★GBAゲームレビュー★

ワリオランドアドバンス

  • ジャンル:アクション
  • 発売元:任天堂
  • 価格:4,800円
  • 対応プラットフォーム:ゲームボーイアドバンス
  • 発売日:発売中(8月21日)




 最近めっきりとゲームをプレイする時間が減り、強いてプレイするならば移動に使う電車の中か、寝る前の少しの時間くらい。そうなると携帯ゲームが適しているのだが、大作RPGではストーリーを忘れてしまうし、SLGでは時間が足りない。格闘ゲームをやるにも対戦できないと個人的につまらない。
 そうなると、気軽に軽く遊べるアクションゲームがプレイしたくなる。空いた時間にちょっとずつ進められるゲームなら最適。そんな時に手に入れたのが、このGBA用ソフト「ワリオランドアドバンス」だった。


 敵の攻撃を受けて起こるリアクションがクリアのカギ

マリオにはない魅力をもつワリオ。アクションもマリオに似ているようで、実は似て非なるものが多い
 任天堂の異色キャラ「ワリオ」が主人公の「ワリオランド」シリーズ最新作は、突如出現した黄金のピラミッドに潜り込み、「ヨーキ」が隠し持っているお宝を奪うことが目的のアクションゲーム。十字ボタンで移動し、Aボタンでジャンプ、Bボタンで体当たりと、「マリオ」シリーズならではのシンプルでわかり易い操作方法を採用している。
 基本は敵の攻撃を避け、アイテムを取り、ワナをかわして謎を解いていく。一番最初に通過する「最初の通路」をプレイしてみると、基本的な操作方法や謎の解き方などを非常にわかり易く説明してくれるので、説明書を見なくてもゲームをプレイできる。

 また、特定の敵に攻撃を受けるとワリオはリアクション(変体)する。このリアクションがクリアするためには重要なポイントで、わざと攻撃を受けて空を飛んだり、床を壊したり、狭い通路にもぐり込まなければならない。どの敵に攻撃されるとどうリアクションするのかを覚えることがゲームクリアの秘訣になる。


 つい何度も繰り返しプレイしてしまう奥の深いゲーム性

待ち受けるボスは、弱点の場所とそこにダメージを与える方法を考えよう。力押しだけでは攻略はできない
 ゲームでは、小さないくつものステージが用意されていて、それらをクリアして4つの宝石を集め、ボスを倒して先へと進んでいく。始めのうちの感想は「子供向けの易しいゲームかぁ」というものだった。
 続くステージもさほど難なくクリアし、一回もミスすることなくボス戦に突入。「ボスも楽勝だろう」と思っていたのだが、いざ戦ってみるとなかなかダメージを与えられない。「なんだコレは!?」と思い、何度も失敗しながら様々なアクションを試してみると、ようやく簡単にダメージを与える方法がわかった。方法自体はごくシンプルなもので「最初の通路」で覚えた操作を使うだけなのだが、頭を使って機転を利かせなければボスの攻略は難しい。

 その後、次のステージに進んでみると、クリアすることは難しくないのだが、隠された「時のCD」や宝石をすべて探そうとするととたんに難しくなる。「このアクションでこんなことができるのか!?」といったギミックが随所にちりばめられていて、パズルゲーム並に頭を働かさなくてはならない。また、1ステージは10分もあれば十分クリアできるので、何度も挑戦してすべての隠し要素を解き明かしたくなってくる。なかにはプレイ中に一度しか解くチャンスの来ない謎もあり、悔しくて何度も同じステージを繰り返してしまった。


 はじめてゲームをプレイする人でも安心

ミニゲーム「ワリオルーレット」。目・鼻・口の3カ所を見本通りにそろえればOK。簡単なようだがかなり難しい
 深くやり込めば相当ハードなゲームになるが、ゲームビギナーでも十分楽しめる作りになっている。ゲームクリアに必要な宝石やカギに関しては、普通にプレイしていれば難しい謎を解かなくてもほとんど手に入るようになっている。また、誰もが頭を悩ませるボス戦でも、ミニゲームをクリアしてメダルを集めアイテムを購入すれば、戦う前からボスにダメージを与えられるので、かなり楽に倒すことができる。ミニゲームは、懐かしの野球盤風の飛んでくるボールを打つ「ワリオホームラン」、障害物を飛び越える「ワリオホッパー」、顔を覚えてルーレットで正しい組み合わせを選ぶ「ワリオルーレット」の3つで、どれもがAボタンだけでプレイできる簡単なゲーム。

 それらによって、ほとんどゲームをプレイしない人でも、時間をかけてゆっくりプレイすれば、必ずクリアできるだろう。
 もちろん、より極めたプレイをしたければ話は別。各ステージに1枚隠されている「時のCD」をすべて集めたり、ボス戦をアイテムなしでクリアしたりと、マニアをくすぐるポイントもバッチリ用意されている。

プレイスタイルによって難易度も変わる。ゲーマーなら、すべての宝石と時のCDを集めてフルコンプリートを目指そう。もちろん、ボス戦もアイテムを使わないで戦いたい


 ここまでやれば立派! 任天堂らしからぬ「お遊び的」要素

 ゲームはいたって真面目で硬派で面白いのだが、ゲーム全体に絶妙な「おふざけ」が含まれているのにも注目したい。
 ソフトの説明書からしても、下品で毒舌な「ワリオ節」で書かれている。「人は裏切るがコインは裏切らないぜ!」、「一応オレ様のゲームにもルールはあるのだ!」など、他に類を見ない過激な内容ばかり。さらに、子供のご両親は眉をひそめるであろう同梱の「黄金シール」も一見の価値アリ。
 ゲーム中に集められる「時のCD」もかなりシュール。サウンドルームでいつでも聞くことができるのだが、タイトルもその内容もシュールなものばかり。曲に合わせて表示されるワリオの実写(?)など、夢に出そうなほど強烈なインパクトを与えている。


 ビギナーでもマニアでも長く楽しめ、ゲームは硬派だが遊び的要素もふんだんに盛り込まれている。また、空いた時間に少しずつ進められるうえに、オートセーブでゲームの途中で中断することも可能。携帯ゲームとしては、すべての点において完成度の高いゲームといえる。GBAを持っているなら、「ワリオランドアドバンス」は迷わず買って欲しい。

(C)2001 Nintendo

□任天堂のホームページ
http://www.nintendo.co.jp/
□製品情報
http://www.nintendo.co.jp/n08/awaj/

(2001年9月4日)

[Reported by 田名網陽平]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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