されていたり、新ダンジョンやアイテムの情報などがBBSコーナーに掲載されることもあるという。
 プレーヤーは「The World」でゲームをするだけがゲームではなく、こういったゲームを取り巻く周辺までも含めて「.hack」のゲームとして構成されていることになる。

【スクリーンショット】
ゲーム自体の基本は「ネットワークRPG」をプレイしているライフサイクルそのもの。つまりゲームにアクセスするだけでなく、ゲーム後にメールをチェックして……と言ったところまでゲーム世界となっている

【ゲーム版キャラクタ (かっこ内はTVアニメのプレーヤーネーム) 】
カイト ブラックローズ (ミミル) ヘルバ
オルカ (ベア) アウラ エルク (司)



 ゲームに同梱されるOVAは、逆にゲームの中の世界ではなくゲームを取り巻く世界を描いているという。ゲームをプレイしている一部の人が意識を行なう事件が起こる。主人公はこの原因が「The World」にあると考えゲームを制作しているCC社にハッキングをかける……というストーリーになっている。

 ゲームを含め製作陣が豪華なのも、このプロジェクトの魅力のひとつ。脚本は「うる星やつら」、「起動警察パトレイバー」や「平成ガメラシリーズ」の脚本を手がけた伊藤和典氏。キャラクターデザインは、ガイナックスで「新世紀エヴァンゲリオン」のキャラクタデザインを手がけ現在マンガ版を執筆中の貞本義行氏。アニメーション監督は「ポポロクロイス物語」、「未来警察ウラシマン」、「無責任艦長タイラー」などを手がけてきた真下耕一氏。
 発表会に出席した伊藤和典氏は「ゲームはキャラの概念とプレーヤーが一致しない。そのギャップがチラチラと出るようにしたい」とコメント。「TVアニメ版の主人公は他人とコミュニケーションを取ることが苦手な現代の若者。若者がコミュニケーションをとるのがヘタなのはゲームのせいだと言っている人もいるが、僕はそうは思わない。ゲームで主人公がどう変わるのかを描いてみたい」と抱負を語った。

左から脚本を担当した伊藤和典氏、ブラックローズの声を担当している浅野真澄さん、アニメーション監督の真下耕一氏 バンダイのビデオゲーム事業部ゼネラルマネージャー鵜之澤伸氏 プレーヤーはネットワークゲーム「The World」に登場するカイトを操作するのではなく、それを操作しているプレーヤーを操作するというちょっとややこしいシステムとなっている
「.hack」の中心は2007年に米国で発売され全世界で2,000万人以上が遊んでいるネットワークゲーム「The World」が中心となる ゲームの制作は開発ツールを手に入れてから2年半ほど続けられているという OVAのDVDが付いて5,800円。とにかくチャレンジ価格であると言うことがひとつのポイント

(C)Project.hack

□バンダイのホームページ
http://www.bandai.co.jp/
□「.hack」のページ
http://www.hack.channel.or.jp/

(2002年1月24日)

[Reported by 船津稔]

I
【Watch記事検索】
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】


ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

Copyright (c) 2002 impress corporation All rights reserved.