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★ ファーストインプレッション ★
電車のシミュレータは数多あるのに、なぜかなかったのがバスのシミュレータ。街中の雑然とした風景をきちんと描くために、それこそ膨大な労力を要することもあってか、近年まで見ることはなかった。そんななか'99年の冬にフォーティーファイブがドリームキャスト版で「東京バス案内 (ガイド) 」をリリース。爆発的なヒットとはいかなかったようだが、バス運行シミュレータとしてリアルな東京を運転できる快感は話題を集めた。あれから1年半。アーケード版のリリースを経て遂にプレイステーション 2版が登場した。今回はいち早くその面白さに迫ってみたい。 ■ ソフトを買った瞬間からキミも運転手だ! バスに乗ると、混み合っていなければできる限り運転手の後ろの席に座るようにしている。ちょうどあの辺はタイヤがあるので、足を置くところが盛り上がっている場合が多い。けっこう“太っちょさん”な私は窮屈な席であるにも関わらず、その席を選ぶのはもちろん運転手さんになりたかった過去があるからだ。トラックもそうだが、普通の車に比べ高い位置から運転することになる大型車は、何となくそれだけで気持ちがいい。というか、何となくカッコイイのね、運転手さんってだけで、理由はないけどね。でも、そんな人は多いはず。 そんな人達が待ち望んでいたソフト「東京バス案内 (ガイド) 」が発売されたのが'99年の冬。ドリームキャスト版と言うことで、それほど爆発的な人気とはならなかったが、各方面で話題を呼んでいたことは事実。その後アーケード版などがリリースされてきたが、今回プレイステーション 2というより大きなマーケットでの発売と言うこともあって、ぜひ多くの人に遊んで欲しいソフトのひとつだ。
このゲームは、“バスを運転する”ソフトではない。“バスを運行”するソフトなのだ。バスが発車するときは扉を閉めて左右確認で発車。もちろんウィンカーを出さなければならないし、次のバス停が近づけば社内アナウンスを流さなければならない。ただ運転するだけでなくバスの運転手がすること全てをしなければならないのだ。ジャンルが“運行シミュレーション”となっているワケはそこにある。まさに運転手さんになり切れるソフトだ。実際には2種免許を取得しなければなれないバスの運転手さんに、今日からでもなれるわけだ。
■ 細かく機能向上しているプレイステーション 2版「東京バス案内」
運行は前述の通り、バスのドアを閉めるところから始まる。そこでエンジンスタート、ウィンカーを出して発車。プレーヤーにはあらかじめ100ポイントが与えられ、なにかミスを犯すたびにさっ引かれていく減点法でゲームは進行していく。全てのポイントが無くなった時点でリタイアだ。ちなみに接触事故を起こすと、アッという間にリタイア……ま、当然ですが。乗客の安全第一と言うことで、ひとつヨロシク。
このほか、ドリームキャストではビジュアルメモリにダウンロードすることで遊べた「交通標識クイズ」だが、PS2版ではポケットステーションで同様のゲームを遊ぶことができる。もちろんただ遊べるだけでなく、ミニゲームで得たポイントを本編に加算することもできる。
■ 一番大きな変更点はチャレンジモード プレイステーション 2版となって一番の変更点は、なんと言ってもチャレンジモードの追加だろう。チャレンジモードとは、教習所でバスに乗り込んで色々とテストを受けるのだ。指示されたとおりに時間以内に運転していく。まさに教習所で仮免をとる感覚だと言えるだろう。 教習所の中には、クランクだとか車庫入れなどが用意されている。バスで車庫入れ……なかなか体験できないだろう。普通車とは違う緊張感が味わえるはずだ。コースを見るとかなり鋭角に切れ込んだところや、円形のコースも用意されている。なんだかとても走ることのできないような気もするが、制作担当者によれば上達すればまったく問題なく走れるという。ただ、時間設定が絶妙かつシビアなため、上級者向けと言うことだ。
このチャレンジモードでは都バスだけでなく、もはや若い人にとってはその存在すら知られていないかもしれない、あのボンネットバスを運転することができるほか、ロンドンなどでおなじみの二階建てバスも運転できる。残念なことに、この2台のバスは通常のモードでは使用することはできない。
■ 「東京都交通局」の協力でリアルに再現した「東京バス案内」 このほか、プレイステーション 2版での追加要素としては、お台場付近の観光地案内をしてくれるガイドマップモードが用意されている。お台場には数々の観光スポットがあるので、そこの解説を音声付きで紹介してくれる。
この「東京バス案内」。東京都交通局が制作に協力している。ドリームキャスト版の開発にあたっては、フォーティーファイブが都バスをチャーターし同区間をきちんと走り、その映像からゲームを制作したという。また、今回はプレイステーション 2版への移植にあたってはサクセスが再度チェックし、看板など周辺風景などを一部修正しているという。ドリームキャストユーザーだった人は、どこがどう違っているのかチェックしてみるのも面白いのではないだろうか。
さて、発売前に次回作の話をすると鬼が笑うと言うが、もう、個人的には次回作ぜひ作ってくれぇって感じ。だって、鉄道ものだってたくさん出てるじゃないですか? バスだって需要ありますって。大阪とか、名古屋とか。やっぱり、その土地の人にとってはそのバスに乗れることが重要だし、土地の人でなければ新鮮だしね。やはり交通量の多いところでなければゲームとして成立しにくいため、どうしても都会限定になってしまうかもしれませんが。都内で言えば、都バスだけでなく、私鉄系のバスもある。もうバンバン出していただきたいっていうか出して (切望) 。あとバスコン……バスのハンドルコントローラーね。あのデカイハンドル出して欲しいなぁ。アーケードで出てるやつそのまま。シリーズ化されれば夢じゃないっしょ。どうですか、ねぇ。
(C)2001 SUCCESS (C)1999 FORTYFIVE
□サクセスのホームページ (2001年5月2日)
[Reported by 船津稔] |
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