★ PCゲームファーストインプレッション ★
英国最大のゲームパブリッシャーEidos Interactiveが放つ本年度最大のタイトル「Commandos 2:Men of Courage」が欧米でついに発売された。シリーズ3作目となる本作は、クォータービュー視点のプレイスタイルはそのままにフル3D化を果たし、北極や日本のミッションも含まれるなど、全方位的な拡張が施されている。日本子会社アイドス・インタラクティブより完全日本語版の発売も11月30日に予定されている。今回は英語版を用いたファーストインプレッションをお届けする。
■ 丸ごと再現された軍事拠点を俯瞰視点から攻略する
このような本来ならFPS(First Person Shooting)に最適な要素を、RTSの土台で組み上げたところにシリーズの醍醐味があるわけで、その魅力の根元となっている画面数十枚分(1,024×768ドット表示で)のフィールドマップは「Commandos 2」でいよいよ広くなり、提供メディアもついにCD-ROM3枚組までふくれあがり、フルインストール時で2.5GBの空き容量が必要という、文字通りの超大作に仕上がっている。3枚組で2.5GBというと、これも大作のRPG「Baldur's Gate」シリーズがある。こちらもクオリティの高い2Dマップに容量をたっぷり使った作品だが、「Commandos」シリーズが凄いのはマップ全体に定期巡回を行なう警備兵が待ちかまえ、地雷や警報機といったワナが仕掛けられているところで、マップ全体が単なる風景や景色ではなく、凄まじい緊張感で満たされている。
さらに「Commandos 2」では、マップ上のすべての建物の内部に入ることができるほか、水中に潜ったり、電柱に登って電線を伝ったり、はたまた建物の壁を伝って警備兵の巡回をかわしたりなど、敵地へ侵入を果たすための選択肢が膨大な数用意されている。いずれにしても、敵に発見されるやいなや、建物という建物から続々と武装兵が出現し、蜂の巣にされて一巻の終わりとなる。任務を遂行するためには、敵の行動パターンを完全にマスターし、こちらが取れるあらゆる行動のひとつひとつを吟味推考したうえで、迅速な行動を取らなければならない。基本的に制限時間はなしで、また正しいルートもひとつだけではないというところもおもしろさのひとつで、1ステージを何度でも楽しむことができる。
■ 痺れる難易度! 「Commandos 2」のチュートリアルは実戦形式
「Single Player」を選択すると、いきなりキャンペーンミッションが始まるのかと思いきや、そうではなくしっかり2本のチュートリアルをプレイさせられる。ちなみに前作のチュートリアルは、特殊部隊の訓練場のようなものが用意され、そこで各隊員のスキルの効果的な使い方をひととおり学ぶことができた。ここでいう「スキル」とは、特にGreen Beretの「Knife」、Sniperの「Sniper Rifle」、Marineの「Aquagun(水中銃)」など、各隊員固有の特殊技のことを指す。
で、「Commandos 2」のチュートリアルは、いきなり実戦形式となっており、「Training Camp 1」は、SupperとThiefの2人で敵司令官を含めたドイツ兵の一掃を狙う。マップの大きさは1,024×768ドット表示で、だいたい1画面弱ほど。マップ中央には画面を横断するように鉄条網が引かれ、鉄条網の先には地雷が敷き詰められている。鉄条網の手前に4名の偵察兵が銃を片手に巡回しており、スタートポイントは手前の茂み。手持ちの武器はSupperがピストルとマインスイーパ、Thiefがロックピックアイテムのみ。「えー! これでホントにクリアできるの?」というシチュエーションである。
Commandosは、第二次世界大戦をモチーフにしたパズルゲームという見方すらできるゲームで、マップをじっと睨みつつ、頭をフル回転させて正しいルートを導き出す、この過程が楽しくてたまらないゲームだ。なお、「Training Camp 1」をクリアするための最大のポイントは、新キャラであるThiefの運用法にある。彼のスペシャルスキルは「電信柱を登って電線を渡れる」というもの。それに気づくと一気に解答が見えてくるはずだ。
■ 「Training Camp 2」には戦車も登場! ますますおもしろいチュートリアルステージ
登場キャラはGreen Beret、Supper、Driverの3名。スタート地点は、主戦場から1段降りた未舗装の赤土地帯で、戦場に上がるためにはマシンガンを構えたドイツ兵が防衛戦を展開している階段を利用しなければならない。戦闘中であるため、今回は自由に銃器類が使用できる。しかし、手持ちの武器はピストルと火炎瓶のみ、といった状況。 このステージは、主人公格のキャラであるGreen Beretがメインになるため、前作をプレイした人ならラクにクリアできるに違いない。彼は敵の背後から音もなく刺殺できるナイフを使用でき、ピンチになるとスコップで穴を掘って隠れることができる。さらに銃弾が数発当たっても死なないタフさを備え、ある程度の銃器を扱うことができるという、乱戦では圧倒的な強さを発揮するキャラクタだ。
このステージは、彼が大車輪の活躍をすることで目的の小屋までたどり着くことができる。ポイントなのはラストに登場するドイツ戦車の対処法で、これはEidos UKのBBSでも話題になっていたが、戦車はバズーカクラスの兵器でなければ破壊することができず、バズーカはこのステージでは手に入らない。しかし、戦車を破壊しなければクリアにはならない。もっとも、マップ上にはさまざまなアイテムが落ちており、それを有効に使うことで破壊できる。トドメを刺すのはあらゆる兵器の使用に精通したSupper、というわけだ。
たとえば、「Night of The Wolves」では、囚われれの身となっている負傷兵とコンタクトを取ること、エニグマを盗み出すこと、ドイツ軍の潜水艦基地に勤務している米軍のスパイNatashaとコンタクトを取ること、の3点がメモに記されている。負傷兵とコンタクトを取ることで犬のWhiskeyが仲間になり、Natashaとコンタクトを取ることで、エニグマを盗み出すまでの具体的な手順が明らかになり、彼女そのものが仲間として操作可能になる。彼女の特殊スキルはドイツ軍の服装を着込むことで、ドイツ兵の監視をかわすことができることで、敵地に堂々と踏み込んで、鉄条網に流れる高圧電流を切ったり、ワインに眠り薬を入れたりできる。ただし、一定時間が経つとバレるようになっており、その行動は迅速に行わなければならない。
エニグマを盗み出すまでの手順は非常に込み入っており、メモ帳に記された手順をひとつひとつこなしていくのがたまらなくおもしろい。特にエニグマを盗み出すシーンは非常に劇的で、欧米での評価どおりの大作だと実感した。正直に告白すると、私自身まだ「Night of The Wolves」までしかクリアしておらず、早く続きをやりたくてしょうがない気分でいっぱいである。ちなみにマルチプレイは、参加隊員の人数分のプレーヤーとの協力プレイが楽しめる。ただし、プレイできるステージは、ホストとなるユーザーがクリアしたステージのみとなっている。日本語版まであとひと月余り、もうしばらくの辛抱だ。
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□Eidos Interactiveのホームページ http://www.eidosinteractive.co.uk/ □「Commandos 2:Men of Courage」の公式ページ http://www.eidosinteractive.co.uk/games/embed.html?gmid=78 □関連情報 「Commandos 2:Men of Courage」Streaming Video http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010928/demo0928.htm (2001年10月4日)
[Reported by 中村聖司] |
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