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★ DCゲームレビュー ★セガのガンシューティングといえば、「パーチャコップ」シリーズと「ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド」シリーズが有名だが、この「コンフィデンシャルミッション」は、基本的に前者のシステムを受け継いでいる。さらに、随所にスパイ映画のエージェント気分が味わえる演出が加味されており、単なる「敵を撃つ」だけでなく、随所にユーモラスなセンスが盛り込まれているのがポイント。 ■ ゲームのツボがすべてフォローされている「AGENT ACADEMY」 ガンシューティングゲームの基本は、撃つべき敵をいかに早く「認識」して、敵の動きに照準を合わせ「撃つ」かということ。このゲームにおいては、タイムゲージ付きのサイトシステムがあるため、敵がいつ攻撃してくるのかがわかりやすい。でも、小心者としてはとりあえず、鈍った腕を鍛えなおすために……ということで、「AGENT ACADEMY」モードを選択してみた。このモード、ゲームシステムに関する要素がすべて盛り込まれているとても計算された仕様になっており、このゲームならではの「ジャスティスショット」や「コンボショット」も練習できるいわゆるミニゲーム集的な作りになっている。 「JUSTICE SHOT(敵の手を撃ち、武器を吹き飛ばす)」、「JUDGEMENT(どの順で敵を倒せばいいかを判断する)」、「REFLEXES(ターゲットに素早く反応する)」、「WHO'S THE ENEMY(敵と一般人を見分けて撃つ)」、「TIMING(障害物の間をぬって敵を撃つ)」、「COMBO SHOT(1人の的に複数の弾を撃ち込む)」と6つのジャンルに分かれており、それぞれLEVEL1と2、そして実戦シミュレーションが用意されている。 これをとりあえずプレイしていけば、このゲームに必要なすべてのシステムを鍛えることができるのがうれしい。しかも各ジャンルに特化しているので、自分がどの部門が弱点かも如実にわかる。個人的にはコンボのLV2などがとても大変だった。これは同じ標的に3発弾を撃ち込むというシンプルなものだが、同じ標的を連続で撃たないとダメなうえ、標的は常に上下に移動しているのである程度の速度を要求されるというもの。プレイはドリームキャストガンで行なったが、連射が辛く、しかも弾切れもちゃんとある(装弾数は6発)ため、リズムを逃すと、どうも最後まで標的を撃ち切れずに疲れてしまい、苦労した。
いずれにしても、画面構成はシンプルだが、疲れるほど熱中できる内容。このモードをクリアすると付加要素も出現するので、ぜひオールクリアを目指してもらいたい。
■ 積極的に映画的手法を取り入れながら、分岐システムで味を出す「MISSION」モード 「MISSION」は業務用の移植モード。CMFのハワード・ギブソン(1P)、ジーン・クリフォード(2P)となって、軍事衛星をジャックした謎の組織の目的をつかみ、その壊滅のために敵地に乗り込むというストーリー。基本的には出現する敵兵を撃ちまくるというルールだが、途中に挿入するイベントシーンでは、変装や秘密道具といったスパイならではの小道具が登場し、いやがうえにも気分は盛り上がる。ハワードやジーンのセリフがちょっとユーモラスなのも、いかにもエキスパートだからという余裕を感じさせる。 また、イベントシーンに続いて随所にミニゲームが挿入されている。秘密道具=新兵器を使って、制限時間内に目的を達成するというもので、例えば「粘着弾」を使って毒ガスの排出口を塞ぐとか、ロープがついた弾を発射する「ロープ銃」でショートカットコースを渡るなどといったもの。成功しても失敗してもミスになるということはないが、ストーリー展開に違いが出る。 全体的に難易度はちょっと高い。最初に「AGENT ACADEMY」を推奨したのもその難易度ゆえで、ゲームシステムを飲み込んで、慣れてからプレイしてもらったほうがより快適にプレイできる。ステージは全部で3つとやや少ないイメージはあるが、各ステージは結構なボリュームになっている。 こちらを攻撃する敵に、タイムゲージ付きサイトが出現するのだが、ミサイルランチャーから射出されるミサイルなどには一部サイトが出現しないものがある。また、高速で複数の同時攻撃があるようなシーンが後半多いのと、遠距離から攻撃してくる敵がやや多めなのが難易度判断の理由だ。
ステージ最後に登場するボスは、画面上部に表示されるライフを0にすれば勝利。ボスというと耐久力が高くて一撃が痛いというイメージがあるが、このゲームのそれは、どちらかというと矢継ぎ早にいろんな攻撃を仕掛けてくるのでハラハラする。単純に武器を投げてきたりというだけではなく、隠れて移動後に別パターンの攻撃を仕掛けてきたり、テンポが単調にならないように気配りされている。
■ ほかにもまだまだあるゲームモード 「MISSION」をクリアすると「ANOTHER WORLD」が選択できるようになる。敵の出現パターンが「MISSION」と異なり、やり込み派向け。また、「MISSION SELECT」も好きなステージを集中プレイしたい人のためのモード。さらに、2人で協力しての同時プレイを可能とした「PARTNER」モードは、ライフや装弾数の配分などを変更できたり、敵の攻撃からパートナーを護るなどの行動を判定し、相性度を測定してくれるというパーティプレイ向けモード。
「高い」と書いた難易度は、「OPTIONS」において、クレジットの数、ライフ数や難易度の変更、攻撃判定の大きさの変更などで調整できるので、ツライなと感じたら迷わず変更しよう。
■ 「やる気」を起こさせる作りに好感触 このゲームの最大の魅力は、うまくいけばより効率的に得点が稼げるという作りの丁寧さにある。例えば、先程の「毒ガス射出口」を塞ぐ分岐では、成功すれば視界はすぐに元にもどるが、失敗するとしばらくは視界が歪んでしまい、ジャスティスショットが狙いにくくなるなどの弊害が出る。 全体的に丁寧に作られたゲームという印象。伝統のシステムをうまく利用しつつ、上下反転するシーンなど、独自の演出で飽きさせない作りを目指した開発チームの意図はよく伝わってくるし、ジャスティス+コンボショットでの稼ぎも今だ輝きを失っていない。
個人的にはダメージを受けたときのSEや画面効果が軽い印象を受けたのが残念だが、それ以外はソフト添付の取説を読まずとも普通にプレイでき、安心して勧められる一作であることは間違いなかろう。ヒットメーカーのHPにもあるが、ドリームキャスト・ガンを眠らせておくにはもったいない作品なので、持っているプレーヤーはぜひプレイしてもらいたい。
(C)SEGA/Hitmeker, 2001
□セガのホームページ (2001年6月14日)
[Reported by 佐伯憲司] |
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