どこが変わった? ここが変わった! ワンダースワンカラー

限定争奪勝ち抜けバトルとなった「ファイナルファンタジー ワンダースワンカラー本体同梱版」……ということは本体はオマケ?
2000年12月9日 発売

価格:6,800円

 8月30日に発表されて以来、携帯ゲーム機で初めて「ファイナルファンタジー」が遊べることもあって話題を呼んでいた「ワンダースワンカラー」。12月9日に当日販売を行なったゲーム販売店は, いずれも多くのユーザーが朝早くから列をなしていた。

 でもユーザーとして気になるのは、どこがどう変わったのかという点。

 全体のデザインは、POWERなどのスイッチ類の下の形が若干変更になった程度でほぼ同じ。デザインの変更点が少ないだけに大きさも変わっていないかと思いがちだが、128×74.3×17.5mm (幅×奥行き×高さ<単三電池使用時24.3mm>) と、幅7mmほど大きくなっている。ところが重さは、110gから95gへと反対に若干軽くなっており、実際に手に持つと実感できる程度に軽くなっている。

 形はあまり変わっていないのだが、実はボタンの位置などが変更されている。これまで左側面に設置されていたON、OFFのスライドスイッチが画面下の押しボタン式のスイッチに変更されている。ワンダースワンカラーの左側面には、従来機では下に設定されていたコントラストボリュームが設置されている。A、BボタンやX、Yボタンは従来通りだが、従来機がわりとフワッとした押し心地だったのに比べ、ワンダースワンカラーではポチッという感じで、若干しっかりした感じになった。また、ボタンは白地のスケルトンタイプとなり、A、B、Y1、X1などボタンの名称がキチンと記されている。ボタンの数が多いだけにこれは親切かも。
 ボタンに関して言えば“POWER”ボタンが押しボタン式になったことにより、カバンなどに入れた場合、自動的に電源が入ってしまうという可能性も出てきた。ただ、この点に関しては“START”ボタンと“SOUND”ボタンが突起しているのに対して、“POWER”ボタンは赤くなっており、さらに低くなっていて、入りにくくなっている。そういった点で誤作動することは少ないだろう。ただ、“START”ボタンを押そうと思って“POWER”ボタンを押すことはあるかもしれないが。

横に並べると、イマイチ変更点がよくわからない。ちなみにオレンジがカラーでブルーが従来機。スクリーンの色がこれまでのグレーからグリーンになっている。カラーになったんだから当たり前 ところが重ねてみるとその大きさの違いがはっきりするし、デザインの違いが明らかになる。電池カバーは従来機種のものをカラーに転用することができるが、デザインが微妙に違っていたりする。

 編集部で所有するワンダースワンはスケルトンなため、けっこう内部が丸見えだ。ということでよく中を見てみると配線の位置が従来機とカラーでは違っていたりする。……こういった細かい違いを見ると気になって仕方がない。というわけで悪いこととはわかってはいるがドライバー片手に内部構造の違いをちょっぴり見てみることにした。

 ネジはもちろん特殊なもので、そうそう簡単には開けることはできない。ネジ穴の位置は従来機種とワンダースワンカラーでほぼ同じ。従来機種はすでに2年前に買った物であるため比べることができないが、カラーの方がきつくしめられているような気がする。
 ネジをはずし、裏蓋を取るとかなり大きな部分を占めているのがカートリッジのコネクタだ。これは携帯ゲーム機ならではの部分といえる。この段階では、基板の構造はあまり変わりがないように見える。

 ところが、基板を裏返してみるとずいぶんと違うことがわかる。表面に関して言えば全体的にカラーの方がチップの数が多くなっており、ギッシリとつまっている感じを受ける。ところが基板を裏返すと従来機がカオスを感じさせるものなのに比べ、カラーはスッキリあっさりとしている。2年の間でずいぶんとスマートに変化している。

ワンダースワンカラー内部。かなりチップ数が多くギッシリ感がある。ちなみに右下の白いスライドスイッチは電池蓋のストッパー。気配り行き届いています 縦に並べてみたところ。大まかなレイアウトに変更はないように感じる 従来機種。ワンダースワンカラーと比べるとあっさりとした印象を感じる
カラーの基板裏。スッキリとした印象だ。ケース側の鏡のような部分は液晶の背面 ヨコに並べてみたところ。細かな変更点が目に付く 従来機種。基板の表側とは逆に混沌とした印象だ

■ 若干の変更がある設定画面

 従来機からワンダースワンカラーに変わり、オプション設定が新たに設定されている。ワンダースワンといえばゲームを開始する前に名前、生年月日、性別、血液型を入力し、パーソナライズできるという特徴がある。ワンダースワンカラーにおいても同様の設定が可能で、従来どおり起動時に自分の名前が表示される。

 今回新たに設定されたオプションで設定できるのは、“VOLUME”と“CONTRAST”のふたつ。VOLUMEは3段階まで調節でき、ここで設定した内容はRAMに記録される。従来機種では音が出ないように設定しても電源消灯後、再起動すると設定はクリアされてしまう。電車でするときなど大きな起動音が鳴り響き、周りに迷惑をかけてしまう場合があった。カラーでは“0”に設定すれば記録し、起動時に音を出さない。“0”に設定するとボリュームを調節しても音が出なくなるのかというとそうではなく、デフォルト値が設定されると言うことだ。

 CONTRASTは“LOW”と“HIGH”の2種類から選ぶこととなる。LOWに設定すると若干暗いがシャープな感じになり、HIGHに設定すると明るく見やすいが少々ぼけた感じとなる。好みの問題と言うよりはプレイする場所によって変更する必要があるかもしれない。もちろん、コントラストボリュームは別途用意されているので、プレイ中でも変更できる。

パーソナライズ画面。従来機種と変わりなくシンプル CONTRASTで、どの程度変わるのか? 画面を拡大してやっとわかる程度の違い。左側がLOWで、右側がHIGH

ちなみにワンダースワンでカラー用ソフトを起動しようとすると「このカートリッジはワンダースワンカラー専用です」というメッセージが表示される

 ハードの解説をずいぶんと行なってきたが、重要なのはソフトだ。ワンダースワンカラーでのキラータイトルは、やはりスクウェアのファイナルファンタジーだろう。発売日は未定だが、「ファイナルファンタジーII」、「ファイナルファンタジーIII」の移植も控えている。
 一方、バンダイが得意とするキャラクターものも充実だ。とりあえず1月に発売される「機動戦士ガンダム vol.1 SIDE7」は必携のソフトといえるだろう。オリジナルソフトで言えばすでにキャラクター人気に火がつき始めているアクションゲーム「ライムライダーケロリカン」がハードと同時に発売された。

 ソフトの数も質も期待できるだけに、どうしようかと迷っている人は手に入れておいても損のないハードといえるだろう。個人的には3月に発売が予定されている「ウィザードリィ シナリオ1 狂王の試練場」が楽しみなのだが、古いですかね?

■■ 注意 ■■

  • 分解/改造を行なった場合、メーカーの保証は受けられなくなります。
  • この記事の情報は編集部が購入した個体のものであり、すべての製品に共通するものではありません。
  • この記事を読んで行なった行為(分解など)によって、生じた損害はGAME Watch編集部および、メーカー、購入したショップもその責を負いません。
  • GAME Watch編集部では、この記事についての個別のご質問・お問い合わせにお答えすることはできません。

□バンダイのホームページ
http://www.bandai.co.jp/
□ワンダースワンのページ
http://www.swan.channel.or.jp/
□ワンダースワンカラー版ファイナルファンタジーのページ
http://www.playonline.com/WS_web/index.html
□関連情報
【2000年8月30日】バンダイ、カラー化しパワーアップした「ワンダースワンカラー」
汎用メモリカードがゲームカートリッジに! (PC Watch)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000830/bandai.htm

(2000年12月9日)

[Reported by 船津稔]

I
【Watch記事検索】
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】


ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

Copyright (c) 2000 impress corporation All rights reserved.