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ガンホー、「ラグナロクオンライン」スタッフインタビュー
戦場システムは4月に実装、RJCやオフラインミーティングも順次開催

1月26日収録



 ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社が運営するWindows用MMORPG「ラグナロクオンライン」。日本でプレイされているMMORPGの代表作の1つであり、2008年12月1日には6周年を迎えた。

 「ラグナロクオンライン」は韓国Gravityが開発するMMORPGであるが、特に日本の運営が積極的に働きかけをしている印象を受ける。日本オリジナルのイベントやコンテンツを追加する形で実施し、不正対策やサポートに関しても毎月不正者数の発表や、ヘルプデスクへの報告件数を公式ページでアナウンスしている。しかし一方で、開発元とのタイムラグが大きいというユーザーの指摘もあるのが現状だ。

 今回、インタビューでは「魔王モロク」の未実装だったアップデート、「メモリアルダンジョン」を3月中に、「戦場システム」を4月に実装されることが発表された。また、「RJC2009」の予選がまもなく開始され、オフラインミーティングを3月に開催することも明らかになった。これらの施策を、「ラグナロクオンライン」の運営チーム、マーケティングチームはどういった想い、方針で実施し、ユーザーに働きかけていくか聞いた。


■ 2008年の「ラグナロクオンライン」。「冒険者アカデミー」や「蜃気楼の塔」などオリジナル要素充実の一方で「魔王モロク」は2/3が未実装

ガンホーゲームサービス部一課の廣瀬髙志氏。「ラグナロクオンライン」制作担当、制作プロデューサーとして日本運営の中心的役割を務める人物
ガンホーゲームサービス部一課の千葉亮一氏。これまではオフラインイベントの司会も担当しており、オンラインのイベントにもこだわりを感じさせる
第一マーケティング部第一企画課の中村聡伸氏。ユーザーへの働きかけに関して、ユニークなプランをいつも考えているという
編集部: 最初に、2008年の「ラグナロクオンライン」は廣瀬さんの視点からどういった年だったのかを教えてください。

廣瀬髙志氏: アップデートとしては2008年3月の「名もなき島」が非常に好評でした。ハードルの高いクエストもあるものの、マップとして魅力のある場所が追加されたのは大きかったと思います。その後にバランス調整のマイナーアップデートで新たに人気を得たマップもありました。2008年という年で「ラグナロクオンライン」はゲームに厚みがでてきたのかなと思っています。

 11月には新ルールの攻城戦が導入されました。こちらでは真新しさもアピールできたかなと思います。そして不正対策ですね。「ラグナロクオンライン」の長年の課題ですが、これに対して一定の効果が出てきて、「安心して遊べるゲームになってきた」という評価もいただくようになってきました。

 ただ、12月には新しい不正対策のソリューションをトライさせてもらったのですが、結局以前のものに戻すという決断になってしまいました。2009年に持ち越しという形になってしまいましたが、現在使っているソリューションをさらにアップデートして不正対策を強化していきたいと思っています。

 2008年はコンテンツと不正対策のある程度の充実ができた年だと思っています。しかし、ユーザーにお詫びをしなくてはいけない、という部分もあります。大きな所では「魔王モロク」のアップデートは2008年中にすべて入れるはずだったのですが、シナリオは全部入っているのですが、アップデート要素は全体の1/3しか実装できなかった。2009年はまず残りのコンテンツを入れていきたいと思っています。

編: 要素としての2/3はどのようなものでしょうか。また、遅れた理由は何でしょうか。

廣瀬氏: 「戦場システム」と、「メモリアルダンジョン」です。「魔王モロク」アップデートの中に、スキルやアイテム、マップの仕様などに影響するシステムの根幹に関わる部分の修正が多く含まれており、現在でも開発元であるGravityに問い合わせているところもあり、認識を合わせている段階です。日本のユーザーの皆さんにできるだけ安心して遊んでもらえる環境を整えるために、準備をするのに時間がかかってしまっている、というところです。

編: ユーザーに「安心を」というのは、ガンホーの「ラグナロクオンライン」の大きなキーワードになっていますが、この安心の具体的なイメージはどんなものでしょうか。

廣瀬氏: 新しく入ってこられる方と言うよりも、今プレイしている人に対しての気持ちですね。これまで納得して遊んでもらったユーザーさんが、変化によって遊びづらさを感じてしまう。アップデートによって「ラグナロクオンライン」が良い意味で変化すればいいのですが、変化によってユーザーさんが不利益を感じてしまっては本末転倒だと思うんです。

 今回に関しては、特に攻城戦のバランスでした。これに影響を及ぼす要素はユーザーさんも敏感でして、スキルの仕様が1つ変わるだけで戦局に影響が出てしまう。だからこそこちらとしても慎重にならざるを得ません。「今まで楽しめていたのに、どうしてくれるんだ」という見方のみされてしまうのは危険だと考えています。

編: 日本でそれだけ調整に時間がかかるということは、一番最初に実装された韓国では変化でのユーザーの混乱、不満が大きかったのでしょうか。

廣瀬氏: 国によってコンテンツ、アップデートのとらえ方の違いはあるかもしれません。韓国では意識されなかった問題でも、日本でそのまま実装してはユーザーさんが戸惑うのではないか、と思う要素もあったのです。それは、これまでの運営の経験上からの判断も大きいです。だからこそアップデートの改修に関しては慎重に進めているのです。我々が納得できてから出していきたいと思っています。

 一例ですが、日本オリジナルのイベント「蜃気楼の塔」では、アイテムを一気に拾う「グリード」というスキルがあるのですが、蜃気楼の塔でグリードを使ってひたすらアイテム回収をするプレーヤーが出てきてしまった。あまり縛りたくないのが本音ですが、他のユーザーさんの気持ちを考えて調整を行なうことにしました。システムの根幹をアップデートすることで、こういった設定が可能になります。このように日本のプレーヤー社会にマッチした調整を様々な点で行なっています。こういった働きかけは、2009年のラグナロクの指針でもあります。

編: 韓国の最新アップデートとのタイムラグよりも、ユーザーの世界を守りたい、というのが今後も継続する方針と言うことでしょうか。

廣瀬氏: 何も変えたくないというわけではないのですが、今楽しめていることも大事にしたいです。だからこそ、慎重にしていきたいというのが現在の私達の判断です。

編: 「ラグナロクオンライン」といえば、定期的に開催されるイベントも魅力のひとつですが、2008年を振り返ってみていかがでしたか。

千葉亮一氏: 私はイベントを担当していたのですが、「冒険者アカデミー」、「モンスターサイドストーリーズ」など日本で企画・制作を行なったイベントが、コンテンツとしてずっと実装されるという流れがありました。これらの続編である、「アカデミーシークレットストーリー」なども展開でき、2008年は日本企画のコンテンツが次々と実装された年になりました。

 初心者をどう導けばいいか、ストーリー要素を付加していくには? ガンホーでは日本のコンシューマゲームをプレイしてきたユーザーさんに対して、「ラグナロクオンライン」をより楽しんでもらえるための要素としてオリジナルコンテンツを企画してきました。

 協力してプレイしていく「蜃気楼の塔」は反響が大きかったですが、ストーリー要素を重視したコンテンツに関してはソロプレイも視野に入れていきました。「ストーリーが良かった」という声をいただけましたね。シナリオで登場するキャラクタにファンがついてくれて、ユーザー間の話題になった、というところで手応えを感じています。

編: オリジナルイベントに関しては、ストーリーと、キャラクターを重視しているのかなと思いますが。どうでしょうか。

千葉氏: それに加えて、演出です。「ラグナロクオンライン」はムービーシーンを入れることもシステム的に難しいですし、昨今のゲームに比べて地味な部分もあります。ですから表示されるテキストなど、細かいところでこだわって作っています。それは韓国から来るコンテンツに対しても同様で、ストーリーやテキストに独特のアレンジを加えています。

 システム面も同じで、11月に実装された「新攻城戦」で“守護石を復活させる”というアクションの際、オリジナルではエフェクトを切っているとわからない反応があったり、スペックが低く通常はエフェクトを切っているユーザーさんには守護石の反応がわからなかったのです。これに対応するために、新しくエモーションを入れました。このように日本のユーザーさんの立場に立った方針は、2009年でも行なっていこうと思っています。

編: 「ラグナロクオンライン」は、マーケティング的なアプローチの強いタイトルでもありますが、そちらについては2008年はいかがでしたか。

中村聡伸氏: 「ラグナロクオンライン」は6年を経過するMMORPGですが、現場の視点で気がついたのは、まだまだ新しいことがやれるなという実感を得ました。マンネリになりがちなコンテンツに、新しいことをやっていく、新しい見せ方をしていくことでこれまでのプレイとは違った楽しさを感じてもらう。加えてきちんとアップデート情報を伝えていく、というのがマーケティングの仕事かなと考えています。

 私がガンホーに入社したときくらいからスタートした公式ブログではゲームの中でのちょっとした裏話や、小さいエピソードも紹介することで、ユーザーさんの生の声を聞くことができる新しい窓口ができました。オンライン、オフライン様々なイベントに関わっていきましたが、意見をいただくことで、自分の中でも新しい視点が生まれて、告知のページで気をつける点なども考えていくようになりました。

 今回、「ラグナロクオンライン」6周年目にはじめて「ラグナロクオンライン・オブ・ザ・イヤー」という企画を実施させていただき、ユーザーさんがどんなところに思い入れがあるのかのアンケートを取り、発表をさせていただきました。この他にもブログのトラックバックや、バナーをはることで今まででは難しかったユーザーさんのファンサイトとの連携も行なうことができるようになりました。2009年もユーザーさんとの関係を強化していきたいと思っています。


■ 「メモリアルダンジョン」を3月中に、「戦場システム」を4月に実装、近日狩場のリニューアルも

2008年10月の「ラグナロクオンラインファン感謝祭2008」で発表された三次職のイメージ
こちらは2008年7月のユーザーシンポジウムでの三次職への日本ユーザーの要望。コアプレーヤーにとって三次職への関心は非常に高い
編: 1月現在、「ラグナロクオンライン」の今後の予定として決まっているものを教えてください。

廣瀬氏: まずゲーム要素の方としては、魔王モロクの残りのアップデート「メモリアルダンジョン」を3月中に、「戦場システム」を4月に実装していく予定です。また、現在やっているクエストを表示できる「クエストウィンドウ」や、スキルを系統的に表示できる「スキルツリー」を実装しインターフェイスを改良していく予定です。これらは魔王モロクの次期アップデートと同時か、それより前に実装できればと思っています。

 3月に実装するメモリアルダンジョンは2種類を予定していて、「エンドレスタワー(仮称)」と「封印された神殿(仮称)」というものがあります。封印された神殿は階層的には多くないのですが、エンドレスタワーは100階以上の階層があり、クリアするためには相当の努力が必要となります。果たしてクリアできるのか、というユーザーの皆さんへの挑戦状のようなコンテンツになっています。

千葉氏: 戦場システムはこれまでのギルドやパーティーという概念に縛られず、2つの勢力に分かれて戦うというシステムです。相手側の拠点を破壊する、オブジェクトを壊してポイントを獲得するなど様々なルールが用意されています。

 大規模な人数がぶつかり合うと言うよりも、小~中人数のユーザーさんが参加して戦うことのできるシステムです。戦いの結果によって得られる褒賞があって、それを得るために様々な戦い方をしていくというコンテンツですね。

編: 魔王モロクのストーリーシナリオは高レベル向けコンテンツでしたが、ユーザーの難易度の高いコンテンツへの熱意はどうでしょうか。

廣瀬氏: アップデート要素で高レベル向けダンジョンやMVPボスなどが実装されますがテストをしていて「これは無理だろう」と思うようなコンテンツでも、ユーザーの皆さんは攻略法を見つけてきますね。1つの敵だけではなく、マップそのものもキャラクタの役割をしっかり果たすという方法で攻略していきます。その分析力にはいつでも驚かされます。

編: 以前の発表では戦場システムが先だったとのことですが、メモリアルダンジョンを先に実装することになったのは何故でしょうか。

廣瀬氏: 「メモリアルダンジョン」に関しては開発元のバージョンから大きく改修する可能性を今のところ感じていないという判断からです。これに対し「戦場システム」はPvP要素が前面に出たコンテンツであり、開催時間など特別なルールがあるので、どうすれば楽しんでもらえるシステムになるか、というのを試行錯誤しながら検討していきたいと思っています。バランスとしては調整中ですが、韓国とは違ったものになる可能性もあります。

 戦場システムは参加していくことで報酬のアイテムに繋がっていくのですが、ここにユーザーさんは大きな期待を寄せています。攻城戦同様、実装してしまったときに見落としがあった場合、後から修正ができるとしてもユーザーの不利益になってしまう。このために慎重にしていきたいと思っています。

編: 「安心」を重視していく方針はユーザーの評価を得ていると思いますが、その一方で他国では実装されているコンテンツの実装がどんどん遅れてしまっているという現状もあります。難しい問題ですが、どうしても生じてしまうこのギャップをどのように埋めていこうと考えていますか。

廣瀬氏: 確かにコンテンツの実装が遅いことに関しては、日本の運営がずっとユーザーの皆さんに言われている部分ではあります。しかし、現在の「ラグナロクオンライン」を見ると、韓国の現状とそれほどかけ離れているかというと、実を言うとそうでもない。

 早く遊びたいというユーザーさんのニーズに応えたいと思う気持ちはありますが、実際実装すると日本のユーザーさんから提案があり、開発も納得した上で反映されていく要素も多いのです。運営をしていく経験で、「私達が予測し、手を打っておけばこんな事にはならなかったのに」と思うことも多い。言い訳みたいになってしまいますし、ユーザーの皆さんに大きくアピールできるものではないのですが、それでもユーザーに安心できる環境を求めていきたいと思っています。

 ギャップを埋めるために日本オリジナルコンテンツなどを積極的に展開しています。アニバーサリーイベントでもアップデート規模のコンテンツを入れています。アニバーサリーイベントでは転送サービスを入れてみたのですが、普段遠くて行けないマップや、難しいクエストなどをこの機会に挑戦するプレーヤーも多かったです。

 「ラグナロクオンライン」はたくさんのコンテンツがありますが、キャラクタを育てる効率を重視すると行っていないマップなども出てきます。新コンテンツのみにフォーカスすると「まだ遊べないのか」という不満も出てきますが、現在入っているコンテンツでもまだまだなじみの薄い所がある場合も多く、再発見、再評価をしてもらえるようなアプローチもしています。

千葉氏: イベントを行なうときの街を工夫することで、「これまで来たことなかった」というユーザーさんもいました。転送だけでなく、イベント用NPCを配置することで場所に合わせたストーリーの展開も可能です。新コンテンツだけでない、改良も加えています。大きなものの1つが、狩場のリニューアルです。2008年でも行なっていましたが、2009年の早い時期にまた狩場をリニューアルし、ユーザーの皆さんに楽しんでもらいたいと思っています。対象レベルは中~高くらいにしていく予定です。

廣瀬氏: 現状でも人気が高く過密なマップがいくつかあります。今回のアプローチはそういったマップの分散化を図ろうと思っています。ただGravityとしての設計の考えもあり、無理に変えすぎないようにバランスを調整しつつ、実施していこうと思っています。


■ 「RJC2009」開催、オフラインミーティングを3月に実施。ユーザー間では韓国でテスト中のアップデートに懸念の声も

サービス最初期から「ラグナロクオンライン」の運営スタッフの中心としてユーザーを見守り続けた廣瀬氏の言葉からは、ユーザーと「守るべき世界」への強い思い入れを感じさせられる
スリーエフ限定で発売されたポリンをモチーフとした「ポリンぱん」。ゲームファンの話題になる楽しい商品だ
編: 2009年はどのようなイベントを実施していく予定ですか。

中村氏: 今年も「RJC」を実施します。大会参加者は年々増加しているので、今年も期待しています。もうひとつは、3月に「ラグナロクオンライン」のオフラインミーティングを実施しようと思っています。ユーザーシンポジウムに近い形を考えていて、新しい試みの上で仕切り直しをしていこうかと思っています。こちらからユーザーさんへ発表させていただく内容と、ユーザーさんからの質問に現場の人間が答えて直接対話を行なっていく、という形を考えています。

編: 2008年12月に予定していたオフラインミーティングをこの3月にずらして開催という形になりましたが、その経緯を教えてください。

中村氏: どういう形でやっていこうというのを決めるのに時間が必要だったというところはあります。あとは3月の方が来てくれるユーザーさんにとって暖かい時期かな、と思いまして(笑)。これまでもオフラインミーティングではユーザーさんの質問はより内容に突っ込んだ、専門的な内容になっています。そのためこちらとしても質問にきちんと答えられる現場の人間で対応させていただきたいなと思って、開催の形を整えているところです。

編: ユーザーの要望の高かった不正対策に関しては要望の件数を報告したり、不正者を取り締まったりとガンホーの運営側での積極的な取り組みを感じますが、ここ1年での意識の変化などはありましたか。

廣瀬氏: ユーザーの皆さんの見ている部分としては大きな問題となっていた不正対策への不満点が、ユーザーの皆さんの間で一番の話題ではなくなったかな、という感触は持っています。それはヘルプデスクやオフラインイベントでの意見の中でも感じられて、「不正対策に関しては改善しつつあるね」という評価をいただきつつあるかと思います。

 ただ、それであっても我々のスタンスは変わりません。評価をいただきつつあるのはうれしいですが、不正対策はこれからも力をかけていきたいと思います。不正対策に評価をいただくと同時に、ゲームのアップデート、内容などゲーム本体の関する要望はより多くなってきています。

 プレーヤー間では韓国のテストサーバー「サクライ」での三次職やバランスが話題になっています。提示されているリニューアルプランに関して、「日本ではどうなるんだ」という議論も起きていて、不安に思っている人も少なくありません。韓国の開発の方針と意図を汲みつつではありますが、日本でそのまま入れるのではなく、こうしていきたいと働きかけています。現在まだテスト中のため、そこから調整していきたいと思っています。

編: 開発元のGravityがグループ会社になって1年がたとうとしていますが、ガンホーとのパートナーシップはどうでしょうか。

廣瀬氏: グループシナジーを活かした方向での手応えはあります。企画意図を汲むべき部分はありますが、良い物にしていこう、という私達の働きかけ、日本市場への意欲に関して積極性を見せてくれています。企画チームのトップの方達と、忌憚なく話ができるようになってきています。やりやすくなってきている実感はありますが、もちろん開発側の姿勢も尊重していくことは変わりありません。

編: 2008年の12月には不正対策用にソリューションの変更を行ない、接続障害などで結局以前のものに戻すということになりましたが、これに関してもう少し詳細を教えてください。

廣瀬氏: 不正対策に関しては、現状でもまだBOTの問題など不正ユーザーを100%防ぎ切れていない現状があります。12月のソリューションの変更では1部のユーザーさんからクライアントの起動が速くなった、軽くなったという意見もいただいたのですが、総合的な判断としてソリューションを戻すことにしました。

 導入を検討したソリューションはそれまでのもののバージョンアップではなく、新しいものでした。ですので今後も既存のソリューションをバージョンアップしながら、新ソリューションの導入も検討していきたいと思っています。今後実装をトライするものは、12月に導入したソリューションを改良したものの可能性もありますし、全く別なものを採用する可能性もあります。

編: では最後に、2009年にユーザーに向かってアプローチしていきたいことを教えてください。

廣瀬氏: 一言で言えば、クオリティアップです。これまでから継続してアプローチしていきます。今後、三次職が導入されていく予定の中で、だからこそ「ラグナロクオンライン」のゲームの土台を今以上にしっかりさせていきたいと思います。不具合の対応、インターフェイスの改善など手を入れるべきものはたくさんあります。クオリティアップしていく、というのが2009年の私のテーマです。

 韓国の「サクライ」でテストされている件もそうですが、新要素に関しても「ラグナロクオンライン」のクオリティをアップさせる、という視点で開発元に働きかけていきたいと思っています。“波風立ててでも”守っていくものがあると思っています。私達はそれが仕事だと考えています。

千葉氏: 同じようなベクトルでのアップデートをしていくのではなく、様々なユーザーさん、ニーズに向けて土台固めも含めた形でやっていきたいと思います。Gravityに働きかけていく要素、日本向けを考える要素など方向性も様々ですが、「ラグナロクオンライン」を遊んでいるすべてのユーザーさんが楽しめるように、多彩な方向性での要素の充実を図っていきたいと思います。

中村氏: かゆいところに手が届く、きっかけ作りをしていきたいというのが1つ。そしてマーケティングとして昨年のコカ・コーラとのキャンペーンや、1月に発売した「ポリンぱん」などゲーム内外での「ラグナロクオンライン」の話題を提供していこうと思います。私はいつも“何かバカなことをしてみたい”と考えているので、ユーザーさんに怒られない程度に何かやっていきたいと思っています。

□ガンホー・オンライン・エンターテイメントのホームページ
http://www.gungho.co.jp/
□「ラグナロクオンライン」のページ
http://www.ragnarokonline.jp/
□関連情報
【1月23日】ガンホー、WIN「ラグナロクオンライン」
無料ワールド「Skuld」を1月27日よりオープン
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20090123/ro.htm
【2008年11月28日】ガンホー、WIN「ラグナロクオンライン」
6thアニバーサリー記念イベントを12月1日より開催
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081128/ro.htm
【2008年11月10日】ガンホー、WIN「ラグナロクオンライン」
新要素を追加した新攻城戦を11月25日に実装
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081110/ro.htm
【2008年10月29日】ついに姿を現わした「ラグナロクオンラインDS」プレビュー
「RO」を素材とした、王道ストーリーが展開するコンシューマRPG
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081029/rods.htm
【2008年10月27日】ガンホー、「ラグナロクオンラインファン感謝祭2008」を開催
DS版の発表、コスプレイベント、三次職の情報など盛りだくさん
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081027/ragnarok.htm
【2008年9月25日】ガンホー、WIN「ラグナロクオンライン」
正式サービス6周年記念パッケージを発売
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080925/ro.htm

(2009年2月6日)

[Reported by 勝田哲也]



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