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利用料金:無料(アイテム課金を予定)
「BLACK SHOT」の開発元は韓国Vertigo Gamesで、韓国内では既に正式サービス中だ。無数のFPSタイトルがしのぎを削り合っている韓国オンラインゲーム市場の中で、本作は大きな存在感を示せていないものの、激しい競争の中から生まれたタイトルということもあり、「視点をパートナーと共有できるシステム」や「ソロでも遊べるゲームモード」など、他のタイトルにはないユニークなゲーム要素が備わっている点が注目に値する。 本作はそういった独自性を強みに、日本をはじめとした海外への展開を目指しており、北米では既にβテストに入っているほか、シンガポールなど東南アジア地域でのサービスも予定しているという。その中でも日本市場は重視されており、日本国内のサービスを担当するC&Cメディアでは、開発元と密な連携を取り、ゲーム仕様の改良やコンテンツの拡充といった様々な点で改良を行ない、国内サービスに向けた準備を着々と進めている。
今回、オンラインFPS界に新風を呼び込みそうな本作「BLACK SHOT」について、C&Cメディアにて取材することができた。本作がどのようなゲームに仕上がり、サービス開始時にどんな楽しみが期待できるのか、本稿でお伝えしたい。
■ 基本はキッチリ押さえつつ、独自のゲームシステムで新境地を開拓する
基礎となる部分は、実にオーソドックスなオンラインFPSそのもの。プレイ料金は無料で、ゲームに入ると最大16人のゲームセッションをマッチングする対戦ロビーや、個人用のアイテム倉庫、アイテムショップといったユーザーインターフェースがある。ゲーム内の功績に応じて稼げるゲーム内マネーを使って、武器や装備を購入していくという要素も、奇をてらうことなく導入されている。 対戦ルールとしてはキャプチャー・ザ・フラッグ(ゲーム内表記『Team Flag Match』、爆破ルール(『Search and Destroy』)、チームデスマッチ(『Team Death Match』)といった、オンラインFPSにはほぼ必ず存在するものが、一通り取りそろえられており、ゲームシステムの土台としてはしっかりしている。
だが、そこに何かを加え、ユーザーに特別な体験を与えるというのが、オンラインFPSの差別化を図る基本的なポイントだ。「BLACK SHOT」では特にウリとなるポイントとして、「パートナーシステム」、「PvEモード」、「成長要素」の3本柱を掲げている。以下、順番に紹介していこう。
・連携プレイの新たな可能性を提示する「パートナーシステム」
特に重要なのは、パートナーの視点を共有できる点だ。パートナーが見ている映像は画面左に小さく随時表示され、今どこにいるか、どちらを見ているか、どういう状況にあるか……といった情報を、互いに認識できる。これは、賢く活用すれば既存のFPSとは全く違ったマインドに基づいた戦い方が可能になるかもしれない。
というのは、「敵に対して有利なポジションを得るための連携」という高度で難しいプレイを、ごくごく基本的な技術にしてしまう可能性があるからだ。視点が共有されることで、位置、角度、動きを互いに完全に把握した上で、タイミング良く行動することが容易になる。複数名で相手を囲い込んで一方的に撃破するといったプレイも、ごく基本的な戦術として活用できるはずだし、ハイレベルなクラン戦でも、他のゲームとは一線を画す戦術が可能になるかもしれない。
・初心者でも安心して腕試しできる「PvEモード」
「Bunker Defence」で対決する相手はプレーヤーではなく、コンピューター操作の敵キャラクターの群れだ。プレーヤーは狭い基地に立て籠もって、四方八方からやってくる大量の敵を、ひたすら射撃して倒し続ける。敵は大別して2種類おり、爆弾を抱えて基地を破壊しにつっこんで来るタイプと、射撃してプレーヤーを倒そうとするタイプ。これらを撃破し続け、基地を破壊されないように、制限時間いっぱいまで戦い続けるというルールだ。 このゲームモードは最大4人で協力プレイすることもできるし、ソロで腕試しをすることもできる。プレイ感覚はスピーディな射的という感じで、立ち回り云々というよりも、純粋に射撃の腕が問われる内容だ。初心者なら基礎練習に、上級者ならハイスコアを目指して射撃の技術を研ぎ澄ます用途に使えそうだ。
オンラインFPSの敷居の高さのひとつとして、初心者であるほどすぐ倒されてしまうということが上げられるが、「Bunker Defence」ではそういった厳しさを抜きにして、自分のペースでプレイできる。1人で練習するもよし、4人で協力を楽しむもよし、そこで射撃の腕を磨けば、他の対戦ルールで実力を試してみたくなりそうだ。
・プレーヤーの専門化を支援する成長要素
C&Cメディアではこのシステムを「武器マスタリ」と仮称しているが、まだ企画段階ということで、将来的には変更される可能性もある。基本的な方向性としては、「ライフル」、「サブマシンガン」、「スナイパー」といった武器カテゴリ毎に「マスタリーレベル」が設定されており、一定のレベルに到達すると、その武器カテゴリに属する新武器や、カスタムパーツがアンロックされるというものだ。 その方向性としては、両手拳銃のようなユニークな武器や、特殊なカスタムスキンのアンロックなど、見た目の変化で他のFPSとの差別化を図りたい考えのようだ。レベルというと単純に「命中率が上がる」とか、「リロードが速くなる」というものを期待してしまう人もいるかもしれないが、本作はFPSである以上、レベルシステムでプレーヤースキルの競争に水を差すことは避けたいようだ。
性能が劇的に違っているわけではないが、ひとめ見れば「こいつは上級者だ!」とわかる武器の存在は、プレーヤーが各自の得意分野に専門化し、役割分担を後押しする上で有効に機能しそうだ。
■ 目指すところはオンラインFPSの「お約束」の打破?
本作はビジネスモデルとして有料アイテムの販売を軸とする予定であるが、販売アイテムの内容としては、一般的なオンラインFPSにも見られるオーソドックスなもののほか、本作独自の要素として、キャラクターの各種能力を向上させる装備「ギア」というものが用意されている。 「ギア」はキャラクターの見た目にも影響する服飾の一種で、全5種の部位に装着可能だ。その例としては、フラッシュバンの効果を減衰してくれるヘルメット、経験値獲得量を増加させてくれるボディアーマー、リロード時間を短縮してくれるグローブ、歩く速度を上げてくれるブーツ、といったものが挙げられている。ただ、正式サービスに向けた最終的な品揃えや価格体系は、現時点では不明だ。 全体的な印象としては、プレーヤー同士の対戦というスタイルから本質的に脱却する「PvEモード」の存在を含め、既存のオンラインFPSの「お約束」を色々な面で打破しようとする意欲を感じることができた。是非とも、既存のタイトルでは得られない、新しい面白さを提示してくれるタイトルに育って欲しいと思う。
本作のサービス開始日は現時点で未定となっているが、C&Cメディアでは急ピッチで本作のサービスに向けた準備を続けているので、続報に期待していただきたい。 Copyright (c) 2009 C&C Media Co.,Ltd. All Rights Reserved. (c)Copyright since 2007 Ntreev Soft Co., Ltd. All Rights Reserved. Ntreev and Blackshot are registered Trademarks.
(2009年2月23日) [Reported by 佐藤カフジ]
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