★PS2・DCゲームレビュー★

CAPCOM VS. SNK 2 MILLIONAIRE FIGHTING 2001

  • ジャンル:格闘アクション
  • 発売元:カプコン
  • 価格:6,800円(PS2版モデムパックは9,800円)
  • 対応プラットフォーム:プレイステーション 2・ドリームキャスト
  • 発売日:発売中

【ゲームの内容】

 CAPCOM、SNK、両社の格闘アクションのキャラクタ達が一同に介して戦うミリオネアファイティング2001。勝負の方法は、さまざまな格闘スタイルが集う異種格闘技戦だ。44人のキャラクタ達が、1名から3名までのチームを組んで挑んでくる。キミはこの大会で頂点に立つことができるか!?




 アーケードで稼働中の最新格闘アクション「CAPCOM VS. SNK 2 MILLIONAIRE FIGHTING 2001(カプエス2)」が、早くもPS2とDCの2機種で登場! アーケードを忠実移植した“アーケードモード”に加え、必殺技や連続技の練習ができる“トレーニングモード”や、キャラクタを自分好みの色に変えることができる“カラーエディットモード”など、業務用にはない多彩なモードを搭載している。さらに“マッチングサービス”を利用した通信対戦もパワーアップしており、本作ではPS2とDCをサーバー上で繋いでの異機種間通信対戦を実現! ネット対戦の常識を変える注目作だ。


 初心者にはわかりやすく、マニアには深く

多様なシステムを用意することでさまざまなプレイスタイルに対応している意欲作。ライトに遊ぶかマニアックにいくかはキミ次第
 対人戦を前提として、根底となるシステムを成長させてきた2D格闘アクション。その内容は、プレイヤーのプレイ技術の進歩に対応するべく、より高度で複雑なものに変化している。こうしたシステムの進化はプレーヤーによって望まれて生まれ出でた部分が大きいのだが、プレーヤーは次々と発売される新作対戦アクションのシステムにいち早く適応しなければならないため、少なからずついていけないプレーヤーも存在する。

 この「カプエス2」は、カプコン、SNK両社の格闘アクションの多様化したシステムを統合しようと試み、それを見事に成功させている。両社共通のジャンプやガードといったシステムはそのままに、ゲームごとの固有システムを“グルーヴ”という形でプレーヤーに選択させることにより、各々のプレーヤーが好みのスタイル(システム)で戦うことができるのだ。
 グルーヴは初心者向けのものからマニアックなものまで用意されており、それぞれが異なった強さを持つ。これにより、システム面での“初心者と上級者の壁”は緩和されたといえる。初心者はわかりやすいグルーヴやキャラクタを選択し、上達したプレーヤーはマニアックなものを選択する。「カプエス2」は、一見マニアックなゲームに見えてしまうが、こうした多くのプレーヤーを取り込む工夫がなされていることに注目してほしい。


 気になるアーケードとの相違点は?

家庭用版だけに登場する2人、殺意の波動に目覚めたリュウとツキノヨルオロチノチニクルフイオリ
 本作はアーケード版の移植作品となるわけだが、やはり気になるのはその移植度合いと、家庭用ならではのプラス要素。「カプエス2」では、家庭用でしか遊べない様々なフューチャーが用意されている。
 まず“アーケードモード”の移植度だが、これはPS2版、DC版ともになんら遜色なし。PS2は母体となる基板が違うために心配されたが、いらぬ心配だったようだ。データのロード時間はPS2版、DC版ともに、ほとんど気にならないレベル。PS2版はPS2専用ハードディスクに対応しているので、データをPS2本体のハードディスクにインストールしてしまえば、ロード時間を気にせずプレイできる。
 家庭用オリジナル要素としては、デフォルト44人のキャラクタに加えて、前作にも登場した“殺意の波動に目覚めたリュウ”と“ツキノヨルオロチノチニクルフイオリ”が使用可能となっている。


 ゲームモードは、アーケードモードのほか“サバイバルモード”、“VSモード”、“トレーニングモード”、“カラーエディットモード”、“リプレイモード”、“オプションモード”、“ネットワークモード”といった充実のモード7種類が用意されている。

 トレーニングモードは連続技の練習に使えるほか、与えたダメージやスタン(気絶)の数値を見ることができたり、自分のレバー入力を確認できるオプションも付いている。また、ダミーの相手は立ちやしゃがみ、ジャンプといった行動だけでなく、任意の行動を記録(REC)して再生(PLAY)することもでき、ブロッキングやジャストディフェンスといったグルーヴ固有のシステムを練習するのにも活躍してくれる。

 VSモードは、アーケードと同様のレシオ対戦に加え、3on3戦やシングル戦を選択可能。VSモードの対戦内容は、プレイ内容をセーブしておくことでいつでもリプレイモードで再生できる。カラーエディットモードで作成したオリジナルカラーのキャラクタは、すべてのモードで使用が可能だ。

ありとあらゆるユーザーライクな機能を備えたトレーニングモード。苦手な連続技などを集中的に練習できるのがうれしい 前作にもあったカラーエディットは本作でも健在。デフォルトカラーに納得いかないならば自作にチャレンジ


 PS2とDCの異機種間ネットワーク対戦

マルチマッチングによるネットワーク。対戦するまでの接続時間がやや長い(1~2分)がプレイ中のストレスはない
 さて、気になるところといえば「カプエス2」にて初めて可能となったPS2、DCの両機種を通じてのネットワーク対戦。これはゲーム業界としても初の試みであるため、要注目の点だ。DCは本体内蔵モデム、PS2版は本体にモデムを接続してカプコンとKDDIによる“マルチマッチング”サービスのサーバーへ繋ぐ形になる。

 さっそくPS2版から接続してプレイしてみた。ゲーム内容に関しては、すでにPS2版、DC版ともにアーケードと変わりないことがわかっているため、予想される問題点はラグや回線エラーということになるのだが、ラグについては、以前カプコンから発売されたマッチングサービス対応ゲームよりも格段に少なくなっているように思われる。ゲーム全体のスピードがやや遅く感じられ、まれに一瞬画面が止まることがあったものの、ジャンプやガードといった操作はスムーズに行なえるし、必殺技や連続技も難なく繰り出すことができた。回線の具合によっては多少ラグの感じ方に差もあるだろうが、これならば“本気で”対戦することも十分可能だ。

サーバー上では常にランキングやトーナメントが行なわれている。全国のプレーヤーと自分の腕前を試すにはもってこいだ
 回線の状況も概ね良好のようで、回線エラーにより切断されることはほぼなかった(プレーヤー任意の切断は除く)。登録者数は発売1週間足らずにして1万人を越え、対戦ロビーは多いときで100名以上のプレーヤーが接続しており、対戦相手に困ることはない状態。ロビーには「初心者専用」、「ランク別」といったチャットルームがあり、専用ルームに設けられたルールによって“フキダシメッセージ”や“隠しフューチャー”を使った対戦をすることもできる。また、サーバー上では常にトーナメント戦が開催されているので、これに参加して腕試しをするのもいいだろう。対戦の戦績によるプレーヤーランキング(カプコンHP内にて随時更新)も行なわれており、プレーヤーにとっては至れり尽くせりの内容となっている。

 オフィシャル全国大会のネットワーク予選もあるので、全国の強者達に出会いたいプレーヤーは、ネットワーク対戦で腕を磨くのもいいだろう。ただし、1つだけ難点を挙げるとすれば、電話料金の問題。24時間いつでも対戦相手がいるのはいいが「ご利用は計画的に」としたいところ。


 格闘アクションとして息の長い作品となるか!?

 46人+αのキャラクタ、多種多様に用意されているシステム、ネット対戦による豊富な対戦相手、これだけの要素を持っている「カプエス2」は、1度クリアするだけでは飽き足らない魅力を十分に備えている。良くできた格闘アクションは、対戦相手のいる限りずっと遊び続けられる。しかし、対戦相手がいないことにはそれもできない。そうした理由から、今まではどうしても対戦ゲームはアーケードという向きがあったが、「カプエス2」は、ネット対戦によりこの問題をほぼクリアしたといえる。これまで、家庭用の対戦アクションをもの足りないと感じていたプレーヤーは、「カプエス2」でその意識を改革してみよう。


(C)CAPCOM CO.,LTD. 2001 ALL RIGHTS RESERVED. (C)SNK 2001.
※「CAPCOM VS. SNK 2 MILLIONAIRE FIGHTING 2001」は一部(株)エス・エヌ・ケイの許諾を受けて、(株)カプコンが製造・販売するものです。
※「SNK」は、(株)エス・エヌ・ケイの登録商標です。

□カプコンのホームページ
http://www.capcom.co.jp/
□製品情報
http://www.capcom.co.jp/newproducts/consumer/cvss2/

(2001年9月28日)

[Reported by ジョッキー★笹岡]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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