【Watch記事検索】
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】

「ゲームポットフェスタ2008」イベントレポート

「ファンタジーアース ゼロ」、「バンクェット」決勝大会開催
新クラス「フェンサー」、新スキル「大剣」など新発表も多数

12月14日 開催

会場:パシフィコ横浜

入場料:無料

今回もイベントのトリを務めた「バンクェット」。広い客席が埋まり、「スカッとゴルフ パンヤ」に劣らない人気を示した
 12月14日にパシフィコ横浜にて開催された「ゲームポットフェスタ2008」では、Windows用オンラインアクションRPG「ファンタジーアース ゼロ (FEZ)」のゲーム大会「バンクェット ~Decisive Battle 2008~」の決勝大会が実施された。

 この大会は、事前に行なわれたオンライン予選を勝ち抜いた4チームが、オフラインで頂点を争うもの。昨年開催された「ゲームポットフェスタ2007」でも同様の大会が開催され、ゲームポットの看板タイトルである「スカッとゴルフ パンヤ」の大会を超えるほどの盛り上がりを見せたが、今年も昨年から勢いが衰える様子はなく、多数の観戦者でステージ前が埋め尽くされた。

 当初は「バンクェット」の開催のみが告知されていたが、会場では決勝戦を前に、ゲームポットで「FEZ」のプロデューサーを務める和賀潤氏がステージに上がり、待望の新クラスを含む今後のアップデート計画を発表した。



■ 新クラス「フェンサー」、新スキル「大剣」が2009年初頭に登場!

「FEZ」プロデューサーの和賀潤氏。仕切りなおしての新クラス「フェンサー」を発表した
 2007年秋に開催されたイベント「FESTA」で、新クラス「ブレイド」、「アサルト」、「リリクト」の開発を発表したゲームポットだったが、その後これらの計画をいったん白紙撤回すると発表していた。以後は全く話題が出ていなかったが、今回新たな計画が発表された。

 まず新クラスは「フェンサー」。今回はイメージイラストのみで、ゲーム画面は公開されていない。コンセプトはレイピアを使用する近接アタッカーで、攻撃力が高く、特にスキルの攻撃力が強めに設定されているという。その反面、防御力は低めで、「ウォリアー」が持っている仰け反り防止スキル「エンダーペイン」は持たない。

 その上で、2点の大きな特徴がある。まず1点は「回避スキル」。格闘ゲームの当て身のようなイメージで、敵の攻撃を受けると反撃する。これで防御力の低さを補いつつ、より攻撃的な動きにつなげていく。2点目は「連続攻撃スキル」。相手に攻撃を当ててから一定のタイミングでスキルを発動させることで、異なるモーションの攻撃を連続して繰り出す。格闘ゲームのコンボのような印象で、「最大で3回くらい攻撃できる」という。

 ほかにも、状態異常がついている相手に攻撃するとダメージが変化するスキルや、バク転のモーションなど、今までにない仕組みも検討しているという。ターゲットユーザーは、中級者から上級者としている。使いこなすのは難しいが、うまく立ち回れば強力、といった立ち位置を目指しているようだ。

 実装時期は近日中と、具体的な予定は明かさなかった。ただ2009年1月末に、専用サーバーを設けて公開テストを行なうとした。一般のユーザーも参加可能としているが、具体的な参加方法は後日発表するとしている。

 次に新スキル「大剣」は、ウォリアーの新たなスキル系統として実装される。名前のとおり、これまで用意されていなかった両手で扱う大剣を使うスキルになる。こちらは具体的なスキル内容は明かされなかったが、フェンサーのテストに続いて、同様の公開テストを行なうとしている。またスカウト、ソーサラーに関しても、新スキルの追加を予定しているという。

 このほか、直近の12月のアップデートの情報も公開された。まずキープの建築位置が強制的に変更されることがある「国王介入」システムは廃止される。代わりに3つの新マップが実装されることになり、このうち1つのマップが公開された。マップ外周が開けていて、中央ないし東側から登れるようなデザインに見える。ただこのマップには、「境界の色の濃い部分と薄い部分に何かがある」と、新たな仕掛けを盛り込んでいることを示唆した。

 和賀氏は最後に、「2009年は新クラスとスキルの実装だけでなく、サーバー負荷の解消やバランス調整も行ないます」と宣言した。サーバー関連の問題は、「闘技場」でルームが作れず、「バンクェット」の練習や予選開催にも影響しただけに、新要素以上に早期解決が待たれるところだ。

新クラス「フェンサー」。ウォリアーのような近接アタッカーだが、よりテクニカルなクラスになるという 新スキル「大剣」はウォリアーに追加される。タイミングとしては「フェンサー」の実装後になりそうだ 新マップは四角い形状。中央付近の段差のように見える場所などに、何か仕掛けがあるようだ



■ 「バンクェット」のジョブ選択と戦略のトレンドが大きく変化。優勝は「悪魔の鉄槌」

準決勝は同時に行なわれ、各チームのリーダーを4画面で同時に表示。音が入っておらず、観戦していても周囲の様子がつかめなかったのが残念
優勝チームの「悪魔の鉄槌」は、表彰式にヤギのマスクをかぶって登場。賞金100万円を手にした
 メインイベントである「バンクェット ~Decisive Battle 2008~」の出場チームは、Atziluthワールド代表の「AHoI」チーム、Briahワールド代表の「Villager_Riot」チーム、Daathワールド代表の「悪魔の鉄槌 (ルシファーズハンマー)」チーム、Etherワールド代表の「あびびぶう」チームの4チーム。闘技場エリアで7対7の対戦を行ない、先に10キルを取ったほうが勝利となる。決勝トーナメントではこれを1セットとし、2セット先取したほうが試合に勝つことになる。

 昨年の優勝チームである「StarShipです。」チームを始め、一部の昨年の出場チーム(今回は出場を辞退したチームもある)はシード権を得ていたが、「StarShipです。」チーム以外は予選で敗退。「StarShipです。」チームも、その次に行なわれたオンライン最終予選となるワールドマッチ選抜で敗れ、フレッシュな顔ぶれでの大会となった。

 決勝大会もトーナメント形式で実施されたが、準決勝の前にマシントラブルが発生し、1時間ほど開始時刻が遅れてしまった。このため、1試合ずつ行なう予定だった準決勝戦を、2試合同時に実施することになった。会場ではスクリーンが4分割され、各チームのリーダーの画面が映し出されていたが、画面が小さく、また音が出力されていなかったこともあり、試合の詳細がつかみにくくなっていたのが残念だ。

 今回の出場チームのメンバー構成を見ると、昨年とは全く違うものになっていた。昨年は、氷系ソーサラーの凍結魔法を起点に、片手ウォリアーが「シールドバッシュ」でスタンさせ、そこに火系ソーサラーの「ヘルファイア」を集中させて倒すという戦略が一般的だった。このため構成は、2人のウォリアーと、氷系と火系のソーサラーを合わせて最低3人というのが鉄板で、残りにウォリアーとソーサラーを足し、1枠にかく乱用の短剣スカウトを入れるかどうかという形だった。

 ところが今回は、主力だった火系ソーサラーはほぼ姿を消し、氷系ソーサラーも1人で、代わりに短剣スカウトが2人から3人入るという構成に変わっていた。これには今年初頭に行なわれたバランス調整が影響している。

 まず範囲攻撃が縮小されると同時に、氷系ソーサラーの主力だった「ブリザードカレス」が大幅に弱体化された。同時に短剣スカウトは強化されており、相乗効果で非常に動きやすくなった。短剣スカウトの人数を増やせば、「パワーブレイク」などの弱体攻撃によって相手のソーサラーを封殺しやすくなるため、ソーサラーの立ち回りは難しくなる。火系ソーサラーは弱体化こそされていないものの、主力の「ヘルファイア」が単発の攻撃で回転が悪く、短剣スカウトが増えると辛いのは変わらない。

 短剣スカウトが増えることで、防御力を下げる「ガードブレイク」も狙いやすくなる。短剣スカウトとウォリアー2人が一緒に動ければ、「シールドバッシュ」からの追撃で、どんな相手にも即死級のダメージを狙える。結果的に、火系ソーサラーがいなくても十分にキルを取れるようになった。また短剣スカウトを相手にするにはウォリアーが適任なので、ソーサラーを減らしてでも、ウォリアーの数を揃えなければならない。

 この結果、ウォリアーが3人、短剣スカウトが2人、そして攻撃の起点にどうしても必要な氷系ソーサラーが1人といった辺りが、新たな鉄板構成となっていた。あとはチームによって火系ソーサラーを加えるか、短剣スカウトをさらに増やして3人にするかといったところで、色の違いを見せていた。

 こういった構成で試合がどう展開されるかというと、短剣スカウトが戦場のあちこちで「ヴォイドダークネス」などでかく乱し、それを自由に動かすまいと両手ウォリアーが敵の裏に回り込む。戦闘開始時は敵味方が明確に分かれているが、「ブリザードカレス」などを起点に戦いに動きが出てくると、途端に両軍入り乱れての戦いとなる。その混乱の中で、どこまで的確に「ブリザードカレス」、「シールドバッシュ」、「ガードブレイク」、「ヘビースマッシュ」という黄金コンボを入れていけるかが勝負の鍵となった。

 どの試合にも共通して言えるのは、1キルの価値が非常に重かったということ。1人減って7対6の状況になると、優勢側の短剣スカウトはより自由に動けるようになり、妨害の度合いが加速していく。こうなると数的不利なほうが一方的に追いやられることが多く、再度体勢を立て直すのが非常に難しくなる。このため、1キル奪われると一気に3キル、4キルと持っていかれるなど、大きく試合が動くタイミングがよく見られた。

 どの試合も似たような展開ではあったが、この中で「悪魔の鉄槌」チームは頭1つ抜けていた。ウォリアー3人、短剣スカウト3人、氷系ソーサラー1人という構成で、リーダーのソーサラーは相手の短剣スカウトに細心の注意を払いつつ、徹底して相手の凍結だけに専念。決勝戦では「あびびぶう」チームに序盤から5デッド取られたりする場面は見られたが、短剣スカウトが機能し乱戦となる後半からは圧倒的に強く、準決勝、決勝ともに1セットも落とさず優勝を決めた。

「悪魔の鉄槌」のリーダーを務めた氷系ソーサラーは、「ブリザードカレス」と「アイスジャベリン」の的確な狙いで会場を沸かせた 短剣スカウトを複数人入れるのは定石となったが、スタンされるとほぼ倒される脆さは変わらないだけに、決して簡単なクラスではない 「AHoI」チームのリーダーは、今回はほぼ絶滅種となった火系ソーサラー。相手がいずれも短剣スカウト3人という構成の中、「ヘルファイア」で善戦していた



江頭総統
 決勝戦の余韻も覚めやらぬ中、会場には突然、布袋寅泰の「スリル」が流れだした。そしてステージ脇に、“江頭軍団総統”こと江頭2:50さんの姿が見えたかと思うと、ステージでイベントの司会をしていた漫才コンビの5番6番を突き飛ばして雄たけびを上げた。これは以前から公式サイトで進められていた、「江頭総統の出す指令をクリアしていく」というユーザー参加型の企画の一環だ。決勝戦の名残は一瞬で吹き飛び、会場は江頭2:50ワールドに引き込まれた。

 ところが、その江頭総統の口から、「俺は『ファンタジーアース ゼロ』をやったことねえ! パソコンがねえんだ!」と驚きの宣言が飛び出した。その言葉の勢いのままステージを降り、タイツを脱ぎつつその下のトランクスも脱ぎ、さらにビキニ型のパンツに手をかけつつ客席に飛び込んだところで、SPに確保されてステージ裏へと連行されていった。これが「ゲームポットフェスタ2008」の最後のイベントとなり、会場は妙な熱気を持ったまま閉幕となった。

全力ダッシュでステージに上がって暴れ、「総統だけど『FEZ』やってない」の爆弾発言をし、観客席に飛び込んだところを連行されて終了。「バンクェット」も終わったというのに、会場はこの日の中で最も沸いていた


□ゲームポットのホームページ
http://www.gamepot.co.jp/
□「ゲームポットフェスタ2008」のページ
http://www.gamepotfesta.jp/
□「ファンタジーアース ゼロ」のページ
http://www.fezero.jp/
□「バンクェット ~Decisive Battle 2008~」のページ
http://www.fezero.jp/event/banquet2008/
□関連情報
【12月15日】ゲームポット、「ゲームポットフェスタ2008」開催
GPコアエッジが「アヴァロンの鍵 オンライン」を発表
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081215/gpf.htm
【10月16日】ゲームポット、WIN「ファンタジーアース ゼロ」
首都改変の詳細と国王の声のキャストを公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081016/fez.htm
【2007年12月17日】「ファンタジーアース ゼロ」初の大会「バンクェット」開催
Daathワールド代表「StarShipです。」チームが頂点に
http://game.watch.impress.co.jp/20071217/fez.htm

(2008年12月15日)

[Reported by 石田賀津男]



Q&A、ゲームの攻略などに関する質問はお受けしておりません
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします

ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

Copyright (c)2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.