ソニック10周年記念
「ソニック“プレミアム”お誕生会」開催

会期:6月24日

 ソニックチームは24日、今回で10周年となるキャラクター「ソニック」を祝うファン感謝イベント「ソニック“プレミアム”お誕生会」を開催した。会場には100人以上のファンが集まり、大いに盛り上がった。「ソニック“プレミアム”お誕生会」はソニックチームのホームページ上で募集し、選ばれたごく一部のファンを大阪会場と関東会場に招き、ゲーム大会など数々のイベントが行なわれた。

■ ユーザーの心のこもったプレゼントにソニック感激

ついに10周年を迎えたソニック。左が生みの親の中 裕司氏で、右が育ての親の飯塚 隆氏
 ソニックアドベンチャー2の発売に合わせ、2日間で全国の5都市7カ所でソニックの誕生日を祝うイベント「SONIC 10th Anniversary Birthday Party in Japan」の最後を飾るだけあって、盛大なものとなった。パーティは全国行脚の軌跡をたどるコメントからスタート。ソニックの生みの親であるプロデューサーの中裕司氏は、各地で熱狂的なファンに迎えられた喜びを語った。また、日本に帰国したばかりの飯塚隆ディレクターが、あちこちでご当地名物を食べまくった話などが披露された。

 この後、バースディケーキに火がともされ、小さな子供達と一緒にフゥッと10本のろうそくの火を消していった。このケーキにはおなじみのソニックの絵が描かれた本物のケーキ。5都市で行なわれた「10th Anniversary Birthday Party」では模型のケーキだったが、このパーティ会場では本物のケーキが用意された。中氏曰く、「誕生日なんだから本当のケーキが食べたくてこのようなパーティを急遽開催することとなった」とか。

 このあと、会場のテーブルに置かれたワイングラスで乾杯。じつはこのワイングラスにはソニックの絵が描かれたおみやげだったのだ。「ソニック・ザ・ヘッジホッグ2」の制作時、米国で仕事をしていた中氏がクリスマスに行なわれたパーティ会場でグラスにソニックが描かれていたのを気に入り、今回日本であらためて制作されたという。ユーザーにとっては非常に貴重なプレゼントとなった。

 続いて会場ではソニックのパラパラが披露され、歓談の時間が設けられた後、ユーザーのお誕生日プレゼントがソニックに手渡された。ソニックのために作られたフィギュアや絵本、アップリケなどいずれも心のこもったものばかり。
 中氏は歓談の時間の合間をぬって各テーブルを回るなど、ユーザーとの親睦を満喫していた。

飯塚氏のカンパ~イの音頭でパーティの始まり この食べられるバースディケーキを作りたくて、この特別パーティが企画されたとか まずはソニックのパラパラで会場は大盛り上がり!

会場の歓談の時間では中裕司氏自らテーブルを周りファンと交流 ソニックに10歳のお誕生日プレゼントを手渡すユーザーさん達 みなさん手作りのものが多かったのだが、これは力作「ソニックの絵本」

■ ソニックの10年を振り返った興味深い中氏と飯塚氏の対談

いろいろな話が飛びだした中氏、飯塚氏の対談。「ソニック3」はあるのか?
 そして、なかなか興味深かったのがプロデューサーで“生みの親”ともいうべき中氏と「ソニックアドベンチャー」と「ソニックアドベンチャー2」のディレクターを務める飯塚氏の対談だった。

 10年前、飯塚氏は大学生であったと言うことで、中氏のソニック誕生秘話からスタート。ソニックチームは当初5人のチームでスタート。中氏はレースゲームを作りたかったそうだが、制作アイディアの最後に書いた「アクションゲーム (マリオに負けないような) 」という一言からソニックの制作が決定。中氏曰く「マリオは天才的な宮本茂さんだから作れたのであって、我々は作れないし、同じものを作っても仕方がない。そこで、スピード感を重視したハイスピードで流れるようなアクションをコンセプトとした。リングを1つでも持っていればどこまででも走っていけるような気持ちのいい物を作りたかった」ということだ。

 また、数々の秘話も公開された。たとえば、「ソニック・ザ・ヘッジホッグ2」の“ヒドゥンパレス”の話。現在でもソニックチームにはこの件に関するメールが世界各国から届くらしい。このヒドゥンパレスは開発途上のロムには入っていたステージで、展示会などでプレイすることができたらしい。それが製品版では削られてしまったが、展示会の時の報道や、展示会バージョンのロムの流出と海賊版の販売などで、実在するステージのように語られてしまったのだという。

会場入り口には歴代の主立ったソニックが展示、プレイできた。MD、セガサターン、DCと3世代揃い踏み
 「ソニック・ザ・ヘッジホッグ2」の時は“2”だから2プレーヤー対戦にこだわって制作、「ソニック・ザ・ヘッジホッグ3」の時は“3”だから3Dにしたかったのだという。ところがメガドライブで3Dはかなり厳しくカートリッジに3Dチップを入れなければならず、チップの完成の都合から見送らなければならなくなった。途中まで制作していたのを破棄し、一から制作。ところがタイアップの関係で納期はずらせない。と言うことで完成途上のものを発売する事となった。このことから急遽ナックルズが誕生し、ロックオンカートリッジの構想も実現したのだという。

 このほか、各キャラクターはそれぞれ違った動物からスタートしたことも明らかにされた。ソニックはハリネズミだが、当初は“ウサギ”。テイルズは“タヌキ”、ナックルズはなんと“恐竜”だったという。徐々にゲームの構成に合わせていくうちに、今のスタイルとなったという。
 ここで飯塚氏が「3 (ソニックアドベンチャー3) の時はもとのキャラクタでやりましょうか?」とコメントしたところ、すかさず中氏が「“3”作るわけ?」とつっこみ、飯塚氏がタジタジとなった。中氏は「それは爆弾発言だねぇ」と人ごとのように話しながら「ま、出来たばっかりだから、これから考えないとね」と濁してしまった。

 この後ゲーム大会やじゃんけん大会が行なわれ、最後に中氏と飯塚氏がコメント。飯塚氏は「アクションの完成形に近づけたと思う」と語り、中氏は「ソニックはまだまだ活躍してくれる。ドリームキャストは撤退を表明したが、他のハードでも走りたいと思っているだろう。社長として50年後にはもっと広げていって、ディズニーのように“ソニックランド”をやってみたい」と今後の夢を語った。

ソニックとチャオの手描イラストをかけてユーザーと飯塚氏のゲーム大会 最後は、こちらも手描きイラストをかけて全員でじゃんけん大会 出口では中氏と飯塚氏がサインのサービス

■ ソニックアドベンチャー2のヒミツ要素も公開

 ソニックアドベンチャー2に関するヒミツの要素も一部明らかになった。ひとつはゲーム中に現われるカーレースゲームのこと。この車のデザインは今後公募し、ソニックチームのほうでデザイン化してインターネットで配信していく予定だという。これは車のデザインだけでなく、コースデータも追加可能だという。詳しくは今後、ソニックのWEBページで明らかにしていくとしている。
 もう一つはエンブレムの話。「ソニックアドベンチャー」では130のエンブレムが登場したが、集めるだけで終わってしまった。今回は180もあるエンブレムを全て集めるとあるステージが登場するという。このステージはかなりすごいらしいので、ぜひとも遊んで欲しいとのこと。10周年にちなんだ、なつかしいステージが用意されているという話だ。

幕張メッセの次世代ワールドホビーフェア会場で行なわれた「SONIC 10th Anniversary Birthday Party in Japan」。とにかく人だらけ…… 中氏が自ら手売りする一幕も

□ソニックチームのホームページ
http://www.sonicteam.com/
□「ソニックアドベンチャー2」のホームページ
http://www.sonicteam.com/sonicadv2/index.html

(2001年6月24日)

[Reported by 船津稔]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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