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会場:ネクソンジャパン本社
韓国のネクソンで開発の副プロデューサーをしている、ネクソン開発1本部開発1室テイルズウィーバーチームのキム・グァンジン氏がイベントにあわせて来日した。キム氏と、運営を担当しているネクソンジャパンの事業本部第2事業室マーケティングチームの坂下智久氏の2人に、5周年記念イベントの感想や、今後の開発計画について聞いた。 ■ チャプター4のすべての要素が入るのは3月以降。今後は日本が先に新しいコンテンツを実装することに
坂下智久氏:本筋のストーリーと関係がない部分で、いくつか外伝的なマップがあるんですけど、今回はそのうちの1つ「西遊記」マップが入るというところが大きなポイントですね。 編:2月25日のアップデートでは、「西遊記」マップと「称号システム」などが実装されましたが、チャプター4のイスピン・ティチエル・ルシアンの3人以外のストーリーなど、今回のアップデートで入っていない部分については、いつごろ実装される予定ですか? キム・グァンジン氏:残りのキャラクターのストーリーは4月以降になると思います。 坂下氏:他のキャラは作業上の問題で遅れていて、まだ確定した日付は決まっていません。みんなで楽しむアトラクション「恐怖の家グリッド」については3月18日に入る予定です。 編:韓国ではすでに対人コンテンツの「シルバースカル」が実装されていますが、いま日本と韓国ではどのくらい開発に時差があるのですか? 坂下氏:今はほとんど追いついてきているところですね。今後は日本から先に新しいコンテンツを実装していくことになります。今がちょうど、部分的に日本が早い部分もあり、韓国が早い部分もあるという時期ですね。韓国は「シルバースカル」がすでに実装されていますが、日本ではシステム的な調整のため、もうちょっと先になりそうです。そういう前後する部分はありますが、基本的には「西遊記」マップについてもそうですし、次の「鬼哭の城」は日本コンセプトマップでもありますし、まず日本に導入してそれから韓国という形になります。 編:「シルバースカル」の韓国での評判はどうなんでしょうか? キム氏:韓国ではいまイベント的に公開しています。プレーヤーの皆さんからの評判は上々です。 編:ということは、日本でもイベント的なコンテンツになるんですか? 坂下氏:その辺りも慎重に考えなきゃなというところがありますね。より多くの方に楽しんでいただきたいと思っています。 編:先日のオフラインイベントで発表された「鬼哭の城」は和風テイストあふれたコンテンツですが、ああいったダンジョンは韓国では導入される予定はないんですか? キム氏:韓国でも導入する予定はあります。アイテム周りは変更になると思いますが。 坂下氏:「忍桜の里」も韓国へ逆輸入されました。 編:5周年記念イベント用のゼリッピグッズの詳細は決まりましたか。 坂下氏:5種類のゼリッピにちなんだ、5色セットのグッズになる予定です。販売は考えていないんですが、たくさん作ったので、1年間いろいろな場面でプレゼントできたらなあと思っています。
■ 今後はよりMMOらしく、パーティープレイを重視したプレイになる?
キム氏:テイルズウィーバーはMMOですが、キャラクター別で、ストーリー的なものには特徴がありますが、スキルや攻撃などにあまり特徴がありませんでした。だから今後はキャラクター別のスキルや攻撃にもっと特徴をいれて、パーティーを組んでいけるようなダンジョンを追加したりと、もっといわゆるMMOらしい部分を入れていこうと思っています。 編:キャラクターごとに個性を持たせるのですか? キム氏:新しいスキルは追加する予定です。他のMMOを見てみると、攻撃するキャラクターは攻撃だけ、サポートするキャラクターはサポートだけというようになっていますが、「テイルズウィーバー」もこのようにしてしまうか、プレーヤーが選択できるようになるかを検討中です。 編:パーティープレイが重視されるようになるということですか? 坂下氏:日本のプレーヤーさんには、現在のゲームシステムはどちらかというとソロ向けだと言われているんです。でも、日本の皆さんはわりとチームプレイを好まれる傾向があるので、運営としても意識して開発チームと交渉しています。まあ、ゲームシステムをがらっと変えることはなかなかできないですが、チームプレイのイベントを多くしたり、チームプレイの経験値ボーナスをアップしたりするような方向で進めたいと思っています。 編:Ver.4.56以降の仕様は具体的にいつごろ実装される予定ですか? 坂下氏:3月に「恐怖の家グリッド」を入れて、4月には「鬼哭の城」を入れられるといいなと思っています。「シルバースカル」は「鬼哭の城」よりは後になると思います。チャプター5は4月以降かな。今後、先行して日本に導入するということもありますので、韓国の皆さんをお待たせするわけには行きませんから。開発チームも日本向けにかなり時間を割いて動いてくれているので。 あとは、日本としてはイサックくらいは今年入れたいなと思っているのですが、なかなか。2007年の11月にも同じようなユーザーカンファレンスをやりましたが、その時にイサックを発表したんですね。でも今回までに、スキル画像も用意できなくて、……まあそのくらいの状況です。イサックは素手で攻撃するキャラクターなんですが、初めての試みなので慎重になっている部分もありますね。 編:ということは、アナベルは来年ですか? 坂下氏:彼女に関しては、来年以降になってしまいそうです。できれば1年に1人は入れていきたいなと思っているんですけど。何しろ作る要素が多いですから。ストーリーもですし、モーションや武器、スキルとすべてになるので、思ったよりも大変なんです。
■ キャラクターのバランスは現在調整中
坂下氏:だいたい毎回喜んでくださるんですけど、批判もあるんです。8割が喜んで下さっていても、2割くらいは批判があるんですが、今回はアンケートに本当にいいことばかり書いていただいてびっくりしました。 編:どのような意見が多かったんですが? 坂下氏:いつもはアイテムがかわいいという意見が多いんですが、今回は「鬼哭の城」に期待しているという声が多かったですね。後は、今回初めて演奏会を開いて、こちらは予想通りご好評をいただいたんですが、おなじくらい発表の内容も褒めていただいていました。「これからまた期待しますね」とか、「モチベーションがアップします」といった意見が多かったですね。 編:要望にはどんなものがありましたか? 坂下氏:自分が使用しているキャラクターを強くしてくださいとか。ああいう場所で行うアンケートは、通常のものよりも個人的な要望が多くなりがちなんです。たとえば「とても面白かったです。ついでにルシアンをもう少し強くしてください」とか、自分のキャラクターをこうして欲しいという要望が多かったですね。 編:ただ、キャラクター間のバランスの調整は、ユーザーさんがずっと望んでいる部分だと思います。 キム氏:キャラクターバランスの調整は、現在も作業を進めています。実装がいつになるかは、まだちょっとわからないです。 坂下氏:細かいスキルの調整は常に行なっているんです。でも、「テイルズ」ってキャラクターによって能力が違うのが珍しい部分でもあるのに、あまり整えてしまいすぎると没個性になってしまうんです。同じ強さにしようと思ったら、同じ範囲の攻撃とか、似たような攻撃を入れないと平等にはなりにくいですから。日本の運営チームはどちらかというと、もちろんバランス調整は行ないながらも、できるだけキャラの個性を出したほうがいいと考えています。 編:「シルバースカル」が入ると、否応なく対人でのキャラクターバランスも問われますよね。 坂下氏:その辺りは、例えば回復系のキャラと攻撃系のキャラをうまく組み合わせたりと、チームで対抗するような遊び方をしていただければと思っています。 編:BOT対策についても、要望が多い部分だと思いますが、現状ではどうなっていますか? 坂下氏:実は昨年くらいから行なっている方法がありまして、それが結構効果をあげています。いろんなサイトのユーザーレビューでも、評価が若干ですけど改善してきています。今後も今の状況を続けていきたいと思います。 編:ゲーム内で行なわれているアンケートでは、アイテムのドロップ率の改善が票を集めていましたね。 坂下氏:ドロップ率については、ずっと変わらず要望があるんです。例えばドロップ2倍イベントをやるじゃないですか。その後はなぜか、例えば200%だったのを100%に戻したら、100%より落としてるんじゃないかと言われるんですが、そんなことはありません(笑)。本当はドロップアイテムがたくさん出た方が皆さんも喜ぶんでしょうが、レアなものが出すぎてしまいますと、それこそ「レア」とは言えなくなってしまいますから。 編:今後実装予定のものを教えてください。 キム氏:新しいダンジョンや、日本で企画されたTTCを作業中です。 坂下氏:TTCは、「テイルズトレーディングカード」の略ですが、トレーディングカードのようなものをゲーム内に入れて、モンスターがドロップしたり、そのカードで対戦をしたりする新しいシステムを企画しています。日本のスタッフがその案を企画して、それが面白いということで採用されて開発してもらっています。できるだけ早く実装できたらと思っています。 編:最後に日本のファンへのメッセージをお願いします。 キム氏:去年から、日本のマップが入ってきていますが、これからも日本からの新しいマップを追加する予定です。ストーリーやキャラクターも、日本のプレーヤーさんの期待に応えられるように現在作業中です。これからもテイルズをプレイしていただけると嬉しいです。
坂下氏:2006年、2007年はいろいろと新要素を入れてきたんですが、去年はBOT対策やシステムの安定などに重点を置いてきたので、プレーヤーの皆さんからは停滞しているように見えたかもしれません。今年以降はまたどんどん新要素が入っていきますから、期待してください。
□ネクソンジャパンのホームページ (2009年2月26日) [Reported by 石井聡]
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