セガ、PS2版「バーチャファイター4」を一部公開
ほかにも制作中の新作を続々と紹介

10月12日 発表

 株式会社セガは幕張メッセにおいて行なった発表会「CONSUMER CONFERENCE 2001」で香山哲氏の方針説明に続き、各開発スタジオのトップが壇上に登り、具体的な新作タイトルの発表を行なった。

 最初に壇上に登ったのがソニックチームの中裕司氏。まずは「ソニックアドベンチャー2バトル」について「ソニックはこれまで子供向けにアピールするように作ってきた。今回、ニンテンドーゲームキューブというハードでユーザー層が一致する」とコメント。先日発表されたばかりのGC版「ソニックアドベンチャー2バトル」とGBA版「ソニックアドバンス」の連動機能をビデオで説明し、「ソニックをマリオに並ぶキャラクタに育てたい」と語った。

 続いて「ファンタシースターオンライン」について話が移り、Xboxでの「ファンタシースターオンライン」制作が発表された。現状、決定してからまだ間がないようで、「ブロードバンドを使うので新しい試みができる」というコメントに終わった。
 また、ゲームキューブ版に関してはアスキーと共同でキーボードコントローラを制作中であることが発表された。おもちゃ感覚でゲーム機のためのキーボードを制作中だという。発売はソフトと同時発売を予定。

新規タイトルの説明を行なう中裕司氏。Xboxのファンタシースターオンラインは「ブロードバンドの良さを出したい」とコメント ゲームキューブの「ソニックアドベンチャー2バトル」でゲームボーイアドバンス型の転送機にチャオを入れるとGBAに持っていくことができる どんどんと世界が広がる「ファンタシースターオンライン」

 次はワウ エンターテイメントの中川力也氏がビデオを流しながら新規タイトルを説明。「segaGT 2002」はHDDを使いネットワークに対応させ、追加の車を提供するなどの楽しみを継続的に提供する予定だという。このほかにもアペンドディスクも発売したいとコメント。香山氏は「『segaGT 2002』をグランツーリスモに真っ向ぶつけて勝ちたい」と強気な発言がこのタイトルに掛ける意気込みを語っている。

 もうすぐアーケードでリリースされる「犬のおさんぽ」も紹介され、来年にはコンシューマ展開を考えているという。もちろんアーケードそのままではなく、違った展開を考えているという。そしてナムコからリリースされる「ヴァンパイアナイト」も制作はワウ エンターテイメントであるが、他社との共同製作にも触れ「今後も一緒にといったお話はさせていただいております」とコメントした。

 そして次に壇上に立ったのがヒットメーカーの小口久雄氏。小口氏は「ダービーオーナーズクラブ オンライン」のPC版の制作を発表。社内LANで一通りのゲームが遊べる段階まで制作は進んでいるという。小口氏は「もう40歳をすぎて大人のゲームを作ろうと思っている」と説明を始めた。1サーバー5,000アカウントで、アカウントを取ると必ず自分の厩舎を持つことができる。プレーヤーは最強馬を作るため、調教などを行なっていく。ただし、それだけではなく、トレーニングセンターにはクエストやイベントを伝えるキャラクタが登場したり、ギャンブル場があったり、ショップ、コミュニケーションの場などが設けられ、ゲームの世界で生活をするような感覚だという。

 もちろんレース番組は24時間中30分に1回程度の割合で組まれておりリアルタイムに競馬を楽しむことができる。レースは自動に行なわれるが、一方で、ムチと押さえをリアルタイムで馬に伝える、ジョッキーの役目も自分で行なうことができる。レースシーンと調教シーンはダービーオーナーズクラブの3Dグラフィックをそのまま実現しているので、迫力ある3Dグラフィックを楽しめる。ただし、たくさんの人がアクセスする街中のシーンは残念ながら2Dとなる。

 なぜPCを選択したかの理由は「ネットワークゲームは2年ほど継続して楽しみを提供しなければならない。そのためにはデータやパッチをリリースしなければならない。それはPCがよいと考えたので」と技術的な理由を挙げ、一方で、ネットワークに接続しているマシンが圧倒的に多いこと、ゲームはしないけどPCは触っている人が多いという数の面での理由についても触れた。

 リリースは「2002年のひまわりの花が咲く頃」ということで、まだ少し先となる。また、PCでリリース後、コンシューマ展開も考えていくという。

ワウ エンターテイメントの中川力也氏。「犬のおさんぽ」をコンシューマ展開するとか ヒットメーカーの小口久雄氏。現在開発中のPCネットワークゲーム「DOCオンライン」を熱を込めて説明。競馬ゲームのオンライン版。かなり規模の大きなものになる予定

 ゲームソフトの開発関連では最後に登壇したのが鈴木裕氏。もちろん話は「バーチャファイター4」のプレイステーション 2版の進捗状況で、香山氏に「1月31日発売でしょ?」と詰め寄られて絶句するシーンがあった。コンシューマゲーム機ならではの展開としては細かいトレーニング機能とA.Iキャラクタを成長させていく2点が上げられた。
 トレーニング機能はコマンドトレーニングなど、全くの初心者でもこのトレーニングを積むことで徐々にうまくなるよう徹底的に作り込まれているようである。ただし、上級者が遊べないものではなく、与えられた課題をクリアするようなものも用意されており、上級者でも遊び応えのあるものを目指しているという。
 もうひとつのA.I.キャラの育成だが、プレーヤーがA.I.キャラを戦わせ戦い方の個性を育てていく。単純に起きあがり時にどう行動するかを○×で答えるだけで個性が際だっていくという。もちろん自分で直接戦うことで、A.I.キャラはその戦い方を学んでいくので、徹底的に教え込ませることも可能。そうやって作り上げたキャラクタは他のプレーヤーなどと戦わせることができるという。
 このほかにもキャラクターの髪の色などを変更することができるキャラクリエイト機能といった機能も用意されている。

 そしてXboxへの参入に関しては、慎重に言葉を選びながら「まず『シェンムーII』を北米でリリースし、技術を蓄積した上で本格的に行こうと思う」とコメント。もちろんXboxを使った基板に関しても前向きで、「アウトラン2」を制作。このほかにも「バーチャ……」といったセリフも聞かれた。

おなじみ鈴木裕氏。バーチャファイター4のPS2版を説明。AIバトルが熱そう。1月31日発売はキビシイか? 「バーチャファイター4」のメニュー画面。もちろん変わる可能性もあるが、現状「サバイバル」や「トレイニング」、「A.I. System」といった文字が見える Xboxへは「シェンムーII」を供給。ただし1作目を含めるかなど現状未定な部分が多い。第2弾は「バーチャ……」だとか

 最後は営業関連の話題だが、ここでも新規制作中のタイトルが続々公開された。たとえば2002年にはあの3Dシューティング、「パンツァードラグーン」の完全新作をXboxでリリース。ゲームキューブとPS2で「エターナルアルカディア」をリリース。PS2ではこのほかにも「カルドセプトII」、「ハンドレッドソード」、「エアロダンシング4」などをリリース。PSでは「シャカっとタンバリン」という具合にかなりのタイトルがリリースされる予定だ。来年に向けて圧倒的なパワーを炸裂させるセガ。ユーザー側も遊ぶのに大変な一年となりそうだ。

2002年1月の主要タイトル。ここでも「バーチャファイター4」が。営業サイドとしてはどうしても出して欲しいところだろう 2月は「スペースチャンネル5 Part2」のPS2版。をリリース。Xbox同時発売タイトルは「ジェットセットラジオフューチャー」のみ 3月はXboxの「GUNVALKYRIE」と「segaGT 2002」。「segaGT2002」については「グランツーリスモ以上のものを狙う」と香山氏
人気シリーズだった「パンツァードラグーン」の完全新作の開発がスタート。2002年にXboxでリリース予定 PS関連だけでこんなにも多くの新規タイトルが用意されている。来年はセガのソフトラッシュとなるか?

□セガのホームページ
http://sega.jp/

(2001年10月12日)

[Reported by 船津稔]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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