隠れて攻撃!　シリーズならではのシステムが魅力 「タイムクライシス プロジェクトタイタン」
ジャンル：ガンシューティングゲーム 発売元：ナムコ 価格：4,800円 プラットフォーム：プレイステーション 発売日：4月26日 【ゲームの内容】 　V.S.S.E.のリチャード･ミラーは、小国カルバの大統領、ザビエル･セラノの暗殺に関与した疑いで追われる身となるが、V.S.S.E.により48時間の猶予を与えられる。リチャードは単身、敵のアジトに乗り込む……というストーリーで始まる、業務用で3作、PSで1作が制作された、ガンシューティングシリーズ最新作。ガンシューティング固有のリロードシステムに、「隠れる」という動作を融合させたシステムが特徴。今作はPSオリジナル、かつ同社の発売するガンコントローラー「ガンコン」に対応する最後のプレイステーション版ゲームとなる。

■　戦略、防御、そして没入感に寄与する「隠れる」動作

　まず、このゲームの最大の魅力は「隠れる」こと。敵の攻撃をかわす、弾薬を補給する(最大ストックは6発)という2つの役割があり(ここからは便宜上「リロード」と呼称する)、近づいてくる敵の直接攻撃や、移動する障害物をかわせるほか、敵の銃撃を見てから弾丸も(!)避けられる。このリロードがこのゲームをクリアするための重要なポイントであると同時に、避けることによる「敵のアジトに潜入している」という感覚をプレーヤーに起こさせるという効果もバカにできない。

　ただし、あらかじめゲームクリアのための規定時間が設けられているため、いつまでも隠れているというわけにはいかない。また、リロードを繰り返すと戦局が常に変化しているため、リロードは効率よく行なう必要が出てくる。このゲームの戦略ポイントはこれに尽きる。一撃必中で攻撃し、ムダなくリロードすることによって、エージェントの気分を満喫できる。

　「ガンシューティングがどうも苦手」という人も、このリロード機能のおかげで十分楽しむことができるだろう。従来の同ジャンルのゲームは、否応なく敵の攻撃にさらされてしまい、あっというまにゲームオーバーということもありえるが、このゲームに関しては、時間制限こそあるものの、とりあえず隠れてしまえば敵の攻撃にやられっぱなし、という事態は避けられるからだ。

弾丸補給と敵の攻撃を回避するリロード。これをまず使いこなすことを考えよう。ボタン押しっぱなしで隠れるか、離しているときだけ隠れるかの操作は設定変更が可能。ここでは敵の攻撃をかわして反撃している

■　多角的な攻撃で臨場感あふれる「マルチハイディングシステム」

　今作では、対ボス戦において、隠れる場所を移動できる「マルチハイディングシステム」が採用されている。これは、隠れた場所から別の場所へ移動することにより、より多方面からの攻撃を可能にするシステム。

　対ボス戦では、リロードして隠れると、画面左右に黄色のマークが表示される。この状態でマークを打つことにより、隠れる場所を移動できる(移動中は無敵状態なので、攻撃を受けることはない)。敵もこちらの居場所に合わせて複数のポイントに移動し、攻撃してくるので、相手の裏をかくように移動し、攻撃するという動作が必要となる。今作は敵AIの能力も向上しているとのことで、後半のボスとはキツネとタヌキの化かしあいならぬ、場所取り合戦が楽しめる。

隠れると画面にマークが出現。マークの方向へ移動できる	移動中。このときは攻撃を受けることはないので安心	敵の裏をかいて攻撃できたときはなかなか気分がいい

■　射撃の腕を試されるライフ回復システム

　何度か敵を攻撃しているとわかると思うが、敵のどの部位を攻撃したかによって、倒れ方に違いがある。致命傷となる頭部を攻撃するともっとも早く敵が倒れるため、時間を節約したい(=クリアタイムを早めたい)という人は、なるべく頭部を狙うようにしよう。

　また、攻撃を受けて倒れる途中の敵への追い打ちも可能。この追い打ちが何の役に立つかというと、「敵を30回(EASYモードでは20回)連続ヒットすることで、ライフが1つ回復する」というシステムがあるからだ。30回のカウントは、すべて別の敵を攻撃する必要はなく、同じ敵への追い打ちにも適用されるため、追い打ちしてカウントを稼ぐことでライフ回復のチャンスを増やすことができる。

　このカウントが行なわれている間は、画面左上にヒット数とヒット部位のマークが表示されるので覚えておくといいだろう。ライフを回復する手段は、ほかにも各エリアに隠されているアイテムを見付けて撃つ、というものもあるが、できればこのライフカウントシステム(勝手に命名)を試してほしい。緊張感が段違いで、燃えること間違いなしだ。

左上に表示されているマークが、どこを撃ったか、そして何発連続でヒットしたかをカウントしている。30発連続ヒットで1つライフが増える

■　ボス戦の難易度はやや高め。ガンコンプレイを推奨

　プレーヤーの腕によって、遊び方が変わるこのゲーム。ハードに遊びたい人は追い打ちを含めたクリアタイムやスコアにこだわって遊べばいいし、とにかくクリアするだけでも十分楽しい。ガンシューティングゲームは、覚えゲー(出現順とタイミングを覚えて攻略していくタイプのゲーム)という結論に終始しがちだが、射撃効率を極めていくと、また別の次元の楽しさが見えてくる。

　また、ただ遊ぶだけでも、「ミッション・インポッシブル」のようなスパイ潜入気分を味わえる。服装が赤の敵はこちらを確実に狙って攻撃してくるので、赤い敵はさっさと片付ける。これを覚えておけば初心者でも遊びやすいはずだ。ただし、対ボス戦は多少歯ごたえがあるので、何度もプレイして弱点をちゃんと発見しないとキビシイかもしれない。

　プレイステーションということでグラフィックに貧弱さを感じないわけではないが、プレイにストレスを感じることはない。ただし、ガンコンの照準調整はしつこいほど行なうことをオススメする。照準のズレはストレスにつながること間違いなし。

　それから、標準コントローラでのプレイは多少じれったい感覚。ぜひガンコンを使って遊んでもらいたい。販売価格も押さえられており、佳作として十分オススメできる。メーカー主催のタイムアタックコンテストにもぜひ参加してみよう。

【プレイ時間:5時間】

(c)2001 NAMCO LTD.

□ナムコのホームページ
http://www.namco.co.jp/
□製品情報
http://www.namco.co.jp/home/cs/ps/timecrisis-pt/
□関連情報
【4月16日】ナムコ、PS「タイムクライシス プロジェクトタイタン」タイムアタックコンテストを実施
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010416/namco.htm
【2月19日】ナムコ、プレイステーションオリジナルの新作「タイムクライシス プロジェクトタイタン」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010219/namco.htm

(2001年4月20日)

[Reported by 佐伯憲司]