壇上に立ってXboxについて発表するRobbie Bach氏

開催日：1月7日 (現地時間)

　米国のネバダ州ラスベガスにおいて、消費者向けの電化製品全般を対象としたイベント「CES (Consumer Electronics Show) 」が1月8日から11日まで開催されるのに先駆けて、1月7日、ラスベガス・ヒルトン・ホテルのシアターにおいて米Microsoft会長ビル・ゲイツ氏の基調講演が行なわれた。発表内容はMicrosoftが提案する家庭内でのPCやネットワーク家電の形についてが中心だったが、終了間際にはエンターテインメント要素にからめて同社のゲーム事業担当兼シニア バイス プレジデント兼Chief Xbox Officer (CXO) を務めるRobbie Bach氏によってXboxが紹介され、発売以来すでに150万台を売り、ソフトは1台3本売れている計算になることを強調していた。

Microsoftが提唱しているDigital Decade（「これからのデジタル時代」というような意味のキーワード）の構成要素のひとつにはエンターテインメントがあげられており、Xboxをメインとして考えているようだ。また、Windows XPを通しての家庭内デジタル共有構想でもXboxは重要な位置を占めている

Blackley氏が実際にゲームを動かして見せ、グラフィックの美しさなどを強調

　シアターの壇上の一部にはリビングルーム風なセットがしつらえてあり、大型のフラットディスプレイ下のオーディオキャビネットにはXboxがセッティングされていた。まずは、Xboxではおなじみの同社Xbox Technology Officer、Seamus Blackley氏が登場し、2月22日のXboxの日本発売と同時発売が予定されているセガのストリートアクションアドベンチャー「ジェットセットラジオフューチャー」と、Microsoftがこの春発売を目指して開発中のラリーゲーム「RalliSport Challenge」を実演してみせ、Xboxのハードウェア的な威力をアピールした。特に「ジェットセットラジオフューチャー」ではその高さのあるフィールドと爽快でスピード感のあるアクションに観客から感嘆の声が漏れていた。

　実演の後は、Bach氏がXboxのネットワークサービスが2002年に開始予定であることを発表し、ネットワークサービスが始まるとどういった楽しみ方が得られるのかという、イメージビデオが放映された。

　イメージビデオでは、プレーヤーネームDark Masterなる青年が散らかった部屋でXboxのネット対戦格闘ゲーム（架空のもの）に熱中しているという導入。ヘッドセットマイクを通して変換された野太い声でゲーム内キャラクタになりきり、敗者をばかにするDark Master青年だったが、ランキング一位を獲得して喜びの雄たけびをあげたのもつかの間、その座はCrusaderなるプレーヤーに奪われ、直接対戦でもメタメタにされてしまう。リベンジを誓ったDark Masterはイルクーツクや大阪、ロンドンなどの世界各地にいるプレーヤー仲間に連絡をし、アメリカンフットボールの対戦ゲームで再戦するが、やはりコテンパンに負けてしまうというストーリーだ。最後は、その強い対戦相手が実は可憐な美少女だったという落ちで笑いを誘っていた。

ランキング一位を奪われて頭にきたDarkMaster青年	「SEND Challenge」。ランキングからネット対戦を直接申し込む	だが、対戦相手にはコテンパンに負けてしまう

　世界各地のプレーヤーとの同時ネットプレイの楽しさをうまく表現していたイメージビデオだったが、サービス開始の詳しい日時や、対応タイトル、MSN Gaming Zoneのようなシステムは作られるのか? といった具体的なサービス内容については一切触れられなかった。Xboxのネットワークサービスが実際にどのような姿になるかは、まだまだ先の発表を待たなくてはいけないようである。

　発表の最後でBach氏は「ビデオゲーム市場はアメリカだけでも100億ドル規模であり、映画の興行収入よりも大きいものだし、これからも成長し続けていくだろう。Microsoftにとってもエキサイティングなことであり、これからも注目していきたい」という言葉で締めくくった。

□Microsoftのホームページ
http://www.microsoft.com/
□Xboxのページ (英文)
http://www.xbox.com/xbox/flash/home.asp
□Xboxのページ (和文)
http://www.xbox.co.jp/

(2002年1月8日)

[Reported by 西尾ゆき]