SIGGRAPH2001現地レポート 展示会場編

SQUARE USAがNVIDIAとともに
リアルタイムレンダリング技術を参考展示

会期(現地時間):8月11日~17日(展示会:14日~16日)

会場:Los Angeles Convention Center

 展示会場は現地時間の14日からスタートした。展示には、Los Angeles Convention CenterのSouth Hallがほぼ一杯に使われている。今回のレポートでは触れないが、West HallはCourseと呼ぶセッションやKeynoteなどに、そしてKentia Hallはレジストレーションとキャリアフェアに使われているので、イベントとしての規模は同じ会場を使って行なわれるE3に勝るとも劣らない。

 展示ホールへの主な出展社は、sgi、Sun、Compaqといったグラフィック・ワークステーションなどを販売するハードメーカーと、Alias|wavefront、SOFTIMAGEなどに代表される3Dモデリングアプリケーションなどを販売する大小のソフトハウスが中心。他にビデオカードなどの周辺機器メーカー、さらにSIGGRAPHならではといったところでは、モーションキャプチャのシステムをデモするメーカーなどがブースを連ねる。ILMやDIGITAL DOMEINなどのCG制作会社も出展しているが、その目的は人材の雇用。ほとんどはインフォメーションカウンターだけを設置して、熱心なリクルーティングが繰り広げられている。数少ないゲームメーカーによる直接の出展もほぼこれに準ずる内容だ。

 昨年はSony Computer Entertainment(SCEI)がGS Cubeを披露していたが、今年は出展自体を見送っている。昨年はそのSCEIのパートナーとして、FINAL FANTASY THE SPIRITS WITHIN(以下、FF映画)のリアルタイムレンダリングなどをデモしていたSQUARE USAは、今年はNVIDIAの協力のもとで、Quadro DCCを搭載するグラフィックワークステーションを使ったリアルタイムレンダリングを技術参考出展していた。

 このSQUARE USAによるデモは、FF映画のモデリングデータを利用してPC上で行なっているもの。デモに利用しているハードウェアのスペックは、Pentium 4 2GHzに512MBのRDRAMを搭載。NVIDIAのQuadro DCC(64MB)をグラフィックカードとして利用している。これでPC上で1,280×1,024ドットの画像にリアルタイムレンダリングし、約12コマ/秒での表示を行なっているものだ。さすがに主人公のアキの髪の毛の質感などを見ると映画並みというわけにはいかないが、ちょっと頑張れば手の届きそうなハードウェアスペックでこれだけのことができていることには魅力を感じる。利用しているソフトウェアは社内で利用しているオリジナルということで、あくまでこの展示はテクノロジーデモというスタンスだが、ブロードバンドを利用した映像配信などへの応用も構想にはあるようだ。

 他の主要なブースの出展内容は写真を中心に紹介する。

SIGGRAPH開催にあわせて、第二世代のRADEONである8500と7500を発表したATI Technologiesのブース。RADEON8500はDirectX 8.1のAPIをサポートする。なお、Diamond Multimediaから買収したFire GL4と、やはり同日に発表されたFire GL8800も、RADEONとほぼ同程度のスペースを割いて展示されている 本文にあるとおり、NVIDIAのブースでもSQUARE USAのテクノロジーデモが披露されていて、来場者の注目を集めている。展示はグラフィックワークステーション向けのGPUであるQuadroのラインナップが中心だ。ポータブル向けのQuadro2 Goを搭載したノートも展示されていた 昨年に比べると3倍以上ものスペースを確保して出展を行なっていたIntel。Pentium 4、Xeon、Itaniumとラインナップを揃え、3Dアニメーションやデジタルシネマ、あるいはビデオ編集などのソリューションごとにスペースを割いて、デモンストレーションを繰り広げた
Light Wave 3D[7]を発表したNewTek。Macintosh向けはCarbonアプリケーションになって、Mac OS Xでの利用が推奨されるようになった いつもどおりの混雑ぶりであるMayaのAlias|wavefront。ブース横のグッズ販売コーナーもスゴイ人気でノベルティががんがん売れている こちらはSOFTIMAGE。前述の2社にも言えることだが、3Dソフトの大手は次々と登場するPlug-inを利用するプラットホームとしての側面も強くなった
全米では11月2日から「MONSTERS INC.」が公開となるPixar。雇用のガイダンスや、RenderManなどアプリケーションのデモを行なっている PDI/Dreamworks。ブースには映画「Shrek」のポスターがいっぱい。インフォメーションには次々と来場者が訪れ、キャリアアップを模索している ILMことINDUSTRIAL LIGHT&MAGIC。SIGGRAPH2001会場限定のボバ・フェットTシャツが人気(なんてマニアな……)。一着10ドルで、次々と販売されている
SQUARE USA。本文で紹介しているリアルタイムレンダリングのデモは撮影不可となっているため、ブースの外観だけを紹介する。デモの詳細は、本文を参照のこと。なお側面には「FF X」のムービーシーンを流しているコーナーもあり、一台だけだが「FF X」の試遊台も設置してあった BLIZZARD ENTERTAINMENT。一台だけ設置してあるモニタには、シネマシーンが繰り返し流されている。求められる職種は、CG Artistからキャラクタ制作などなど多岐にわたる。我と思わん方はどうぞ ERECTRONIC ARTS。EA Srortsのタイトルを中心に、5台程度の試遊台を設置。もちろんゲームのデモ展示が目的ではなく、人材の発掘がメイン
アミューズメント施設向けのVR Pods。ATALANTIS CYBERSPASCE社が、ABYSSという名称で、VRを使った対戦シューティングを体験させてくれる Sony Pictures Imageworks。やはり基本が大事と言うことで来場者を集めてTシャツにデッサン……。というか、昨年とまったく同じネタで恐縮。よく見たら、講師の先生も同じ人。モデルさんは別 SIGRAPHといえばこれ、モーションキャプチャ。出展数は減ったような気がするが、デモ自体は年々派手になっていく模様。このブースでは中国武術を披露

□SIGGRAPH2001のページ
http://helios.siggraph.org/s2001/

(2001年8月16日)

[Reported by 矢作 晃(akira@yahagi.net)]

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