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★ ファーストインプレッション ★
ハマった……「ファンタシースターオンライン (以下PSO) 」をプレイして、感想を言い表すなら、この一言につきる。「ファンタシースター」シリーズの最新作がDreamcast (以下DC) でリリースされることが伝えられ、それがネットワーク対応になると聞かされて興味を持ち、今年の春の東京ゲームショウで映像展示を見て以来「今年はこれしかないっ!」と方々で言い回ってから半年。11月中旬から実施されていたトライアル公開にも参加し、自分の勘は間違っていなかったことを実感した。このゲームは“スゴイ”。
■ 未開の惑星を他のプレーヤーと共に冒険
このゲームはアクションRPG。3Dのフィールドを駆け、敵とリアルタイムに戦いながら進んでいく。探索エリアは森から洞窟、坑道というように徐々に増えていき、それぞれに野生動物や怪物化した生物、ロボットなど、エリアに応じた敵が登場する。3Dで描かれているためモンスターとの身長差やスピードも画面内で実感でき、特に各エリアの最後にいるボスキャラの大きさには圧倒されることだろう。剣や銃、魔法に相当するテクニックなどの効果も多彩で、剣は種類ごとにリーチが異なるなど、従来のRPGでは表現しづらかった部分までが見事に再現されている。アクションゲームとRPG、それにネットワークの長所をうまく活かしたシステムは、さすがにソニックチームといったところだろう。もちろんネットワークに接続していない人でも遊べるオフラインモードも用意されている。
楽しいのがキャラクタークリエイト。名前や種族、職業はもちろんのこと、髪型や服装、顔などが数パターンから選択でき、顔の色はRGBを変更して自由に設定可能。身長や体型も、モーフィングを利用して無段階に調整できるなど、きわめて自由度の高いキャラクタークリエイションを楽しむことができる。こだわりと愛情を持って、自分の分身であるキャラクター作りに臨もう。きっと、長いつきあいになるはずだから。種族や職業の組み合わせによるキャラクタは全部で9種類。それぞれに特性が異なるので、ビジュアルで選ぶか特性で選ぶか、頭を悩ませることになるかもしれない。
■ 難易度が変わるクエストも充実 ゲームの本筋から離れた、いわゆるクエストも存在する。キャラクタが所属しているハンターズギルドからの依頼がそれで、依頼の内容や報酬などを見て、どれを受けるかを決めていくことができる。本筋から離れた、といっても、随所にヒントのような謎が散りばめられているし、序盤のクエストはチュートリアルになっていて、操作方法や攻略のコツなどをつかむことができるようになっているので、積極的に依頼を受けていくようにするといいだろう。ちなみにオンラインモードとオフラインモードでは内容も異なるほか、新たなクエストをダウンロードしてプレイすることもできる。シナリオデータを一括してダウンロードするシステムなので、新たなクエストが公開され続ける限り、いくらでも冒険を楽しむことができるのがうれしい。 また、一度ゲームをクリアしても新たな難易度がプレイできるようになるので、再挑戦が可能になる。難易度が上がると敵が早く、堅くなるが、得られる経験値は多く、出現アイテムは強力なものが多くなる。ハイリスク・ハイリターンのハードモードは、なかなか噛み応えがありそうだ。
■ 5カ国語を自動翻訳する“ワードセレクト” 現在、コンシューマ機で唯一モデムを標準装備し、インターネットへの接続を身近なものにしたDreamcast。当初からモデムに対応したソフトはリリースされてきたけれど、PSOはその決定版ともいうべきアクションRPGだ。これまでのコンシューマゲームと決定的に異なるのは、PSOが世界規模で発売され、全世界のプレーヤーが冒険を共有できるという点につきる。「ウルティマオンライン」や「EVERQUEST」など、PCをプラットフォームとするゲームには世界規模のものも多数存在しているが、コンシューマでは世界初、そして、マウスをメインデバイスとするPCよりも高いアクション性が期待でき、日本語が使用可能という点でも、PSOは他のタイトルとは大きな違いを持っている。 言葉に関しては、日本語版のほか英、仏、独など5カ国語版がそれぞれ発売され、ワードセレクトと呼ばれる単語を拾い集めて会話する入力モードを使用すれば、他国語へも瞬時に変換して送られるなど、言葉の壁を意識した機能も搭載されている。さすがに全ての会話を自由に変換するわけにはいかないが、これまでためらわれていた海外のプレーヤーとの冒険も、気軽にできるようになるだろう。オフラインでも、また、オンラインでも作ったチーム (部屋) にパスワードをかけて1人でプレイすることもできるけれど、それはせっかくの機会を棒に振っているようなもの。ネットワークに接続し、冒険の入り口となるビジュアルロビーに集っている他のプレーヤーに、思い切って話しかけてみよう。その瞬間に、新たな仲間が誕生するはずだ。
会話について、もう少し触れておこう。PSOでの会話方法にはいくつかの種類がある。まず、前述のワードセレクト。たとえば「武器/防具/道具」から「武器」、「ほしい/あげる」から「ほしい」、「!/?/。」から「?」を選べば「武器ほしい?」と質問になる。最後を「!」にすれば「武器ほしい!」と要求になる。ロビーでの挨拶や戦闘中のかけ声など、さまざまなパターンが登録されているので、これだけでもかなりの会話が成立するし、なによりも同時翻訳されるのは、このワードセレクトによる会話だけだ。
次にソフトウェアキーボード。ドリームパスポートなどでもおなじみのシステムで、英/かな/カナなどを切り替え、文字を拾って言葉にする。漢字変換もできるし、自由に会話文を作れるが、入力に慣れないと時間がかかるのが欠点だ。
よく使う言葉をショートカットに登録しておくこともできる。登録できるのは、方向キーとRボタンの組み合わせて8種類と、キーボードのファンクションキー12種類。戦闘中など、入力の手間を省きたいときに効果を発揮する。
おわかりだろうか? PSOが「会話する」ことに、これだけ重点を置いているということが。そして、文字やシンボルだけではなく、PSOには画面内に自由に動けるキャラクタがいる。これは、すなわちPSOが極めて優秀なコミュニケーションツールであることを意味している。
■ ブロードバンドアダプタにも対応 人が相手のことだけにトラブルも出るもしれない。それでも、CPU相手では決して得ることのできない楽しさと感動を、このゲームは与えてくれる。約1カ月のトライアル期間中、寝食を忘れて200時間を超えるほどプレイに没頭してしまったPSO。こんなにも1本のゲームにのめり込んだのは「ウィザードリィ#1 (APPLE II版) 」以来といってもいいかもしれない。 もしもPSOに興味を持って、触れてみたいと思う方はくれぐれも寝不足と電話代にはご用心を。CATVやフレッツISDN、ADSLなどブロードバンドアダプタを利用できる方は、早めに注文しておいた方がいいだろう。すでに、トライアル参加者によって、ブロードバンドアダプタは品薄状態が続いているという。これまでは非公式対応だったが、先日公式に対応が発表されたので、この状態はしばらく続くかもしれない。そして、この状況こそがPSOの面白さをなによりも明確に表しているのではないだろうか。アクションゲームとして、RPGとして、コミュニケーションツールとして楽しいPSO。月400円の接続料 (3カ月前納で1,000円。接続開始から30日は無料) には賛否が分かれるかもしれないが、断言しよう。400円なら安い。
(C) SEGA / SONICTEAM, 2000.
□セガのホームページ http://www.sega.co.jp/ □ソニックチームのホームページ http://www.sonicteam.com/ □「ファンタシースターオンライン」のページ http://www.sonicteam.com/pso/index2.html (2000年12月20日)
[Reported by 山城 宏] |
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