★PSPゲームレビュー★
歴代「FF」シリーズ夢の共演! たっぷり遊べる20周年記念作品
「DISSIDIA FINAL FANTASY」 |
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- ジャンル:ドラマチック プログレッシブ アクション
- 発売元:スクウェア・エニックス
- 価格:6,090円(税込)
- プラットフォーム:PSP
- 発売日:発売中(2008年12月18日)
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「ファイナルファンタジーのシリーズで、どれが1番好き?」と、こんな質問をゲーム好きな人にむければ、そこからはそれぞれの1番好きなシリーズ作品について、熱い思いが語られ始めることだろう。「FF」シリーズは、それだけたくさんの人に特別な思い入れを与えてきた特別な存在だと思う。
そんな「FF」シリーズの20周年を記念して制作されたのが「DISSIDIA FINAL FANTASY(以下、DFF)」だ。「FF」~「FFX」+αの歴代主人公やボスたちが、調和の神コスモスと混沌の神カオスのもと戦いを繰り広げる。
「DFF」は1対1で戦うアクションスタイルのゲーム。シリーズ作品から参戦しているキャラクタたちはもちろんとして、彼らの繰り出す技、ステージ、BGM、etcと細かなところまでファンサービス満載。「ファイナルファンタジー」シリーズのファンも、「さすが記念タイトル 」と納得の作品になっている。そんな「DFF」の魅力をお伝えしていこう。
■ 調和の神コスモスと混沌の神カオスの戦いに招かれた、歴代キャラクターたちの共演
【DISSIDIA FINAL FANTASY STORY】
幻想に終焉は無い。
永遠に語り継がれる究極の幻想から、
これはたった1度だけ語られる“異説”である
悠久の果てしない争いを続ける、調和の神コスモスと混沌の神カオス。
ニ対は象徴であり均等、
何より全てであった。
だが破壊者達の暴挙が均衡を崩し、世界は混沌で覆われてしまう。
世界に残された僅かな希望は、コスモスに導かれし10人の戦士。
彼等が紡ぐ世界の可能性の物語。
幻想に限定された形はない。
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カオスが率いる無限の軍勢に敗れたコスモス。世界を救うため、10人の戦士にクリスタルを探すよう話す |
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カオスに招かれし10人の戦士たちもまた、歴代FFシリーズの名キャラクターたちだ |
秩序と調和を司る女神コスモスと、混沌と破壊を司る異形の神カオス。次元のかなたに君臨する二柱の神は、数多の世界から招いた戦士を率いて、果てしない戦いを繰り広げていた。神々の戦いは均衡を保っていたが、あるとき異変が起こる。カオスが率いる混沌の軍勢に、戦士を模倣したいつわりの異形、イミテーションが現われたのだ。その無限の軍勢によって、コスモスは敗北してしまう。
世界はかたちを失い、すべては混沌の渦に沈もうとしていた。世界に残された、コスモスに招かれし10人の戦士たちは、輝きを失わない光「クリスタル」を探しはじめる。「10の輝きが集えば、世界を救う希望が生まれる」というコスモスの言葉を信じて。
「DFF」の物語は、コスモスとカオスという2人の神と、彼等が戦い続ける世界、そしてそこに招かれた数多の世界の戦士たちの物語だ。神々の戦いのバランスが崩れ、世界が混沌に覆われる。戦士たちは僅かな希望「クリスタル」を巡る、FFシリーズらしい、重厚で神秘的な味わいの物語が楽しめる。
コスモスに招かれた10人の戦士は、いずれも「FF」シリーズ10作品で主役クラスのキャラクターたちだ。一方、カオスに招かれているのは、彼等のライバルであり、ボスであった存在が同じく10人となっている(ゲスト参戦している2人を加えると全22人)。両サイドのキャラクターたちはそれぞれにもといた世界(シリーズ作品それぞれの世界)での出来事や、因縁を覚えていて、シリーズ原作の会話や物語、設定を元にしているようなシーンがところどころに登場する。そのあたりの面白さが「DFF」の魅力のひとつだ。
「DFF」は、タイトルに「DISSIDIA=異説」とあるとおり、シリーズ原作の世界とは異なる次元の物語だ。原作の物語に対して「DFF」が新しい何かを加えてくるような、強すぎるプラスアルファは基本的にはない。そのあたりの配慮は嬉しいところだ。
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イベントシーンはフルボイス。元々ボイスがなかったキャラクターたちが喋るのは新鮮だ |
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ファミコン版「FFII」のパッケージそのものなシーンも。こうした歴代シリーズからの引用が多く散りばめられている |
全キャラクターがボイス付きで会話するのも大きなポイントのひとつ。「FF」シリーズ作品の半分以上にはボイスが付いてないので、「DFF」で初めてボイスがあてられたキャラクターが多い。
「DFF」をプレイする前には、自分が思っていたキャラクターのイメージと「DFF」でのボイスがマッチするのかが心配になったが、実際にプレイしてみるとそれほどミスマッチを感じることはなかった。「FFVI」のケフカのボイスを演じる千葉 繁氏をはじめ、どのキャラもいい具合にマッチしている。
不安そうにしている「FFVI」のティナを「FFIII」のオニオンナイトが励ます。戦う理由について思い悩む「FFVII」のクラウドに「FFII」のフリオニールが夢を語る。「FFV」のバッツと「FFIX」のジタンがどちらが先にクリスタルを見つけられるか競争する。
そんな、原作プレイ当時には誰も想像しなかった組み合わせが展開される。もちろん、今挙げた以外の多彩なキャラクターたちもだ。あのキャラクターが動く、喋る、他シリーズのあのキャラと会話する。20周年記念タイトルならではの特別な楽しさだ。
「FF」シリーズ作品には名場面や名台詞がたくさんあるし、それぞれのキャラクターの個性も強い。それらをオリジナル作品である「DFF」に使うというのは、扱いに細心の注意が必要だったことと思うが、「DFF」の使い方はとてもうまくて、納得の仕上がりだ。「あ、このシーンは!」、「この場所は!」、「この台詞は!」というような、嬉しい発見がたくさんある。
■ アビリティを駆使して華麗に戦え! 1対1のバトルアクションは駆け引き重視のバランス
・アビリティ--“ブレイブ攻撃”と“HP攻撃”の使い分けが重要!
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ブレイブ攻撃とHP攻撃を駆使した、駆け引きが重要なアクションバトル |
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各アビリティの動きや特性を理解するのがポイント。勝つには防御も意識するのが重要だ |
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アビリティは操作の割り当てや脱着など、カスタマイズが自由にできる |
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ブレイブ攻撃とHP攻撃の2択攻撃を迫る「追撃」。反応と読み合いが絡み合う攻防だ |
「DFF」は1対1で戦う、3Dタイプの対戦アクションゲームだ。ステージ内をスピーディーに跳びまわり、駆けながら、シリーズ作品を元にしている個性的なアビリティを駆使して戦う。全22キャラともスタイルが異なり、レベル制の成長要素や、アビリティ選択、装備、アクセサリ、さらに召喚獣など、バトルを左右するカスタマイズ要素が多数ある。
バトルは駆け引きを重視した独特なバランスをしている。スピーディーにキビキビとした動きに加え、美麗なグラフィックス、放たれる攻撃アビリティの華麗さ、EXバーストのかっこよさなどもある。そうしたところから、プレイ当初はバンバンと攻めてかっこよく勝つのを楽しむ「攻め勝ち」なバランスなのかな? と感じたところがあったのだが、実際のところ突き詰めていくと、間合いと駆け引き、さらに防御も重要で、丁寧なバランスをしている。
バトル中の操作の腕はもちろんだが、それ以外に、キャラクターのレベル、装備、アクセサリ、召喚獣、そしてアビリティといった、カスタマイズ要素が大きく関わってくる。「1対1でアクション操作を駆使して戦う」というと、遊んでいる感覚は格闘ゲームに近いのかなと感じるかもしれないが、「DFF」は格闘ゲームとはだいぶ違う感触だ。オリジナリティの高い独特なゲームに仕上がっている。
バトルでは「アビリティ」を駆使して戦う。なかでも基本になるのは、○ボタンで発動する「ブレイブ攻撃」と□ボタンで発動する「HP攻撃」という2種類の攻撃アビリティだ。ブレイブ攻撃は相手のブレイブという、いわゆる攻撃力のようなポイントを減らす攻撃だ。ブレイブを0に追い込むとブレイク状態となって、こちらのブレイブが大幅に上昇する。
一方のHP攻撃は、そのときのブレイブの量だけ相手のHPを減らす攻撃になる。ブレイブが低いときにHP攻撃を当ててもダメージはほとんど与えられないので、ブレイブ攻撃で相手のブレイブがブレイクするのを狙いつつ、ここぞというタイミングでHP攻撃を決める、というのが戦いの基本になる。
アビリティにはそのほか、ダッシュやジャンプなどの基本アクション、カウンター攻撃等の特殊なアクションなどが数多く用意されている。どのアビリティにもコストというポイントがあって、カスタマイズ画面でコストポイントのぶんだけセットできる。キャラクターによってはブレイブ攻撃やHP攻撃のどれをセットするか選ぶことにもなる。自分の戦い方に合わせて自由にカスタマイズできるのがいい。
全ての攻撃アビリティが、原作でのキャラクターの個性を反映させた固有技になっている。そのため、キャラクターによって空中のほうが得意であったり、地上のほうが得意であったり、さらに近距離、遠距離といった得意な距離など、適した戦い方がはっきりと変わってくる。
例えば「FFVI」のティナは、ブレイブ攻撃はサンダラやホーリー、HP攻撃はフラッドやメルトンといったように、中~遠距離をカバーする攻撃方法が多い。一方で「FFX」のジェクトのような近距離が得意なキャラクタもいるし、トリッキーな動きが特徴のケフカ、罠を仕掛ける皇帝、ガードからの反撃が基本になるエクスデスといった、特殊なスタイルのキャラクタもいる。全22人ともそれぞれにバトルスタイルが異なっていて個性的だ。
ちなみにアビリティにはAPというポイントが設定されていて、バトルでAPを得ることでアビリティがマスターをして、CPが下がり、より多くのアビリティをセットできるようになる。また、特定の攻撃アビリティをマスターすることで、派生アビリティという追加アクションを習得することもある。
バトルの特殊な要素のひとつに、「追撃」がある。一部の攻撃アビリティがヒットすると、相手が吹っ飛び、それを追いかけて追撃できる。追撃後は動きがスローモーションになり、ブレイブ攻撃とHP攻撃の2択を迫ることができる。追撃された側は×ボタンをタイミングよく押すことで追撃をかわし、回避に成功すれば逆に2択を仕掛けることができるのだが、これが予測と反応を半分ずつ求められるようなうまいバランスになっている。
ブレイブ攻撃はすぐに、そしてHP攻撃は1テンポずれて繰り出される。モーションに反応して×ボタンで回避することもできるのだが、これがなかなか難しくてうまい作りをしている。ブレイブ攻撃のタイミングで過敏に反応してしまいHP攻撃をくらったり、その逆になるときもある。また、そのときのブレイブ値によって、HP攻撃を選ぶかどうかの駆け引きも入ってくる。
・必殺技「EXバースト」とバトルを左右する「召喚獣」
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EXフォースが貯まったら、EXモードを発動! EXモード中は、EXバーストを放てるほかリジェネ効果がつくなどメリットが多い |
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EXフォースが収束したのがEXコア。EXゲージが大幅に貯まる |
各キャラクターが放つ強力な必殺技が、EXバーストだ。EXバーストはキャラクタそれぞれを代表するような技を繰り出す必殺技で、発動後に特殊なコマンド入力などを成功させることでダメージが増大していく。一発逆転もねらえる強力な技であるとともに、演出も見応えたっぷりでファンサービス満点の技だ。
例えば「FFIII」のオニオンナイトでEXバーストを決めると、忍者か賢者にジョブチェンジし、画面のアングルも「FFIII」の戦闘画面風になる。コマンドの中から、忍者のときは「なげる」から「しゅりけん」を、賢者なら「まほう」からホーリーを選べば大ダメージを与えられる。いずれのキャラクターのEXバーストにもシリーズ作品からの代表的なアクションが入っていて、一見の価値あり。
EXバーストを放つにはEXモードにならなくてはならず、EXモードになるにはEXゲージをためなければならない。EXゲージは、ステージ中にキラキラと光っている粒子のEXフォースや、ベルのような形をしているEXコアを取るとたまっていく。フォースやコアを相手に取らせないようにして戦いながら、自分のゲージを貯めていくのがポイントになる。
EXモード中は外見が変化するだけでなく、アビリティが強化されたり、EXモード中のみ使えるアクションが増えたり、さらに攻撃のクリティカル率アップやHPのリジェネ効果などもある。メリットが多いので、積極的に使っていきたい。EXモード中にHP攻撃をヒットさせると、EXバースト発動のチャンスになる。
【にんじゅつ/だいまほう--オニオンナイト】 |
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【連続剣--スコール】 |
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【超究武神覇斬--クラウド】 |
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【宇宙の 法則が 乱れる!--エクスデス】 |
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キャラクターそれぞれに、そのキャラを象徴するようなEXバーストがある。原作を彷彿とさせるコマンド入力を成功させることで威力が上がる。威力もさることながら演出の面白さも魅力だ |
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歴打「FF」シリーズに登場した召喚獣以外にも、あんなキャラやこんなキャラまで召喚獣として登場する |
「FF」シリーズ作品といえば欠かせないのが、「召喚獣」の存在。バトルの行方を大きく変える要素として、「DFF」にも各シリーズ作品より多数の召喚獣が登場している。ほとんどの召喚獣は、自分か相手のブレイブに影響を与えるタイプの効果があって、うまく使えば一発逆転も狙える。
召喚獣のラインナップもファンサービス満点だ。シリーズ作品に数多く登場しているイフリートやシヴァ、バハムートといった、基本と言える召喚獣はもちろん、マジックポットやサボテンダー、さらに、オルトロスやオルトロスと言えばあの人も、というわけで、“はないき”の先生までも登場している。
また、召喚獣にはオート発動とマニュアル発動のタイプが別々にあって、オートの場合は状況によって自動召喚されるが、マニュアルタイプではRボタンと○ボタンの同時押しで発動する。オートとマニュアルで、同じ召喚獣であってもグラフィックスがシリーズ違いのものになっていて、そのあたりもこだわりの嬉しい要素になっている。
召喚獣はストーリーモード中に手にはいるのだが、中にはステージクリア時のボーナスであったり、初回プレイでは入れない特殊ロックエリアの先で手にはいるものもある。種類も豊富なので、アイテムとともにコンプリートを目指して遊んでいける。
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マジックポットを召喚したことで、相手のブレイブをそのまま“ものまね”した。召喚の使いどころによって、一発逆転も狙える |
・バトルステージや楽曲も、もちろんFFシリーズから!
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画像のバトルステージは「FFX」からのステージ「夢の終わり」。背景に巨大な剣が突き刺さっているのが、FFXファンをニヤリとさせる |
バトルステージは「DFF」オリジナルの場所や、各シリーズ作品中の場所から、全24種類ある。例えば、「FFIII」のラストダンジョンである闇の世界であり、「FFIV」の月の渓谷、「FFVII」なら星の体内などだ。ステージには高低差やオブジェクトがあって、壁走りやグラインド(滑走)といった移動アクションを駆使することでスピーディーに移動できる。
また、柱などの一部のオブジェクトは破壊することも可能で、マップの一部を破壊したときに一定の確率でアイテムがバトルライズすることもある。つまりはアイテムが出現して手にはいることがあるわけだ。ステージによってはバトル中に大きく変化したり、ギミックが発動することもある。ステージによって戦い方も大きく変わってくる。
他の要素同様に、ステージもまたファンサービス満点の凝った作りをしている。例えば、「FFX」からのステージ「夢の終わり」では、細かく原作の場所が再現されているばかりか、中央に巨大な剣が突き刺さっているというサービス付き。これは「FFX」を最後まで遊んだ人だけがわかるこだわりポイントだ。
バトルステージだけではなく、楽曲ももちろんFFシリーズから豊富に取りそろえられている。各タイトルから人気の高い曲のアレンジがズラリと並ぶ。選曲もファン泣かせだ(『FFVI』の『仲間を求めて』がなかったのが個人的にとても残念に感じてはいるが、次回作? があれば期待したい)。コスモスが敗北し混沌に包まれようとしている、そんな憂いを感じさせる「守るべき秩序」をはじめ、「DFF」オリジナルの楽曲も素晴らしい。また、隠し要素で出現する曲はさらにファンにとって嬉しいものが揃っている。とことん「FF」ファンを喜ばせる豪華な内容だ。
・RPGライクな、レベルによる成長要素、多数の装備品やアクセサリがたっぷり
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RPGライクなレベルによる成長要素、武器や防具の装備ができる。装備品はもちろんFFシリーズ作品からのものだ |
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アクセサリも豊富に存在する。アクセサリの組み合わせ次第で能力が大きく変わってくる |
RPG的な成長要素として、「DFF」にはレベルがある。バトルによって得られる経験値で、レベルは最高100まで上がる。レベルが上がることでアビリティを覚え、装備可能なアイテムも増えていく。対戦プレイ時にハンデとしてレベルを設定するのもいいし、アクションが苦手な人でもコツコツとキャラクターのレベルを上げればストーリーが楽になる。レベルが上がることでカスタマイズの幅が広がって、より奥深い楽しみ方ができるようにもなっていく。
装備品は、バトル等で得たギルをつかってショップで購入する。装備によってHPや基本のブレイブ値などのステータスがアップするほか、特殊な効果が付いているアイテムも多い。装備品はもちろん、FFシリーズに登場した多数のアイテムだ。武器ではフレイムタンであったり、菊一文字であったり、円月輪であったり、大地のベルであったり。防具にもダイアシリーズ、クリスタルシリーズなど、シリーズおなじみの品がズラリと揃っている。
ものすごいマニアックなものでは、ドリルが頭装備にあったりもする。このあたり、「DFF」開発スタッフの「FF」好きなところであり、遊び心がかいま見えていい感じだ(ドリルを頭装備というのは、あるシリーズ作品での有名なバグ技)。
武器や防具以外に、アクセサリも非常に重要だ。特殊な効果を持った品でうまく組み合わせて装備し活用するのがポイントになる。単体で効果を発揮する「基本アクセサリ」、一緒に装備している基本アクセサリの効果を条件に応じて変化させる「条件アクセサリ」、単体で効果を発揮するが条件アクセサリの影響を受けない「独立アクセサリ」、主にショップでアイテムとのトレードに利用する「素材アクセサリ」などがある。
アクセサリは組み合わせ次第でバトルの結果を大きく左右する存在で、自分の戦い方にマッチするアクセサリの組み合わせを色々と模索するのが面白い。アクセサリもまたFFシリーズ作品から、おなじみの物からマニアックな物まで多数ある。それらを集めるのも「DFF」のやり込みだ。素材アクセサリは装備品とのトレードに必要なので、装備品コンプリートのためバトルをやり込み収集する。「DFF」は随所にシリーズの有名どころからマニアックなネタまでギッシリと詰め込まれていて、コンプリートまではかなりのボリュームになる。やりごたえたっぷりだ。
■ 豊富なプレイモードでじっくりからサクッとまで。あらゆるところに歴代シリーズのネタが満載
・ストーリーモード
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ストーリーモードではボード状のステージを移動させていく。1度のプレイではいけない場所も多くあって、そうした場所ではレアなアイテムや召喚石が手にはいる |
ストーリーモードでは、チェス盤のようなボード状のステージを移動してゲームを進めていく。ステージの目的地まで自分のキャラクタを移動させればクリアになるが、カオスの軍勢が道をふさいでいるほか、宝箱や召喚獣なども点在している。自分のコマが敵のコマに隣接させれば戦闘になるし、宝箱等に隣接させれば中身を手に入れることができる。
ステージマップの移動には「DP(デスティニーポイント)」を消費する。DPはステージ開始当初から一定量持っていて、別に使い切っても移動できなくなるわけではないが、ステージクリア時に残りDPが多いと、クリア報酬がもらえる。効率的にマップを移動し、敵との戦闘で特定条件を満たすと手にはいる「DPチャンス(DPが増える)」を狙っていけば、特別なクリア報酬が手にはいるわけだ。
そのほかにも、ストーリーをクリアしたボーナスポイントによって開放されるピースなどもあるため、1度クリアしたストーリーでもアイテムコンプリートなどを目的に、DPを意識しつつ再度挑むといったプレイができる。
1つのストーリーは、だいたい5つほどのステージマップで構成されている。マップで待ち受けるカオスの軍勢であるイミテーションとの戦い、宝箱からのアイテム入手、召喚獣との遭遇、そして、イベントシーンでは、それぞれ別のクリスタルを求めて葛藤する仲間たちとのやり取りや、カオスに参戦しているボスキャラクターとの戦いなどももちろんある。
・デュエルコロシアム
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カードを選択して次々とバトルし、アイテムを獲得していく |
デュエルコロシアムは、ある時点からプレイ可能になるちょっと変わったプレイモードだ。このモードでは、対戦相手と戦うバトルカード、アイテムが手にはいるトレジャーカード、特殊な効果を発揮するジョブカードなどを選びながら、バトルを勝ち抜いていくゲームだ。コースはレベルごとに、飛空船コース、ファルコンコース、インビンシブルコース、魔導船コースの4コースがある。
バトルカードとの対戦に勝利するとメダルが手に入り、このメダルと交換でトレジャーカードからアイテムが入手できる。連続してバトルをし、アイテムを手に入れていけるモードだ。レベルの高いコースほど貴重なアイテムが手にはいるが、敵は強く連勝を重ねるのが難しい。じっくり挑むのに最適なモードだ。
・クイックバトル
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CPUの強さや、慎重や猛攻といったタイプも設定できる |
キャラクターを自由に選択してCPUとバトルするモード。対戦相手のレベルや行動パターン、マップなども自由に設定できる。「DFF」ではどのモードでキャラクターのレベルを上げても、そのレベルでプレイできる。つまり、ストーリーモードで敵に勝てず進めないときは、いったんクイックバトルなどで経験値を稼ぎ、レベルを上げれば楽になる。連続してスピーディーにバトルを開始できるので、苦手なキャラクターとのバトルの練習や、レベル上げに適している
CPUキャラクターのレベルを設定できるので、例えばレベル1のキャラクターでレベル100のCPUに挑むようなこともできる。高いレベルの敵を相手にうまくプレイできれば、大量の経験値が手にはいる。レベル上げやアビリティのマスター狙い、カスタマイズを試すときにもいいモードだ。
・通信モード
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アドホックモードによるオンライン対戦のほか、すれちがい通信でのフレンドカード交換などにも対応。通信モードでやりとりできるフレンドカードには、画像のような特殊なスペシャルカードもある |
「DFF」はアドホックモード(近距離での通信プレイ)によるオンライン対戦に対応していて、フレンドカードの交換ができる。フレンドカードにはプレーヤーのニックネーム、メッセージ、アイコン、ゴースト対戦用のキャラクターが設定可能で、オフラインでも登録してあるキャラクターとのゴースト対戦が楽しめる。また、フレンドカード用のアイコン絵柄はFFシリーズ作品からのもので、かなりの種類がある。お気に入りのキャラクターなり、レアなアイコンなりを手に入れて、カードを個性的にしたいところだ。
フレンドカードは「すれちがい通信」で交換することもできる。すれちがい通信を開始している状態で互いのPSPが近づくと、自動でカードが交換される。お出かけの際にPSPを持って行けば、思いがけずフレンドカードが手にはいるというわけだ。また、ユーザー同士のカード以外にも、モグネットの手紙やパスワード入力で手にはいるスペシャルカードというのがあって、スペシャルカードのゴースト対戦では、特殊な素材なども手にはいる。
なお、こうした通信モードは、プレイステーション 3の「アドホックパーティ」を利用することができる。アドホックパーティはインターネット回線を通じてPSPのアドホックモードの通信を可能にするロビーで、これを併用すれば、遠くのプレーヤーともオンライン対戦やすれちがい通信でのフレンドカードのやり取りが可能だ。
・その他にもいろんな要素が満載!
【モグネット、プレイプラン、キャラクターアイコン】 |
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プレイ中には、モグネットから手紙が届く。手紙の内容は様々で、質問をしてくること |
チョコボメーターという、EXP倍率ボーナスやアクセサリ入手イベントの発生率に影響するプレイプランの設定 |
フレンドカードに使えるキャラクターアイコン。FF歴代シリーズのアイコンがたっぷり用意されている |
【バトルリプレイの保存と編集】 |
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バトルリプレイを保存し、あとからカメラワークなどを編集することもできる。また、AVI形式のムービーとして保存することもできる |
【アクションが苦手な人は、コマンドバトルでも戦える】 |
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オプションを変更することで、コマンド選択式でバトルをすることもできる。自動的に動くキャラクターを見つつ、タイミングよくコマンドを選んでいく。アクションが苦手な人でも楽しめる |
【ヘルプマニュアルも充実! あの人やこの人が!】 |
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いろんな要素がたくさんある「DFF」だが、ゲーム中に見れるヘルプマニュアルが充実しているのでとっつきやすい。「FF」歴代シリーズのキャラクターがわかりやすく教えてくれる |
■ たっぷりのボリュームで「FF」シリーズの魅力を存分に味わえるPSPタイトルの良作
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ティーダの前に現われたジェクト。「FFX」を遊んだ人にはたまらない会話を見せてくれる |
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歴代シリーズの名場面、名台詞が満載。たっぷり遊べて「FF」シリーズへの思い入れが高まっていく。ファン向けのゲームであることはさすがに否めないが、開発スタッフからの「FF」に対する愛情が感じられる良作だ |
歴代の「FF」シリーズキャラクターを自由に操作して戦えるアクション。スピーディなバトル、「FF」らしい演出のかっこうよさ、オリジナリティの高い駆け引き重視のバランスなど、いずれもいいバランスだ。ストーリーモードでは「FF」タイトルらしさを存分に感じさせる幻想的で重厚な物語も楽しめる。
そうした対戦アクションのゲームながら、レベル制の成長要素、種類豊富な装備やアクセサリ、さらに召喚獣など、RPGライクな要素が豊富にある。カスタマイズの自由度も高く、やりこみ要素満点、ボリューム満点だ。そうした全ての要素に「FF」シリーズ作品のネタが織り込まれていて、「FF」シリーズファンとしても満足度が非常に高い。強いて言えば、要素がかなり多いので、プレイ開始当初はちょっと混乱するかもしれないが、インターフェイスやヘルプマニュアルの作りが丁寧で、操作性もキビキビとしているので遊びやすい。
携帯機のPSPであることもプラスになっている。じっくりたっぷりと遊びこめる内容量だが、時間のないときにチクチクと遊んでいける。メモリースティックへのデータインストールにも対応していて、ロード時間も気にならない。快適にプレイできる。コンプリートを目指して1人で遊びこむにしても、アドホック通信で対戦を楽しむにしても、どちらもたっぷりと遊べる1作だ。実際、アドホックパーティで他のプレーヤーの方と通信してみたところ、数百時間プレイしている人がゴロゴロといる。それだけ遊びたおせるタイトルだということだ。
「DFF」は本当に細かなところまで「FF」シリーズのネタで埋め尽くされていて、やりこめばやりこむほど「FF」シリーズ作品への思い入れが高まっていく。ただ、唯一の弱点は(と呼ぶべきかはちょっと微妙なんだけども)、そうした魅力はシリーズ作品を遊んでいてはじめてわかるものだということだ。「DFF」だけを遊んでも十分に楽しめるが、シリーズ作品を遊んでいれば魅力が何倍にもなる。
私などはもう無類の「FF」好きなので、1つ1つに大興奮だったわけだが、「FF」シリーズ作品を“それほど多くプレイしていない”という人だと、反応は変わってくる。そういう人は、DFFをきっかけにまだ遊んでいないシリーズ作品に挑むのもありだと思う。そういう意味でも「DFF」は非常に優れたシリーズファン向けのゲームであり、FF20周年記念を彩る満足度の高い良作だ。
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CHARACTER DESIGN:TETSUYA NOMURA
□スクウェア・エニックスのホームページ
http://www.square-enix.com/jp/
□「DISSIDIA FINAL FANTASY」のページ
http://www.square-enix.co.jp/dissidia/
(2009年2月26日)
[Reported by 山村智美]
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