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★DSゲームレビュー★

時空を超えた忘れられない冒険が
過去から蘇る!

「クロノ・トリガー」

  • ジャンル:RPG
  • 発売元:株式会社スクウェア・エニックス
  • 価格:5,040円
  • プラットフォーム:ニンテンドーDS
  • 発売日:発売中(11月20日発売)
  • プレイ人数:1人(1〜2人)
  • CEROレーティング:A(全年齢対象)



 ゲームの歴史が繰り返される。

 今から13年前、スーパーファミコンでRPGというジャンルの常識を変えたあの名作が帰ってきた。当時、エニックスとライバル関係だったスクウェアが世に送り出した「クロノ・トリガー」。植松伸夫氏と光田康典氏の名曲に乗って、心に残る物語が再び幕を上げる。ニンテンドーDSのタッチスクリーンの中で……。


■ ひょんな出来事から始まる前代未聞の物語。複数の時空を冒険して世界を救え!

千年祭りでは、いくつかのミニゲームに挑戦することができる
最初は徒歩だけだが、冒険が進むにつれ、さまざまな乗り物を使って速く移動できるようになる
 タイトルが示唆するように、主人公の名前はクロノ(自由に変えることができる)。普通の少年である彼は千年祭という祭りが開催中の、ガルディア王国に住んでいる。千年祭では幼馴染のルッカが、新発明の超次元物質転送マシン「テレポッド」のお披露目をしていた。千年祭で偶然出会った金髪の少女と一緒に、クロノは祭りの会場を回ることに。少女の名前はマール。マールは、ルッカの発明したテレポッドの実験に参加したいという。マールが「テレポッド」に乗ると、機械が何かに共鳴してブラックホールのようなものが現われる。マールはそれに飲み込まれて、姿を消してしまう。

 ここでクロノたちはあるものに注目する。マールが乗っていた台の上にポツリと落ちているペンダント……マールの身につけていたペンダントだけが転移しなかった。もしかすると……と思ったクロノは咄嗟に台に乗る。するとペンダントがまた共鳴し、クロノもどこに通じるかわからないゲートに飲み込まれる。ゲートの向こうで彼らを待っているのは、世界の存亡をかけた未知の脅威との戦いであった。

 「クロノ・トリガー」は、過去、現在、未来などといった複数の時代を冒険するRPGだ。宇宙からやってきたラヴォスというモンスターによって崩壊する未来の世界を救うためには、その危機的な状況を招いたであろう、過去にある全ての根源を消さなければならない。

 「クロノ・トリガー」はRPGであると同時に、アドベンチャーゲームのような要素も持ち合わせている。基本的にストーリーを進めるための道は1つしかないが、その進むべき道を見つけるために苦労することは少なくない。

 今の発言は誤解しないで欲しい。苦労するのはいいことだ。苦労して見つけたものには格別な味わいがある。ヒントの少なさこそが、ユーザーへの良い刺激になる。RPGとアドベンチャーの絶妙なバランスは「クロノ・トリガー」の醍醐味の1つだといえる。

■ 懐かしいグラフィックスとサウンドが織りなすハーモニー

物語の合間に挿入されるムービーはPS版と同じもの。ムービーのあとにドットによるアニメーションが挿入されることもあり、同じようなシーンを続けて見なければならない場合もある。そのせいで、テンポが悪くなる
 グラフィックス面では、ポリゴンを活用した3Dグラフィックスよりも、懐かしさの溢れる昔のままのドットグラフィックスで表現したほうが適切だとメーカーは結論した。筆者はその判断に同感する。いまいちの3Dよりも、美しい2Dのほうが何百倍も印象的だ。オリジナル版が発売されてから10年以上経ったということを一切感じさせない。空想的で綺麗な背景はその力を一切失っていない。

 キャラクタのアニメーションに関しては、もうちょっとバリエーションがあったほうがよかったのかもしれないが、全体的に見るとDS版「クロノ・トリガー」は紛れもなく綺麗。今、オリジナルタイトルとして発売されても、現在のほかのDS用RPGとまったく遜色ないだろう。ポリゴンの数で競争する昨今のゲーム市場だが、良いドットグラフィックスはハードが変わっても、技術が進化しても、ずっと飽きることはないだろう。

 グラフィックス面だけじゃなく、サウンド面でも本作は独特な魅力を持っている。光田康典氏が作曲した曲はどれをとっても、一度聴いたら忘れられない名曲ばかり。電車の中で無意識に口ずさみはじめる可能性が高い。予防方法として、ガムテープを口に貼ったほうがよさそうだ……(笑)。

■ 上下2画面で展開される新たな「クロノ・トリガー」

 DSというハードで生まれ変わった「クロノ・トリガー」には、2つの操作方法が用意されている。1つは十字キーと各種ボタンを使った従来と同じやり方。もう1つはDSの象徴である、タッチスクリーンとタッチペンをフルに活かした直感的な操作方法。どちらを使っても満足に遊べるが、筆者は十字キーでの操作を好んだ。昔からのゲーマーだからか、十字キーとボタンを使ったほうが気持ちいい懐かしさに浸れる。

 とはいえ、タッチペンでの操作が悪いわけではない。ただし、納得いかないところはいくつかある。上画面に表示されたフィールドの中でキャラクタを動かすには、タッチスクリーン上で移動したい方向にタッチペンを動かすという操作方法が採用された。個人的にはそれよりも、DS用「ゼルダの伝説」と同じように、タッチスクリーンに表示されたフィールドの行きたいところを直接タッチペンで触れるほうが、直感的だったと思う。

 さらに戦闘中、フィールド画面でクロノがほかの2人に対して真ん中に位置しているときに、下画面では左に表示されるという具合に、上画面のキャラクタの並び順と下画面のキャラクタの顔の位置が一致しないことがある。筆者はそのせいでHP回復対象を間違えたことがよくあった。もちろん自分の責任でもあるが、皆さんにはいつも集中してコマンドを選ぶように心掛けて欲しい。

 ただスクリーンが2つになったことで、全面的に遊びやすくなった。例えば、タッチスクリーンに表示されるマップ機能で、主人公の現在位置がわかりやすくなったし、ダンジョンのどの部分をまだ探検していないかが一目でわかるようになっている。この機能は、貴重な宝箱を探すのに重宝する。

 あと特筆すべきところは、買い物パート。上画面で各キャラクタのパラメーターの補正値をチェックしながら新しい装備品の購入を進められるので、買い物パートはよりスムーズに、より気持ち良くなった。

上画面にはフィールドが、タッチスクリーンには周囲のマップがそれぞれ表示される。マップの両脇にあるアイコンをタッチすると、メニューを開かずに選択した項目に移る オプション画面ではゲームの設定を変更できる。個人的に特に面白いと思ったのは、英語バージョンが選べること。遊びながら英語を上達させることができる。まさに一石二鳥だ! 新しい敵に遭遇するたびに、モンスター図鑑にプロフィールが追加される。モンスターの苦手な属性などを確認できるので、あらかじめ勉強しておけば、戦闘は確実に楽になる

■ 登場キャラクタ全員に活躍の機会が与えられる戦闘システム

特別なルートを通ることでモンスターとの戦闘をかわせるのだが、中にはやり過ごせない敵もいる
連携技は強力だが、MPをたくさん消費するため注意が必要だ。MPはボス戦に備えて温存しておいたほうがいい
 オリジナル版「クロノ・トリガー」のバトルシステムも、当時としては革新的な特徴を多数持っていた。もちろんDS版も、オリジナルと同じシステムを踏襲している。

 バトルフィールドの見えない敵にランダムで遭遇するという、当時主流だったシステムと違って「クロノ・トリガー」のフィールドでは、茂みなどに隠れた一部のモンスターを除くすべてのモンスターの姿が見えるようになっており、敵に触れると戦闘が始まる。そのため、モンスターの位置に合わせて移動ルートを変えたりすることで、ほとんどのモンスターをやり過ごすことができる。ただし戦闘を回避しすぎるとパーティーが成長しないため、ボスなどの強敵とのバトルで全滅しやすくなる。

 パーティーは、最大3人のキャラクタによって編成。ゲーム序盤で「時の最果て」へ移動できるようになったあとは、いつでもキャラクタを入れ替えてパーティーを再編成できる。

 キャラクタ編成は、「クロノ・トリガー」の戦闘で生き残るためにとても大切な要素。なぜならボスを効率よく倒すためには、あるキャラクタの、ある魔法またはある特技が必要になることもあるからだ。また1人で繰り出すスタンダードな技のほかに、2人または3人で発動する連携技も存在する。ボスとの戦闘に勝つためには、キャラクタの組み合わせがもっとも重要なファクターだといえる。

 また敵の中には、剣などによる物理攻撃が効かないモンスターやボスもいる。そのときは魔法が主役を演じるが、魔法はすべてのキャラクタが持っているわけではない。例えば、ルッカは火属性、マールは氷属性、主人公のクロノは天(雷)属性の魔法を使用できる。ある特殊な属性の魔法が必要だと考えた場合、そのキャラクタをパーティーに入れれば、比較的簡単に敵を倒すことができる。

 ボスと戦う前にはセーブポイントが設置されていることが多いので、そこでセーブしてからボスに立ち向かうといいだろう。もしパーティーキャラクタの組み合わせが効果的ではないと判断した場合は、セーブしたばかりのデータをロードし、ボスの弱点となる技や魔法を所持しているキャラクタを選んで、理想のパーティーを編成すればいい。

 キャラクタ1人ひとりの個性を重点に置いたこのバトルシステムは、「ファイナルファンタジーX(FF X)」のバトルシステムによく似ていると筆者は思っている。「FF X」でも、特定のキャラクタがパーティーに入っていなかった場合に、バトルですごく苦労していた。

 このように「敵を効率よく倒すにはどのキャラクタの攻撃が向いているか」ということを、「クロノ・トリガー」では四六時中意識する必要がある。どんなシチュエーションで誰を使えばいいか、どのモンスターに対してどの技の力を活かせばいいかは、いつもユーザーが考えるべきことだ。

 個人的には、このシステムのほうがバランスがいいと思っている。登場するキャラクタ全員が、冒険を進めるのに同じぐらい大切な存在である。言い換えると、本作において余計な技、余計な魔法は1つもない。オリジナル版の発売から13年も経過したが、このバトルシステムはまったくといっていいほど年をとっていない。戦闘パートにおいても、「クロノ・トリガー」の素晴らしさを再認識させられた。

「時の最果て」ではHP・MPを全回復したり、各時代へワープしたりできる 実際に戦うメンバーよりは遅いが、パーティーに入っていないキャラクタたちも経験値を獲得して成長する 用意されている装備スロットは武器、兜、鎧、アクセサリーの4つ。装備品の中には特殊な属性を秘めた鎧や、キャラクタのパラメーターを伸ばすリングなどが存在する

■ DS版オリジナル要素の追加により本編クリア後も長く遊べる

「次元の闘技場」には、「時の最果て」かメインメニューからアクセスできる。モンスターの育成が終わったら、セーブするのを忘れないように
 メインモードだけでも充分に楽しめるDS版「クロノ・トリガー」だが、さらにその寿命を延ばすのが、本作から新たに追加された「次元の闘技場」、「竜の聖域」、「次元のゆがみ」の3つの要素だ。

 「次元の闘技場」は、簡単に言うとモンスター育成パート。プレーヤーは好きなときに「次元の闘技場」を訪れ、自分のモンスターを育成できる。次元の闘技場ではまず、モンスターにパラメーターを強化する特殊なアイテムを与え、それから好きな時代に送る。しばらくしてからまた闘技場を訪れると、モンスターが成長して帰ってくる。

 変化する能力値と覚えられる技の種類は、アイテムと時代の組み合わせによって大きく変わる。育成中のモンスターが闘技場でのバトルに勝利することで、報酬として様々なアイテムを獲得できる。戦闘の難度が高いほど、もらえるアイテムの希少度が上がる。

 また闘技場のバトルパートでは、Wi-Fi機能を使って他のDSユーザーと対戦できる。戦闘中は、自動的に戦う自分のモンスターに、さまざまな効果をもたらすアイテムを与え、戦闘をサポートすることができる。やりこみ要素の高いモードなので、理想のモンスターに到達するまでには結構な時間を費やす必要がある。

 「竜の聖域」は、恐竜人の住む村。物語の終盤で原始と中世に現われるゲートにアクセスすることで訪れることができる。恐竜人からはさまざまなクエストを受けることが可能で、その依頼を達成することによって報酬がもらえる。クエストの中には、原始と中世を行き来しないとクリアできないものもある。

 クエストについては、あるエリアに住みついているモンスターの討伐から素材の入手まで、いろいろ用意されているが、目標やミッションの流れがどれも似ているので、もうちょっと個性的なクエストを作って欲しかったというのが個人的な感想。恐竜人から得られるヒントも少ないので、クエストをプレイするのが面倒くさいと感じることも多々あった。しかし、これらのクエストを達成することによって、確かに冒険の役に立つアイテムが得られるので、やりこみ派のユーザーには是非挑んで欲しい。

 「次元のゆがみ」は、ストーリーの後半に現われ入るたびに内部の構成が変化する難解なダンジョンで、古代、現代、未来に出現。3カ所すべての「次元のゆがみ」の最深部に到達し「秘めたる力」を入手することができれば、「時の最果て」という場所で衝撃の展開が待ち受けている。

 上記の3つの新要素を合わせると、新規コンテンツだけでも結構なボリュームになる。オリジナル版あるいはPS版を遊び尽くしたユーザーがこの追加要素のためだけに本作を買うべきかどうかという疑問に対しては、オリジナル版を遊んでから結構時間が経っているのなら、本作の価値が上がるという答えに至った。本作のストーリーと主な流れを忘れかけているユーザーは、最高の出来、かつ、最高のボリュームを誇る、このDS版「クロノ・トリガー」からは十分な満足感が得られるに違いない。

「竜の聖域」は2つの時代に現われる。ワールドマップにある緑色のシンボルに触れることで入ることができる 恐竜人から引き受けるクエストをクリアするにつれ、ダンジョンの探検できるゾーンが増える 冒険の後半で、シルバードというタイムマシンが手に入る。宇宙船のようなこの乗り物を使うことで、各時代へ任意にワープできるようになる

■ RPGの原点を忘れない為にも……

 難易度が高いRPGとして知られる「クロノ・トリガー」だが、ベストな組み合わせでパーティーを編成できれば、一見、無敵に見えるボスも比較的スムーズに、難なく倒すことができる。

 コマンドを選択している間にも時間が進む「アクティブ・タイム・バトル」によって特別なスリルを味わえるが、じっくり考えたいユーザーのために「ウエイト」モードが用意されている。オプションメニューで「ウエイト」を選ぶと、戦闘中にコマンドを選択しているときは時間がストップするので、コマンドメニューを開いている間は敵の攻撃を受けない。RPGというジャンルにあまり慣れていない初心者ユーザーに、是非選んでほしい機能である。ちなみに、筆者も戦略を練るために時間を必要とするので、ずっとウエイトモードで遊んだ。

 グラフィックス的には大きな変化は見られないDS用の「クロノ・トリガー」だが、面白さで言うと、現在のタイトルに匹敵するぐらい、いや、たぶん現在のRPGの殆どを凌ぐぐらい、最後の最後まで画面に釘付けになるような大傑作だといえる。当時、オリジナル版をプレイしなかった人も、スーパーファミコン版をやり尽くした人も、是非もう1度「クロノ・トリガー」の素晴らしい世界にタイムスリップして欲しい。

敵の弱点をつきやすいパーティーを編成することで、ゲームの難度はグンと下がる。モンスター図鑑を見て敵の弱点を確認し、使用するキャラクタを選択しよう キャラクタ情報の下の方にあるATBバーが最大になると、攻撃などのコマンドを選べるようになる。連携技を使用したい場合は、パートナーのATBバーも満タンになるのを待たなければならない クラシックモードの場合は、スーパーファミコン版と同じように、コマンドウィンドウがフィールド画面に表示される。ノスタルジックではあるが、DSモードは確実に遊びやすい


【Reported by ジョン・カミナリ】
芸名:ジョン・カミナリ
国籍:イタリア 年齢:33歳
職業:俳優、声優、タレント、テレビゲーム評論家
趣味:テレビゲーム、映画鑑賞、読書(山田悠介)、カラオケ(アニメソング)
デビュー作品:銀幕版スシ王子!(ペぺロンチーノ役)
ブログ:ジョン・カミナリの、秘密の撮影日記
 イタリアで6年間テレビゲーム雑誌の編集部員として働いたあと、新しい刺激を求めて2005年に大好きな日本へ。子供の頃から夢見ていた役者の仕事を本格的に始める。堤幸彦監督の「銀幕版スシ王子!」で個性的なマフィアのボス、ぺぺロンチーノを熱演。現在もTVドラマやTVゲームなどで、俳優・声優として活躍中。日本語を勉強し始めたのは23歳のとき。理由は「ファイナルファンタジーVII」や「ゼノギアス」などのRPGの文章を理解するため。好きなジャンルはRPGと音楽ゲーム。「リモココロン」のような個性的なゲームも大歓迎。お気に入りのゲームは「ゲームセンターCX」と「ワンダと巨像」。芸名はイタリア人の友達に、本人が雷のように予想不可能なタイミングで現われるからという理由で付けられた。将来の夢は、大好きな「龍が如く」シリーズに敵役として出演すること

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キャラクター:(C)1995,1999 SQUARE ENIX CO.,LTD. All Rights Reserved. (C)1995,1999 バードスタジオ/集英社

□スクウェア・エニックスのホームページ
http://www.square-enix.com/jp/
□「クロノ・トリガー」のページ
http://www.chronotrigger.jp/
□関連情報
【2008年7月19日】スクウェア・エニックス ブースレポート
Xbox 360「インフィニット アンディスカバリー」、DS「クロノ・トリガー」を体験
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080719/se.htm

(2009年1月21日)

[Reported by ジョン・カミナリ]



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