★ PCゲーム ファーストインプレッション ★

トゥームレイダー5:クロニクル
日本語マニュアル付英語版

【ゲームの内容】

 女性冒険家の“ララ・クロフト”の冒険を描いたシリーズ最新作。秘境や遺跡を舞台に数々の謎や仕掛けを解き明かし、敵と戦いながらストーリーを進めていくアクションアドベンチャーゲーム。空間の表現がすばらしく、実際にゲームの中にいるかのような錯覚を覚えるほど。




 「トゥームレイダー」シリーズとは

 かつて日本のゲームファンの間では、RPGやシミュレーションゲームならいざ知らず、アクション系のゲームでは海外産のソフトの出る幕はないという認識があった。実際、競争の激しい家庭用ゲーム機市場で揉まれた日本産のアクションゲームを見慣れた目からすると、海外産のアクションものは練り込みが足りないと感じるものが多く、どうにもそそられないものが多数派だったのだ。

 だが、そんな先入観を一気に覆したソフトがある。強く美しい女性考古学者、ララ・クラフトが世界各地の遺跡を駆け巡って秘宝を探す3Dアクション、「トゥームレイダー」だ。打てば響くような操作性に、練りに練られたパズル性、そして、初代Voodooチップの性能を生かしきったグラフィック。その完成度の高さに、海外産のアクションゲームなんて……と侮っていた連中は度胆を抜かれた。結果としてこのソフトは、PCの普及率の関係からアメリカやヨーロッパほどの爆発的なセールスは達成できなかったものの、我が日本でも抜群の認知度を持つようになったのだ。

 その後、次々と続編が発表された「トゥームレイダー」。毎年のようにリリースされる新作は、いずれも同シリーズのファンを満足させる完成度に達していた。そしていま。再び同シリーズの最新作にして完結編となる第5作が発売される。それが、今回紹介する「クロニクル」なのだ。


 今回の冒険は

墓石には、ララ・クラフトの名前が刻まれている。本当に彼女は死んでしまったのか?
 前作の「トゥームレイダー : ラストレベレーション」のラストは、同シリーズのファンにとって非常にショッキングな内容になっていた。主人公ララ・クラフトが、最後に行方不明になってしまったのだ。今回の「トゥームレイダー5:クロニクル」は、その設定を引き継いでおり、ララの墓に集う人々の姿がオープニングのムービーで流される。そう、結局ララは、死亡したものとされているのだ。

 今回のゲームは、ララに縁のあった人々が、過去のララの冒険を回想するという形式が取られている。今回、登場するエピソードは、「Rome」、「Russian Base」、「Black Isle」、「Tower Block」の4つ。

  • 【Rome】
    「トゥーム・レイダー」をプレイしたことのない人は、このステージでみっちり練習しよう
     ローマの市街地を舞台に、例の如く秘宝探しの冒険をするララ。ゲーム序盤に登場するオペラハウスは、基本的な操作を覚えるためのトレーニングステージとなっている。

  • 【Russian Base】
     第2次世界大戦中、突然の爆発事故で海底に沈んだドイツ海軍の潜水艦、Uボート。その船内には、伝説の秘宝、運命の槍が眠っている。槍の存在を知ったララは、ロシアの潜水艦に潜入、Uボートの沈没地点に向う。狭く入り組んだ潜水艦内部など、なかなか緊迫感のあるステージだ。

  • 【Black Isle】
    16才のララは、武器が使えない。とはいえ敵は出てくるので、素速い行動が求められる
     舞台はアイルランドの孤島。奇妙な島の幻影を見たララは、その島に潜入を試みる。このステージに登場するのは、16才のララ。まだ銃を扱えない少女時代の話なので、主にパズルを解くことがゲームの目的となる。

  • 【Tower Block】
    これが噂の新コスチューム。ララファンにとっては嬉しい心遣いだろう
     最新の警備システムに守られたハイテクビルに潜入、金庫の奥にしまわれた秘宝の奪取を試みるララ。「トゥームレイダー」シリーズとしては異色のステージで、ララは黒いジャンプスーツに身を包んで行動する。


     実際のゲームは

     それでは、実際に「トゥームレイダー5:クロニクル」をプレイしてみた感想を。まず、アクションについて。新作の度に新しいアクションが追加されている同シリーズではあるが、さすがにこれ以上操作を複雑化できないと製作側も考えたのか、今回目新たに導入されたのはロープ渡りや平行棒のアクション程度。前作や前々作をプレイしたことのある人なら、ほとんど違和感なくララを操作することができるはずだ。
     また、最初のローマのステージは難易度が押さえられているので、同シリーズ初体験の人でも、そう苦労することなく先に進むことができるだろう。ただし、ゲームも後半となると、こめかみの痛くなるような難所に何度も直面することになる。とりあえず、ひと段落したらセーブという、このシリーズの鉄則を実行し、少しずつでも前進することを考えるようにしたほうがいいだろう。

     一方、パズル要素の方はどうか。基本的にこのシリーズは、次は何をすべきかを手取り足取り指示してくれるタイプのゲームではない。そのため、一箇所でつまずくと、何時間も同じ場所をウロウロする破目になることもざら。それをうっとうしいと思う短気なプレーヤーもいるだろうが、ひとたびそのパズルを突破した際の充実感は格別だ。近頃は最新のゲームでも、インターネット上で検索すれば、すぐにウォークスルーを確認することができるようになっている。しかし、最高の充実感を感じたいのなら、そうした手段には頼らず、すべてのパズルを自力でクリアしたいところだ。

     「トゥームレイダー5:クロニクル」は、やはり定番シリーズだけあって、安心してプレイすることができる。特にアクションゲームが苦手というのでなければ、とりあえずプレイしてみる価値はあるだろう。

    思うようにジャンプができなければ、このゲームをクリアすることはほぼ不可能。練習すべし ステージの要所要所には、鍵を使わなければ開かない扉がある。まず鍵を見付けなければならない レーザースコープを入手すれば、正確な射撃が可能に
    ロープの上をバランスを取りながら渡るという新アクションも追加された シリーズ名物とも言える、即死の罠も健在。頭を捻らねば脱出は不可能


     これを機会にシリーズ全てをプレイしてみるのは?

     発売元のEidos Interactiveは、第1作の大ヒットをうけ次々と続編を発表。PCのみならず、Macやプレイステーション、そしてゲームボーイカラーまで、様々なプラットフォームで同シリーズを展開してきた。とりあえず、元祖のPC版だけに限っても、これまでに以下の作品がリリースされている。

    • 「Tomb Raider」
       記念すべきシリーズ第1作。Glide(DOS版)対応の滑らかな動きが大評判となり、あっという間に大ヒットとなった。追加シナリオを収録した「Tomb Raider:UNFINISHED BUSINESS」及び「Tomb Raider Gold」というパッケージも発売されている。

    • 「Tomb Raider II」
       シリーズ2作目。追加シナリオを収録した「Tomb Raider II Gold」及び「Tomb Raider II: Golden Mask」というパッケージも発売されている。

    • 「Tomb Raider III」
       マップが大幅に広くなったうえ、難易度もシリーズ中最高の水準となり、多くのゲーマーをてこずらせた作品。追加シナリオを収録した「Tomb Raider III:THE LOST ARTIFACT」というパッケージも発売されている。

    • 「Tomb Raider The Last Revelation」
       グラフィックエンジンが強化されたシリーズ4作目。この作品のラストで、ララが行方不明となる(死亡したかどうかは不明)。

    • 「Tomb Raider Cronicle」
       現時点での最新作であり、シリーズ完結作。先行発売されたアメリカでは、当然のごとくヒットチャートの上位に踊り出た。日本でも、大きな反響を呼ぶことは間違いないだろう。

     なお、2001年11月には、最新作、その名も「Tomb Raider Next Generation」がリリースされる予定だ。詳細な内容に関してはまだ不明な点も多いが、こちらもヒットはまず確実なところ。対応プラットフォームはPCの他に、プレイステーション2とXboxが予定されている。

    TOMB RAIDER:CHRONICLES (C) AND TM CORE DESIGN LIMITED 2000. (C) AND PUBLISHED 2000 EIDOS INTERACTIVE LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED.


    【動作環境】
    • CPU:MMX Pentium 233MHz
    • メモリ:32MB以上
    • HDD:30MB以上
    • CD-ROMドライブ:4倍速以上
    • ビデオカード:DirectX7.0aに対応しV-RAM 16MB以上搭載したビデオカード


    □アイドス・インタラクティブのホームページ
    http://www.eidos.co.jp/index-hi.html
    □「トゥームレイダー5:クロニクル」の製品情報
    http://www.eidos.co.jp/title/tr5/TR5.htm
    □「トゥームレイダー5:クロニクル 日本語版」DEMO版ダウンロードサイト (15.9MB)
    http://www.eidos.co.jp/Demo/Demo_Index.htm
    □関連情報
    【12月13日】アイドス、「トゥームレイダー」シリーズ最終作を1月に発売
    http://game.watch.impress.co.jp/docs/20001213/eidos.htm

    (2000年12月14日)

    [Reported by 小笠原誠]

  • I
    【Watch記事検索】
    最新ニュース
    【11月30日】
    【11月29日】
    【11月28日】
    【11月27日】
    【11月26日】


    ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

    Copyright (c) 2000 impress corporation All rights reserved.