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★オンラインゲームレビュー★

志は大きく天下統一を目指すヤンキーの物語
単独行動非推奨! バカ騒ぎがアツいMMORPG

「疾走、ヤンキー魂。」

  • ジャンル:MMORPG(ネットヤンクゲーム)
  • 開発元:スクウェア・エニックス
  • 運営元:ゲームポット
  • 利用料金:基本料金無料(アイテム課金)
  • 対応OS:Windows XP/Vista
  • サービス開始日:2008年12月17日(正式サービス中)



 日本固有の文化に“ヤンキー”というものがある。20年ほど前から漫画やドラマの題材としても扱われはじめ、ヤンキーをテーマにした作品も続々と映画化されるほど人気は高い。ヤンキーには不良、暴走族のような悪いイメージもあるが、仲間を大切にするという美学も存在する。今回はそういう美しいヤンキーになりきり、ヤンキーライフを楽しもうというオンラインゲーム「疾走、ヤンキー魂。」(以下、「ヤン魂。」)を紹介したい。



■ 戦いの傷がヤンキーの勲章、転校初日から始まる喧嘩

ゲームの舞台私立「絆☆学園」。ヤンキーの巣窟だ
登校したばかりなのにガンを飛ばしたという理由で喧嘩を売られてしまう
 本作に登場するヤンキー達は、ハートには熱いものを持っているものの、どこか間の抜けた存在に描かれている。リーダー格というよりは下っ端的な、ズングリムックリな風貌をしている。それゆえに可愛らしく、愛着の沸くキャラクタに仕上がっている。

 キャラクタは3Dグラフィックス、フィールドは2Dグラフィックスで描画される混合タイプのMMORPGになっている。画面は俯瞰視点で固定されており、視点変更はできない。操作はマウスの左クリックでカーソル先に移動し、押しっ放しでカーソル方向へと走り続ける。カーソルをNPCの上に合わせて、左クリックで会話できる。マウスだけで大抵の操作ができるので、オンラインゲーム初心者も馴染みやすい。

 ゲームの舞台はヤンキーの吹き溜まり、私立「絆☆学園」だ。学園内だけではなく、公園や川原、交番、喫茶店、コンビニなどのヤンキーの集まりそうな場所はきっちりと用意されている。

 その中で、先輩のパシリ(使い走り)やマブ(仲間)からの依頼をクリアし、レベルアップしながらヤンキーとしての地位を少しずつ築き上げていく。ヤンキーらしく天下統一という壮大な目標を掲げてはいるものの、序盤は身近で地道な物語が展開されていく。小さな事からコツコツと、しかし夢はでっかく、そんなヤンキーの物語だ。

 選べるキャラクタは、学ランにリーゼントの男性キャラクタ「ヤンキー」と、胸に赤いリボンのついたセーラー服を着た女性キャラクタ「レディース」の2種類が用意されている。キャラクタの性別によって着用できる衣服に違いはあるものの、今のところ能力的な差はないので、好みで選んで構わない。

 プレーヤーはヤンチャな高校1年生となる。父の転勤の影響で2学期から「絆☆学園」へ転入となり、今日は初の登校にあたる。家では”おかん”(母親)も「ほな頑張って行って来ぃや~!!」と、関西弁で元気に送り出してくれたものの、校門を潜った瞬間から悲劇が起こる。

 なんと、校門前では同級生がヤンキーにボコボコにされているではないか。しかもそのヤンキーというのが、モヒカンに黒いマスクという、絶滅危惧種として珍重される程コテコテのヤンキーだ。プレーヤーはその光景を傍から見ていたところ、ガンをつけたという言いがかりを受け、喧嘩を吹っかけられてしまう。そこで戦闘方法のチュートリアルが始まる。

【スクリーンショット】
選べるヤンクタイプは「ヤンキー」と「レディース」の2種類、今後は他のタイプも実装される予定 商店街の横でひっそりと営業中の喫茶「ドラゴン」。ヤンキー達の秘密のスポット
チュートリアルでは、性別によって異なるキャラクタが登場する



■ オンラインゲーム史上最多? のクリックゲーム

 戦闘は、フィールド上の敵を左クリックしてパンチを繰り出すのが基本となる、アクション方式をとっている。そのうえで「喧嘩ストロングモード」と呼ばれるシステムが用意されている。喧嘩ストロングモードとは、簡単に言うと後出しのできるじゃんけんのようなもので、相手の攻撃に反応してこちらの攻撃を組み立てていく。相手が殴りかかってくればこちらは防御をして、相手がタメ攻撃をしてきたらこちらはパンチを繰り出す。相手が防御をしていればこちらはタメ攻撃だ。3すくみの関係で、相手の動きを見切って反撃する。

 序盤は敵の攻撃力が強く、数発殴られただけで倒されてしまうというシビアなバランスになっている。そのため、必死になって防御やタメ攻撃を自在に使い分け、相手の攻撃を見切る戦いが緊張感があって面白いと感じた。

【通常攻撃】 【防御】
相手がタメ攻撃ならこちらはパンチを繰り出す あらかじめ防御しておけば、相手の攻撃をはじき返せる。反撃のチャンスだ
【タメ攻撃】
相手が防御したのを確認したら、すかさずタメ始める 一定時間後にタメ攻撃が発動可能になる クリーンヒット! 防御中の相手にダメージを与えて、ダウンさせられる

 しかし、2時間程プレイした段階でその感覚は変わってきた。喧嘩ストロングモードは1対1のタイマンを前提としたシステムのため、複数の敵に同時に攻撃された場合、防御やタメ攻撃をしている余裕はない。うまくタイマンに持ち込めればいいものの、敵は1カ所に密集しているうえ、戦闘していると突如別の敵が横に出現することもあり、すぐに囲まれて倒されてしまう。複数の敵が同じ場所に重なることも多く、攻撃したい敵に対して思い通りにターゲットが合わせられない。こうなると、爽快感よりもストレスがたまってしまう。

 このため経験値を稼ぐ際は、自然と強い敵を避け、弱い敵と戦うことになる。2、3発の攻撃で倒せて、しかも防御しなくてすぐに倒せる敵を相手にするので、喧嘩ストロングモードの駆け引きはなく、ただひたすら左クリックでパンチを連打するだけになってしまう。初めは「アタタタタタ!」と調子にのって連打していたものの、時間が経つにつれて指が痛くなってきたほど、クリックの連打が続く。

 また、敵の種類は豊富なものの、全ての敵が喧嘩ストロングモードに則った同じ攻撃方法なので、非常に単調に感じられた。さらにレベルアップに必要な経験値が急激に増えていき、レベル8くらいで、2時間ほど連打を続けるような状況になる。序盤は面白く、喧嘩の泥臭さまで再現できているのには関心しただけに残念だ。楽しんでプレイできるよう、敵の攻撃パターンを多様化したり、あるいは駆け引きが楽しめる対人戦の実装を期待したい。

【スクリーンショット】
敵は少なくともこれくらい集まっている 敵の密集率が高いとさらに酷い状況に 戦闘中は気をつけておかないとすぐに敵に囲まれてしまう



■ 目的は天下統一。クエストはギャグテイストで面白いが、ボリューム不足が難点

降臨という時点で人間なのかもわからない、謎の多いNPC「元祖先輩」
 ゲームの目的は、NPCの「元祖先輩」が示す108種類の「試練」や「修練」を解決すること。そして、史上最強のヤンキーの称号を手に入れ、天下統一を目指す。「元祖先輩」は、軟弱化してきたヤンキー達に喝を入れるべく、「絆☆学園」に降臨してきたキャラクタである。3メートルはありそうなタッパ(身長)で、明らかに他のヤンキーとは格が違う神様的な存在だ。

 この天下統一を目指すため、「試練」をメインクエストとして、そして「修練」をサブクエストとしてクリアしていく。「試練」は、敵対校の生徒を倒してこい! というオーソドックスな内容のものから、高校1年生らしく、先輩へアイテムを届けるパシリ行為などがあり、「絆☆学園」の威信をかけた内容のクエストになっている。

 それに比べ「修練」では、レディースでありながら男子トイレに侵入したり、ヤンキー内で蔓延している怪しい粉の正体をつきとめたりと、クエスト内容はギャグテイストで楽しんでプレイできた。

 ただプレイしていて残念なのが、クエストの少なさ。レベルを上げると新しいクエストが出てくるが、それでも絶対数が少ない。レベルアップ時に増えるクエストは1種類から2種類程度なので、レベルを上げてもすぐにクエストが終わってしまう。また、クエストで得られるのはお金だけで、アイテムや経験値は入手できない。次のクエストをやるためにはレベルアップしなければならないので、また単調な経験値稼ぎが必要になり、このサイクルが非常に苦痛に感じた。

 何よりもまず、不足しているクエストの追加は急いでほしいところだ。それと合わせて、クエストで経験値が入手できるようにするか、単調な戦闘以外のシステムでも経験値を入手できるようになれば、もう少し遊びの幅も広がるのではないだろうか。

【スクリーンショット】
レディースなのに男子トイレに侵入、しかも喧嘩まで メインクエストを108種類解決して天下統一を目指そう アップデートの度に変化する期間限定のクエストもある



■ 独特な「ヤン魂。」の世界観。随所に散りばめられたギャグは秀逸

ネタとして交番で指名手配されているプロデューサーの安藤武博氏
 以上のように、戦闘やクエストなどのコンテンツは作りこみ不足は深刻だ。しかし、「ヤン魂。」は他のオンラインゲームの追随を許さない程の長所を持っている。それは、非常に面白い世界観だ。

 「絆☆学園」の校内には、質実剛健なイメージが浮かぶ「絆」の1文字が彫られた石碑があり、校舎内には下駄箱や教室、保健室などがあって学校の雰囲気を上手く再現されている。

 しかし、よくよく見てみると何かがおかしい。校内には、喧嘩を教える「喧嘩教室」があるし、正面玄関のフローリングに畳が敷かれ、その上にはちゃぶ台のセットが置かれている。さらには、交番で指名手配中の人物が「ヤン魂。」のプロデューサーである安藤武博氏になっていたりと、ゲーム全体においてバカバカしい光景が広がっている。

 これこそが「ヤン魂。」の世界観で、あちらこちらでユーザーに楽しんでもらうための作りこみがなされている。そういうおかしな部分を発見するため、ついつい目をこらしてプレイしてしまうのだ。何気なくプレイしていても、「こんな所にギャグが隠されていたのか!」という驚きがあって面白い。

【スクリーンショット】
「絆」の石碑が設置され、一見真面目な雰囲気を漂わせる 畳、座布団、ちゃぶ台。ここは正面玄関ですよ 激安の番長、「ヤンクホーテ」なんていうお店も



■ ファッションは自由。ヤンキー流コーディネートを目指せ

レディースの服を選択中の画面。胸にはサラシが巻かれている
 ヤンキーファッションのコーディネートの幅は広く深い。装備は、上服から下服、髪型、首、背、など13種類の部位が用意されているうえ、それぞれが個別のグラフィックスを持っていて、組み合わせは無数にある。

 例えば、昨年のクリスマスではサンタの服装が販売されていて、サンタ風ヤンキーが登場した。正月には女性用の晴着も追加され、ファッションで四季も味わえるようになっていて面白い。毎週実施されているアップデートでは、頻繁に装備も追加されており、ファッションの幅はますます広がっている。

 さらに、装備品にレベル制限がないということもファッションの幅を広げている。極端な話、プレイ始めたばかりのレベル1のプレーヤーでもどんなコーディネートでもできるという気軽さがある。

 装備の入手方法は、ゲーム内ショップで購入するか、敵を倒して入手するかの2通り。ゲーム内通貨「マニー」で購入できる装備は少ないが、課金通貨「YP」(1YPは10円相当)で購入できる衣装は多数追加されている。

 敵を倒して入手できる装備品もかなりの種類がある。各装備品には、防御力などの決まった性能はなく、各ステータスの増減がランダムに設定されている。同じ名前の装備でも性能は異なるため、「この装備が強い!」というものは存在しない。装備をコレクション要素として集めるもよし、ファッションとして集めてもよし。「ヤン魂。」のやりこみ要素はレベル上げではなく、装備収集に尽きる。

【スクリーンショット】
学生服のヤンキーだらけの状態も…… 時間と共にヤンキーもファッショナブルに

 課金アイテムは、大きく分けて装備品と消費アイテムの2通り。消費アイテムは入手経験値やアイテム獲得率などが増えるものがあり、キャラクタの成長速度に多少の違いがでるものの、使わなければ遊べないというようなバランスにはなっていない。

 装備品は、敵を倒して入手できるものとは違い、高いステータスが固定値で設定されている。ステータス的には課金装備のほうが高性能だが、戦闘ではプレーヤーのレベルが大きく影響するため、装備の違いによって目に見えるほどの大きな能力差は出ない。外見が魅力的なアイテムがあれば購入するという感じでプレイしていいだろう。「長ラン」や「絆☆学園短ラン」などヤンキーのマストアイテムや、レディースの魅力を引き出す「ボディコンスーツ」、正月の期間限定で「振袖」など様々なものが販売されている。

 ゲーム内では、性能を考えずに好きなコーディネートでバシっと決める人もいれば、装備を全てはずして全裸の1歩手前のパンツ1枚で楽しんでいる人も見受けられた。自由な生活ができれば結構、小さな事にはこだわらない。そうやってヤンキーなりの生活を楽しむのもいいかもしれない。

【スクリーンショット】
敵を倒した時の経験値が60分間25%増加する「ヤンテッカゴールド」。1YPは10円相当で、価格は12YP 「長ラン」や「短ラン」に合わせて「絆☆学園ボンタン」もちゃんと用意されている。価格は60YP こちらは、漫画「クローズ」に登場するキャラクタ、リンダマンこと「林田 恵」のセット。価格は198YP



■ ユーザーの絆と優しさが最大の魅力。コミュニティに加わってバカ騒ぎしよう

正月に行なわれたユーザー主催の暴走イベント
 郊外へ出ると移動画面がズームアウトし、チャリ(自転車)での移動になる。マウスで移動地点をクリックすると、キコキコという音と共にチャリを漕いでプレーヤーは進んでいく。ヤンキーっぽさを感じないマスコットのような見た目で可愛い姿だ。

 チャリには、ハンドルやカウル、前輪など7カ所の部位があり、それぞれのパーツを組み替えてカスタマイズできる。またゲーム内のお金を貯めて原付も購入できる。チャリや原付は、学校外の専用フィールドでのみ利用可能で、移動以外の使い道は今の所ない。また、カスタマイズすることで見た目に変化はあるのだが、移動速度が速くなるようなこともなく、ステータスは一切変化しない。カスタマイズ用品の数もかなり少ないため、現状はプレーヤー同士で“デコチャリ”自慢も難しい。

 乗り物を使用してアクセルミュージック勝負をする「バンボーバトル」も実装予定ではあるが、実装が遅れている。今のところ乗り物の存在意義が、まだ自己満足の枠を出ていないといった印象だ。

 ゲームシステムに食い込めていない乗り物だが、正月に行なわれたユーザー主体のイベントでは大活躍した。これはユーザー同士で正月を楽しもうという趣旨のもと、ただ疾走するだけという、イベントとして何の変哲もないものだった。

 ただ単に集団でフィールドを走るだけではあるが、奇抜なファッションのマブ達が、チャリと原付にまたがる姿は滑稽で、バイクではないところがまた笑える。中には、「オラオラオラ!!」などと雄たけびを上げて走るユーザーや、全裸でチャリを漕ぐユーザーもいて、非常にシュールな光景で面白かった。

 こういった類のユーザー主催のイベントは、たいていがバカ騒ぎ系のもので、参加するだけでお祭り気分が味わえる。その反面、頻繁に開催されてはいないので、簡単には参加しにくい。お手軽にバカ騒ぎが楽しめる場所は、ヤンキー達の社交場、コンビニ前だ。

コンビニ前にはいつも人がいて、会話も弾んでいる
 コンビニ前には数多くのユーザーが集まっていて、1つのコミュニティのようなものが形成されている。そこには寝ていたり、ヤンキー座りをしながら会話を楽しんでいるユーザーがたくさんいる。一般的なMMORPGならば、知らない人たちが楽しげに会話しているところに、いきなり声をかけて飛び込むのは気が引けると感じる人も多いだろう。だが、「ヤン魂。」では、そのコミュニティに加わるのに会話は必要ないのだ。

 あるとき筆者がコンビニ前に立ち寄ったところ、髪型をスキンヘッドにしている3人のプレーヤーを発見した。彼らは「はげーはげー」、「はげっ!」と理解不能な言葉で会話をしていた。しばらく観察していると、そこにもう1人のスキンヘッドのプレーヤーが参加し、また「はげー」と会話を始めた。その後もスキンヘッドのプレーヤーが続々と増えていき、気づいた時には周りはスキンヘッドのプレーヤーで埋め尽くされていた。結局、筆者もその輪に加わるべく、スキンヘッドになってしまった。その後は全員で「はげーはげー」と連呼したり、立ったり座ったりを繰り返したりという珍妙な遊びが始まり、言葉を知らない原始人のように「ハゲ祭り」を楽しんだ。

自分からじゃんけんをすれば、すぐに他のプレーヤーが参加してくれることが多い
 こういった特殊な例以外にも、ヤンキーになりきり、「夜露死苦(よろしく)」や「愛羅武勇(あいらぶゆう)」というヤンキー用語で話しかけられることもある。またエモーションを利用したじゃんけんを使い、人の多いところでグーを出せば、他のプレーヤーがパー、チョキを出したりしてくれたりもする。そういったノリのよさがゲームのあちこちで感じられる。

 コミュニティに加わるのに会話は必要ないし、輪に加われば自然と話しかけられ、会話がうまれていく。一般的なMMORPGならば、他人の会話がうるさいと怒るプレーヤーもいるが、「ヤン魂。」ではそういうプレーヤーも少ない。むしろ会話に加わってくるプレーヤーのほうが多く、マブも増えやすい雰囲気になっている。

 それでも自分から話しかけるのが苦手なプレーヤーには、最大4人で組めるチームシステムも用意されている。主に協力して戦闘するためのパーティーシステムで、1人で戦闘をしていると他のプレーヤーから誘われることもよくあるので、そういう時は気軽に参加してみるといいだろう。チームでの戦闘のほうが楽しくなり、会話も弾んでユーザー同士の絆が深まること請け合いだ。

 こういうコミュニティをバカバカしいと思って拒んでいると、「ヤン魂。」の魅力が激減してしまう。1度頭をすっからかんにしていただき、ヤンキーになりきってバカ騒ぎを楽しんでもらいたい。

【スクリーンショット】
コンビニ前に集合して「あけおめ!」と新年を喜ぶユーザー達 正月用の期間限定クエストとして用意されていた富士山のマップ
チームは最大4人。「入れてください」と声をかければすぐに入れる事が多い。チームで戦えば、複数の敵に囲まれても味方が守ってくれる



■ 改善点は山積みながら、世界観、ファッション、コミュニティだけでも遊ぶ価値あり

 2008年12月18日に、「ヤン魂。」は正式サービスへと移行した。前回レポートした第1回特攻テストから約7カ月の開発期間が経過し、ゲームも多少は成長している。大きいアップデートでは、ヤンクタイプ「レディース」の実装、チャリの追加、マップの変更と追加、チュートリアルの刷新などがあり、他にも細かい部分が改善されていた。

 ただ、前述したとおり、戦闘の単調さや、クエスト数の不足、ゲームに存在しながらも機能していない「刺繍」、「ステッカー」、「尿意」といった要素、さらには敵を攻撃できなくなるような致命的なバグなど、問題は山積している。特に昨今の目の肥えたユーザーには、コンテンツ不足はすぐに見破られるだろう。コンテンツの追加は急務である。

 しかし、そんな状況にあるにも関わらず、今もゲームには多くのユーザーがログインしている。その理由の1つには、運営陣とユーザーの一体感がある。「ヤン魂。」の公式サイトには、プロデューサーの安藤氏が頻繁に更新している開発舞露愚(開発ブログ)があり、それに対してユーザーがコメントできる。一般的な運営陣ならば、暴言の類が書き込まれていればすぐに削除するものだが、「ヤン魂。」では削除せず残している。どんな書き込みでも許容する柔軟な姿勢がユーザーにも好意的に受け止められ、多くのユーザーの支持を得る理由になっているのだと思う。

 筆者は敵を倒すのに策略を練るゲームも好きだが、ぼーっとできるゲームも好きだ。MMORPGではよくあるギスギスした感じではなく、この穏やかな雰囲気が「ヤン魂。」最大の魅力だ。まずはコンビニ前でぼーっとしておき、「ヤン魂。」の雰囲気を感じてもらいたい。次第に笑える世界観、奇抜なファッション、気軽に加われるコミュニティが見えてくる。ぜひヤンキーになりきり、ヤンキーらしくバカ騒ぎを楽しみながらプレイしてもらいたい。

【スクリーンショット】
第1期「ヤン魂。」に引き続き、NPC「おかん」も登場する(左上)。他にも様々なマップ、キャラクタが登場し、明るいヤンキー達の世界観がユーザー同士のコミュニティを形成する「疾走、ヤンキー魂。」

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□ゲームポットのホームページ
http://www.gamepot.co.jp/
□スクウェア・エニックスのホームページ
http://www.square-enix.com/jp/
□「疾走、ヤンキー魂。」のページ
http://www.yantama.jp/
□関連情報
【2008年12月15日】「疾走、ヤンキー魂。」12月17日より正式サービス開始
コミックの「クローズ」とのコラボや、正月イベントも
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081215/yantama.htm
【2008年12月15日】ゲームポット、「ゲームポットフェスタ2008」開催
GPコアエッジが「アヴァロンの鍵 オンライン」を発表
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081215/gpf.htm
【2008年11月28日】ゲームポット、WIN「疾走、ヤンキー魂。」
「オープン特攻テスト」実施決定!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081128/yan.htm
【2008年8月29日】ゲームポット、WIN「疾走、ヤンキー魂」
「第三回特攻テスト」を9月12日より3日間実施
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080829/yantam.htm
【2008年7月4日】ゲームポット、WIN「疾走、ヤンキー魂」
「第二回特攻テスト」を7月25日より実施
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080704/yan.htm
【2008年6月10日】「疾走、ヤンキー魂。」“第一回特攻テスト”レポート
「喧嘩ストロングモード」に特攻! ネットヤンクの真髄を見る!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080610/yant.htm
【2008年5月8日】So-netとゲームポット、共同制作発表会を開催
「PostPet」のメタバースや、「パンヤ」とのコラボなどを発表
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080508/soga.htm
【2008年2月8日】ゲームポット、WIN「疾走、ヤンキー魂。」
1週間限定の第1期復活をかけて「絆、プロジェクト。」第2弾を実施
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080208/yan.htm

(2009年1月19日)

[Reported by 日高文典]



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