ライトからヘビーまで、幅広いユーザーが楽しめる |
価格:9,800円
株式会社アクアプラスは、携帯ゲーム機「P/ECE (ピース)」を11月30日に発売した。価格は9,800円。今回GAME Watchでは、事前に試作機を借りることができたため、簡単にレビューをしてみた。
「P/ECE」は、携帯して持ち歩くことを前提に作られたゲーム機で、サイズは65×17×101mm(幅×奥行き×高さ)。ポケットに入れて持ち運べる大きさで、重量は67g(電池を入れると92g)。
液晶はFSTNのモノクロ4階調で、128×88ドットの表示が可能。音源にはPWM音源を使用しており、ソフトウェアで多チャンネルの再生もできる。インターフェイスは、USBと赤外線ユニットを装備しており、パソコンとの接続にはUSBを、「P/ECE」同士の通信には赤外線を使用する。
CPUには32bit RISCのエプソン S1C33209 24MHzを採用しており、256KBのSRAMメモリと512KBのフラッシュRAMを搭載している。バッテリは単3電池×1を使用する。
P/ECEのメニュー画面。ここからゲームやアプリケーションを起動することができる |
ダンジョンを探検して敵を倒し、アイテムをゲットするアクションRPG |
予め行動パターンをセットし、自動で戦わせるシミュレーションゲーム |
シンプルなPIMソフト。パソコンでデータを入力し、P/ECEでは見るだけとなっている |
パソコンの「おでかけマルチ」の画面。パソコンでは、アイテム鑑定のほか、日記を見たりメイドロボのプロフィールを見ることもできる |
「マルチ」を様々な土地に「おでかけ」させることで、いろいろなアイテムを手に入れることができる。初めて手に入れたアイテムは、「装飾品?」、「ヘンなもの」などと表示され、そのままでは使うことができない。そこで、パソコンと「P/ECE」を接続してデータを読み込み、パソコン版「おでかけマルチ」の研究所でアイテムを識別しなければならない。
識別が済んだアイテムは、「おでかけ」中に使用したり、装備したり、解体してお金を手に入れて、「マルチ」をパワーアップさせることができる。アイテムを装備させると、ステータス画面の「マルチ」の外見が装備したアイテムに対応して変化する。つまり、ドレスを装備するとドレス姿になり、掃除機なら掃除機を手に取り、眼鏡なら眼鏡をかける。そのためか、本来ならばアイテムはパワーアップさせるために装備させるのだが、ついついアイテムの性能よりも見た目の良さで装備を決めてしまう。この着せ替えはかなりツボにくるのだが、ぜひともカラーで見てみたかった。
ある程度アイテムを集めると、「メイドロボチャレンジ」に出場できる。ロボチャレンジでは各国のメイドロボと戦うのだが、それぞれのメイドが個性的で濃いキャラクタとなっている(ちなみに、個人的にはロシアのメイドロボが最高!)。メイドロボとの対決は、ジャンケン風カードゲームで、かなり運に左右される。あまり育てなくても戦いに勝てるのは良いのだが、ややゲーム性は低く物足りない。
対決に勝てば新しい場所に「おでかけ」できるようになり、対戦した相手のプロフィールなどがパソコン版「おでかけマルチ」に記録される。新しい場所ではよりグレードの高いアイテムが手に入りやすくなる。こうして、チャレンジで対決し、少しずつ「おでかけ」できる場所を増やし、コツコツと「マルチ」をパワーアップさせていく。
プレイしてみて、「おでかけマルチ」の名前にふさわしく、「良くできた携帯ゲーム」という印象だ。空いた時間や移動中など、ちょっとした時にプレイするにはかなりおもしろい。例えば、外出先で「おでかけ」し、自宅に戻ったらパソコンと接続してアイテムの鑑定などを行なうなど、生活に合ったゲームになっている。
また、ある一定の条件を満たせば書き込まれる「日記」や、大会で勝てば増えていく各国のメイドロボのプロフィール、そして「おでかけ」で見つかるアイテムなど、集める楽しさが各所に散りばめられている。アイテムは、「P/ECE」同士を接続してトレードすることもできるので、友達と協力してコンプリートを目指すのも楽しい。
個人的には常に持ち歩きたいゲームなのだが、「本格的なゲームが楽しみたい!」という人には不向きかもしれない。「おでかけ」中、プレーヤーはアイテムを使用する以外のことはできず、基本的に「マルチ」を見ているだけになる。また、ゲームシステムが簡単で、単調な繰り返しになりやすく、「忙しい人が片手間に遊ぶ」ことに向いているゲームだと思う。
じっくりとゲームを遊びたい場合、アクションゲームの「BlackWings」か、シミュレーションゲーム「タンクバトル」をオススメする。
なお、「P/ECE」用ソフトは「P/ECE」公式ホームページで配信されるほか、各メーカーから発売される予定。また、「P/ECE」を使用することでキャラクタを成長させたり、ミニゲームが遊べるWindows用ソフトも発売される。
加えて、「P/ECE開発ツール」が本体に付属し、ライセンスフリーでゲームやツールの制作ができる。そのため、個人でゲームなどを作ってネットで配信することも可能。今後は企業だけではなく、個人からも様々なゲームやアプリケーションが発表されるだろう。「P/ECE」の本当の良さは、いろいろなソフトが出てきてから発揮されると思われる。とりあえず、「ゲームを作ってみたい!」と考えているなら、「P/ECE」にチャレンジしてみてはどうだろうか。
「おでかけマルチ」のメイン画面。アイテムによって、「マルチ」がドレス姿や学生服、水着姿などになる | 「おでかけ」は、最初は「TOWN」にしかいけないが、次第に行ける場所が増えていく | メイドバトルはジャンケンで勝負。勝てばカードに書いてある数字の分だけポイントが入る |
□アクアプラスのホームページ
http://www.aquaplus.co.jp/
□製品情報
http://www.piece-me.com/
(2001年12月3日)
[Reported by 田名網陽平]
|
GAME Watchホームページ |