韓国ゲームの総合展「KAMEX 2001」開催
ゲームファンの熱気が伝わる展示会場。韓国製携帯ゲーム機も出展

会期:12月7日~10日 開催

開催場:韓国COEX

 「KAMEX 2001」は、韓国におけるゲームの総合展示会。正式にはKorea Amuse World Game Expo 2001だが、略称としてのKAMEX 2001がイベント名としては大きくクローズアップされているようだ。展示内容はアーケードとPC向けのゲームを中心に、わずかだがコンソール機向けのゲームを含めて、一般的にビデオゲームと呼ばれる全ジャンルを網羅したものとなっている。今回は昨年に引き続いて2度目の開催だ。

 展示会場となるCOEXはソウル市内でも最大のコンベンション施設。いくつかのホテルが隣接するほか、地下には巨大なショッピングモールを備え、地下鉄とも直結している。コンベンション目的以外でも人の流れが多い地域だ。

 取材は週末にあたる8~9日を中心に行なったが、もっとも強く感じたのは来場者、出展者の熱気とでも言うべきもの。我々にとって身近な東京ゲームショウと比較してみれば、展示会自体の運営をはじめ、ゲーム系のイベントには付き物の行列の処理、ブースの運営など、いくらでも荒削りなところが目に付く。しかし、開場と同時に目的のブースに向かってダッシュしていく姿や、隣のブースにはみ出したり、通路をふさいでしまうほどの派手なブースでのデモを見ると (それ自体は決して誉められた事ではないが) 、結果的に洗練されたことで失われてしまった何かを見たような気がした。あえて言うなら、東京ゲームショウの来場者は頭打ちからやや減少傾向。ゲーム市場全体の伸びも減速している。いっぽうで韓国はまさに今が旬の成長産業ということで、数年前の日本を見る思いがさせられる。


■韓国製携帯ゲーム機「GP32」はスマートメディアを採用

 現在、韓国では日本製のゲームコンソールとソフトが正式に流通することはない。もちろん韓国の電気街「龍山(ヨンサン)」に一歩足を踏み入れれば、新品、中古あるいは出所不明のものまで、いくらでもそれらを目にすることはできるが、これらはすべてアンダーグラウンドな位置づけだ。よって、KAMEX 2001におけるコンシューマの出展は極めて限定されたもので、このジャンルで出展されたブースはたったひとつだけである。

 そのひとつがGAME PRAK。オリジナルの携帯ゲーム機「GP32」を出展している。主要スペックは、320×240ドットで3.5インチサイズの反射型カラー液晶を搭載している。ゲームの供給メディアはスマートメディアだ。

 RFモジュールを使って4人まで接続可能なネットワーク機能や、USB接続によるPC Base Station機能、MP3プレーヤーなどユニークな機能も備える。ステレオスピーカーを搭載しMIDI対応なども実現しているようだ。ソフトの供給元は同社に加えてすでに10数社がラインナップ。今回は、そのなかの数社がGAME PARKのブース内で展示を行なっていた。

 「GP32」は、本体および発売中のソフト数本を前述の龍山にて購入することができたので、後日詳細なレポートをお届けすることができるだろう。

□Game Parkのホームページ
http://www.gamepark.co.kr/

これが「GP32」。実際に握ってみたところでは、ゲームボーイアドバンスよりも、ほんのちょっとだけ大きいように感じた。画面は一部で有名な韓国製の“生首ゲー「Tomak」”のキャラクタを使ったシューティングゲーム ゲームの供給媒体はスマートメディアだが、各ソフトごとの容量については不明。これは本体の上部を背面から写したモノだが、スマートメディアの右に電源スイッチ、奥にはUSB端子を備えている こちらは本体の下部。中央にあるのはRFモジュールの接続端子。今回は展示されていなかったが、ここにモジュールを取り付けることで最大4人までの接続を行なうことができるという。奥にはヘッドホン端子も……
ブース内でもっとも人気があったGameParkのRPGタイトル 特にチェーンなども付けず、気軽に出展されているゲーム機本体。それぞれのゲームの遊び方などは、周囲のコンパニオンが教えてくれる GAME PARKのブース外観。確かに混雑もしているが、実は前方に位置する行列は隣のGRVITY「RAGNAROK ONLINE」のベータ版ディスクとグッズをもらうための行列



■PCゲームの出展タイトルは、ほとんどがクオータービューのMMORPG

 韓国における最大のゲームプラットホームと言えるのがPC。各家庭へのPCの普及度も相当なものらしいが、ニュースなどで紹介されるインターネットカフェ「PC房」も、市内にはビックリするほど点在している。聞いてみると、どうやら自宅では親の目もあり、WEBブラウズやメールでの利用が中心になりがち。その分、PC房を利用してオンラインゲームに興じるというのも、韓国ゲーマーの姿のひとつらしい。展示会場のほぼ半分はこうしたPC向けゲームを開発、販売する会社のブースである。

 ざっくりと見渡して見ると、とにかく目にするのはクオータービュータイプのMMORPGばかり。実際に数えたわけではないが、優に8割は占めているかと思われる。もちろんそれぞれに、世界やキャラクタ、ゲームシステムなどが異なるのだが、こうして見せられるとどうも金太郎飴的な印象ばかりが残ってしまった。

 そうした金太郎飴的なMMORPGのなかで、韓国のゲームファンが行列や集団を作っていたタイトルはGRANITYの「RAGNAROK ONLINE」、PHANTAGRAM INTERACTIVEの「SHINING LORE」、SOFTMAXの「MAGNA CARTA」の3タイトル。いずれも大きな袋を配っていて、大抵の来場者はこのいずれかの袋を抱えている。

 「RAGNAROK ONLINE」は、先頃国内のいくつかのサイトでも日本語対応ベータ版の配布を始めたが、その前人気から転送許容量を超えるなどして、サーバーによっては配布の一時停止措置が取られるといったいわく付きのタイトル。ブースには、期待する日本のユーザーから寄せられたイラストやメッセージが、パネルになって掲示されているなど(何故か日本からのものばかり)、日本市場への意欲(日本のユーザーにも期待されている作品と韓国のファンへアピール!?)満々といったところだ。

□GARVITYの日本語対応ページ
http://www.gravity.co.kr/jp/g_main.htm
□SHINING LOREのページ (韓国語) ページ
http://www.shininglore.co.kr/
□SOFTMAXのページ (韓国語)
http://www.softmax.co.kr/

RAGNAROCK ONLINEのステージイベント。GRAVITYに限らず、こうしたステージイベントは必ずといっていいほど、コンパニオンが二人一組で進行をしているのもKAMEXで特徴的な部分(日本では1人だったり、コンパニオンとメーカーのスタッフのペアという構成が多い)。コンパニオンは噂に違わぬ美人揃いだが、そのコスチュームは、どこのブースも日本なら5~6年前のセンス。数年経って、コスチュームが洗練されたらスゴイかもしれない ブースに掲示されているユーザーからのイラストやメッセージ。よく見ると…… なんとすべて、日本のユーザーからのものばかり。韓国での展示会で果たしてその意図は?
前2作品がファンタジックなキャラクタ・デザインであるのに対し、ちょっとFF似のリアルなキャラクタが登場する「MAGNA CARTA」。前評判は相当なようで、ステージイベントもこのとおり。ブース前の通路はほぼふさがってしまっていた 日本ではバンダイがライセンスを受けた、韓国製オンラインパズルゲーム「FORTRESS2」。着ぐるみの限界を超えたサイズのキャラクタの着ぐるみがブース周辺を闊歩していた(さすがに、後で通路の片隅で朽ち果てていたが……)。登録制でクライアントの配布も行なっていたようで、ここにも長い行列ができていた PHANTAGRAM INTERACTIVEのブース。人気を集めているのは「SHINING LORE」とそのグッズ配布だが、ステージに流れる映像に「PHANTOM CRASH」を発見。10月の東京ゲームショウ、Xboxブースでの映像そのままに日本語のキャッチまで入っていた。開発元の元気から韓国でのローカライズのライセンスを受けた模様。そして対応機種にはXboxの文字が……(韓国でのXbox発売は未発表)

□KAMEX 2001のホームページ(韓国語)
http://www.kamex.or.kr/

(2001年12月10日)

[Reported by 矢作 晃]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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