★ PS2ゲームレビュー ★


タイムクライシス2(+ガンコン2)

  • ジャンル:ガンシューティング
  • 発売元:株式会社ナムコ
  • 価格:9,800円(「タイムクライシス2」単体は6,800円)
  • プラットフォーム:プレイステーション 2
  • 発売日:発売中(10月4日「タイムクライシス2」単体は11月8日発売)

【ゲームの内容】

 なんと言っても飛来する銃弾を避けるシーンが圧巻。アクション映画さながらの撃って避ける爽快さを味あわせてくれる、業務用ガンシューティングの家庭用移植タイトル。PS2専用のガン型コントローラ「ガンコン2」に対応しており、同梱版で登場(単体版は11月8日発売予定)。グラフィックはオリジナルよりさらに向上し、業務用の移植版「アーケード」モードのほか、家庭用ならではの新しいモード「エクストラゲームズ」も充実。買って損の無いお得なセットとなっている。特に、一定条件を満たすと出現する新モード「クライシスミッション」はタイムクライシス特有のシステムで存分に遊ばせてくれるので、必ずこのモードを出現させるまでプレイすることをオススメする。




 軽くて精密な「ガンコン2」と同梱で発売

 本作は、家庭用に移植されるにあたって、業務用さながらの射撃精度を追求した「ガンコン2」でプレイすることで、家庭のテレビでもこれまで以上に精密な射撃ができる。本作と対になっている「ガンコン2」は、従来のPS専用「ガンコン」と比較すると、着弾点の検出の仕方に改良が加えられ、より精度が増した。銃を画面の前で固定してきちんと調整すれば、かなり正確に的を捕らえてくれる。

 また、その形状もさることながら、リロードに使用するボタンの位置が大きく変わり、銃身の先端下部にあったボタンが消えた。筆者はこれまで、利き手(右手)でグリップを握り、反対の手は銃身を下から包むように支えて持っていたのだが、この持ち方ではどのボタンにも指がかからない。かと言って構え方を変えるのは抵抗があった。そこで、1P側のガンコンでプレイする場合、同じ1P側に接続したコントローラは全てのボタンがリロードに対応するので、これを足下に置いて踏むように操作する方法が1番しっくりきた。

 一応様々な持ち方も試した末、左手を右手の上にかぶせて持ち、左手親指をトリガー上部のAボタンに当ててリロードする方法も、最終的にはいいと感じた。「ガンコン2」は非常に軽いので、この持ち方でも狙いを安定させることができる。

 なお、銃底(グリップの下部)にCボタンが配置され、あたかもマガジンの装填をするようなアクションでリロードすることも可能だ。


 撃って避ける爽快感はシリーズを通しての魅力

 タイムクライシスシリーズは、一定区間に区切られたアクションポイントをクリアすることで進行する。区間内の全ての敵を倒すと、画面に「WAIT」と表示されて次のアクションポイントに移動し、「ACTION」と表示されたら行動を再開する。この繰り返しが非常にテンポ良く、漫然と敵を撃退していくのとは違ったリアルな緊張感をもたらしてくれる。

 業務用ではフットペダルを足で押さえて戦闘態勢に入り、これを離すことで物陰に隠れてリロードを行なったが、本作では前述の通りボタンで行なうことができる。シリーズ独特のこのシステムについては、4月20日に発売された「タイムクライシス プロジェクトタイタン」のファーストインプレッションも参照してもらいたい。

緊張感あふれる、戦闘開始の合図。戦闘態勢に入ろう 戦闘開始の合図と共に、素早く敵をなぎ倒していく爽快感がたまらない


 単なる移植にとどまらない充実した「アーケード」モード

 本作には、業務用の移植版である「アーケード」モードと、その他の射撃ゲームがぎっしり詰まった「エクストラゲームズ」が用意されている。

 ストーリーは、ネオダイン・インダストリー社の次世代通信事業によって打ち上げられる衛星の中に、いくつかの軍事衛星がまぎれているという情報がVSSEにもたらされたところから始まる。急遽スパイとして潜入したクリスティー・ライアンは、見事情報を手に入れるが現場を発見されたため現在逃亡中。VSSEは現地にキース・マーティンとロバート・バクスターを派遣し、彼女の保護と情報の受け取りを命じた。
 市街からスタートして運河や列車など様々な舞台で戦闘を行ない、最終的に軍事施設に潜入してラスボスと対決し、軍事衛星を破壊する。

 このシリーズの特徴は、弾丸の最装填(リロード)と遮蔽物に隠れて守りに入る動作が1対になっていること。隠れている間は敵からの攻撃を一切受けないため、銃の操作に不慣れな初心者でも、そこそこ進むことができる。特に初心者が苦手とする敵の飛び道具は無理に相殺する必要がなく、身を隠してしまえばいいのだ。小さな的を射抜かなければならない場合も、隠れて相手の攻撃をやりすごしながら、しつこく狙うことができる。

 赤い服を着た敵が確実にヒットする弾を撃ってくることと、着弾する弾丸は赤いので、赤い色が見えたら即リロードするということが先へ進むポイント。これを意識するだけでもそこそこ先に進めて、回数をこなせばクリア自体もさほど難しくない。ステージ数は全3面、それぞれ3つのエリアに分かれており、エリアもアクションポイントごとに区切られて進行するので、分量的にはコンパクトな印象を受ける。

 クリア狙いで十分楽しめる「アーケード」だが、高得点を意識し始めると楽しみ方がぐっと広がる。速いタイムでゴール地点にたどり着くと高得点が得られるタイムボーナスのほか、どんどん伸びる楽しみを味わえるのが連続ヒットの得点だ。敵に連続で弾を当てると画面上にコンボ数が表示され、多くつなげると高得点。敵1体には最高3発の弾をヒットさせることができて、素早く他の敵を撃てば4発目につながる。これが画面上で常に視認できるのも、わかりやすくて非常にいい。また、コンボは一定時間内に次の弾を対象に当てなければ途切れてしまうため、敵を倒す順番やリロードのタイミングがポイントになってくるのだ。

例えば、アーケードのストーリーを2回クリアすると、残弾数が20発に増やせる

 高得点の理屈がわかっても、クリアだけで精一杯、という人は1度「クライシスミッション」をプレイすることをオススメする。本作はコンティニューの有り無しや難度に関わらず「アーケード」の「ストーリー」をクリアすると、「エキストラゲームズ」に「クライシスミッション」が追加される。このモードは演習を通して、様々なシチュエーションで高得点を上げることや、正確に敵を倒すことなどを学ばせてくれるのだ(詳しくは、後述しているので、そちらも読んでもらいたい)。

「1プレイヤー」に対して「2プレイヤー」では画面が縦に分割されて、それぞれのプレーヤーの視点でゲームを追っていく。この際どうしても、ある程度テレビ画面の大きさが必要となる。画面が小さくなって不満を感じるなら、ちょっと贅沢だが「リンクプレイ」を推奨する。モニタ、PS2本体、ソフトを2つずつと、間をつなぐIEEE 1394ケーブルを用意し接続すれば「リンクプレイ」が可能となり、業務用にかなり近い感覚でプレイできる。

 しかし、家のテレビは14インチで2台も買えない……、でも友達と2人同時プレイしたい、という状況も少なくないだろう。という人のために「ダブルガン」というモードも用意されていて、この際は画面の右側に2コントローラ側の残弾数が表示される。本来2丁拳銃でプレイするためのモードだが「2プレイヤー」で画面が小さくなるのが厳しいと思うなら、このモードを2人でプレイするのもアリだ。

 そして、本作には最初から選択できる「アーケード」と「エクストラゲームズ」のほか、一定の条件を満たすことで、出現する項目が用意されている。各項目は初期状態では選択できず、?や???となっている条件はそんなに厳しくはないので、普通に遊んでいれば勝手に出現してくるだろう。それでも出現しないものは、選択不可能な項目にカーソルを合わせることで条件がわかるようになっている。


 エクストラゲームもボリュームたっぷり

 ガンシューティングは、ガンコンの操作に慣れて射撃が上達すると更に面白くなってくるものだ。「エクストラゲーム」では、楽しみながら射撃の腕を磨くことができる。的を素速く、正確に撃つ能力を高めれば、本編の攻略スピードも上がるはず。また短時間で結果が出るものが多いので、友達と競い合うのにもうってつけだ。以下、3つの「エクストラゲーム」について説明する。
  • 【シューティングレンジ】

     射撃の精密さを競うモード。4段階のレベルが選択でき、レベルによっては複雑に動く的の中央を狙おう。1ラウンドにつき弾は6発使用でき、2ラウンド連続で行ない、その合計ポイントで競う。時間は60秒、たっぷり使っていいので慎重に中央の高得点部分を狙撃しよう。画面からある程度離れてプレイしないとあまり意味がなく、最低1.5メートルほど離れよう。息を詰めて的を射抜く、精密射撃の醍醐味を味わうことができる。言うまでもないが、ゲームスタートまでにガンコン2の調整を納得いくようにしっかり行なっておこう。微妙なズレは、大きく得点に響く。

  • 【クイック&ラッシュ】

     アーケードで人気が高かった、早撃ちゲームの移植。銃口を画面外に向けて待機し、「READY GO!」のかけ声を合図に的を撃つ。弾数に制限があるので、これをオーバーしないようにいかに素速く的を撃ち抜くかがポイントとなる。しっかり狙えば弾切れは滅多におこらないが、上位入賞を目指すと速く撃つことに意識が集中してしまい、正確さがおろそかになりがちだ。素速さと正確さのバランスを取ってタイムを上げていく面白みがある。
     上位に入れば、弾数が1発のみの早撃ち勝負や、制限時間内で的を撃った数を競う早撃ちゲームなどのゲームモードが追加される。

  • 【シュータウェイ2】

     これもアーケードからの移植で、クレイ(円盤)を撃ち落とすゲーム。合図と共に小さいクレイが2つ打ち上げられ、与えられた2発の弾でこれを撃つ。素早く撃てば高得点となる。
     クレーがどこから出現するかわからないので、出現したら瞬時に位置を判断、狙って撃つ、という一連の動作が鍛えられる。そして、放物線を描いて落ちていくクレーがどこに向かって移動していくか読むことも必要だ。1発で確実に1個のクレーを落とさなければならないが、的は見かけよりも意外に大きく感じられる。筆者は1発目から目標物に当てるのが苦手で、1発目のマズルフラッシュの着弾を見てから2発目を調整して撃つことが多かったため、大変練習になった。
     初期状態で遊ぶことができるのはレトロゲームのみで、ハイスコアを出すと、アレンジゲームを遊ぶことが可能になる。アレンジでは出現した手前から画面奥に向かって円盤が打ち上げられ、遠ざかっていくのを追って撃つため、素速さが更に重要となる。遅れを取るとどんどん狙いづらくなるのだ。


 稼ぎプレイの研究にもなる奥深い「クライシスミッション」

 「エクストラゲーム」の中でも、最も作り込まれている印象なのが「クライシスミッション」だ。これは、「アーケード」の舞台やキャラを使って数日に渡って演習(ミッション)をこなしていくというもの。後半に出現するシビアな条件のミッションは、敵を倒す順番や組み合わせを考えることで、パズルのような面白さを味わえる。このモードの出現方法は前にも述べているが、「アーケード」をクリアすると「エクストラゲームズ」の項目に追加される。

 プレーヤーは国際特殊諜報機関「VSSE」に属する1人のエージェントとして、数日間にわたる演習(ミッション)に参加するというストーリー。演習の内容は「23人の敵を全滅せよ」「25,000点以上獲得せよ」「装甲車を破壊せよ」などといったもの。日にちが進むに連れて、次々に難度の高い課題が出題される。
 そして、行き着く先の最終ミッションには何が待ち受けているのか……それは是非自分の目で確かめよう。これをクリアすることで、更に異なるモードが追加されるので是非頑張ってもらいたい。

 そして「クライシスミッション」が面白く感じられれば、一通りクリアしてから「アーケード」に戻ってみよう。最初クリアしたときとは、別の面白みが感じられるかもしれない。

全ての演習をクリアすれば、得点の稼ぎ方も身について「アーケード」の楽しみ方が変わるかも


 エクストラゲームが、思っていた以上に遊べる。昔のアーケードゲームの移植にもかかわらず新鮮に遊べて、シンプルなだけにハマる要素が強い。また、高得点を狙い始めるとキリがないクライシスミッションも、かなり中毒性がある。このタイトルで高性能のガンコン2をみっちり使いこなし、この秋から冬に続くガンシュー・タイトルのラッシュに備えておくというのもいいのではないだろうか。



(C)1995 1997 2001 NAMCO LTD.

□ナムコのホームページ
http://www.namco.co.jp/
□製品情報(タイムクライシス2)
http://www.namco.co.jp/home/cs/ps2/timecrisis2/
□製品情報(ガンコン2)
http://www.namco.co.jp/home/cs/ps2/guncon2/
□関連情報
【8月10日】PS2「タイムクライシス2」リンクプレイ、ダブルガンプレイなど家庭用オリジナルショット公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010810/tc2.htm

(2001年10月25日)

[Reported by 河本真寿美]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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