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Taipei Game Show 2009現地レポート

Softworld総経理 王俊博氏特別インタビュー
不動の台湾最大手は中国と東南アジア市場に注力

2月12日~16日開催

会場:台北世界貿易中心

入場料:大人150台湾ドル(約450円)
    子供100台湾ドル(約300円)


 オンラインゲームが圧倒的に強い台湾ゲーム市場において、不動の市場シェア1位の座をずっと維持し続けているのがSoftworldグループだ。ホールディングス機能と、開発の一部を持つSoftworldに、オンラインゲームの運営部門Gameflier、同じく開発部門のChinese Gamer、「魔獣世界(World of Warcraft)」の運営を目的に設立された米Blizzard Entertainmentとの合弁会社Game Firstの4社で構成されている。

 Softworldグループへは、毎年取材に赴いているが、今年はグループ総帥のSoftworld総経理 王俊博氏への単独インタビューに成功した。王氏は、台湾遊技産業振興会の初代会長を務め、2年の任期を終えて2月12日に退任したばかり。インタビューでは、遊技産業振興会の活動内容から、Softworldグループ全体のストラテジーまで、ひととおり話を伺うことができた。


■ 台湾遊技産業振興会の任務は、税制優遇の働きかけや中国との関係改善

Softworld総経理 王俊博氏
2006年の遊技産業振興会成立大会で挨拶を行なう王氏
GAME Watch編集部: まずは、台湾遊技産業振興会初代会長の任期を終えられた感想を聞かせてください。

Softworld董事長 王俊博氏: これまで台湾では、ゲーム関連の組織がありませんでした。3年前にTaipei Computer Association(TCA)が、韓国のゲーム振興会に倣って設立しました。台湾ではゲームメーカー自体がそれほど多いわけではありませんので、TCAの下部組織という形でやっていました。TCAはかなり力のある組織ですので、ゲーム関連でもお手伝いいただいています。

編: 王さんの任期中にはどういった事が達成できましたか。

王氏: 1つ目に、協会設立以前にはオンラインゲームに対して税制優遇はありませんでした。遊技産業振興会を通じて6人から7人の国会議員の方にご協力いただいて、公聴会を開き、オンラインゲームにも税制優遇措置を取るべきであると働きかけていただけました。

 2つ目に消費者とのガイドラインを策定しました。台湾の消費者保護協会はこれまで消費者寄りの措置しかとってきませんでした。メーカー寄りの意見が届いていなかったのですが、メーカーの声も消費者保護協会に届け、メーカーや消費者どちらにも有利になるようなガイドラインを設けられました。

 3つ目は中国と台湾との関係改善です。中国は海外タイトルに対する制限が大変強く、中国展開を図る上で問題になっています。ここ数年その話をしているのですが、1つの実りとして今年の第2四半期4月に大陸と台湾の高官が台湾でフォーラムを開きます。その中でオンラインゲームの制限の撤廃を議題として取り入れてもらえることになりました。

編: やり残してしまったことはありますか。

王氏: 台湾と中国との対話です。台湾と中国の対談の際に、中国からも主要ゲームメーカーのCEOが台湾にやってきます。その際も私がアテンドする予定です。今回、会長職は離れましたが、名誉会長という身分になりましたので、遊技産業振興会に対しては今後もお手伝いをしていくつもりです。

編: 今回新たに会長に就任したXPEC董事長の許金竜氏についてはどのような期待を寄せていますか。

王氏: 許金竜さんはとても熱意のある方です。特に公共事業や社会事業に関心のある方ですから、安心してお任せできると思います。キョウさんは元々記者出身で政界との繋がりも深い方ですので新しいことをやるときに非常に助けになるのではないかと思います。熱意と人間関係の2つの点で非常に期待しています。

編: 昨年、総統選挙があり、馬英九政権となり、台湾の社会に様々な変化が起こりつつありますが、ゲーム産業に対して何か影響はありましたか?

王氏: 1番大きな変化は中国との対話の機会が増えたということです。馬政権になってから両岸を行き来することが増えてきました。これまでは中国からも台湾に行きたいのだけれども行きづらいといったことがありましたが、だんだんと気軽に来られるようになりました。

編: 現在、台湾ではコンシューマゲームに対してレーティングシステムが存在しないことが社会問題になりつつあります。この問題についてどのように考えていますか?

王氏: 台湾は、基本的に開放的な側面がありますから、コンシューマゲームの分野でも世界中の色々なゲームが入ってきていて遊んでいただいています。今後、レーティングの制度を作ったほうがよいのではないかという声が一部にはあるのは確かです。将来政府から策定しなければいけないという動きがあればメーカーとして協力したいと考えています。

 ただ、台湾ではすでに出版法という法律がなくなっています。ですから、メーカーが書籍やゲームを出版する場合、一般の法律の規範に従って出版することになります。その場合、一般的な社会概念に基づき制作を行なうことになりますので、あえてレーティングが必要なのかという考え方もできるかもしれません。


■ Softworldグループの強さの秘訣は「敏感度」

発言の端々に強い自信を覗かせる王氏
グループの大きな収益源となっている「魔獣世界(World of Warcraft)」。毎年トップが入れ替わるといわれる台湾では異例のロングヒットを記録している
2008年のヒット昨「武林群狭傳」。Softworldの凄さは毎年同時接続者数10万人以上のヒット作を自社で生み出し続けているところだ
編: 次に王さんが董事長を務めているSoftworldグループについて伺います。Softworldは「ラグナロクオンライン(RO)」の大ヒットで急成長を遂げたメーカーという印象が強いですが、それ以前の歴史を教えてください。

王氏: 弊社は1983年に設立しました。当初は北米のPCゲームのパブリッシングをしていました。その後10年は自社開発に力を注いでいます。オンラインゲームは1999年から開発を行なっています。当時の開発チームは現在のChinese Gamer(中華網龍)です。「RO」は今から7年前の2002年にスタートした作品ですが、弊社ではその前からオンラインゲームの開発に携わっています。

編: 「RO」の大ヒット以来、台湾ではずっとトップシェアを維持しているわけですが、その秘訣とは何だと考えていますか。

王氏: 1つは20数年間のゲーム業界での積み重ねです。スタッフに、ゲームを選んだり、運営するための「敏感度(センス)」が養われており、市場分析などに反映されています。2つ目は自社開発のタイトルが多いことです。Chinese Gamerは自社開発が専門ですが、毎年大作をいくつか出していまして、いずれも台湾でもトップの売り上げを持つタイトルを生み出しています。

編: 「RO」をリリースした時には36万人という史上空前の同時接続者を記録しました。そのときはどのようにお感じになりましたか。

王氏: 開始した頃は本当に手探りの状態でしたので、それほどの人数までいくとは思っていませんでした。人数が20万人、30万人になったときにもっとがんばれるかもしれないという気持ちになりました。当時は「リネージュ」がもっとも人数が多くて、18万人という人数でした。とりあえずこの18万人を超えることを目標にしましたが、努力の末超えることができました。人数が増えるにしたがって次に出すタイトルには何万人というはっきりした目標ができ、努力の源としていろいろとチャレンジすることができました。

編: オンラインゲームの自社開発は1999年から行なっているとのことですが、グループにおける自社開発に対するポリシーを教えてください。

王氏: 中華圏産のタイトルとして台湾でも中国でもヒットできるようなタイトル作りを目指しています。Chinese Gamerは毎年大作を出していまして、昨年、一昨年ともっともユーザー数の多いタイトルをリリースしています。一昨年は「黄易群侠伝」、昨年は「武林群侠伝」です。一昨年の「黄易群侠伝」は最大同時接続者数18万人を記録し、日本でもリリースしています。「武林群侠伝」は12万5,000人を記録しています。ただ、私は台湾でトップシェアを取るというだけでは十分ではないと考えています。中国でもせめて5番以内には入ることを目標としています。

編: その他の自社開発タイトルについてはいかがでしたか。

王氏: 自社開発について言えば、昨年自社開発したのが5タイトルで、もっともヒットしたのが「武林群侠伝」でした。昨年は5タイトルすべてが黒字になり、全部が成功していると言えます。これまでは5タイトル制作しても2~3タイトルは赤字であったり失敗してしまったものがありましたが、昨年は開発力も安定してきたかなと思います。

編: 同時接続者数が10万人を超えるゲームを毎年リリースしているのは凄いことだと思いますが、TCA主催のセミナー「遊技産業CEO高峰論壇」の質疑応答では、「日本や欧米のタイトルに比べて台湾のゲームは面白くない」と言う発言が飛び出しましたが、あの発言はどのように感じましたか。

王氏: 弊社ではいろいろな国のタイトルをパブリッシングしてきています。アメリカ、韓国、日本ではコーエーさんと提携しています。技術面から言えば欧米や日本ののゲームの方が優れている部分があると思います。グラフィックス、特に3Dの部分では台湾は劣っている部分があると思います。とはいえ先に挙げた2タイトルは台湾で非常に良い成績を残しています。そこにはそれなりの理由があるはずなのです。なぜそれらが受け入れられたかを考えますと、グラフィックス面だけでなく台湾ユーザーにあったゲーム性が挙げられます。台湾ユーザーの心を掴んだ部分が大きいです。

編: 日本ではオンラインゲーム産業は停滞感があり、なかなか成功することが難しい市場になりつつあります。しかし台湾は、昨年比で10%の成長があり、すべてのタイトルが黒字という理由はなんでしょうか。

王氏: 日本の状況は詳しくわからないので、日本についてコメントはしかねます。台湾については今朝のカンファレンスで出てきたように、台湾ではオタク経済と呼ばれる状況があり、その影響もあって伸びていると思います。

編: それでは2008年の成長は一過性のもので、今後は停滞する見込みですか。

王氏: 経済の回復はそれほど早くはないと思います。今年末から来年にかけても経済の停滞は続くかもしれません。その中でオンラインゲームはオタク経済ということで不景気だからこそ遊ばれるという背景があります。オンラインゲームに関して2009年いっぱいは好調が続くのではないかと考えています。


■ 台湾初のクロスプラットフォームタイトル「Xenjo Online」は、2009年4月に中国でCBT開始

台湾トップの地位に甘んじることなく次は中国市場を狙っていくことを宣言
台湾初のクロスプラットフォームMMORPG「Xenjo Online」。2009年4月よりPC版限定で中国市場でβテストがスタートする模様だ
編: 現在のSoftworldさんの売り上げ規模と会員数、市場のシェアを教えていただけますか。

王氏: まず、台湾全体の市場規模ですが、昨年から台湾の市場規模が約150億元といわれています。一昨年が120億から130億元といわれていましたので、20%くらいの成長になっています。

 Softworldについては2007年の営業売上高が45億元で、台湾全体の40%くらいといえます。2008年は62億元で、台湾全体の45%くらいのシェアになります。

編: セミナーでは、Softworldの王さんとGamaniaのアルバートさんの2人を持って台湾市場のシェア70%だとWayiの会長がおっしゃっていましたが、あれは事実なのですね。

王氏: タイトルの数から言うとそれくらいの数字になるかもしれません。売上高ベースではそこまでいくかはわかりません。

編: いずれにしても台湾ゲーム市場は、世界でもまれに見る圧倒的な寡占状態ということになると思いますが、それについていかがですか。

王氏: 現在シェアが大きいとは言え、将来的にその状況が続くかといえばわかりません。弊社としても引き続き努力をしていかなければいけないと考えています。開発にしても運営にしてもタイトルを選別する際には慎重に行なわなければいけません。競争も激しさを増しますので、ライバルも増えてくると思います。常に危機意識を社員に喚起しています。

 それからシェアが大きいというのはあくまで台湾の中だけのことです。台湾のメーカーだけがライバルではないと思います。中国、韓国、日本のメーカーさんもライバルになると思います。中華圏を含めた段階でシェアを確保できてこそ本当に満足できるのではないかと考えています。

編: 昨年、Softworldさんは「Xenjo Online」というタイトルを発表されました。PCのみならず、Xbox 360に対しても提供するマルチプラットフォームタイトルとして非常に注目していますが、現在の開発状況はいかがですか。

王氏: 現在はまずはPC版をリリースすることを念頭に開発が進められています。2009年4月に中国でクローズドβテストを行ないます。その後半年ほどして台湾でスタートしたいと考えています。PC版の反応を見てXbox 360版を考えようとしています。

編: 当初の予定では昨年の第2四半期中にはリリースしたいとおっしゃっていましたが、何が原因で遅れているのでしょうか。

王氏: まだゲームができていないのです(笑)。市場自体が変化していますので、市場に対して何が必要かということを考えているうちに修正事項が多くなってしまいました。

編: 台湾初のクロスプラットフォームタイトルとして注目されていますが、クロスプラットフォーム展開の実現可能性についてどのように考えていますか。

王氏: ゲームは3Dエンジンからすべて自社開発しています。時間とコストをかけて開発しています。クロスプラットフォームについてはMicrosoftでもビジネスモデルについて計画をしている段階です。Xbox 360の機能面でPCではできるけどXbox 360ではできないものもありますので、チャット機能やアイテム販売の方式などいろいろなところを計画しなければいけません。PCで遊んでもXbox 360で遊んでもどちらのユーザーにも便利で遊びやすい方式にしなければいけません。これは両社で考えているところです。1,000人が同時に接続するゲームはMicrosoftさんにとっても1つの挑戦になります。これについてはXbox 360側でも積極的に考えていただいています。

編: いつ頃Xbox 360版を見ることができるでしょうか?

王氏: 私共だけで決められることではありませんが、北米でも1,000人同時接続できるようなタイトルが出ているようですので、早い時期にお見せできることができると思います。

編: Softworldさんの出展タイトルの中で驚いたのは、「仙剣オンライン」です。開発元がかつてのライバルメーカーであるSoftstarさんですよね。これはどういった経緯で提携することになったのでしょうか。

王氏: お互いに契約の時に居眠りをしていて誰だかわからなかったのでしょう(笑)。業界に長くいますと市場自体の分析もわかってきますが、それ以外に各メーカーの良いところ悪いところも見えてくるのです。自分の会社の長所短所のみならず、他社さんの長所短所も見えてくるのです。どういったコラボレーションをしたほうが1番良い結果が出るのかを判断することは非常に聡明な決断だと思います。Softstarさんが弊社の運営能力を評価していただいたことは非常に嬉しく、また感謝しています。台湾の業界は非常に弾力性があり臨機応変に立ち振る舞うことができます。

編: 日本や欧米ではM&Aが盛んです。最近でもコーエーさんとテクモさんが一緒になります。今後SoftworldさんがSoftstarさんを買収するといったことは考えられるのでしょうか?

王氏: 私としてはSoftstarさんを買収する理由はないと思います。SoftstarさんはSoftstarさんで存在していただいて、もっと良いものを開発していただくのが理想だと思います。そもそもSoftstarの李さんがそれを許すはずがありません(笑)。

【Xenjo Online】
「Xenjo Online」は、若干開発が遅れているようだが、開発は進められていた。「黄易群狭傳 Online」のような、武侠とファンタジーをミックスさせたような世界観が印象的だ


■ 海外展開は日本より中国。東南アジアにヒストリカルMMORPG「雄王朝」を展開

王氏は、海外展開について中国に加え、東南アジアを挙げた。ベトナム展開を果たすために、専用のMMORPGを開発するというのは非常にユニークなアプローチだ
編: 王さんにインタビューしたらぜひ伺いたいことがありました。Softworldグループは開発力を持つメーカーであるにも関わらず、なぜ日本に法人を作られないのですか?

王氏: 我々の規模が小さいからです。戦いを挑むのであったら勝てる見込みのある戦いがしたいです。ですから日本よりは中国に向けた展開に現在は力を入れています。将来的に日本で良いパートナーさんがいれば、日本で一緒にやることも考えなくはありません。直接日本に進出しなくてもすでに進出しているガマニアさんを通じてリリースするといったことも考えられると思います。

 現在弊社の方針としてはまずはちゃんとした製品を作るということです。しっかりした製品を作れば日本でも東南アジアでもその地域で実力のあるパブリッシャーさんにお任せするのが1番良いことだと考えています。

編: セミナーでは中国展開について熱く語られていましたが、Softworldグループでは、どのような形での展開を考えていますか

王氏: 中国大陸については言葉が通じるというメリットがあります。台湾で培った人と経験を中国に持っていくことができますので、中国については順調にいけるのではないかと考えています。中国は市場自体が大きいですし、これまでの経験から中国市場は理解していると思います。管理も他の国よりはしやすいと思います。自分たちで自分たちのタイトルを運営する方向で行きます。ただしすべてのタイトルを自社で運営するのではなく、1部のコンテンツは現地のパブリッシャに委託するということが考えられます。

編: それは例えば盛大さんのような現地大手パブリッシャーさんでしょうか。

王氏: そうですね。盛大さんと協力することも考えられます。現地のメーカーさんと協力するところで、1つのコンテンツをお任せすることもあるかもしれませんし、それと同時にそこから学ぶこともできると思います。

編: 現在では自社での展開が法律的に難しい状況ですが、規制が撤廃されるということでしょうか。

王氏: いろいろと戦略があるのですが、全部を全部自分たちで運営するわけではありません。いくつかは現地のパブリッシャーさんにお任せすることになります。それらの運営を通して台湾の開発にフィードバックできると思います。中国での運営経験を台湾側での開発にシェアして、中国の市場にあったタイトルを開発できると考えています。

編: 中国市場は、日本でもプラットフォーマーも含めて熱い視線を送っているのは事実ですが、なかなかうまくいっていません。王さんはセミナーの中で3年以内での成功を約束されました。その根拠は何ですか?

王氏: 6、7年くらい前までは、中国大陸に進出した台湾産タイトルにも成功するタイトルがありました。その後4、5年でかなり落ち込んでいます。ですから、我々は成功の経験もありますし、失敗の経験もあります。その期間もずっと観察しておりますので、その経験を活かせると思います。また、現在中国のタイトルを台湾でパブリッシングしています。これによって中国の運営方法や中国タイトルを運営する経験を蓄積しています。

編: 3年後の中国市場での目標はどのあたりに設定していますか?

王氏: 3年後に中国国内で、国内メーカーも含めて6大メーカーの1つになりたいです。行けるのではないかと考えています。もっとも自信ばかりでなくチャンスもあります。例えば盛大さんは、かつて中国市場で30%ほどのシェアを持っていましたが、今では17%のシェアに落ち着いています。今までシェアを持っていたメーカーでもシェアが低くなっていく傾向にありますので、割って入る隙間があるのではないかと考えています。トップ集団でシェアが独占されるのではなく、分散されていく傾向にあると思います。

編: 中国のここ数年の傾向の1つにWEBゲームが人気を博しています。中国でのWebゲームの展開についてどのような展望をお持ちでしょうか。

王氏: 中国のWEBゲームがどうなるのかまだはっきりはしていないと思います。その証左に中国の大手メーカーはWebゲームを作っていないです。

編: 中国市場対策としてWEBゲームをあてるということは考えていますか?

王氏: それほど明確な考えはありません。WEBゲームは、小さな投資でWebゲームを開発していますし、同時に大陸のWEBゲームを台湾でパブリッシングしています。現在は少ない投資で開発運営を行ないながら、様子を見ているところです。WEBゲームという流れからは離れはしませんが、のめりこみもしないです。

編: 今後のSoftworldグループ全体の戦略を教えてください。

王氏: まずは1つ目に中国です。大陸で成功を収めて遊戯新幹線を株式上場させます。これが1つの目標です。次に東南アジア市場の開発です。東南アジア市場のユーザーの好みに合うような開発を行なっていきます。現在、高雄、香港、シンガポールに東南アジアの研究開発チームを作っています。3年から5年の間に東南アジア市場で成功するようなタイトルを作っていきたいです。

 今年の第2四半期にベトナムで「雄王朝」というタイトルをリリースします。高雄の研究開発チームが開発しました。当初はベトナムで出します。ベトナムから周りのタイなどにも展開するかもしれませんが、中心はベトナムです。ベトナムの歴史に基づいて作られたタイトルです。中国大陸と東南アジアを軸とした展開が今後の展望です。

編: 東南アジアを重視する理由は何でしょうか。

王氏: 中国に次ぐ第2の市場だと考えています。文化的な背景が欧米に比べると東南アジアは中華的な文化が近いという面があります。

編: 台湾国内での取り組みはどういったものが挙げられますか。

王氏: 台湾でも4タイトルから5タイトルのビックタイトルをリリースする予定です。業績もそれに応じた成長を見越しています。目標は20%の成長です。

編: オンラインゲーム全体の今後の展望はどうなると思いますか。

王氏: ただ単純にゲームとしてみることはできないと思います。オンラインゲームというのはゲーム性ばかりでなくコミュニティの要素が強いです。弊社のタイトルでは一晩で50万人から60万人のユーザーがゲームに接続していますが、彼らにゲームで遊んでもらうだけでなくどういったものを提供できるだろうかということを考えなければいけないと思います。

編: ありがとうございました。



□Taipei Game Showのホームページ
http://tgs.tca.org.tw/
□Softworldのホームページ
http://www.soft-world.com.tw/
□関連情報
【2009年2月13日】台湾最大手Softworldグループ台北本社訪問レポート
PC/Xbox 360相互接続を実現する次世代MMORPG「Xenjo Online」を見た
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080127/tgs_sw.htm

(2009年2月17日)

[Reported by 中村聖司]



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