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会場:カプコン東京支店
メジャーアップデートということで、今回も新モンスター「ベルキュロス」が追加される。他にも、新フィールド「峡谷」や、新形式のクエスト「剛種クエスト」など、多数の新要素が追加される。これらの新要素について、開発統括本部オンライン開発部 運営プロデューサーの杉浦一徳氏にインタビューし、アップデートの狙いなどについて尋ねた。
弊誌では6月にも「シーズン3.0」の実装に合わせてインタビューしている(前編 / 後編)ので、合わせてこの半年間の動きについても伺っている。
■ 「シーズン3.0」は「2.0」よりも成功
杉浦氏 : 基本的に「シーズン4.0」自体の開発はほぼ終わっていまして、来年以降の課題に挑んでいる感じですね。 ――「シーズン3.0」から約5カ月とスケジュールは短かったですが、順調に進みましたか? 杉浦氏 : なるべく早め早めに開発を進めていますし、運営チームと開発チームのコミュニケーションがどんどんよくなっているので、無駄な時間も減っています。1年前と比べると、段違いに早くなっています。
――ではアップデートの話の前に、ここ半年の様子を伺います。「シーズン3.0」から「3.5」にかけて、ユーザーさんの反応はいかがでしたか?
お客様からも長く楽しみたいというご意見があったので、それは今回の新モンスターの「ベルキュロス」に反映しました。短時間で効率のいい攻略法が確立されてしまうと、あとは単調なプレイになってしまうところもありますので。面白かったには面白かったけれども、長く遊ぶには辛いという新しい課題が見つかりました。 その後は「アクラ・ジェビア」という形で亜種を投入しましたが、本質的な所は変わりませんから、すぐに攻略法が確立されて……というところは同じだったのかなと。ただ、「アクラ・ヴァシム」と「アクラ・ジェビア」は、「MHF」の新しいモンスターとして評価が高かったと実感しています。 また「ヒプノック」の希少種も実装させていただきました。これも従来の「ヒプノック」とはかなり違う動きになっており、従来の「ヒプノック」に比べてお客様の評価がかなりよくなりました。「この動きをそのまま『ヒプノック』の原種にも入れてほしい」という要望もあって、予想以上に好評でした。 あとは「3.0」が夏休みに入ったところでの実装で、新規のお客様がものすごく増えました。初回割引キャンペーンも効果があったのでしょうが、離脱率も低く、多くのお客様に2カ月目、3カ月目と継続してプレイしていただけたのも事実です。「3.0」は「2.0」に比べると、成功したといえる状況です。「3.0」のパッケージの販売数量も「2.0」に比べて大幅に伸びました。 「3.5」は、我々の予想をいい意味で裏切ってくれました。HR100以上の古龍から「特殊古龍武器」という最強クラスの武器が入手できることから、ハイエンドなお客様が休眠から戻られたことで、同時接続数やアクティブユーザー数も7月以降、9月、10月と維持し続けていました。
それ以外にも、キャラクタの通り名を毎日獲得できる「毎日イベント」や、4人対4人のタイムアタックができる「VS.クエスト」など、サブコンテンツも充実させて、1年前に比べるとかなり内容が濃くなりました。ようやくオンラインゲームとしては人並みになったかなと感じています。「3.0」と「3.5」に関しては、「2.0」や「2.5」に比べてお客様の評価も高く、我々も好感触を得られました。まだまだたくさんの課題はあるものの、大きな課題は減ってきたかなと実感しています。あとは残った課題を片付けていけば、確実によくなっていくと思っています。
杉浦氏 : お客様の傾向としては、長めのものを好むようです。それに合わせて、なるべくリーチの長いものを出してきたので、最近は短めのものが多くなり、「4.0」で設定可能な全ての武器系統(ガンランスや狩猟笛など、「リーチ武器」が存在しないものもある)で5種類のリーチが揃います。「4.0」の極短のランスには、「ランスは長いものでしょう?」と思われるかもしれませんが、一通り揃えるのが狙いなので、ここからはまたお客様のご要望が高いものを考えていくつもりです。今後は短いものをどんどん出していくということではありません。 ――短いものでも、武器の種類によっては使えますよね。双剣だとか、太刀だとか。 杉浦氏 : 武器の種類によって、短いほうがいいものと、長いほうがいいものはあります。ただ、ランスが短いのは、ランスのユーザーさんにはいただけないのではないかなと。 ――私はランス好きですが、それもいいんじゃないかと思いますよ。短くて攻撃力が高いのであれば、ずっと突進するとか(笑)。
杉浦氏 : ありがとうございます。いろんな楽しみ方があると思うので、ただ効率よくプレイするだけでなく、それでどういう風に立ち回って狩るのかということを味わってもらえたら嬉しいですね。
■ 「ハンゲーム」展開も好調。“いつかは同時接続で「アラド戦記」を抜きたい” ――「ハンゲーム」でもサービスを提供されました。そちらの手ごたえはいかがですか? 杉浦氏 : 成功といっていいと思っています。昨日もピークタイムでの同時接続数で約3,000人くらいでした。他の月額サービスのゲームに比べても好調です。私としては、本当は同時接続数は5,000人くらいはいくだろうと思っていたので、それから考える低いですが、1日のアクティブユーザー数は当初の想定より高く、当初の想定より多くのお客様にプレイしていただいていることがわかりました。 「ダレット」会員のお客様は、長く遊んでいる方が多いので、帰宅後の社会人がログインして、深夜にかけて徐々に同時接続数が上がっていきます。ところが「ハンゲーム」のお客様の場合、小中学生という1つの層があり、夕方くらいから遊び始めて、午後7時くらいになると晩御飯や勉強でログアウトしていきます。そして午後9時ごろから、今度は社会人の方がログインしてくるので、同時接続数は間がちょっと落ちて、2つ山ができるという面白い形になっています。逆に高校生、大学生が非常に少ない感じですが、そこは既に「ダレット」会員で獲得しているのかもしれません。一見、同時接続数は低く見えますが、ユーザー数やアクティブ率は間違いなく成功の域に入っています。 ――昨日の夜10時くらいに「ハンゲーム」のプレーヤー数を見ると、1番は「アラド戦記」なのですが、その次にくる「ファミスタ オンライン」や「コンチェルトゲート」と同じぐらいの数字が出ていました。始まったばかりでこれなら十分な数字では?
杉浦氏 : はい。なおかつこれからも1カ月半以上、初回割引キャンペーンもやっていきますし、年末年始もありますから、これからお客様が増えることも十分見込めると思っています。いずれ「じっくりゲーム」のカテゴリの同時接続で、時間がかかってでも「アラド戦記」を抜きたいですね。そのくらいの目標はいつまでも持っていたいと思います。
■ 「ベルキュロス」は「峡谷」と絡むギミックを用意。新スキル「餓狼」も登場
杉浦氏 : いえ、通常の飛竜種です。 ――HRが81からと、ちょっと高めになっていますが。 杉浦氏 : 元々、HR51から99の間のモンスターが少なかったので、この辺りを手厚くしようという話がありました。「アクラ・ヴァシム」はHR51で実装しまして、「アクラ・ジェビア」はHR71。まだHR61、81、91が非常に薄いので、今回はまずHR81という形でやらせていただきました。将来のモンスターには、HR61や91を埋めるものが出てくることになると思います。 ――現時点では攻撃パターンをあまり見せてもらえていませんが、どんな行動をしてきますか? 杉浦氏 : そこはゲームの中で確認していただきたいので、あまり言えないのですが、私がテストプレイした中では、お客様が触手と呼んでいる翼の“鉤爪”や尾の“副尾”が、結構クセのある動きをするなと感じました。今までの飛竜種の行動とは大きく違います。ムービーでは飛んでいるシーンが多いので「常に飛んでいるんじゃないか?」とも思われているようですが、普通に地上で狩りもできます。 同じ飛竜種の「エスピナス」は、地面にしっかり足を下ろして、ハンターをがっちり攻撃するモンスターでしたが、「ベルキュロス」は空を飛ぶこともありますし、やっかいな“副尾”などの部位も存在しますので、攻撃方法はかなり違います。プレイしていただければわかりますが、「エスピナス」とは大きく異なると思いますね。 ――名前が舞雷竜(ぶらいりゅう)という割に、雷の攻撃がほとんど公開されていませんが……。 杉浦氏 : 雷の攻撃は、ゲームの中で間違いなく見られます。ただ、どのタイミングでそれを見られるかは、言ってしまうと楽しみが減ってしまうので、実際に見てもらったほうがいいと思います。 ――今までと違う、変化するような仕掛けが入っているという話もありますが。 杉浦氏 : 「アクラ・ヴァシム」で“体質変移”によって4段階にモンスターの色が変わるというものが入りましたが、それとは違います。いま言えるのは、新フィールドである「峡谷」とそれなりに絡んだ形でギミックが用意されているということです。「ベルキュロス」を狩る時には、「峡谷」に設置されているギミックをどう上手く使うかというのが1つのポイントになると思います。 ――例えば、マップの場所によって立ち回りが変わるということですか?
杉浦氏 : そうですね、それはあると思います。
杉浦氏 : 「ベルキュロス」武器と「ベルキュロス」防具は、「アクラ・ヴァシム」の時のようにおしゃれな感じでデザインをまとめるのではなく、モンスターのイメージを最優先にした、硬派な雰囲気が漂う防具に仕上がったと思います。「4.0」のパッケージで登場する防具が可愛い系と格好いい系なので、そういう意味でも差別化を図っています。 あとは「ベルキュロス」防具でいえば、「餓狼」と呼ばれる新スキルが入っています。今回は「ベルキュロス」防具にのみついているもので、会心率が大幅に上がります。ただしスタミナが最低の時しか使えません。 ――スタミナが最低というのは、スタミナゲージが1番短い状態ですか? 杉浦氏 : そうです。この状態を維持している間だけ、会心率がものすごく上がります。これ単体では扱いづらいですが、相性のいいスキルと組み合わせれば面白く使えると思います。そこは色々と研究していただきたいですね。 それ以外にも、「毒ビン追加」という、ガンナー向けの新しいスキルを用意させていただきます。あと属性攻撃の強化系のスキルも追加します。パッケージの情報でばれてしまったのですが、パッケージの剣士防具には氷属性、ガンナー防具には火属性の攻撃強化がそれぞれついています。それ以外の属性攻撃強化スキルは他の防具に付いていますので、その属性に合わせて防具を変えられても面白いと思います。 あとHR100以上の「ベルキュロス」は通常の変種ではなく、「剛種クエスト」という難易度の高いクエストに登場します。「剛種クエスト」には、今までの「キリン」と「クシャルダオラ」に加え、「テオ・テスカトル」と「ベルキュロス」が入ります。この「ベルキュロス」を倒して手に入る素材で、「ベルキュロス」の「剛種武器」を生産できます。HR81の「ベルキュロス」から取れる素材で作る武器とは別物で、「剛種武器」の「ベルキュロス」武器と、通常の「ベルキュロス」武器という2種類があります。 ――HR81の素材で作った武器を強化しても、「剛種武器」にはならないですか?
杉浦氏 : 別物です。HR81のものも当然強化はできますが、「剛種武器」はあくまで性能の高い、ゲームの中ではトップレベルのものです。ただやっぱりHR100以降の「ベルキュロス」は、HR81のものよりも手強いので、そこは大変かと思います。
■ 高低差、視界、ギミック……チャレンジの多い新フィールド「峡谷」
杉浦氏 : 去年実装した「樹海」フィールドとは違う味のものを作ろう、というところをよく議論しました。色々な候補があがった中で、「峡谷」が面白かったので、これに決まりました。 ――候補はいくつかあったのですか? 杉浦氏 : はい。あとはやはり新モンスターである「ベルキュロス」と組み合わせた時に設定的に相性がいいかということを、開発スタッフが色々と検討し、その結果この形に仕上がりました。 ――いま公開されているものを見ると、高低差を強調したデザインになっていますね。 杉浦氏 : 「峡谷」なので、そのイメージからも高低差は当然でてきます。土煙や強風など、いわゆる谷と谷の隙間風みたいなものもエフェクトで表現していますので、場所によっては非常に狩りがしづらいこともあります。また、大昔に海だったという設定から、その名残を見せるようなオアシスがあり、非常に明るくてミネラルをいっぱい含んでいそうな色をしています。「砂漠と似てるんじゃないの?」とご指摘を受けたこともありますが、高低差を上手く使うようなコンセプトを入れて差別化しています。
また「峡谷」にしか入っていないギミックがありますので、そのギミックをどういう風に使っていただくかがポイントになります。「峡谷」には「ベルキュロス」のほか、「ラージャン」、「エスピナス亜種」、「ティガレックス」が実装されまして、そういったモンスターを狩る時にも有利になるようなギミックもあります。このギミックを「峡谷」の中でいち早く見つけていただいて、上手くつかいこなしていただきたいですね。
杉浦氏 : ギミックにどういう能力があるのかは、実際に体験していただきたいので、ここではお教えできません。ただプロモーションムービーの中で、谷から強風が吹き上げるとハンターが吹っ飛んでしまうようなシーンがあったと思いますが、あれも高低差を活かした「峡谷」ならではのギミックなので、体験してもらえれば「ああなるほど、こういう意味か」とわかっていただけるはずです。それ以外のギミックに関しても、意外と親切設計されていて、多少腕に自信のない方でも、「峡谷」でプレイした時にサポートになるようなものもあります。 ――ハンターがサボテンに触ったらダメージを受ける、という事はないですよね? 杉浦氏 : それは1回触っていただいたほうがいいかもしれません(笑)。 ――エリアの数がベースキャンプを含めて7個と少なめですが、これは何か意図があるのでしょうか? 杉浦氏 : 今までは10エリアくらいのフィールドも多かったのですが、お客様からすると多すぎて移動が大変という意見がありました。ただ「樹海頂部」のように単一にすると、それはそれで味気ない。そこで実用的なエリア数はどれぐらいかと検討したところ、「6+1の構成でいいんじゃないか」という形でまとまりました。これでお客様から評判がよければ、今後もこういう形で定着してく可能性はあるかもしれません。 ――マップの中には、高いところに橋がかかったような場所もありました。あそこから落ちたりするんですか? 杉浦氏 : ベースキャンプのほうでしょうか? あれは残念ながら落ちたりしません。落ちたらクエストに行けなくなってしまうので(笑)。ベースキャンプ1つとっても、「峡谷」らしさが全面に出ていて、あの橋から見渡すとすごい景色が見えるというのも1つの魅力です。 ――マップ的には、一方通行の場所が多かったりするのですか?
杉浦氏 : 多いわけではないですね。ただ、登り降りできる段差がかなりあるので、最初のうちは「あぁ、ここも下っていけるの?」というところもあったりして、段差が上手く使われていると思います。一方通行はお客様からは評判が悪いので、多用するのは避けています。それよりも段差がいっぱいあるために死角になっていて、「ここから行けるんだ」という場所があったり、モンスターを見つけにくかったりします。視界的にはハンターにとって有利になるのか不利になるのか、難しいところだとは思います。
■ 「剛種クエスト」はハイエンド向けのコンテンツとして確立
杉浦氏 : 今の「MHF」は、約1年前にHR71あたりで古龍を入れた時に、当時はまだまだ武器の性能が高くなかったこともあり、多くのお客様から非常に手強いと言われました。1体の古龍を討伐するのに50分フルにかかる、または時間切れになるので、もうちょっと下方修正してくれという要望が多かったのですが、その数週間前の運営レポートで、「開発の意図としては最も手強いモンスターなので、能力を下げたくない」と答えていました。 当時はコンテンツも少なく、遊び方を選べない中で、その1つがあまりにもハードルが高いという状態でした。そうなると、プレーヤースキルがすごく高いベテランの方はいいのですが、「MHF」から始められたような方々にはあまりにも過酷だということで、わずか1カ月で下方修正しました。その結果、今度は逆にその強さで満足していたハイエンドなユーザー様から、「手ごたえのあるクエストがなくなってしまった、つまらない」という不満をずっといただいていました。いつかは手強いモンスターを入れたいと考えていたのです。ただ、「2.0」、「3.0」とやっていく中でそういう余裕がなく、ようやく「3.5」のタイミングで実現できたというところです。 実装してみたところ、予想以上に好意的な反響でした。一部の方からは今でも、要求される素材や強化費用などでハードルが高すぎるという苦情をいただいていますが、1年前に比べると反応は逆で、どちらかというと楽しんでくれているお客様の方が多かったというのに驚きました。運営チームには「今度こそ下方修正しないで欲しい」というご要望のメールも来ているくらいです。 ただやっぱり、「弱くしてくれ」という方々もいらっしゃいます。HR71の古龍がHR100に比べると格段に弱いので、去年のそういう動きをご存知でない最近のお客様からすると、HR71からHR100の強さの上がり方が異常に見えるようです。我々も単純に古龍クエストとして出してしまったので、HR71の延長線と見られてしまったようです。 本来はHR100になってからすぐやって欲しいのではなく、HR100以上の色々なクエストをやって武器や防具を作って、ある程度環境を整えていただいてからやってほしいと思っていました。それが単純に、古龍クエストですぐに受注できてしまうというのは、カプコン側に問題があるのではないかということで、きちんとシステム的に1つ上の位置に設置しましょうということからスタートしたのが「剛種クエスト」の概念です。ですから、今のクエストの中で1番難易度の高いクエストであると言い切ってもいいクエストに設定しました。こういうやり方で、まずはお客さんの認識を変えたいと思っています。 ――その上で、チケットが必要な仕組みになっていますが、これはどういう意図ですか? 杉浦氏 : 「剛種クエスト」を用意するとき、HR200以降で受注というように、HR制限を上げるというやり方も考えました。ただ、我々は以前から言っているように、HRはプレーヤースキルの高さではないという考えでやっていますから、HR制限はあまり意味がなく、逆にそのためにクエストを受けられる人が少なくなってしまうだけだと考えました。時間帯によってパーティーが組めなくなってしまう可能性も出てくるので、やはり間口は広いほうがいいだろうと。 ただ、HR100になりたての方が入ってきても非常に厳しいクエストなので、ワンクッション置きたいと。そこで「剛種チケット」という発想が生まれ、「剛種チケット」はHR100以降の配信クエストに混ぜ込む形になりました。我々の意図としては、通常配信のフロンティアクエストで腕を磨いていただいて、そのうえで「剛種クエスト」を受けていただきたいと思っています。既に十分な装備を集めた、腕に覚えのある方からすると、余計な機能だと思われるかもしれませんが、そこはきちんと流れを作りたかったので、今回はこういう形にしました。また、「剛種チケット」を非常に入手しにくくしたり、課金販売するということは全くありません。期間限定クエスト内のフロンティアクエストで必ず1枚手に入るクエストを複数ご用意しています。 あとは、このシステムによって、今後開発スタッフがクエストを作る際のバラエティを増やせるのです。入手しづらいレアな素材があったとして、それが確定で出るクエストは「剛種チケット」3枚、そうでない通常のものは1枚といった具合に違いを出せます。これだと「レア素材が簡単に出るようなクエストはバランスが悪くなる」という開発にも話がしやすいので、今後はクエストを作る時にチケットで差をつけるといった方法で上手くやれると思います。お客様にも選択の自由が生まれると思いますし、最終的にはそういう方向にもっていきたいという考えも、これには入っています。 ――今の1枚、3枚という話は「4.0」で入るのですか? 杉浦氏 : 「4.0」で入ります。3枚必要になるようなものも、今は入れようと準備しているところです。17日にはスタンダードなものが入りますが、そういうものも徐々に揃っていくつもりです。なるべくお客様のニーズに合わせて揃えていきたいと思っています。 ――「剛種チケット」の入手クエストについて、詳しい仕組みを教えていただけますか?
杉浦氏 : HR100以上の変種モンスターを使ったクエストになります。クエストによって、色々とコンセプトを分けたものを配信していくと思います。その中で、自分のやりたいものを選んでいただけます。
■ 「マイトレプーギー」を育成して一緒にクエストへ!
杉浦氏 : 今まで鑑賞用でしかなかったマイトレプーギーにスポットを当てましょうということで、「マイトレ」3段目は「プーギー牧場」という名前になりました。今すでに持っているお客様のマイトレプーギーが、「プーギー牧場」で色々なことができるようになります。「プーギー牧場」内では、プーギーを育成できます。文字だけの育成ではなくビジュアル化した施設が用意されていますので、プーギーを育成しているビジュアルも楽しめます。 あと、プロモーションムービーを見ていただければわかると思いますが、クエストにも登場します。アイルー広場の「冒険ネコ」がムービーで飛び立っていくムービーがあったと思いますが、あれと似た形で、プーギーが冒険に出発するムービーもあります。凛々しいプーギーが冒険に出発し、そして自分がクエストに行くとプーギーと出会えるという形です。 ――仕組みとしては、まず先に「プーギー牧場」でプーギーにいってらっしゃいと言っておくわけですか。 杉浦氏 : 「後で俺は追いつくからな! ベースキャンプで会おう!」という感じになると思います。 ――どのクエストにも呼べるのですか? 杉浦氏 : 無料の初心者用クエストや狩猟演習、闘技演習などを除いた、普通のクエストにはほぼ全て呼べます。あとポイントは、プーギーが他人から見えるところですね。4人がそれぞれのマイトレプーギーを出発させておけば、4人と4匹がその場にいる絵も見られます。また、プーギーの衣装も色々と用意させていただいています。例えばプロモーションムービーでは「キリン」の角を装備したプーギーが登場しています。プーギーの衣装を集めていただいて、その衣装を着せてクエストに行かせて、4人で見せあったりもできます。 ――ムービーの中では、地面からプーギーが出てきてアイテムを置いて戻っていきました。具体的には何をしてくれるのですか? 杉浦氏 : それはまだナイショということで。実際にやってみてください。 ――育成についてはどうでしょう? プーギーそれぞれに能力的なものがあるということですか? 杉浦氏 : プーギーをしっかり育成していただくことで、クエストに登場した時のプーギーの行動に変化がある、と考えていただければいいと思います。 ――「プーギー牧場」での育成はどのように行なうのでしょうか? 杉浦氏 : まず「マイトレポイント」を使っていただいて施設を拡張していただき、その施設に対してプーギーを訓練に割りあてていくという形です。「マイトレ」はプーギーが3匹まで飼えるので、それぞれ何かの施設を使ってトレーニングできます。例えばこっちは何かに特化したプーギーに育成する、とか。3匹を使い分けてクエストに出発させることはできると思いますね。 ――訓練するために「マイトレポイント」を使ったりという事は? 杉浦氏 : それはないです。 ――2匹以上のプーギーを同時にクエストに呼べますか? 杉浦氏 : 2匹同時には無理なので、選んでもらうことになります。 ――ほかに「マイトレ」ではどこが拡張されるのでしょうか? 杉浦氏 : 現在は「アイルー広場」が2段階目まで拡張されていますが、最後の3段階目が拡張されます。建物もレベル1、レベル2、レベル3という形でグラフィックスも変わって大きくなっていきます。それによって、販売しているものが増えたり、冒険屋ネコの行く先が広がったり、取ってくるものが変わったりします。あとは管理人さんも若干変更が入ります。アイテムをプレゼントしても反応が薄かったので、もうちょっと反応をよくします。 ――管理人の反応は拡張したら変わるのですか?
杉浦氏 : 拡張していなくても、17日を境に急に反応がよくなります。アップデートサービスということで(笑)。
■ 猟団イベント支援や倉庫拡張などリファインも多数 ――このほか、アップデートで注目してほしい要素としては何がありますか? 杉浦氏 : 大きいものは今お話ししたような形ですが、細かいものもかなりあります。例えば「VS.クエスト」のNPCに“猟団イベント支援”というボタンが増えます。これはレベル3以上の猟団長が話しかけると、トロフィーの素材になる「イベント補助券」を毎月1回もらえるというものです。 このチケットには、さらに新しい機能があります。現在もショートメールでアイテムを添付して送れますが、レア度が3までに限定されていました。「イベント補助券」はレア度が4なのですが、横にMという文字が書かれていて、レア度を無視してショートメールで送れます。レア度4Mのアイテムは手渡しはできないけれど、ショートメールでは渡し合えるということです。猟団長から4名にそのトロフィーを提供できるので、猟団でイベントをやったときの景品として提供できます。ユーザーイベントを支援するゲームアイテムや素材も実装していきたいと思っていて、その機能を実装させていただきました。まずは慎重にレベル3以上の猟団で月1回という形ですが、今後拡張していきたいと思っています。 ――ショートメール添付の仕様が面白いですね。他に送れるようになるものはあるのですか? 杉浦氏 : イベント系のものを色々と考えています。近いところでは、クリスマスの記念品やコミュニティ系のイベントアイテムですね。去年は手渡しでしたが、今度はショートメールを使ってやってみることを考えています。 そのほかの要素では、武器防具の倉庫とアイテムの倉庫が拡張されます。もともとアイテムボックスが5ページ、追加アイテムボックスが4ページで、合計9ページなのですが、お客様からはこれでは全然足りないと言われています。そこで今回、それぞれ10ページずつ増やします。ただ今回のものはアクセス制限がついていまして、24時間に2回しか開けません。ここは本当に物置という位置づけで、時々アイテムを出し入れする程度に利用できます。 なぜこの仕様になったかというと、サーバーの負荷の問題があるためです。試験的な運用として12月からやってみて、サーバーが安定して負荷が少なければ、2回から4回、6回、もしかすると制限なし、というように段階を踏んで開放していくつもりです。まずは1回テスト的に入れたと見ていただければと思います。またこの10ページは、インターフェイス上、現在の倉庫のようにめくるページではなく、1個1個が別カテゴリの倉庫になっています。これはそれぞれに名前が付けられるようにしたためで、物置としての使いやすさを考えたものです。常に取り出すものは今の枠に抑えていただきつつ、当分使わないものや、捨てるのはもったいないからとっておきたいというものだけ、そっちに入れていただくという形です。 ――追加ページの中に入れた素材は、例えば工房などに行って何かを作ろうとしたときにそのまま使えるのですか? 杉浦氏 : これは使えません。あくまで物置なので、そこだけはご注意ください。 ――他には、操作系で新たな要素が入ると聞いています。 杉浦氏 : 最新の「モンスターハンター」の携帯機シリーズに合わせた操作設定を用意しました。「MHF」には独自の要素も実装されているので、全く同じにはできないですが、操作性を限りなく再現して実装しました。これからはハンターが初めてメゼポルタ広場に降り立ったときに、どちらの操作を利用するか選択できるようになります。 ――これは以前からユーザーの要望が多かったものですよね。 杉浦氏 : 全く同じではありませんが、狩猟などは快適にできます。あちらの操作に慣れている方は、合わせたほうが楽かもしれませんね。 それ以外だと、「落し物ネコ」が一旦出たら、クエストに行って帰ってきても居続けるという形に仕様変更しました。従来はクエストに行くといなくなっていたので、クエストに行くべきなのか「落し物ネコ」をやるべきなのか、いつも選択を迫られていて、お客様からも不評をいただいていました。あとは、一部のお客さんから評判の良かった“バケツ装備”とも呼ばれている「ハイメタUヘルム」に金、銀、銅の3色が入ります。 ――あれは評判がよかったのですか(笑)。 杉浦氏 : 一部のお客さんに(笑)。この金、銀 銅の「ハイメタUヘルム」は、女性であっても男性用と同じ形なんですよ。この金、銀、銅が、「VS.クエスト」で勝った人達が入手できるという形で実装されます。今回の「VS.クエスト」から「VS.チケット」というチケットを賭けられるようになり、これを集めていただければ、「ハイメタUヘルム」の金、銀、銅が作れるという仕組みです。 ――性能は「ハイメタUヘルム」と同じですか? 杉浦氏 : 個人的には、金、銀、銅のほうがいいと思います。 ――いいのですか(笑)。これは物議を醸しそうです。 杉浦氏 : あとは外見的な変化として、スタミナとライフのゲージのサイズが、解像度が変わっても画面いっぱいに表示されるようになります。そういう細かいところでもリファインをかけています。 ――こんなことを言うのも何ですが、現在の仕様とで選べたりはしないですか?
杉浦氏 : 今回は選べません。1回小さいので慣れてしまうと、大きいものに慣れるのは大変かもしれませんが、最初はお客様からこの要望が来ていたのです。我々の実装が遅れてしまって、「もう慣れたからいいよ」という方もいて、申し訳ないとは思いましたが、個人的には見やすくなったと思います。実装後にご感想をいただければ幸いです。
■ 年末年始は多数のイベントを実施。初期パッケージのオンライン販売も検討中
杉浦氏 : そうですね。前回は夏休み効果もあってご購入くださった方も多かったですし、初心者の方が購入する率もとても高いのです。あとは、防具や武器の性能は、過去になるべく控えめにしますという話はしたのですが、パッケージを購入しているお客様からは「お金に見合った性能は出してほしい」と言われているので、パッケージを持っていないと勝負にならない、というようにならないようにしつつも、お金を払ったぶん強くという、微妙なバランスにし始めているので、そういう意味では需要とマッチしたものには仕上がったかと思います。 ――今年はクリスマスパッケージなどは出されますか? 杉浦氏 : 今回はほぼクリスマスと「4.0」が同じ時期なので出しません。その代わり、クリスマスイベントにはかなり凝ったゲーム内武器を1本入手できますので、是非手に入れていただきたいと思います。12月、1月はイベントが多くて、12月だけで7、8本はイベントがあります。クリスマスイベントもそうですし、アップデートの前日の「誰でもMHF」という全員無料企画も行ないます。年末にはクエスト大量配信もやりますし、「ハンゲーム」のユーザーさんと「ダレット」のユーザーさんが両方参加していないとクリアできないクエストのイベントもやります。年が明ければ当然正月イベント、それ以降にもまだ言えないイベントもたくさん用意しています。ほかにも「謎のクエスト」の武器と防具は、また新しいものを用意していますので、クエストも新しいものを用意するつもりです。 ――オンラインでダレポ(「ダレット」の決済用通貨)を使って売ったアイテムセットがありましたよね。あの展開は今後どうされるのですか? 杉浦氏 : 年内にはないと思うのですが、年が明けたあたりに検討しようと思っています。1つは、1番最初に出した「しろねこ服」のパッケージを、「1周年記念プレミアムキット」と同じ値段と同じ形で再販しようかと思っています。ただ、2年前と今では付けた武器や防具の特典数などで差がありすぎるので、今に合わせるために「マイトレポイント」を付けることも検討しています。武器も「1周年記念プレミアムキット」は多めに付いていたので、武器も数点付け足して「しろねこキット」という形で出せたらいいなとか、そういう企画は進んでいます。 ――プロモーションを頑張られているのも「MHF」の特色ですが、ベンチマークプログラムの第2弾なんかは作られないのですか? 杉浦氏 : ベンチマークは1回作ったので、一旦休憩します。どちらかというと、あのベンチマークで積んだ色々な経験を、また開発のほうで活かせたらいいなと考えて、話し合っています。 ――それは普通に考えると、グラフィックスのエンジンを変えるような話に聞こえるのですが。
杉浦氏 : 色々想像してください(笑)。
■ 「MHF」最大の新コンテンツを乗せた「5.0」が2009年春実装
杉浦氏 : 基本的には春は「4.5」で、夏に「5.0」だったのですが、順調に開発が進んでいまして、開発チームから「4.5」のタイミングで新モンスターを出せそうだという話がありました。さらに春には、今までの「MHF」で最大の新コンテンツが入ります。プロモーションムービーで見せている“新拠点”がそれです。新拠点といっても、単純にメゼポルタ広場の代わりではなく、今までにない「MHF」最大の新コンテンツを提供する場になります。その新コンテンツとモンスターが揃いましたので、「5.0」で行くことに決めました。また「5.0」で、メゼポルタ広場の完全リファインも行なう予定です。 ――メゼポルタ広場は1回リファインされましたよね。 杉浦氏 : あれはちょっとしたリファインですが、次は全く別物になります。そのうえで新拠点をつけて、その拠点では最大の新コンテンツが入って、新モンスターも入るので、これは「5.0」と銘打つべきだろうと考えました。ただ予定なので、問題が出て見送ったら許してください(笑)。今のところは順調に進んでいますので、おそらく3月くらいにはお客様に情報を出していけると思います。 ――「5.0」の新コンテンツについては、まだお話ししにくいとは思いますが、どういう方針で作られているものなのでしょうか。 杉浦氏 : 「MHF」のメインはあくまで狩りです。それを考えた時に、モンスターをただ狩る以外にも楽しみを与えたいというのが、このサブコンテンツを作り始めた最初のきっかけです。それが作っていくうちに大きくなっていって、実は実装も数回遅らせているのです。それだけ大きくて内容も濃いコンテンツだと思います。全部の要素を「5.0」と同時に入れられるのかどうかは不安ですが、期待していてください。 ――狩りをするという方向性は変わらないということですか? 杉浦氏 : もちろんです。狩りをすることは変わらないですが、何のために狩りをするのかという目的の部分などで、新しい選択肢や面白さを追求できたらいいなと思っています。 ――新拠点には、「5.0」の実装後すぐ行って利用できるのですか? 杉浦氏 : はい。むしろ怖いのはネットワーク部分ですね。新しい器を用意しますので、その器に何人入れて、どれだけ動かせるのか。そこは慎重に検討しているところです。 ――どのあたりのユーザー層を対象にしたコンテンツになるのでしょうか? 杉浦氏 : 「4.0」は中級から上級くらいのイメージでいいかと思います。7月の夏休み辺りにたくさんの新規の方が入ってきてくれて、今だんだんとHRが上がってきていて、その方々が中級クラスあがってきているので、そういうお客様と、元々遊んでいるHR100以上のお客様向けに、「ベルキュロス」や新フィールドをご用意したのは事実です。 ただ「5.0」は春ということもあって、新規向けというのがマーケティングやプロモーション的には見逃せない時期ですから、新規向けのものもそれなりに充実させつつ、中級から上級についてもさらに拡張していくとことになると思います。新拠点も、HR100以上でないと入れないとか、そこまで極端にハードルを高くするつもりはありません。ただ、元々HR1から30までの間はある程度充実したモンスターとフィールドが備わっていますので、そこはまず「MHF」を体験していただくという形で別に悪くないのではないかと思っています。 ――では、さらにその後の展開はいかがでしょうか。 杉浦氏 : エイプリルフールで前回色々やりましたが、今回どうするかも検討中です。 ――前回は意外な内容のクエストで、評判がよかったですね。 杉浦氏 : ありがとうございます。その分、今年はハードルが上がってるよと担当にはプレッシャーをかけたりしています(笑)。あとは2周年をもっと盛り上げたいという話もしていますし、当然、次の「6.0」をどうしようかという議論もしています。まだちょっとお話できることは少ないですが、アップデート量に関してはかなり豊富なものを提供できると考えています。一応今の所、2009年春が「5.0」、2009年夏が「6.0」、2009年の秋、冬ぐらいで「7.0」というくらいで考えています。来年1年間で大規模アップデートが3回はあるということですね。 ――今までは「0.5」刻みのリファインアップデートを挟んで3カ月ごと、メジャーアップデートが1年に2回で、新モンスターが2つ増えますというペースでしたが。 杉浦氏 : 来年は3体を目標にしています。あとはリファインアップデートの日付はまだ決めきれていませんが、メジャーアップデートだけでいえば、それぐらいは頑張りたいところです。 ――「4.5」はないですが、「5.5」や「6.5」に関してはまだ検討中ですか? 杉浦氏 : 検討中です。メジャーアップデートで入れようとしていたコンテンツが、あまりにこぼれてしまったら、リファインアップデートでリカバリしましょうとは話をしています。そういうことが起きるかどうかを見ながらリファインアップデートを考えたいと思います。あくまでなるべく漏れないように、メジャーアップデートを頑張るという意識で頑張っています。「4.0」も「5.0」も、なるべく間にリファインが入らなければいいなと思っています。 ――「入らなければいいな」なのですね、なるほど。
杉浦氏 : こぼれたら、という意味合いもありますから。こぼれないで済むなら、入らなきゃいいなぁという感じです(笑)。
■ 「サーバー統合は可能?」など気になる内容を質問 ――現状についてもいくつか質問させてください。まずヘビーユーザーの意見ですが、HR100以上の古龍でも、短時間で終わってしまうという意見があります。先程話に出た、昔いたものすごく強いモンスターのようなものを求めているようですが、そういったものはいかがでしょう? 杉浦氏 : そこはやはりターゲットをどうするかだとは思います。例えば、日頃やっているゲーム内イベントは、たくさんの方に参加していただかなければいけないので、手ごたえのあるクエストは作りにくいのです。間口を広くすると間違いなくクエストの難易度は下がりますから、正直言ってそういうクエストを大量に作るのは無理です。ただ、少しはあってもいいのかなとは考えていて、過去には「謎のクエスト」などでハードルの高いクエストを入れてみたりしています。 今後も配信クエストの中で1個や2個はそういうものが出てくると思います。ただ、個数でいうと少なめになる気がします。1つは「剛種クエスト」がありますし、それ以外にも必要といえば検討しますが、そう極端には多くはできません。これから半年、1年かけてそういう部分も充実させていく感じではあります。まだ我々も、先程の1年前に起きた古龍の失敗を反省して、こつこつと経験を積んでいい方向に持っていこうと思っているので、もう少々お待ちいただければ、だんだん増えていくことは間違いないと思います。 ――例えば、「狩人祭」でとんでもなく難しいクエストというのはどうでしょう。 杉浦氏 : 「狩人祭」では、シークレットの形でやったことがあります。でも効率を考えると、50分戦う歯ごたえよりも、軽くまわす効率のよさをみなさんが選んでいて、結局あまりやってもらえませんでした。我々としても、大人数の方々に需要があるものを考えるので、なかなかそこを手厚くやっていくのは難しいのです。ただその要望を否定はしませんし、当然考えなければいけない事なのですが、クエストで言えば数十本作ったうちの1本ないし2本をその方向に持っていくというレベルになってしまうのが現状です。 ――では次に、非常にシンプルな質問ですが、サーバー統合はしないのですか? 杉浦氏 : 今の所、同時接続は落ちていませんので、予定はありません。 ――他のサーバーで遊んでいる知り合いが後で見つかることもあるので、要望としてはありえると思いますが。 杉浦氏 : それならサーバー移動という手もありますが、その機能もまだまだ先でしょうね。コンテンツをこれだけ増やしている以上、データベースもどんどん複雑化しますから、そのぶんサーバーを移動させる難易度も上がっていきます。今すぐにはご回答できません。同時接続数はおかげさまで高いままなので、今1つにまとめると、2年前のオープンβテスト当初のことがそのまま起きてしまいますから、現状では不可能です。 ――根本的に、サーバーシステムをがらっと変えて、完全に許容できるようなものを用意するのは、やはり難しいのですか? 杉浦氏 : サーバーはオンラインゲーム用に購入するような商用サーバーと、より大規模で国や機関の単位で購入するサーバーというように、ある一定のラインを超えた所から値段が変わります。我々が使用しているものは、通常の商業ベースで使われるサーバーの中ではかなり価格も品質もいいもので、既にかなりの規模で運用しています。そのおかげもあってか、「MHF」はサーバーダウンが1年間ほぼ皆無といっていい状況です。残るはサーバープログラムの最適化ですが、現在も同時接続数が高い状況で合併しても、安定した運用を保証するのは難しい状態です。先程お話しした追加倉庫の実装ですら、アクセス負荷が怖いと言っているくらいで、簡単にはできません。そこはご理解いただきたいと思います。 普通のオンラインゲームだと、1つのゲーム内サーバーで3,000人から5,000人が限界です。当社の場合は、その数倍以上のユーザーを1つのサーバーに収容していますから、その規模を考えても今は難しいと言わざるを得ません。ありえるとすれば、縁起でもない話ですが、お客様が半分くらいの規模に減った時しかないと思います。
――では最後に、「4.0」を待っているユーザーに向けて一言お願いします。
あとは「4.0」をプレイされた感想もたくさんいただければ、その次のコンテンツを作る時の参考にさせていただきますので、新フィールドや新モンスターに関しても、ぜひ体験していただき、忌憚なくご意見をお送りください。最後にご意見ご要望へのリンクを張っていただいていただければありがたいと思います(笑)。
――張らせていただきます(笑)。ありがとうございました。
□カプコンのホームページ (2008年12月11日) [Reported by 石田賀津男]
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