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プレイステーション新認証システムをこの夏スタート |
協力3社の社長が勢揃い |
株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (SCEI) は、プレイステーション関連コンテンツの通信対応ソフト制作に関するインフラ問題に対応するべく、ソニーグループ各社と協力体制を敷き、ネットワークビジネスに本格的に取り組む。
発表会の壇上に立った久夛良木健代表取締役社長は、「これまでせっかく良いネットワークゲームの企画があってもサーバーへの投資やシステムの構築、課金システムの検討などかなりの労力が必要となり、ビジネスの収益性を考えると立ち上げるのが大変だった」と述べ、現状の問題点を指摘。その上で、ソニー・グループ各社とインフラを整理することで、プレイステーションのプラットフォームでネットワークビジネスを本格的に立ち上げるソリューションの提供を行なうという。
今回参加しているのは、eコマースを担当しているプレイステーション・ドットコム・ジャパン株式会社、課金システムe-SCOTTをSo-netで運用している株式会社ソニーファイナンスインターナショナル、So-netを有するソニーコミュニケーションネットワーク株式会社の3社。
このネットワークシステムの根幹をなすのは認証システムだが、SCEIはこのシステム上で新しいコピーマネジメント機能「DNA-S (Dynamic Network Authentication-System) 」を採用する。これは、CD-ROM1枚1枚に固有のIDを刻印。さらに、メモリーカードのMagicGate (暗号化システム) を使用しコンテンツを暗号化しHDDに記憶。刻印とプレイステーション 2機器IDなどをSCEIのコピーマネジメントサーバーにおいてマッチングさせるという、何段階にも渡っての認証システムとなっている。
この何段階もの認証システムの組み合わせで、例えばソフトによってはどのプレイステーション 2にインストールすることも可能にできたり、同じハードディスクであれば再インストールが可能とすることもできる。このほかにも、家族であれば使用可能と言ったことや、友人への貸し出しOKといったことも認証することができるとしている。
久夛良木氏は、音楽業界などで問題となっている「napster」の問題などを引き合いに出し「ゲーム業界ではこういった問題を決して起こさないために、絶対的なコピーマネジメントが必要」とし、「解決するまではスタートさせない」つもりだったという。この冬発売が予定されていたハードディスクユニットの発売が今回の発表で7月に延期されたが、それはこの問題を解決するためだという。
CD-ROMの刻印はCD-ROM媒体として始めて採用される技術となる (4月から刻印開始) 。この刻印は一見しただけでは刻印されているかはわからないという。また、当然、専用のハードウェアが必要となるが、プレイステーション 2にはすでに検知するためのハードウェアが搭載済みであるという。
発表会に出席したSo-netの山本泉二代表取締役社長は「6月にはプレイステーション 2を使ったインターネット接続をスタートさせる。ただ、接続できるだけではダメで、魅力的なソフトウェアもリリースしていく」と発言したことから同社の持つ「PostPet」などが移植される可能性も出てきた。
プレイステーション関連コンテンツの課金システム、サーバー、認証システムなどのインフラをサポートする | CD-ROM、1枚1枚にそれぞれ刻印を打つ。見た目にはわからないという |
(2001年2月21日)
[Reported by 船津稔]
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