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★Wiiゲームレビュー★

今回のゲレンデは世界が舞台!
家庭で気軽にリゾート体験ができる
「ファミリースキー ワールドスキー&スノーボード」

  • ジャンル:スノーリゾート体験
  • 発売元:株式会社バンダイナムコゲームス
  • 価格:5,500円
  • プラットフォーム:Wii
  • 発売日:発売中(11月13日)
  • CEROレーティング:A(全年齢対象)



 今回紹介する「ファミリースキー ワールドスキー&スノーボード(以下、本作)」は、1月31日に発売された「ファミリースキー」の続編といえるタイトルだ。「ファミリースキー」が日本のゲレンデをイメージしているのに対して、本作は世界のゲレンデをイメージした内容になっているのが特徴といえる。

 前作「ファミリースキー」もスキーリゾートの雰囲気を見事に再現していてユーザーに好評だったが、ゲレンデがひとつしかなかったため、もう少しいろいろな場所で滑りたいという願望を持った人も多いことだったろう。

 今作は、そういったユーザーの要望に応える形で、ステージが2つ用意されているのを筆頭に、アクションやイベントも多数追加され、ゲーム性的にも満足できること間違いなしの内容となっている。ここからはそんな本作の魅力を前作との変更点などをまじえながらひとつずつ紹介していこう。



■ ゲレンデと大自然のふたつのステージを用意
  スキーに加えてスノーボードでも滑走可能に

これが本作のメインメニューの画面。左上の“ゲレンデをすべる”ボタンでジャンボリースノーリゾート、左下の“大自然をすべる”ボタンはマウント・アングリオで滑走できる。はじめて「ファミリースキー」をプレイする人は、中央下の“スクール”を選ぼう

 本作はWiiリモコンとヌンチャクによる直感的な操作で、簡単にスキーリゾート体験ができるスポーツゲーム。エアトリックなどを成功させるには若干複雑な操作が必要なものの、ゲレンデを滑るだけならWiiリモコンを傾けるだけでターンできるので、スキーやスノーボードを知っている人なら誰でもすぐに操作に慣れることができるだろう。

 シリーズ第2弾となる今作の最大の追加要素は、スキーに加えてスノーボードでの滑走が可能になったことといえるだろう。しかもスノーボードでの操作方法は、トリックなどの一部を除いてスキーとほぼ同じなので、その日の気分に合わせてスキーかスノーボードを選択してプレイできる。

 ゲレンデには通常のスキー場スタイルの「ジャンボリースノーリゾート」と、リフトの代わりにヘリコプターで移動して豪快な気分が楽しめる、大自然が舞台の「マウント・アングリオ」の2つが用意されている。前作ではゲレンデが1つしかなかったため、もう少しいろいろなところを滑ってみたいと思ったものだが、本作は2つあるのはもちろん、マウント・アングリオに関しては非常に広く、さまざまなルートが用意されているため、そう簡単には滑り尽くすことができないようになっている。この辺りのボリュームアップは素直に嬉しい部分といえるだろう。


スノーボードかスキーのどちらで滑るかは、“スタイル”からキャラクタを作成した後も選択できるようになっている。難しく考えずに、自分の好きなほうを選ぶといいだろう。“スタイル”のほかにも、ギアやアバターを変更することも可能なので、気楽にキャラクタを作成しよう スクールではゲレンデを滑る上での初歩中の初歩から、華麗なトリックの出し方まで細かくメニューが用意されている。スキーやスノーボードをまったく知らない人でも、これなら自在に滑れるようになれることだろう


それぞれの特徴を表す動物の名前がコースについている、ジャンボリースノーリゾートを山頂から麓まで一気に滑り降りる。場内放送のこもった音や、雪質にあわせてSEが変わるなど、ゲレンデの雰囲気が見事に再現されていることがおわかりいただけることだろう
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こちらの動画では、マウント・アングリオの山頂からスノーボードで一気に滑り降りた。自然地形のため、ジャンボリースノーリゾートに比べて、凸凹が多く、岩がむき出しになっているところも多い。ちなみにこちらのコース名はドラゴンやバジリスクなど、空想や伝説上の生物がモチーフになっている
この動画をWMV形式でダウンロード (LZH圧縮/ファイルサイズ: 約48.6MB)


■ 追加された多彩なアクション
  レールスライドでトリックコンボを華麗に決めろ!

 スキーゲームではお約束ともいえる、トリックの要素も大幅に追加されている。一番大きな変更点は、Bボタンを押しながらWiiリモコンを振ることでどこでもジャンプできるようになったこと。これにより、ジャンプ台に限らずちょっとした段差でも華麗にトリックを決めたり、ほかのスキーヤーをジャンプでかわしたりできるようになっている。

 また後ろを向いて滑る、スイッチという操作も追加されている。スイッチを滑走中にするにはヌンチャクのレバーを上に入れればいい。スイッチ中はクラウチングなどの動作ができなくなるものの、見た目にも楽しい操作なのでいろいろな場面で使っていきたい

 そのほかにもゲレンデの各所に設置されているレールやボックスを利用したレールスライドも用意されている。レールスライドしている間は、重心が中央にないとバランスを崩して落下してしまうため、リモコンを使ってうまくバランスをとろう。また、レールからレールへジャンプして移動すると高得点となるため覚えておきたい。

 滑走中にBボタンを押しながらヌンチャクのレバーを上もしくは下に入れると、ノーズ・テールプレスの操作となる。通常の滑走中のほか、レールスライド中も可能となっているので、余裕があったらレールスライド中のトリックに混ぜていきたい。

スイッチするとスキーでは前後逆向き、スノーボードでは左右を入れ替えて滑走可能だ。元に戻すには再度スイッチをすればいい ジャンプの追加によって、こういったなだらかな斜面でもトリックを決められるようになった。大幅な自由度の向上といえるだろう


ジャンボリースノーリゾートのカンガルーパークには、レールやハーフパイプ、ジャンプ台がところ狭しと設置されている。レールスライドやエアトリックを練習したいならここを訪れるといいだろう。
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■ ゲレンデにはイベントが盛りだくさん
  個性的なキャラクタたちとの出会いが待っている
イベントが発生するNPCは、黄色いアイコンをつけている。イベントの内容によって形も違うので、どのイベントをしたいか考えて話しかけよう

 ゲレンデではNPCとのイベントが多数用意されている。イベントを始めるには、黄色いアイコンが出ているNPCに近づいて話しかければOKだ。

 イベントが発生するNPCは前作ではゲレンデのあちこちに配置されていたため、探し出すのが大変だったが、今作ではイベント用NPCの位置の多くがゲレンデの麓に変更になった。そのため、続けてイベントをこなせるようになったのはいいが、NPCを探し出す楽しさは若干減ってしまっている。とはいえ、麓以外にもイベントが発生するキャラクタは配置されているので、いろいろな場所を訪れてみてほしい。

 ここでは、そんなイベントたちの中から代表的なものをいくつか紹介していこう。




・ レース

 レースでは4人のNPCと誰が一番早くゴール地点までたどりつけるかを競うことになる。コースは柵で囲われていてある程度決まっていることもあれば、まったくの自由の場合もあるので、自分なりのコースどりを作ることが大切だ。

最初はNPCに先を行かれるかもしれないが、あせらずスケーティングとクラウチングターンで加速しよう。ゴールがある方向には水色の目印が表示されるので、どこがゴールか見当をつけ、最短距離を駆け抜けたい


・ スラローム

 コース上に設置された旗門を通過しながら、制限時間内にゴール地点を目指す競技がスラロームだ。旗門を通過しそこねても即失格になるわけではないが、ペナルティとして5秒加算されてしまうため大幅なタイムロスとなってしまう。単純に目の前の旗門を通過するだけではなく、次とその次にある旗門が直線となるような角度でアプローチしたい。

ジャンプ後に旗門がある際は、着地まで急激なターンができないので要注意。旗門の位置を完全に把握するまでは、ジャンプ前にはブレーキをかけてスピードを抑えたほうが無難だ


・ スキー(スノーボード)トリックチャレンジ

 こちらはジャンボリースノーリゾート限定のイベントとなっている。スキーもしくはスノーボードで、ジャンプ台からジャンプして、指定されたトリックをこなすだけなので、そう難しいイベントではない。トリックの出し方は、スキーもしくはスノーボードスクールで教わることができるので、事前に練習しておこう。

指定されたトリックを出すことに成功しても、着地でよろけてしまうと失敗になる。着地する直前にはトリックをやめ、確実に着地するように心がけよう。なおスキーを履いた状態でスノーボードチャレンジを始めても、イベントの間だけスノーボードに履き替えるため、わざわざ履き替えてから訪れる必要はない


・ ハーフパイプ

 ハーフパイプは、U字型のコース内でスピードをつけてジャンプして、エアトリックを次々と決めていくイベント。制限時間をギリギリまで使って可能な限りジャンプして、エアトリックの種類と数を増やすのが高得点のカギとなる。ジャンプの高さを稼ぐためには、最初に十分にスピードをつけることと、着地でよろけるとスピードが落ちるので、無理をしないで確実に着地することが大切だ。

同じ系統のトリックを決めるよりも、さまざまな系統のトリックを複合させたほうが高得点を得やすくなっている。使用したトリックがどの系統になるかは、トリックの名前の色から判断できる。ジャンプした際の高さから、どのエアトリックを組み合わせるか瞬時に判断したい


・ モーグル

 モーグルはスキー専用のイベントなっている。このイベントではエアトリックの多彩さに加えて、コブ斜面でのターン数やよろけた回数などが評価の対象となって点数が決まる。

 コブ斜面をショートターンで華麗にかわしてジャンプを確実に決めるのが高得点を取る秘訣だ。またあまりスピードを出しすぎてジャンプすると、次のコブ斜面上に着地することになるので注意。適度なスピードに抑えるように心がけたい。

斜度のきついコブ斜面を一気に滑り降りてジャンプ!トリックまでうまく決まったら、このおじいさんでなくても気分爽快間違いなしだ


・ 出前(○○を持ってきて!)

 出前(○○を持ってきて!)は、制限時間内に転ばないように、特定の位置にいるNPCに会いにいくイベントだ。ジャンボリースノーリゾートでは、ゲレンデの各所にいるNPCに飲食物を出前することが目的となっている。コースの名前や特徴、リフトの連絡などをよく把握していないと時間切れになりやすく、ひとつのミスで転倒すると即座にアウトとなるため、コミカルな内容とは裏腹に難易度の高いイベントといえる。

マウント・アングリオでは、麓にいる依頼主にさまざまな場所にいるNPCから薬の材料を運ぶことに。ゴール地点が決まっているので迷うことはないが、凸凹が多いためジャンプしやすく、障害物も多いコースでは、油断して転倒しないように細心の注意を払おう


・ ツアー

 ツアーはマウント・アングリオ限定のイベントで、ガイドのおじさんがマウント・アングリオをいくつかのテーマに沿って案内してくれる。マウント・アングリオはとても広いゲレンデになっているため、どこに何があるのかすぐには把握しにくいが、このツアーに参加すればマウント・アングリオのコースを楽しみながら覚えていけるわけだ。ツアーの途中では写真撮影イベントも発生するため、写真撮影が好きな人は特に忘れずに参加しておきたい。

制限時間があるとはいえ、ツアーのおじさんにゆっくりとついていけば安全に緑のエフェクトがかかった目的地に到着できるはずだ。写真撮影のときは、十字キーを操作することで、ポーズをとることができる




■ バランスWiiボードを使えばより体感的な操作も可能
  しかしWiiリモコンだけでも十分楽しめる

スキーでは、重心に対して左右反対にターンするように設定することもできる。前傾姿勢でターンするスキーの上級者は、この反対側の設定にしたほうがいいだろう

 本作はバランスWiiボードにも対応しており、バランスWiiボードを利用したプレイでは、画面中央下にバランスメーターが表示され、重心を傾けるだけで直感的にターン可能となっている。ただし、筆者がプレイした限りでは、Wiiリモコンでの操作に比べて細かい操作がしにくく、また実際の滑りとは違い慣性がないため、バランスをとり続けると疲れやすく感じられた。

 テレビのCMなどではバランスWiiボードを使用した映像が流れているため、「バランスWiiボードがないと本当に楽しく遊べないのでは?」と思う人もいそうだが、スラロームを含めた各種イベントなど、Wiiリモコンで操作したほうがやりやすいイベントも多い。

 操作している際の一体感という意味では、バランスWiiボードを利用したほうがスキーをしている気分をより楽しめるだろうが、バランスWiiボードがなくても十分楽しめるので、バランスWiiボードを持っていない人も、安心してもらいたい。


バランスWiiボード上でジャンプしたり、バランスWiiボードから降りると警告文が表示され、ゲームがポーズ状態になってしまう。ジャンプの操作は“バランスWiiボードの上ですばやく伸び上がる”のだが、熱中しているとついつい体もジャンプしてしまうもの。安全上の観点からは仕方ないのだろうが、そんな中に警告文が表示されてポーズ状態になってしまうと、少々興ざめだ マウント・アングリオでは、特に高い場所からジャンプする場合が多く、着地時には“安全着地”と呼ばれる操作が求められる。バランスWiiボードではこの“安全着地”に“すばやく真下にヒザを折り曲げる”という動作が割り当てられているのだが、これが非常に反応しにくい。“Bボタンを押しながら、Wiiリモコンとヌンチャクを振り下ろす”操作で代用できるので、難しいようならこちらで操作してみるといいだろう




■ 細かい部分にも丁寧に手を加え
  ユーザビリティも大幅に向上している
サムズアップは、すばらしい滑りをしたときや、隠しキャラクタやコースを発見したときなどに得られる。中には、がけから落ちた回数や転倒回数が条件となっていることもあるため、うまく滑っていればいいわけでもないのが面白い

 ゲレンデを滑っていると突然、口笛のSEとともに親指を立てたアイコンが表示されることがある。サムズアップと呼ばれるこのアイコンは、イベントとは別の条件で与えられるようになっているため、全イベントをこなした後は、サムズアップ探しを楽しもう。

 もう1つ注目したいのが、今作からの追加されたバディシステム。ゲレンデでバディとなるNPCを見つけたり、最初からバディとなるキャラクタを登録しておけば、一緒に滑ることはもちろん、リフトやゴンドラ、ヘリコプターにも一緒に乗ることが可能だ。1人で滑るのはちょっと寂しいという人も、バディがいることで友達と一緒に滑っている気分を味わうことができるわけだ。

 そのほかWiiリモコンの1および2ボタンを同時に押してから操作することで、BGMを変更可能となっている。選択できる楽曲は全部で45曲にもおよび、「リッジレーサー」シリーズの中でも人気の高い楽曲の「Rotterdam Nation Remix」や「Rareheroes Remix」といったものから、「ことばのパズル もじぴったん」シリーズからは「ふたりのもじぴったん」、「GO MY WAY!!」や「relations」といった「アイドルマスター」シリーズの楽曲まで、バンダイナムコゲームスがこれまでに発売したゲームの曲が多数含まれているのは嬉しいところ。唯一残念なのは、前作には収録されていたユーミンなどの、日本のスキー場でおなじみの楽曲が選べない点。本作は世界のゲレンデが舞台ということで、コンセプトが違うことは理解できるが、それでもやはり何か物足りないと感じてしまうのは贅沢だろうか?

 そのほか、細かい点だが、Wiiリモコンの-ボタンでメニューを介することなく直接マップ画面が呼び出せたり、前作ではモデル上の問題からか帽子をかぶれなかったアバターも帽子をかぶれるようになっているといった、細かい点も改善されている。これらは、必ずしも変更する必要はないが、あれば確実に嬉しいものばかり。こういった点からも、丁寧に作りこまれていることが伺える。

 このように、本作は前作から大幅にパワーアップ&ボリュームアップしただけではなく、細部も改善された良作となっている。前作をプレイして「面白かったけど、やや物足りない」と思っていた人はもちろん、家庭で手軽にスノーリゾート気分を味わいたいという人にはぜひ手にとってもらいたい。きっと満足していただけるはずだ。逆に、やっぱり日本の山で遊んで見たい、ユーミンを流しながらプレイしたい……という人は、前作を遊んでもらえればOK、ということも言える。こちらはこちらで、最新作を遊んだあとに物足りない部分があるかもしれないが、前作ならではの魅力もある。2本ともお勧めしておきたい。

オレンジ色のハートマークを出しているNPCがバディとなってくれるキャラクタだ。あらかじめ用意されているもののほかにも、家族や友達などの登録してあるキャラクタがゲレンデに現われることもあるのが面白い 1と2ボタンの組み合わせでBGMの選択をすることができる。お気に入りの曲をかけながら滑ることで、気分も盛り上がることだろう。いろいろなジャンルの曲があるので、コースはもちろん時刻や天候に合わせてBGMを変えるのもアリ
バディ達と一緒に「ふたりのもじぴったん」を聴きながら夜のゲレンデを気ままに滑走。イベントやサムズアップ探しに根を詰めすぎたときなどにどうぞ。特に目的もなくブラブラと滑って気分転換していると、気がついたら時間があっという間に過ぎていた……なんてことが起こるのが、実は本作の最大の魅力かもしれない(笑)
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(C)2008 NBGI

□バンダイナムコゲームスのホームページ
http://www.bandainamcogames.co.jp/
□バンダイナムコゲームスチャンネルのホームページ
http://www.bngi-channel.jp/
□「ファミリースキー ワールドスキー&スノーボード」のページ
http://familyski.namco-ch.net/board/
□関連情報
【11月13日】【本日発売!】バンダイナムコ、ゲレンデイベントなどの情報を公開
Wii「ファミリースキー ワールドスキー&スノーボード」
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20081113/fs.htm
【10月3日】バンダイナムコ、今度のゲレンデはスノーボードも!
Wii「ファミリースキー ワールドスキー&スノーボード」
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20081003/fs.htm

(2008年12月1日)

[Reported by 菅原哲二]



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