|
この発表会では、1999年8月8日に設立された同社が、今年の8月8日で10周年を迎えたことを記念して立ち上げた数々のプロジェクトを、プレスや関係者向けに発表された。 ニトロプラスの代表取り締まられ役/広報の「ジョイまっくす」氏の司会で進行した発表会。まずは“でじたろう”こと同社代表取締役社長兼プロデューサーの小坂崇氣氏の挨拶から幕を開けた。小坂氏は会社設立当時のことを振り返り、設立した1999年8月8日はワンダーフェスティバル」の開催日。当時美少女ゲームを作っていたメンバーが、なぜかそこで「ゲームの体験版を配りたい!」という使命感にかられて配ったことがきっかけだったことを明らかにした。 続けて、「ここまで10年間走り続けた結果として、こうして皆様とお付き合いさせていただいております。この人間関係すべてがニトロプラスにとって宝だと思っています」と関係者への感謝を述べ、さらに「ニトロプラスがこれから、さらに10年後も元気であり続けること。そういったことを予感させるようなプロジェクトを披露していきたいと思っています」と語った。
そして、発表された10周年記念プロジェクトのテーマは「Exceeding 10!」(10を超える!)。これは、「10周年を超えてもニトロプラスがより元気に生き続けていけるという表明とともに、これを機に1年間に10個以上のプロジェクトをこなしてみよう!」という意味が込められているという。
■ プロジェクト発表「Game」編
「Game」では、まず5pb.と共同プロジェクトとして開発が進められている、2009年2月26日発売予定のXbox 360用妄想科学ADV「CHAOS;HEAD NOAH (カオス; ヘッド ノア)」について。ここでは5pb.のdivision5プロデューサーの松原達也氏がゲストとして登場し、戸掘氏とのトーク形式で紹介した。 「CHAOS;HEAD NOAH」は、Windows用として発売されている「CHAOS;HEAD」のXbox 360移植版。移植にあたって松原氏は、「従来の美少女ゲームからコンシューマへの移植のように何かを削るということは一切なく、PC版ではなかったキャラクタ別の固有ルートなどを追加し、シナリオの段階で約1.5倍になっています。さらに主題歌をはじめとするゲーム中に出てくる歌ものは全部差し替えています」という。 ニトロプラスと5pb.が一緒に仕事をすることになったきっかけについては、「『CHAOS;HEAD』を作るにあたって、うちの『メモリーズオフ』シリーズのような感じではなく、ちょっととがった感じにしたいということで、企画・原案をしたうちの代表(取締役社長)の志倉とともにニトロプラスさんにお伺いして、プレゼンをしました。このプレゼンが6時間ぐらい、ずっとうちの志倉が熱心に語りました(笑)」と企画がスタートしたときの裏話を披露した。
開発の分担は、5pb.がキャラクタデザイン、原画まわり、音響制作関連、メインシナリオで、ニトロプラスがプログラムや背景、演出、販売方法などを担当している。ニトロプラスとしては初めてXbox 360の開発に着手したことになる。現在の開発状況は「もう99%。最後の最後のデバッグをしているところです」(松原氏)と予定通り発売されるようだ。
続いて発表されたのは、アーケード用対戦格闘ゲーム「ニトロプラス格闘ゲーム(仮)」。ここでのゲストは、開発を担当している株式会社マイルストーンのディレクター・滝栄司氏。 ニトロプラスと格闘ゲームをやるにいたったきっかけについて、滝氏は「最近のアーケードゲームでは、大型筐体に押されてテーブル筐体のゲームは押されています。もちろん格闘ゲーム自体も押されている。格闘ゲームというのは、キャラクタというのは第1歩として魅力がないとなかなかとっつきにくいところがあると思うんですよ。それでニトロプラスさんのゲームの各キャラクタが出てくる『ニトロ+ロワイヤル』を、正式にアーケードの格闘ゲームレベルまで持って行って出すことができれば、ゲームセンターの活気づくりやニトロプラスさんの力に多少なりとも協力できるのでは」と語った。
気になるゲーム内容については、ニトロプラスが出している「ニトロ+ロワイヤル」を綺麗にして精度を上げて新しくする方向になるという。まだ企画がスタートしたばかりで、出せる資料がほとんどないとしながらも、サンプルとして作成したキャラクタグラフィックスを披露していた。「サイズ的には元の倍くらいの精度になっています」(滝氏)という。開発はセガの「NAOMI」基板を使用しており、現在はNAOMI基板上で元となるWindows版が動く程度には開発が進んでいるという。稼働時期は「2009年内にはできたらいいな」とのこと。
■ プロジェクト発表「Music」編 音楽については、ニトロプラスと同じ小坂崇氣氏が代表取締役を務める株式会社デジターボ内に、今年1月に「ジオライド」という音楽事業部を設立。ここではそこから発売される2枚のCDと、開催が決定した2つのイベントについて紹介された。登場したのは同社の「ジオライド」のプロデューサーの南野信吾氏と、営業の松田功太郎氏。 「ジオライド(GEORIDE)」という名前の由来は、“音楽は国境を越えていく”というイメージから“地球を駆け巡る”という意味で名付けられたという。「この事業の中心は、“ニトロプラスの音楽を制作すること”がもっとも重要で、このほかにニトロプラスが10年間で育ててきた、いとうかなこなどのようにアーティストも育てたり、コラボレーションするなど、今後10年間、ニトロプラスとともに歩いていくための音楽事業部でありたい」(南野氏)としている。 音楽事業部の今後の予定では、2つのCDアルバムが発売される。「ニトロプラス ボーカルベスト」は、ニトロプラスが10年間でリリースしてきた作品のボーカル曲の中から、厳選して1枚のCDに収めたアルバムになる。「ニトロプラス RIMIXアルバム」は、DJ DASOI氏がニトロプラスの楽曲をアレンジして制作されるアルバムになるという。発売はいずれも2009年春頃の予定。
また、ライブイベント「キラルナイト スイート」を3月14日に赤坂BLITZにて、「ニトロプラス10周年記念ライブ」を6月27日にJCBホールにて開催することも発表された。
■ プロジェクト発表「Animation」編 アニメーションでは、すでに発表されているがニトロプラスの最初の作品「Phantom」がテレビアニメ化される。監督は「無限の住人」や「NOIR」などを手がけた真下耕一氏、シリーズ構成は「機動戦士ガンダム00」などで知られる黒田洋介氏。アニメーション制作はビィートレイン。構成は2クールの予定で、放送時期は2009年という以外は未定となっている。 ここでのゲストは、制作を担当しているビィートレインの代表にして、テレビアニメ「Phantom」の監督である真下耕一氏と、株式会社メディアファクトリーのプロデューサー・吉沼忍氏。 なぜ10年経った今、アニメ化なのかについて、吉沼氏は「ジョイまっくすさんとは仕事で何度かお会いしていて、その際にアニメ化をお願いされていたので試しにプレイしてみたところ、10年経った今でも骨格の部分は今やっても全然おもしろい、いつまでも色あせない作品かなと思いました」と作品についての印象を語った。
真下氏は「やはり10年前、われわれも『NOIR』という作品で、殺し屋である少女を地上波で流すという暴挙をやったんですね。それをゲームで、しかもオリジナルでやるというのは想像を絶する苦労があったと思うんですよ。同じような方法論、同じようなコンセプト。それをやっていたというリスペクトがまずありました。しょっぱなからそれをやるかというくらい衝撃を受けました」と「Phantom」について語った。
発表会の最後には、今後のプロジェクトのキーワードのみが発表された。詳細については明らかにされなかったが、ニトロプラスファンはこれらのキーワードから推測してみていただきたい。
□ニトロプラスのホームページ http://www.nitroplus.co.jp/ (2008年12月25日) [Reported by 滝沢修]
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp Copyright (c)2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|