「グランツーリスモ コンセプト 2001 TOKYO」詳報
機動性のある"コンセプト"シリーズで、グランツーリスモの世界を広げていく

2002年1月1日 発売予定

価格:3,200円

 既報のとおり、東京モーターショーの会場で公開された「グランツーリスモ コンセプト 2001 TOKYO」。その詳細を、同タイトルのプロデューサーである山内一典氏による発表を中心にお伝えしよう。

 SCEIのブース前でマイクやスピーカーを使わず、肉声で「グランツーリスモ コンセプト 2001 TOKYO」を紹介するプロデューサーの山内一典氏は、今回の作品は、これまでのグランツーリスモシリーズとは違う流れであることを強調。いわゆるグランツーリスモはエンサイクロペディア的な作品で、一度作り始めてしまうと一年、二年と製作期間がかかってしまうという。しかし、刻一刻と変わるクルマの状況や、特定の方向性に注目した、言うなれば機動力を持った作品が「グランツーリスモ コンセプト」だと説明した。これまでのグランツーリスモがフォーマルだとすると、コンセプトはカジュアルに例えられるという。

 さらに“2001 TOKYO”というサブタイトルがあるが、これが“2002 ジュネーブ”であったり、あるいは特定のメーカーだけを収録したり、'80年代の日本車だけを集めるなど、さまざまな形でコンセプチュアルなタイトルを継続していきたいとしている。今回はその第一弾ということになる。

 今作に収録される「GT-R Concept」のプロデューサーであるニッサンの田村氏は、バルセロナでの同車の開発中に、完成前にも関わらず、山内氏がどうしても実車を撮りたいとやってきたエピソードを披露。山内氏の熱意でこれ(GT-R Conceptの収録)はオーケーになったようなものと、同車収録の過程を明かした。

 また「DUALNOTE」を担当するホンダの秋本氏は、毎回コンセプトカーを東京モータショーに出品しているが、展示してあるモデルを見るだけではお客さんは十分に納得してくれないだろうという気持ちがあったという。例えば、ジャーナリストに実車へ乗ってもらい、そのインプレションを紹介するという方法も考えたが、それ以上の方法としてグランツーリスモに目をつけたということだ。そして、山内氏とグランツーリスモへ、曰く"熱いラブコール"を送り実現にこぎつけたいう。「DUALNOTE」は、モーターによるアシストや、四輪の独立制御など、さまざまな試みがなされているが、それらがゲーム上で再現された。すごく楽しいクルマの体験ができると、まさに念願かなったという表情でコメントしていた。

 さらにソニーの野々川氏は、ソニーとトヨタという異業種でのコラボレーションモデル「pod」を紹介。クルマの方向性としてグランツーリスモからはかけ離れる部分もあるが、何よりいちユーザーとして、モニタのなかでpodが走ることを楽しんでいるという。同氏によれば、「グランツーリスモ コンセプト 2001 TOKYO」上のpodは、実際のpodであればこう動くであろうということをすべて再現しているとのことだ。例えば、レース中に後ろから接触されて少し悲しんだり(LEDによるイルミネーションがブルーに)、ストレートを快調に走っていると喜んだり(LEDがオレンジに)するという。

 もちろん会場内には「グランツーリスモ コンセプト 2001 TOKYO」に登場するコンセプトカー、プロトタイプカーが出展されている。実車を見てからプレイするか、プレイしてから見るか、それはユーザー次第。今回は、ゲーム上のクルマの画像データと、会場で撮影した実車の画像を一緒に掲載している。会場に足を運ぶ前に、夢のコンセプトカーを見比べてみよう。

 なお、現時点での「グランツーリスモ コンセプト 2001 TOKYO」への収録車種は20車種。コースは、お馴染みの246をはじめとして5コースがアーケードモードで楽しめるようになっている。なお、こうした仕様は発売までにやむをえず変更される可能性もあるとのことだ。

いつものように、熱くクルマへの思いを語るグランツーリスモのプロデューサー兼監督である山内一典氏。今回はSCEIブース前で、肉声での発表となった。ニッサン、ホンダそしてソニー(トヨタとのコラボレーション)の開発スタッフも同席 幕張メッセの中央コンコースに位置するSCEIブースでは、すべてバケットシートに腰をかけて「グランツーリスモ コンセプト 2001 TOKYO」を体験できる。発表当日はプレスデーということで、海外からのプレスも多数訪れている。皆クルマ好きと言うこともあって、実に楽しそうにプレイしていた 24日14:00の解禁目前、パッケージを持ったコンパニオンがブース前に勢揃いした。14:00を待って彼女たちがそれぞれの持ち場に散ると、モニタを覆っていたベールがはがされ、「グランツーリスモ コンセプト 2001 TOKYO」のデモプレイがスタート
今回の東京モーターショーでも最注目のコンセプトカー「pod」。ソニーとトヨタのコラボレーションで、クルマ版AIBOともいうべき存在。クルマと人が一緒に成長していくというコンセプトだ。キー代わりに、小型の情報端末を用いることで、運転の仕方やユーザーの嗜好などを蓄積していく。フロントには多数のLEDが搭載され、点灯する色や形状によってクルマ自体の感情を表現する。フロントもリアもほぼ同じデザインだが、リアにあるアンテナが尻尾のようにクルクル動くのがカワイイ。ゲーム内でもこうしたアクションが再現されているようで、接触したりすると赤くなったり(怒ってる?)、オレンジになったり(機嫌がよくなった?)する。実際のプレイ以上に、リプレイを見るのが楽しみなクルマ
「RSC」は、トヨタのオフロードスポーツカー(コンセプトモデル)。オフロードのイメージどおり、SCEI提供によるスクリーンショットもラリーの1シーン。ゲーム内のクルマのデータと、モーターショー会場内に展示された実車を見比べてもらえば、その忠実な再現ぶりがわかる
ホンダのコンセプトカー「DUALNOTE」。ミッドシップながら4シーターのスポーツモデルだ。資料によれば、パワフルな運動性能と環境性能という相反する要素を融合させることがコンセプト。ツインカムのVTECエンジンにモーターアシスト機構を追加した独自のハイブリッドシステムを搭載しているという。デモプレイ中やスクリーンショットでは、ニッサンのGT-R Conceptとのカラミが多い
ファンにはおなじみのNSXの進化形「NSX-R」。参考出品・試作車としての出展だが、他のTYPE Rシリーズ同様に市販化も近いと思われる。NSXオーナー(実車)も、NSXユーザー(グランツーリスモ)も、ぜひそのレスポンスを疑似体験すべし。ちなみにホンダのクルマはSCEIブースのデモ機では選択できない。ホンダのクルマを試したいときは、ホンダブースへ。ここに5台のプレイステーション 2が待っている
やっぱスカイラインは後ろから撮るでしょ、ってことで「GT-R Concept」。山内氏に、「テスト走行が行なわれたバルセロナまで写真を撮りに行った」と言わしめたこだわりの一台と思われる。SCEIブースで早速試させてもらったものの、パワーがすごくワタシのウデではテール振りまくりで、早々に退散しました。我と思わん方は、是非ハードレベルでぶいぶい言わせてください。言うまでもなく、ニッサンが出展しているコンセプトカー
今回はトヨタと一緒にブースを構えているダイハツの参考出展車「Copen」。ツインカムターボの軽自動車で、市販化も近いらしい。ここで紹介している他車とはカテゴリが違うので、当然ながらスクリーンショットではワンメークレースになっている模様

【スクリーンショット】

※画面写真は制作途中のものです
(c) Sony Computer Entertainment Inc. All manufactures, cars, names, brands and associated imagery materials of their respective owners. All rights reserved.
「GRAN TURISMO」および「グランツーリスモ」は株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントの登録商標です。

□SCEIのホームページ
http://www.scei.co.jp/
□「グランツーリスモ コンセプト 2001 TOKYO」のページ
http://www.scei.co.jp/sd2/gtc/

(2001年10月24日)

[Reported by 矢作 晃(akira@yahagi.net)]

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