フォースフィードはやはり偉大なり!
ロジクール「GT FORCE」レポート

4月28日 発売

価格:オープンプライス
(実売価格:9,800円前後)


 株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントのプレイステーション 2用レース&ドライビングシミュレータ「グランツーリスモ3 A-spec(GT3)」の発売に合わせて、株式会社ロジクールのプレイステーション 2用ハンドルコントローラ「GT FORCE」も発売となった。

 元気株式会社の「首都高バトル0(ゼロ)」や、株式会社タイトーの「BATTLE GEAR2」にも対応しているUSB端子によるプレイステーション 2専用のコントローラの威力は? その使用感をレポートしよう。



外観

  • ハンドル部分

     3本スポーク仕様のステアリング部分には、正面から見える範囲で円型小型の4つのボタンが配置され、GT3においては、デフォルト状態ではバックビュー、スタートおよびセレクト、サイドブレーキ、リバースギアのボタン配置になっている。

     また、スポークの水平部分2つには、背面にL、Rのスイッチがあり、これがマニュアルシフト時のシフトアップ/ダウンボタンとなっている。このボタンは完全別パーツではなく、プラスティックの軟性を利用した片止め式のボタンになっているが、指が短いプレイヤーには多少届きにくいかも。操作感覚は軽くできている。

     タッチは軽めで、スポーク部分のつけ根からブルーのラバーグリップ仕様となっており、多少の汗では滑ることなく確実なハンドル操作が可能。ステアリング径はやや小ぶりで、ホーンボタンはついてないないため、「首都高バトル0」ではホーン操作に困る。

    ハンドル部正面。実車でいうところのスポーツ用のハンドル径で、操舵感は意外に重い。小さいハンドル径と、フォースフィードバック用モーターが内蔵されているせいかも この製品自体が何かに固定するというスタンスなので、全体的にコンパクトに収まっている。グリップ部分は太すぎず細すぎずといった印象
    スポーク部分に納められた4つのボタンは軽めの操作感。上2つはちょっとハンドルを握りながらの操作はきついかも 裏にシフト用ボタンを左右に1つづつ配置してある。いわゆるウィングシフトの再現

  • コラム部分

     机などへの固定には、ダブルクリッピングシステムを採用。2つのプラスチック製ネジ部分を回すことで、底部にあるクランプを調整し、固定する方式だ。材質的にキズが付きやすい物への固定には、付属のシートをはさみこんでやることである程度キズ防止になる。テレスコピックやチルト機能はないが、フォースフィードバック機能を実現するためのモーターがコラム部分に内蔵されている。

     コラム部分先端からUSBケーブルが伸び、モーター駆動用のACアダプタ、そしてフットペダル接続用の6芯タイプのコネクタソケットが用意されている。ACアダプタはわりと小型のもので、タバコ1箱分ぐらいの容積。

    コラム部分の背面。固定部分は浅めの作りなので、ステアリング部分を下に押すようにするとちょっとグラッと揺れてしまう。逆に持ち上げるような操作には十分対応 左がフットペダルとの接続用コネクタ。右はACアダプタとの接続用コネクタ。コラム部分中央先端にある
    クランプ固定用のネジが左右に1つづつ用意されている。指でつかんで回せば十分固定される クランプはこの厚みでほぼギリギリ。固定するものの厚みは実質3cm程度がベストか?

  • フットペダル部分

    コンパクトに収まったフットペダル。操作感は軽い。思いっきりブレーキを踏みたい、という人はガッチリ固定しよう 中抜きをして、強度と重量軽減を兼ねたペダル部分背面。丸いゴムが4つ装着され、滑り止めの役を果たす

     左からブレーキ、アクセルと並ぶオルガン式(床から生えているようなペダルのこと。一部の車を除き、通常は上からアームによって支えられるタイプのペダルとなっている)の2ペダルタイプ。底面には円型の4つの滑り止めラバーがついているが、床の材質によっては少々つらいかも。しっかり固定する必要があるだろう。

     ペダルの間隔は離れすぎずくっつき過ぎずという感じで、左足によるブレーキ操作もやりやすい。

 「GT FORCE」は、ステアリングの固定位置などにも影響があるだろうが、基本的に机とイスを使ったセッテイングが自然で、こたつなど低いものにステアリングを固定した場合は、フットペダルを起こした状態で固定するなどの工夫が必要となろう。



通常コントローラでは味わえない反力、そして低価格が魅力

 PCでフォースフィードバック機能を使ったハンドルコントローラを体験したことのある人は想像がつくと思われるが、「GT FORCE」の操作感はまさにPC用のソレである。

 路面状態ははっきりと理解できるぐらい衝撃が返ってくる。「GT3」のラリーコースでは常にガタガタと手応えを返してくれるし、「首都高バトル0」では、高速道路ならではの路面のつぎ目をきちんとインフォメーションしてくれる。「車を運転する楽しさ」、その気分はこのコントローラで十分味わえる。

 さすがに駆動力のかかり具合などの細かいインフォメーションや、ペダルには反力がないため、ブレーキの感覚は実車同様とはいかないが、現状のテクノロジで可能だと思われるインフォメーションは基本的にほとんど感じ取ることができるような気分を味わえた。

 特に、「GT3」では狙ったラインを反力と戦いながらキレイにトレースできたときなど、かなり車を運転している気分にひたれる。ここまでのデキだと、「実際に車を運転するときに悪影響が出る」などと言われそうだが、逆に「通常では味わえない、車の限界挙動をリスクなしで一部理解することができる」という安全面に貢献できそうなメリットを売りにできるような気がするのだが……。

 ただし、タイムアタックなど、シビアなコントロールを必要とする「ゲームを攻略する」という目的を重視する人は、コントローラでプレイしたほうが狙ったタイムを出しやすいのではないかと個人的に感じた。絶えず襲ってくるフォースフィードは長時間プレイには向かないだろう。

 また、実売9,800円程度という価格設定も魅力。PCのフォースフィード機能がついたコントローラは1万円では買えない。また、面倒なボタン設定などもコンシューマ機ならではの簡単一発で設定というメリットがある。これからも対応ソフトが増えることを祈りつつ、オススメしたい一品である。

□ロジクールのホームページ
http://www.logicool.co.jp/cf/index.html
□プレスリリース
http://www.logicool.co.jp/cf/press/press49.html
□製品情報
http://www.logicool.co.jp/cf/products/productoverview.html/game8.html
□関連情報
【4月28日】「グランツーリスモ3 A-spec」遂に発売、売切店続出
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010428/gran3.htm
【2月13日】ロジクール、「GT FORCE」の発売日を4月に変更し、対応ソフト追加
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010213/logicool.htm

(2001年5月8日)

[Reported by 佐伯憲司]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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