★ PS2ゲームレビュー ★
■ 軽くて精密な「ガンコン2」と同梱で発売 また、その形状もさることながら、リロードに使用するボタンの位置が大きく変わり、銃身の先端下部にあったボタンが消えた。筆者はこれまで、利き手(右手)でグリップを握り、反対の手は銃身を下から包むように支えて持っていたのだが、この持ち方ではどのボタンにも指がかからない。かと言って構え方を変えるのは抵抗があった。そこで、1P側のガンコンでプレイする場合、同じ1P側に接続したコントローラは全てのボタンがリロードに対応するので、これを足下に置いて踏むように操作する方法が1番しっくりきた。 一応様々な持ち方も試した末、左手を右手の上にかぶせて持ち、左手親指をトリガー上部のAボタンに当ててリロードする方法も、最終的にはいいと感じた。「ガンコン2」は非常に軽いので、この持ち方でも狙いを安定させることができる。 なお、銃底(グリップの下部)にCボタンが配置され、あたかもマガジンの装填をするようなアクションでリロードすることも可能だ。
■ 撃って避ける爽快感はシリーズを通しての魅力 タイムクライシスシリーズは、一定区間に区切られたアクションポイントをクリアすることで進行する。区間内の全ての敵を倒すと、画面に「WAIT」と表示されて次のアクションポイントに移動し、「ACTION」と表示されたら行動を再開する。この繰り返しが非常にテンポ良く、漫然と敵を撃退していくのとは違ったリアルな緊張感をもたらしてくれる。業務用ではフットペダルを足で押さえて戦闘態勢に入り、これを離すことで物陰に隠れてリロードを行なったが、本作では前述の通りボタンで行なうことができる。シリーズ独特のこのシステムについては、4月20日に発売された「タイムクライシス プロジェクトタイタン」のファーストインプレッションも参照してもらいたい。
■ 単なる移植にとどまらない充実した「アーケード」モード 本作には、業務用の移植版である「アーケード」モードと、その他の射撃ゲームがぎっしり詰まった「エクストラゲームズ」が用意されている。
ストーリーは、ネオダイン・インダストリー社の次世代通信事業によって打ち上げられる衛星の中に、いくつかの軍事衛星がまぎれているという情報がVSSEにもたらされたところから始まる。急遽スパイとして潜入したクリスティー・ライアンは、見事情報を手に入れるが現場を発見されたため現在逃亡中。VSSEは現地にキース・マーティンとロバート・バクスターを派遣し、彼女の保護と情報の受け取りを命じた。 このシリーズの特徴は、弾丸の最装填(リロード)と遮蔽物に隠れて守りに入る動作が1対になっていること。隠れている間は敵からの攻撃を一切受けないため、銃の操作に不慣れな初心者でも、そこそこ進むことができる。特に初心者が苦手とする敵の飛び道具は無理に相殺する必要がなく、身を隠してしまえばいいのだ。小さな的を射抜かなければならない場合も、隠れて相手の攻撃をやりすごしながら、しつこく狙うことができる。 赤い服を着た敵が確実にヒットする弾を撃ってくることと、着弾する弾丸は赤いので、赤い色が見えたら即リロードするということが先へ進むポイント。これを意識するだけでもそこそこ先に進めて、回数をこなせばクリア自体もさほど難しくない。ステージ数は全3面、それぞれ3つのエリアに分かれており、エリアもアクションポイントごとに区切られて進行するので、分量的にはコンパクトな印象を受ける。 クリア狙いで十分楽しめる「アーケード」だが、高得点を意識し始めると楽しみ方がぐっと広がる。速いタイムでゴール地点にたどり着くと高得点が得られるタイムボーナスのほか、どんどん伸びる楽しみを味わえるのが連続ヒットの得点だ。敵に連続で弾を当てると画面上にコンボ数が表示され、多くつなげると高得点。敵1体には最高3発の弾をヒットさせることができて、素早く他の敵を撃てば4発目につながる。これが画面上で常に視認できるのも、わかりやすくて非常にいい。また、コンボは一定時間内に次の弾を対象に当てなければ途切れてしまうため、敵を倒す順番やリロードのタイミングがポイントになってくるのだ。
高得点の理屈がわかっても、クリアだけで精一杯、という人は1度「クライシスミッション」をプレイすることをオススメする。本作はコンティニューの有り無しや難度に関わらず「アーケード」の「ストーリー」をクリアすると、「エキストラゲームズ」に「クライシスミッション」が追加される。このモードは演習を通して、様々なシチュエーションで高得点を上げることや、正確に敵を倒すことなどを学ばせてくれるのだ(詳しくは、後述しているので、そちらも読んでもらいたい)。 「1プレイヤー」に対して「2プレイヤー」では画面が縦に分割されて、それぞれのプレーヤーの視点でゲームを追っていく。この際どうしても、ある程度テレビ画面の大きさが必要となる。画面が小さくなって不満を感じるなら、ちょっと贅沢だが「リンクプレイ」を推奨する。モニタ、PS2本体、ソフトを2つずつと、間をつなぐIEEE 1394ケーブルを用意し接続すれば「リンクプレイ」が可能となり、業務用にかなり近い感覚でプレイできる。 しかし、家のテレビは14インチで2台も買えない……、でも友達と2人同時プレイしたい、という状況も少なくないだろう。という人のために「ダブルガン」というモードも用意されていて、この際は画面の右側に2コントローラ側の残弾数が表示される。本来2丁拳銃でプレイするためのモードだが「2プレイヤー」で画面が小さくなるのが厳しいと思うなら、このモードを2人でプレイするのもアリだ。 そして、本作には最初から選択できる「アーケード」と「エクストラゲームズ」のほか、一定の条件を満たすことで、出現する項目が用意されている。各項目は初期状態では選択できず、?や???となっている条件はそんなに厳しくはないので、普通に遊んでいれば勝手に出現してくるだろう。それでも出現しないものは、選択不可能な項目にカーソルを合わせることで条件がわかるようになっている。
■ エクストラゲームもボリュームたっぷり ガンシューティングは、ガンコンの操作に慣れて射撃が上達すると更に面白くなってくるものだ。「エクストラゲーム」では、楽しみながら射撃の腕を磨くことができる。的を素速く、正確に撃つ能力を高めれば、本編の攻略スピードも上がるはず。また短時間で結果が出るものが多いので、友達と競い合うのにもうってつけだ。以下、3つの「エクストラゲーム」について説明する。
■ 稼ぎプレイの研究にもなる奥深い「クライシスミッション」 「エクストラゲーム」の中でも、最も作り込まれている印象なのが「クライシスミッション」だ。これは、「アーケード」の舞台やキャラを使って数日に渡って演習(ミッション)をこなしていくというもの。後半に出現するシビアな条件のミッションは、敵を倒す順番や組み合わせを考えることで、パズルのような面白さを味わえる。このモードの出現方法は前にも述べているが、「アーケード」をクリアすると「エクストラゲームズ」の項目に追加される。
プレーヤーは国際特殊諜報機関「VSSE」に属する1人のエージェントとして、数日間にわたる演習(ミッション)に参加するというストーリー。演習の内容は「23人の敵を全滅せよ」「25,000点以上獲得せよ」「装甲車を破壊せよ」などといったもの。日にちが進むに連れて、次々に難度の高い課題が出題される。 そして「クライシスミッション」が面白く感じられれば、一通りクリアしてから「アーケード」に戻ってみよう。最初クリアしたときとは、別の面白みが感じられるかもしれない。
エクストラゲームが、思っていた以上に遊べる。昔のアーケードゲームの移植にもかかわらず新鮮に遊べて、シンプルなだけにハマる要素が強い。また、高得点を狙い始めるとキリがないクライシスミッションも、かなり中毒性がある。このタイトルで高性能のガンコン2をみっちり使いこなし、この秋から冬に続くガンシュー・タイトルのラッシュに備えておくというのもいいのではないだろうか。
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□ナムコのホームページ (2001年10月25日) [Reported by 河本真寿美] |
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