これまでにないネットワーク対戦も魅力の
PC版アクションRPG「Dungeon Siege」

ゲームの説明をしてくれたChris Taylor社長
3月14日 現地時間発表

 米Microsoft本社にて開催されたゲームイベント「Gamestock 2001」。XboxからPCゲームまで数多くのゲームが出展されたが、その中でも特に人気の高かったタイトルのひとつがアクションRPG「Dungeon Siege」だった。Gamestock 2000でも公開されていたタイトルだが、今回はかなり完成度を上げての出展だった。今回、制作を担当しているGas Powered GamesにてプロデューサーのChris Taylor氏にゲームの詳しい内容を聞くことができた。

 「Dungeon Siege」のもっとも大きな特徴のひとつはステージ間にLOADING時間がないことだ (ゲームを開始する時点でのLOADINGは存在する) 。村を出て川を越え、だんだん人里離れた森に入っていくあたりまではこれまでのゲームでもあったことだが、森から古びた建物に入っていき、そこからダンジョンに入っていくのもすべてリアルタイムに進んでいく。ダンジョンに入っていくとだんだんと天井が透けていきダンジョン内部が明らかになっていく様はこれまでにない感覚だ。カメラワークは基本的に斜め上空からの視点となっているが、方向も含めユーザーの自由に設定することができる。
 フィールドに生い茂っている木々や、流れる川の表現なども素晴らしい。美しいだけでなく存在感があるものに仕上がっている。Chris Taylor氏によれば、単に美しいだけでなく、ムードが伝わるように心がけているという。

 フィールドには敵が存在し、戦っていかなければならない。武器は剣や弓などに始まり数多く用意されている。剣で戦えばそれに見合った“スキル”が上達していくこととなり、スキルがある一定の数値まで到達すればレベルアップすることになる。武器の中には特殊なスキルが必要となるものも存在する。たとえば“弓”などがそれで、弓のスキルが一定数値まで達していかなければ、“弓”関連の武器を使用することはできないという。これは、キャラクタの職業などにも関係しており、魔法の収得などにも細かく関わってくる。戦略的にキャラクタを成長させていく必要がありそうだ。

 このほか、弓などの武器には実際の物理法則に従い、高低差によって攻撃距離が変わるという。高いところから低い敵を狙った方が有利になると言うわけだ。
 武器に関して言えば、敵を倒せば武器を落とすのでそれを拾って使用できるほか、町中などにあるショップで購入することももちろん可能となっている。

 ゲームは一人のプレーヤーで黙々と進めていくことも可能だが、フィールド上で仲間となるキャラクタと一緒に進めていくことも可能だという。最大8人まで人を増やしてぞろぞろとフィールドを進んでいけるという。各キャラクタにはリアルタイムストラテジーゲームのようにクリックひとつで指令を与えることができ、戦闘自体もストレスなく行なえるとしている。

 フィールドにいるのは敵や仲間達だけではない。追えば逃げていく動物たちも描かれている。これらの動物たちをしつこく追っていると、逆に牙を剥き敵となることもあるという。これは本来ゲームとは関係ないが、雰囲気を伝えるためにキャラクタを追加したのだという。

【スクリーンショット】
外界から建物の中へ、そして迷宮へとゲームは進んでいくが、ステージ間はシームレスに繋がっており、“LOADING”といった表示がゲーム中に登場することはない 迷宮内に囚われの身になっている人を助けたり、墓場から人をよみがえらせたりすることでパーティを作成することができる 敵との戦闘はリアルタイムストラテジーのような戦い方となる

 ネットワークプレイに関してはこれまでにないものを考えているという。現状では3つのモードを考えていて、ひとつは他のプレーヤーとともに協力して進めるタイプのもの。2つ目は“スペシャルゲーム”と呼ばれるもので、ロビーのような街を設定し、そこを中心に他のユーザーと武器の交換をしたりクエストを行なうといった交流を計ることができるという。そして3つめがショートゲーム。これは時間制限や目標を自由に設定し、一定時間で集中して遊ぶものだという。たとえば「特殊なアイテムをどれだけ長く持っていることができるのか?」といった目標設定をし、鬼ごっこのようなことを楽しむこともできるという。これらの成績はすべて管理され、新たな挑戦者を迎え入れることも容易だという。

 気になる制作状況だが、ほぼゲームの全体像は固まっており、これから仕上げの作業に入っているところだという。グラフィックやテストプレイを通じ、クオリティアップを図っていくこととなる。完成は9月頃を予定。日本のマイクロソフトによると現状では日本語へのローカライズも考えていると言うことで、今年中には遊ぶことができる可能性もあるという。

 「Dungeon Siege」は制作をGas Powered Gamesがおこない販売をMicrosoftが担当することになるが、Microsoftといえばやはり気になるのはXboxの存在となる。Xboxに関しては「いいゲーム機だと思うが、PC向けとして設計しているので、マウスが必須となっており、コンシューマのコントローラ用にインターフェイスを設計し直さなければならない」ということだが、「最近少しXboxへの移植してもいいかなと考えている」と少し興味を持っているようだった。

 社内には24人の社員がおり、約2年間「Dungeon Siege」の制作にかかりっきりだという。「もう会社に住んでいるようなものだよ」とChris Taylor氏はおどけて見せたが、「僕たちはゲームを好きで、ゲームづくりに没頭している」と熱い意気込みを語っていたので、今後もっとよいゲームに仕上がっていく予感がした。

【スクリーンショット】
ドンドン森の奥深くに進んでいく……。風に揺れる木々の表現が素晴らしいかった 同じく、森の中の不安感がよく表わされている……あまりにも木々が生い茂っているので、どこに敵が潜んでいるのかわからない 今回見せてもらったデモでは当たり判定などが若干怪しかったが、今後調整されるのだろう
魔物だけでなく機械のような敵も登場するようだ キャラクタは最大8名まで作成でき、パーティを組むことができる。キャラクタが増えてくると戦闘シーンなどはかなりの迫力 暗く寒々とした迷宮。ライティングなどの効果なども現在バージョンアップしており、より素晴らしいものを目指しているという

□Gas Powered Gamesのホームページ (英文)
http://www.gaspoweredgames.com/
□「Dungeon Siege」のページ (英文)
http://www.dungeonsiege.com/
□Gamestockのページ
http://www.microsoft.com/games/gamestock/
□PC関連のソフトの情報ページ
http://www.microsoft.com/games/home/gameslist.asp?platform=Windows

(2000年3月15日)

[Reported by 船津稔]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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