★ PCファーストインプレッション ★

古今無双の神様ゲーム「ブラック & ホワイト」
が実現する奇跡の世界へ一足先にご招待!

ブラック & ホワイト


 エレクトロニック・アーツ・スクウェア、今年イチオシのビッグタイトル「ブラック & ホワイト」の発売日が、いよいよあと1ヶ月後に迫ってきた。PCゲームファンの中には「3年待ったよ!!」という人もいるだろうし、中には今もってピンと来てない人もいるかもしれない。本稿では、そんなPCゲームファンのために、最新日本語版を使ってプレビュー記事をお届け。といっても、いきなりタネあかしされてはおもしろくないだろうから、チュートリアルになっているプロローグ部分から「ブラック & ホワイト」の魅力に迫っていこう。


 平和に暮らす原住民の住む大陸“エデン”にひとりの神が舞い降りる

ゲームを起動するといきなりオープニングが始まる
 「ブラック & ホワイト」のオープニングは、夕刻の浜辺近くの密林、仕事を終えた3人家族の憩いのひとときから幕を開ける。平和を祝して抱擁を交わしあう夫婦とそれを見守る息子という幸せいっぱいの構図。ところがしばらくして暇をもてあました子供は、夕日の美しさに見とれて、海へ全力で駆けだしてしまう。砂浜にたどり着いた後も足を休めずぐんぐん沖へ泳いでいく息子、息子の行動に気づいてあわてる夫婦、餌の臭いを嗅ぎ付けて寄ってくるサメと、突如にして不幸のどん底に突き落とされる3人家族。

 そしてついに「息子が食べられてしまう!」という瞬間、空から凄まじい勢いで火の玉が降ってくる。間髪入れず水面に激突し、島全体を包み込むようなまばゆい光を発したあと、そこに現れたのは“手”の形をした神。神の手は、すぐさま息子をすくい上げ、砂浜にいる両親の元に返してあげる。神の行動に感謝した両親は、立て膝を付き「あなたを称えます!」と叫ぶ。ここに初めての神の認知と信仰が発生し、「ブラック & ホワイト」のスタートとなる。

【オープニング】


 すべてがシームレスに展開する驚異的なゲーム内容

神の到来を喜ぶ村人たち。祝福の踊りがまた楽しい
 神の手となったプレーヤーは、引き続きチュートリアルに進むことになる。といっても先ほどのオープニングはムービーではなく、ゲーム画面をプログラムで動かしているため、オープニングからチュートリアルへの移行はシームレスに行なわれる。チュートリアルは、以降ゲーム中に、たびたび現れる天使と悪魔が説明を行なってくれる。
 まずは、くだんの3人家族の案内に従って、信仰を求める人々が住む村に連れて行ってもらうところから始まる。マップの移動法は、地面や木、山、水面など、とにかくなんでもいいから目的地点を左クリックし、押したまま下にグイッとドラッグすればいい。3人家族がたったか元気に走るあとを、のそのそ付いていってもいいし、ぐいぐいドラッグして先に進んでもいい。しばらく進むと、村人たちに踊りの歓迎を受け、引き続きテンプルの建築を手伝うことになる。

 余談だが、このオープニング、チュートリアル、シナリオ進行という3つの要素を、同時かつシームレスにやってのける手業のキレ、シンプルにしてベストすぎるゲームデザインは、さすがは神ゲーの元祖にして頂点を行くピーター・モリニューと思わせるデキの良さだ。日本、海外を問わず、名前だけで売り切ろうとする形骸的タイトルが年々増加する傾向にあるゲーム業界だが、彼は本物だ。

いきなり始まるチュートリアル。まごまごしていると3人家族が「早く!」とせき立ててくる


 視点変更はマウス操作のみでOK

ついにテンプルが完成。木材と食料は少し運びすぎてしまった
 さて、テンプルの建築。ここもチュートリアルになっており、視点の回転、上下、ズームインズームアウトの仕方が学べる。ふたりの神は、ひととおりの操作説明が終わったあと、テンプルを完成させるためには、不足分の木材と村人を働かせるための食料が必要だと教えてくれる。そこでプレーヤーは神の手を操って、倉庫にある木材と食料を適量掴み、テンプルの手前に落としてやる。この際の操作は、神の手を木材(食料)に合わせて右クリック。ボタンを押し続けることで、上限なく手に持つことができる。適量持ったら右手を放し、地面を左クリック & 下ドラッグでテンプルまで戻り、右クリックで手の資源を地面に置くことができる。村人たちはそれらを使ってたちまちテンプルを完成させてしまう。

 この“たちまち”感がたまらなく心地いい。思わず村人たちをなでなでしてやりたくなるが、村人に対して余計な操作を行なうと、最悪の場合信仰を損なう恐れがあるので十分注意しよう。たとえば、村人に対して右クリックを押すと掴める。この村人に夫や妻がいたりすると、神の手に絡め取られた伴侶に向けて心配そうなまなざしを送るのでびっくりする。あわてて放すと、「ああ、良かったね」と言わんばかりの熱い抱擁を始める具合で、なんとも細かいところまで良く作りこんであると痛感させられる。

 プレーヤーは無限のパワーを備えた神であり、村人は無力な存在であることを常に意識してプレイしなければならない。と、これは善人の意見だが、もちろん、逆に心配そうなまなざしを送る妻を見て「ざまあみろ」と思いつつ、夫を山の向こうに放り投げたり、森の中に置き捨てるプレイもありだ。完全善はもちろん、完全悪をも包含する、自由度というのもためらわれるフリープレイこそが「ブラック & ホワイト」の醍醐味なのである。

木材と食料を運んでテンプルの建築を手伝うシーン


 オプション設定もフル3Dとは! 神の拠点“テンプル”

テンプルの入り口。暗闇をクリックすると中に入れる
 次は完成したテンプルに入ってみる。テンプルでは、ゲームのセーブ/ロードのほか、オプション設定の変更やエデンの各種情報、それからサンプル模型で島の状態がチェックできる。チュートリアルの途中なので実行可能なコマンドは限られているが、とにかく驚かされるのは、すべてがフル3Dで処理されていること。オプション設定画面ぐらい2Dでいいのにと思ってしまうぐらい半端ではない凝りようだ。

 ちなみに、テンプルは神の象徴で、これが攻撃されると支配地の建物と村人がダメージを受ける仕組みになっている。すべての建物が破壊され、すべての村人が死に絶えると、テンプルそのものに直接ダメージが行くようになり、テンプルが破壊されるとゲームオーバーとなる。で、誰が攻撃してくるのか、どうやって守るのかについては最終章にまとめたので、そちらを参照いただきたい。

これがテンプルの内部、ゲームを進めていくと入れる部屋が増えてくる


 忙しい本編を始める前に、楽しさいっぱいのエデンの様子をじっくり味わおう

 以上でチュートリアルは終了。あとは悪魔がすぐに取ることをしきりに勧める「金の物語の巻物」を掴めば、本編の開始となる。が、ここでは天使の勧めるままにエデンの様子を探索してみることにしよう。
 エデンの各地にはハテナマークが書かれた立て看板「道調べ」がある。神の手を合わせて右クリックを押すとゲームに関するヒントが表示される。道調べのユニークなところは、視点を変えると、それに従ってフォントが少しずつ小さく表示されていくところで、結構どうでもいい部分までよくこだわっている。

 ところで、神であるプレーヤーは“手”を使って、あらゆるオブジェクトに対して直接的な影響を及ぼすことができる。家屋を叩いて、そこに住む村人を表に呼び出したり、水面を叩いて波紋を広げたり、木を引っこ抜いて植え替えたり、岩を掴んでぶん投げたりなど、手が影響を及ぼせる行動には限りない選択肢が用意されている。岩を投げる際はカーブやバックスピンがかけられたり、水面を叩くと魚の群れが驚いて逃げ出したり、ちょっとした行動に大きな楽しみが隠されている。やろうと思えば、砂場で遊ぶ子供気分で、エデンをめちゃめちゃにもできる。まったく底が知れないゲームである。

「道調べ」をチェックしてみたところ。チェックは右クリック。吹き出しをドラッグするとテキストのスクロールが行なえる

内海に群れる魚たちと戯れてみる。水面を叩くのは左クリック、右クリックで魚を捕ることができる


 本編は可愛いけどぐーたらなクリーチャーのしつけから

クリーチャーたち。左から牛、オランウータン、トラ
 最後に「クリーチャー」について少し触れておこう。「クリーチャー」は、自らを具現化した存在で、これを正しくしつけ、大きく育てることで、島に対してより多くの影響が及ぼせるようになる。重要なのは、島にいる神は「自分だけではない」というところで、「ブラック & ホワイト」はゲームが進むにつれて、クリーチャーを代人とした神同士の支配権闘争の色合いが濃くなってくる。

 本編がスタートすると、最初にクリーチャーを選び、少しずつしつけていくことになる。最初の頃はぐーたらでどうしようもないが、正しく成長させると、自発的に行動を起こし、有能な代人になってくれる。クリーチャーの育成こそが「ブラック & ホワイト」最大の醍醐味といっても過言ではないが、そのあたりの詳しい内容はレビューでお伝えするつもりだ。

基本的に怠け者でどうしようもない役立たずだが、それがまた可愛かったりするから困る。が、正しく強く育てるために、時にはビンタでお仕置きする

(c) Electronic Arts Inc. All rights reserved. (c) 2001 Lionhead Studios Ltd. All rights reserved. Black & White, Lionhead and the Lionhead logo are trademarks of Lionhead Studios Ltd. EA GAMES(TM) is an Electronic Arts(TM) brand.


【動作環境】
  • CPU:PentiumII 350 MHz以上
  • メモリ:64MB以上
  • HDD:600MB以上
  • CD-ROMドライブ:4倍速以上 (起動時必須)
  • ビデオメモリ:8MB以上
  • 解像度:800×600ドット固定


□エレクトロニック・アーツ・スクウェアのホームページ
http://www.japan.ea.com/
□「ブラック & ホワイト」のホームページ
http://www.japan.ea.com/blackandwhite/index.html
□関連情報
【4月4日】エレクトロニック・アーツ・スクウェア、「ブラック & ホワイト」を5月24日に発売
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010404/bw.htm

(2000年4月24日)

[Reported by 中村聖司]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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