★ ファーストインプレッション ★

“音楽とゲームの関係性”に積極的に取り組んだ
異色のシューティングゲーム

Rez



 「Rez」を実際に遊んでみて感じたのは、「シューティングゲームというスタイルを通じて“リズム”や“音楽”が人に与える高揚感を伝えよう」としているゲームなんだな、ということだった。

 ゲームとして見た「Rez」は、“スタンダードなロックオンシューティング”である、というのが第一印象。人間の姿をした自機を操るアナログスティック (アナログスティックがベストだが、十字ボタンにも対応している) と、タメ撃ち可能なレーザー攻撃(○ボタン、×ボタンでキャンセル可能)だけ、というわかりやすいシンプルな操作も万人向けだ。○ボタンを押した状態で複数の敵をロックオンし、○ボタンを離すと一斉攻撃……という爽快感はロックオンタイプのシューティングならではのものだ。もちろん、現状では開発段階のため不明だが、上記以外のゲーム的なギミックも盛り込まれているのだろう。

 音ゲーとして見た「Rez」は、“ダンスミュージックを自分の意のままにパフォーマンスする”ことができるところが面白い。「Rez」はプレイ中、BGMとしてテクノが終始流れている。本作最大の見どころというか、聴きどころは、この「BGMそのものがプレーヤーの展開に応じてリアルタイムに変わっていくところ」にある。次のレベル(ステージ)に進む、敵を撃墜する、といったさまざまなゲームの状況下に応じて、「Rez」のBGMは“ブレイク(4つ打ちのキックが鳴り止み次の展開への布石となる曲間シーン)”や“上モノな音”が違和感なく入り込んでくる。このため、第三者が「Rez」のプレイを聴いていると普通の”ダンスミュージック”が流れているように思えてしまうかもしれない。

 ところが実際に「Rez」をプレイしている当人にとっては、驚くほど「自分のゲームプレイが音に影響を与えている」ことに気付くだろう。たとえば敵をロックオンした瞬間の効果音がハイハットとなり、「ドン、ドン、ドン、ドン」と流れる4つ打ちのリズムに「ドン、ドン(チッ)、ドン(チチッ)、ドン」といった新しいリズムを刻んでいく。ゲーム中の効果音が“気持ちいい音”に変換されていくなかで、自分なりのリズムを見つける楽しみもある。9月8日に開催された「WIRE01」の会場で、水口氏ら開発スタッフが楽しそうにデモパフォーマンスを何度も披露していたが、なぜ彼らが「楽しそうに」遊んでいたのかは、実際にこのゲームを触ってみた人であればわかってくる。なぜなら、「Rez」は遊んでいる本人が作り出すリズムを目と耳でダイレクトに楽しめる造りとなっているからだ。

 映像から見る「Rez」は、往年のテクノファンなら大喜び間違いなしの、ワイヤーフレームをバリバリに多用した「ちょっとレトロな'80年代後半~'90年代前半の近未来サイバーワールド」が全開でDIVAのプロモビデオのようだ。もちろん、こうしたサイバー感はあえて狙っているフシがある。ゲーム展開が進むうちに早くなるBPM(リズム)に合わせて変化していく「Rez」の世界は、映像そのものが出来のいいVJを観ているかのようである。

 音楽を題材にしたゲームは今までにもいくつかあったが、「Rez」はシューティングという形を通じて「音楽やリズムを楽しめ、かつゲームとしても楽しめる」ものを本気で作り出そうとしているようだ。「WIRE01 supported by PlayStation 2×SEGA」会場のフロアで大音量で流れる「Rez」の“音”は、「コレって踊れるね」と言えるくらい“いい音”だった。発売は11月ともう少し先だが、その仕上がりにはかなり期待できそうな感じだ。

(C) SEGA/UGA,2001
※画面は開発中のものです

□セガのホームページ
http://sega.jp/
□ユナイテッド・ゲーム・アーティスツのホームページ
http://www.u-ga.com/
□「Rez」のページ
http://www.u-ga.com/rez/
□関連情報
【6月28日】PS2とDC同時発売! セガ「Rez」画像大量掲載!!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010628/sega.htm
【9月10日】ボタンを押して楽しさが伝わる「Rez」。テクノイベント「WIRE01」で一般初公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010910/rez.htm

(2001年9月11日)

[Reported by 小林仁]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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