★PS3/Xbox 360/PCゲームレビュー★
君はこの恐怖とストレスに耐えられるか?!
伝統と革新を備えた超骨太のサバイバルホラー
「アローン・イン・ザ・ダーク」 |
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- ジャンル:サバイバルホラー
- 開発元:Eden Games
- 発売元:エレクトロニック・アーツ
- プラットフォーム:プレイステーション 3 / Xbox 360 / PC
- レーティング:CERO:D(17歳以上対象)
- 価格:7,665円(PS3 / Xbox 360版) / オープンプライス(PC版)
- 発売日:2008年12月25日(発売中)
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暗闇にひとり、取り残された男を待ち受ける運命は? |
2009年の年頭にあたりご紹介するのは、昨年末12月25日にエレクトロニック・アーツより発売された「アローン・イン・ザ・ダーク」だ。ゲーム界にサバイバルホラーというジャンルを打ち立てた同名のシリーズ最新作である。
「アローン・イン・ザ・ダーク」シリーズの歴史は古く、その始まりは16年以上前にさかのぼる。1992年に仏Infogramesが開発した初代作「ALONE IN THE DARK」は、最初期の3D技術を使い、映画的な演出とパズル的な謎解きを、ほとんど初めて実現したゲームだった。そしてサバイバルホラー系ゲームの原点として、後に「バイオハザード」シリーズなど数々の3Dアドベンチャーゲームに影響を与えている。
古参のPCゲーマーならご存じの事と思うが、その初代「ALONE IN THE DARK」といえば、1シーン進む毎に致命的なトラップが仕掛けられており、ひっかかれば主人公が簡単に即死してしまうという難解なゲームであった。プレーヤーの心を折らんばかりの理不尽なトラップの数々は、「洋ゲーは大味で難しすぎる」という評判を広く定着させるほどの破壊力を持っていた。
そして今回の「アローン・イン・ザ・ダーク」である。ジャンルとしては初代作と同じ、危険な環境をひとりで進んでいくソロプレイ専用のサバイバルホラーだ。PS3/Xbox 360といった最新世代機を前提としてデザインされた本作は、独自の物理エンジンと独特の操作性によって、初代作のインパクトに勝るとも劣らない、歯ごたえのあるゲームに仕上がっている。正直なところ、歯ごたえがありすぎて、評価そのものが非常に困難な道のりとなってしまったほど。さっそくその歯ごたえ抜群の内容をご紹介する。
■ 独特の操作性やアイテムの合成など、独自要素満載のゲームシステム
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見知らぬ男達が「石」について言い合っている。状況は全く不明。これから何が起こるのか? |
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俺は何者なんだ? 主人公は全ての記憶を失っていた |
本作の舞台は現代のアメリカ。ストーリーはとあるホテルの一室で始まる。朦朧とした意識の中で目覚めると、目前には数人の男。何かの「石」について激しく言い合っている。とても友好的とは言えない雰囲気の中、主人公は別の部屋に連行されていく。そこに突然、壁面に赤い亀裂が入り、主人公を連行していた男が飲み込まれてしまった。何がどうなっているのか。さらに主人公は、自分が誰であるかすらもわからないことに気がつく。状況が全く飲み込めないまま、ビルの崩壊が始まった。生存本能に従っての脱出行が始まる……。
プレーヤーを全く状況不明という不安に突き落として始まる本作のゲームシステムは、他のどこでも見たことのない要素がてんこ盛りだ。まず、上記のシネマティックなシーンで主人公が目を覚ましたあと、プレーヤーが最初にする操作は「右スティックを押し込んでまばたきをし、視界をクリアにする」というものである。
次に、自分を連行する男の指示に従って、移動する。その際、指示通りに動かないと殴り倒され、ゲーム開始1分程で早速死んでしまうので、聞こえるセリフに細心の注意を払う。この間も目を開け続けていると視界が曇っていくので、まばたきの操作は定期的に行なう。
おそらく本作に触れる全てのプレーヤーが、この開始数分の時点で「このゲームは、他のゲームと何かが根本的に違う」と思うことだろう。それが期待につながるか、違和感になるかはプレーヤーの性格によると思うが、筆者の場合は期待に傾いた。その期待通り、本作のゲームシステムは、他のゲームでは見られない独特の要素が満載だ。
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「石」とその使用法を巡り、クロウリーと呼ばれる男に痛めつけられる老人。一方の主人公は、孤立した状況の中、崩壊を始めたホテルから脱出しようとしている。状況は全く不明だが、とにかく生き延びるために前進するしかないという形でゲームが始まる |
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炎上を始めたホテル。消化器を見つけ、進路を消火しながら進んでいく。開かないドアがあれば消化器を叩きつけて破る。息つく間もなく、謎の裂け目に襲われる。常時、最高潮の緊張を維持したままゲームが展開していく |
・独特のインベントリシステム。アイテム合成でペットボトルを火炎瓶、粘着爆弾に
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ジャケットの裏側がアイテムのインベントリ。携帯できるアイテムの数は限られているが、アイテム合成でそれを補う |
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強化型の粘着爆弾を作成。これを投げつけて爆破すれば大抵のものが一撃で破壊できる |
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負ったダメージは治療用スプレーで回復する。傷口が痛々しい |
本作は、プレーヤーとゲーム内の主人公との“一体感”を非常に重視しており、それがゲームシステムの様々な面に現われている。その好例としてインベントリのシステムが面白い。主人公のジャケットの裏側が“アイテム倉庫”になっており、ジャケットを開くと中央に拳銃と懐中電灯のホルダー、右側にスプレー缶やペットボトルを保持できるホルダーが4つ、左に小物ホルダーが6つとなっている。携帯できるアイテムの数はこれが全てだ。
携帯可能なアイテム数は極端に制限されているが、その一方で、複数のアイテムを合成して新たな使い道を作ることが可能だ。例えば、燃料の入ったペットボトルに包帯やハンカチを詰め込むと火炎瓶になり、右手にライター、左手に火炎瓶を装備すれば、火を付けて投げつけ、対象を爆破炎上させることができる。
さらに、その火炎瓶に両面テープを合成すると粘着爆弾となり、動く目標を爆破する際に威力を発揮する。強力な敵を相手にする場合には、粘着爆弾に拳銃弾のケースを貼り付けて爆発力を強化。こういったアイテム合成のシステムは、ゲーム中の様々な場面で応用していくことになる。
両手に異なるアイテムを装備できるというシステムも、プレーヤーの工夫を促す要素だ。暗闇を進む場合は、右手に拳銃、左手に懐中電灯という組み合わせが基本。だが時にはゾンビ化した人間との戦闘になることもある。ゾンビは物理的な打撃では絶対に死なず、炎で焼かなければならない。燃料入りのペットボトルと拳銃を装備すれば、投げつけて拳銃で射撃、爆破炎上させて倒せる。スプレー缶があるならば、右手にライターを持って、簡易な火炎放射器に仕立てることもできる。
アイテムにはこのほかにも様々な合成方法がある。手に入れたアイテムをうまく組み合わせて何か便利なものを作るというのはゲーム中で常に考えることだ。また、障害を排除したり、敵を倒すためには、周囲の環境を利用するという手もある。
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作成した火炎瓶と拳銃を持ち(左)、投げて狙いをつけて射撃(中)。大爆発を起こしてターゲットを仕留める(右)。このように本作の戦闘では、敵を倒すために炎を上手く使うことが必要だ |
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拳銃弾に燃料をかけて火炎弾にしたり、ライターとスプレー缶を持って火炎放射器にしたりと、アイテムを組み合わせて利用する方法は幅広い |
・環境要素を利用するたくさんの方法
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火種があるときは、常にその利用法を考えることが必要だ |
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火をつけた椅子をたいまつ代わりに暗闇を進む |
本作では環境表現に物理エンジンを使っており、様々なオブジェクトを手にとって武器として利用することができる。例えば消化器は、進路の火を消すためだけでなく、振り回して木製のドアを破壊したり、時間を稼ぐために敵に投げつけることもできるといった案配だ。
また、木の棒や椅子といった木製の物体は、火種さえあればどんどん燃えるので、これを武器にすることも可能だ。椅子を火にかざして炎上させ、そのまま敵を殴っても良いし、投げつけて引火させてもいい。もしくは木製の障害物(ドアなど)にかざして火を付ければ、焼け落ちるのを待って通行可能にできる。
ちなみに、手に持った物体を振り回すための“攻撃ボタン”などという安直なものは存在しない。右スティックで右へ左へ、上へ下へという風に、アナログ操作で振り回す。慣れるまでは大変だが、この操作法のおかげで微妙な位置にある火種に物体をかざして燃やすといった行動が可能になっているわけである。
暗すぎて足場が見えないような場所では、木製品を燃やしてたいまつ代わりにすることもある。その際、あまり時間をかけていると燃え尽きてしまって、真っ暗闇の中で孤立してしまうことになるので、物体の大きさや形状に注意を払いつつ行動計画を立てることが必要だ。
このほかにも、自動車のガソリンタンクに切れ込みを入れて燃料を取り出したり、そこに弾を撃ち込んで周りのものを吹き飛ばしたりと、本作に登場する物体には、その物理的な特性に応じた様々な使い道が隠されている。これをうまく活用してピンチを切り抜けていくところに、本作独自の面白さが集約されている。
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自動車は移動に使うだけではなく、燃料を抽出したり、爆弾や火種の代わりにしてしまうこともできる。状況に合わせて周囲の物体をどのように利用するか、プレーヤーの判断が問われる |
■ 謎解きからカーアクションまで、仕掛けたっぷりのステージ構成
バリエーション豊富だが、ちょっと厳しすぎるか?
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崩壊した部屋から放り出されると、眼下にセントラルパークの光景が広がる |
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崩壊する障害物を避けながら壁伝いに移動する。ひとつのミスも許されない |
さて、ここまで本作が持つ独自のゲームシステムを簡単にご紹介してきたが、本作はゲームの展開も独特だ。ゲーム序盤、右も左もわからない状況で確かなことは、今居るホテルが崩壊を始め、このまま居続ければ確実に死が待っているということだ。
ケーブルを掴んでエレベーターシャフトを降りていくと、既にあらゆる場所で火災と崩壊が始まっている。壁が崩れ落ち、眼前に広がるのはニューヨークのセントラル・パーク。都市全体が崩壊を始めており、渋滞した道路に建物の破片が降り注いでいる。ホテルの壁面にしがみつき落下を免れた主人公は、様々な障害を乗り越え、地下駐車場に向かって進んでいく。
あらすじだけを書き出すと実に簡単そうだが、実際のところ、ここまでの道程は生やさしいものではない。消化器を見つけて炎上する通路を消火したり、亀裂を飛び越えたり、拳銃でドアを破ったり、崩れる部屋から素早く脱出したりと、ごく序盤の段階で、本作における基本的な謎解き要素を一通り使って難所を解いていくことになる。そのどれもが本作独自のシステムに依拠しており、プレーヤーにとっては初めての体験となるので、なかなかうまくいかず、即死を繰り返して何度もやり直すことになりがちで、相当に厳しく感じる。
しかも、解くべき新しい謎は猛ペースで現われて、プレーヤーを休ませることがない。感覚的な表現で言わせてもらうと「10歩歩く毎に新たな壁にぶつかる」という感じで、スムーズに進める区間は皆無だ。実際、ほんの少し進むために多大な労力を要求し続ける本作は、プレーヤーに与えるストレスが大きすぎるのかもしれない。これに立ち向かえる者は、ゲーマーとしての素質を誇って良いと思えるほどだ。
例えば、そこに車があるとして、何かすれば乗れるだろうという予感だけがある。しかし、ドアに近づいてもロックされていて開けることができない。そこで、手近にある堅い物体か、拳銃を使って窓を破る必要がある。次にエンジンをかけようとするが、キーがない。そこで、パネルを開いてケーブルを取り出し、どれかの線を接触させてエンジンを掛ける。一度わかってしまえば易しいものだが、初めてプレイする際、運悪く発想が及ばなければ、これだけで長時間立ち往生すること請け合いだ。
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テオ老人と合流。駐車場の車に乗るだけでも一苦労だが、さらにゾンビの襲撃も受ける。非常に緊張した時間が流れていく |
・ もしも難所の連続に耐えきれなくなったら……
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市街は逃げ道を求める市民で大混乱を来している。この中を駆け抜けなければならない |
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迫り来る地割れよりも速く。倒壊するビルを避けながらのカーアクション |
ホテルからの脱出途中に初対面の女性サラと出会った主人公は、主人公の過去を知る老人テオと合流し、セントラルパークに向け、崩壊する道を走り抜ける。
ここが序盤最大の難所だ。車の操作方法はごく標準的なものだが、タイヤが非常にスリッピーで高速操縦は難しい。だが、背後からはものすごい勢いで地割れが襲いかかってくる。フルアクセルで駆け抜けるしかない中、目前のビルが倒壊し、ハリウッド映画さながらのピンチシーンが連続する。
このシーンは本作全体の作風を凝縮させたかのようだ。衝突してスピードを落とせば地割れに飲み込まれ、コーナリングを失敗すれば崖にダイブして死亡する。いずれにしてもほぼワンミスで失敗となる。最初の数回でクリアできれば非常に幸運なほうで、普通なら10回以上はやり直して失神寸前のストレスを受けながらようやく成功する、という流れだ。これを楽しめるかどうかが、本作そのものを楽しめるかどうかの指針になるだろう。
だがゲームはまだまだ序盤。ハリウッド映画ライクなチャプター制を取る本作では、この場面が「チャプター2」の最後のシーケンスだ。もしこれが難しすぎて、心が折れてしまったら、本作のプレイをやめてしまうまえに、次のチャプターにジャンプして続きをプレイしよう。これこそが本作の高難度を無理矢理正当化する、数少ないプレーヤー救済策である。
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あまりに難しくて心が折れそうになってきたら、思い切ってシーケンスをスキップしてしまってもいい。完全クリアとはならないが、ひとまずストーリーの先に進んでゲームを味わうことができる |
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難所のひとつ。戦闘、物理パズル、そして光を嫌うヘドロを避けながら進むシーンが連続する。初回のプレイで筆者は20回以上リトライするハメになり、ようやくクリアした瞬間には思わず「どうだこのやろう!」と声が出た |
■ 重厚な雰囲気があり、プレーヤーをのめり込ませるストーリー展開 ゲームに心が打ちのめされる前にクリアできるかどうかが鍵
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一難去ってまた一難。セントラルパーク内に場所を移し、ゾンビとの戦闘が頻発する |
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ついに自分の正体を知る主人公。「100歳を越えてるのかよ……」と、自嘲気味に顔を伏せる |
上記でご紹介したように、本作はまるでプレーヤーを打ちのめすためにデザインされたかのような一面を持つが、プレイを牽引するストーリー展開や演出は、極めて高水準だ。ゲームそのものが難しすぎて、不親切で、理不尽な仕様が散見される以外は、最大限の作り込みが成されている。
セントラルパークに到着した主人公は、テオ老人の導きと、とある出来事によって自分の正体を知ることになる。それは、1920年代に数々の怪事件を解決した私立探偵エドワード・カーンビーだ。つまり、初代から続くシリーズの主人公と同一人物。謎の「石」の力により長い眠りを経て、当時の肉体年齢のまま現代に目覚めたのだった。
ストーリーを語るカットシーンの数々はハイクオリティなリアルタイムレンダリングで描写され、カーンビーの置かれた状況を次第に解き明かしていく。中盤以降の展開で核となるのが、カーンビーが愛弟子のテオから渡された「石」の存在だ。これが、崩壊したセントラルパークの地下に眠る何物かとリンクし、人類の命運すら左右する存在であることが明らかになっていくのである。
その世界観は重厚で、厳しい難易度でも先が見てみたいとプレーヤーに思わせるだけの迫力と意外性を備えている。また、エレクトロニック・アーツによるローカライズは完璧だ。各主要人物に実力派の声優を配しているほか、スクリプトも自然で、原案のイメージを損なっていない。
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時折見つかるガスボンベを拾い、火炎放射器に仕立て上げれば最強の武器になる |
中盤以降はストーリーの盛り上がりに対応して次第にゲーム内容も変化していき、セントラルパークの広大な敷地を舞台に、オープンフィールド、狭い屋内の探索、そして頻発する戦闘という形でボルテージを上げていく。アイテムの使い道に精通し、無数の謎解きを解決してきたプレーヤーは、このあたりで本作の面白さにどっぷりと漬かっていることだろう。
そして最後の難関はゲーム終盤近くにある。セントラルパークの敷地が広いことをいいことに、ひたすら各所を巡らせるタイプの長大なシーケンスがあり、プレイを続けるためにかなりの忍耐が要求されるのだ。またここでは、火でしか殺せないゾンビとの戦闘が増えるため、燃える物(燃料ボトルや酒瓶など)を探してさまようという状況も多くなる。回復アイテムが全然見つからず、戦闘を乗り越えられずに何度もやり直しになることもある。
プレーヤーはこの展開に、自分がゲームに何を求めているのか、本作が与える過大なストレスに耐えられるかどうか、そんなことを強く意識することになるだろう。燃料入りのボトルに布をつっこんで、両面テープを張って粘着爆弾を作る事を、何も考えずにできるまで熟達するころには、そろそろゲームのエンディングが見えてきているはずだ。すべての苦労を昇華させてくれる結末まで、あとひとふんばりだ。
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携帯できるアイテム数に厳しい制限があるため、賢く管理する必要が常につきまとう。ペットボトルからガソリンを撒き、そこに輸血用の血液をぶちまいて敵をおびきよせ、ライターで火を付けて一網打尽にするといった戦い方もできるし、その場にある武器で時間を稼ぐこともできる。状況に合わせてあらゆる可能性を模索しよう |
■ ハードなゲームをねじ伏せる喜びを味わいたい人は買い
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カーンビーの弟子として「石」とセントラルパークの真実を追いかけてきた老人テオ。この機を何十年も待ち続けた彼は、死してなお主人公を導く |
本作はこれだけ難物なゲームであるだけに、海外では酷評されもしている。確かに筆者も、読者の中心層として想定している“一般のゲームユーザー”に対して本作をオススメすることは不可能だ。遊びやすさという面では前世代的というよりは単純にチューニング不足であり、楽しみより先にストレスを感じてしまう作りだからだ。
だが、ゲームシステム上の工夫で新たな体験を与えてくれるタイトルが大好きな筆者としては、本作をかなり楽しめた。確かに、やり直しの連続による苦痛、難解な謎解きを前にしての絶望、少しもスムーズに進めないストレスなど、ネガティブな感覚は確かにあった。だが少なくとも退屈することはなかった。そして、この難解なゲームをねじ伏せたという達成感が残り、途中に受けたストレスも今ではいい思い出に昇華している。
筆者はどう控えめに言っても重度のハードコアゲーマーに分類される人間なので、筆者と同様の感想を抱ける人はそう多くないかもしれない。それだけに、本作は人を選ぶゲームであると言える。だが決して無価値ではなく、ゲームシステムに織込まれた沢山の仕掛けや、工夫の凝らされた謎解きなど、しっかり攻略できさえすれば相応の達成感を与えてくれる作品なのである。
というわけで、野心的なゲームに打ちのめされるのが好きな人、あるいは、そういった意図に溢れるハードなゲームをスキルと忍耐でねじ伏せるのが大好きという酔狂なゲーマーは、本作を是非プレイして欲しい。過酷だが価値あるゲーム体験を楽しめることだろう。
最後に、本作のPC版をプレイしようと考えている方には、Xbox 360タイプのゲームコントローラの使用を強くお勧めしておきたい。本作のゲームデザインは明らかにコントローラを前提に作り込まれており、キーボードとマウスではただでさえきついストレスがさらに増してしまうためだ。
【スクリーンショット】
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□エレクトロニック・アーツのホームページ
http://www.eajapan.co.jp/
□「アローン・イン・ザ・ダーク」の製品情報
http://japan.ea.com/aloneinthedark/
(2009年1月8日)
[Reported by 佐藤カフジ]
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