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★ PCゲームレビュー ★
2000年4月にPS版で発売されて大旋風を巻き起こした、女性向け和風恋愛アドベンチャーの続編。 主人公は現代でごく普通の生活を送る、高校1年生の少女。それがある日突如「龍神の神子(みこ)」として、異世界「京」に召還されてしまう。この時から主人公は神子としての使命を背負い、数々の決断を迫られる中で八葉との出会いを果たしながら、怨霊のはびこった町を浄化していく。「京」に災いをもたらす者との戦いの中で、自然に生まれる八葉との恋の感情……和風ネオロマンスの名が示すとおり、時空を超えた運命の恋が今ここに再び始まる。
■ 女性をのめり込ませる要素がぎっしり 本作で共に戦うこととなる新しい八葉との出会い方は、前作よりも更に劇的になっていて期待感をあおってくれる。しかし、前作と大きく違うのは、八葉同士が2つの勢力に分かれて反目し、互いに認め合おうとしないところ。これもあって、プレーヤーの選択によって物語は冒頭から様々な方向に分岐し、何度でも楽しめる作品になっている。
ゲームを進める目的は、大雑把に言って「京」に災いをもたらす敵を倒すことと、主人公がもとの世界に戻ることだ。しかし、怨霊との長い戦いのさなかに育まれる、八葉とのラブロマンスがこのゲームの真骨頂。八葉とは、龍神の神子を守る役目を与えられた8人の男性のことで、最初は本人たちがそのことを自覚していない。彼らと出会って仲間になってもらい、信頼と絆を深めつつ来るべき決戦のために力を蓄えていくのだが、このとき生まれる彼らとの触れ合いは、時にはプレーヤーを心地良い気分にしてくれたり、時には理解しにくい言動で翻弄したりする。 恋愛と名の付くカテゴリーのタイトルに重要なキャラクタの魅力は十分あり、ぐいぐいと引き込んでくれるシチュエーションも数多い。性格も歳も様々な八葉は、8人それぞれ主人公へのアピールの仕方も違っていて、女性プレーヤー層を広くカバーしている。水野十子の描く美麗イラストは、キャラの感情にあわせて何枚も用意されていて適宜切り替わるし、豪華な声優陣の演技もプレーヤーを熱中させてくれる。戦闘シーンやミニゲームに至るまで、女性の心理をくすぐる演出がこれでもかというくらい、ふんだんに盛り込まれているのだ。八葉の存在を身近に感じさせる工夫が、全編を通して細部からも感じ取れるのが好印象だ。
他には、八葉の好みの物を使用して気を引くという方法がある。たとえば八葉の好みのお香を焚くことや、好みの紙に好みの花を添えて文を送ることなどで、八葉の気を引くのだ。八葉が時折ぽろりと吐露する好きな物をチェックしておき、それをうまく利用するのがポイントだ。
より一層深くなった物語は、ゲーム全体の流れを進める「メインストーリー」部分と、八葉それぞれとの関係を深める「恋愛ストーリー」部分から成り、この2つが絡み合いながら「遙か2」の物語は展開していく。八葉の中にひとりでも気に入った相手が見つかれば、どんどんのめり込めるだろう。また、特に固執するキャラがいない場合などは、途中で仲良くなった八葉と自然の流れに身を任すのもいいし、メインストーリーのみを追ったストイックな攻略をするのももちろんアリだ。 ■ 甘く切ない物語が、今始まる ゲームがスタートしたら、主人公の名前、誕生日を入力しよう。主人公は星の一族紫姫の館を拠点として活動を開始する。町の様々な土地を散策して、早く八葉を集めよう。
舞台となる「京」とは、一体どのような場所なのだろうか。この時代の「京」は「院」の勢力と「帝」の勢力が対立し、貴族達を巻き込んで町を2分している。平穏とは言えない状況にあるこの町同様、八葉も2勢力に分かれている。主人公はと言うと、やはりどちらかの勢力につくことになるため、反対派勢力の4人は最初はなかなか仲間になってくれない。また町では、主人公とは違う少女が龍神の神子であるとの噂が流布していて、みなが神子とは認めてくれないのだ。初っぱなは多少厳しい状況が続くが、しばらくは院と帝双方の八葉に強力を得るために「京」を東奔西走しよう。
どちらの勢力につくかは、最初の選択が重要なキーになっている。まず最初の選択によってどの四神の加護を得るかが決定し、更にその少し後の2択によって、天と地どちらに付くかがきまる。天なら院側、地なら帝側に属することになる。つまり、この選択で最初に出会う八葉も変わってくるというわけだ。 ■ 雅やかな京の町、ここで行なう様々なこと それでは、「京」の町で行なうことをもっと突っ込んで見ていこう。具体的には、怨霊の退治、町に住む人々からの情報収集、ミニゲームで道具を入手することの3つになる。町の中での移動は、特別な場合を除けば1日に3ヵ所まで移動することができ、土地に怨霊が居て戦闘をした場合は1回の移動とみなされる。3回移動すればその日は暮れて終了し、紫姫の館に戻らなければならない。
怨霊を退治すれば、やっとその土地に入ることができる。怨霊は五行の力を使って封印しない限り、時間の経過とともに復活してしまうが、封印できるようになるのは暫く後なのでとりあえず様々な土地の怨霊を退治して、八葉に術を習得させていこう。
■ 緊張感あふれる戦闘中の応援システム
メインストーリーを進めるにあたって、戦闘シーンは避けて通れない。この面倒になりがちな戦闘シーンにも、ロマンスの要素が盛り込まれていて飽きさせない。
また、本作から「応援合詞(おうえんあわせことば)」というシステムも加わっている。簡単に言うと1人の八葉に連続して応援語をかけてコンボを成功させれば、気力増大の効果が上がるというシステム。その八葉に適した応援語を組み合わせて、効果的に気力を増大させよう。
ある部分では、実際の世界で自分が取るべき言動を示唆してくれ、またある部分では現実ではありえない夢を叶えてくれる。八葉を身近な存在に感じさせてくれるのが丁寧に作り込まれている証だと思うし、ファンの支持の多さもそれを示している。
(c)2001 KOEI Co.,Ltd.
□コーエーのホームページ (2001年10月5日)
[Reported by 河本 真寿美] |
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