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会場:東京・ニューピアホール
今大会は、全国各地のアーケードスポットなどで行われた予選大会を勝ち抜いてきた精鋭に加え、当日観戦枠の中から抽選で選ばれたチームを加えた全128チーム、256名にもおよぶプレーヤーが参加して、日本一のチームを決定する「ガンダムVS.ガンダム」の一大イベント。
イベントはメインとなる決勝大会のほかにも、スペシャルゲストを呼んでのデモプレイや、シリーズ最新作となる「ガンダムVS.ガンダムNEXT」の新情報、関連グッズが当たる抽選会など、バラエティに富んだ内容となっていたので、その概要をレポートしていこう。
気になるプレーヤーが使用するモビルスーツについては、機動性が高いフリーダムガンダムやZガンダムのほか、ゴッドガンダムやマスターガンダム、ファンネルによる自動攻撃にまかせて比較的回避に専念しやすいキュベレイMk-IIといった機体が人気を集めていた これらの機体はいずれも同コスト内では強めといわれるモビルスーツたちで、その強さが決勝大会に勝ち進んだ強豪プレーヤーの選択からも実証された形といえる。 しかし、そんな中でもガンダムXやターンAガンダムなど、決して強いとはいえない機体を使用していたプレーヤーも見受けられたのは嬉しいところ。自分が好きなこだわりの機体をあえて選択するプレーヤーがいるのも、さまざまな歴代ガンダム作品のファンがいる本作ならではといえるのではないだろうか。
当日参加枠のチームも多く参戦する中、決勝トーナメントに進出した各ブロックの代表となったのは、いずれも各地の店舗予選を勝ち抜いてきた猛者たちばかり。当日参加のチームたちにブロック代表を奪われないあたりは、さすがの実力といったところだろうか。全国各地から集まった精鋭たちによって行なわれる決勝トーナメントでのプレイに期待が集まった。
続いて、初代「機動戦士ガンダム」の主人公アムロ・レイ役から、最新作「機動戦士ガンダム00」でもナレーションとして参加している古谷徹さんが「アムロ、ゲーセンに行きまーす!」というかけ声とともに、スペシャルゲストとして登場。古谷さんは「ガンダムVS.ガンダム」について、「敵もガンダムなのが面白い。自分が初代ガンダムで出たら、『~逆襲のシャア』のアムロが味方としてきてくれたり、敵として登場することもある。やっつけたのはいいけど、自分的には複雑な気持ちになることもあります」と、数々のシリーズ作品に参加している古谷さんならではのコメント。 続けて行なわれたデモプレイでは、自身が演じたアムロが駆った代表的なモビルスーツといえる初代ガンダムやνガンダムではなく、あえてターンAガンダムをチョイスした古谷さん。プレイ中にも「ガンダムハンマーじゃないのか?」、「セイラさんお願いします」などとかけ声をしながらプレイして観客の笑いを誘っていた。最後のステージクリア時には「ヒゲガンダムは伊達じゃない!」と「逆襲のシャア」におけるアムロの決めゼリフをもじったコメントを残し、ガンダムファンなら爆笑間違いなしのデモプレイを締めくくっていた。 続いては、開会式に続いて登場したバンダイナムコゲームスの馬場氏によるシリーズ最新作「ガンダムVS.ガンダムNEXT」の新情報に関するステージ。馬場氏は「ここ最近、東京と大阪でロケテストを行ない、お客さんに答えていただいたアンケートをもとに、現在調整中といった段階です。また今までは2009年春とアナウンスしていましたが、2009年3月に稼働が決定いたしました」と発表。さらに「ロケテスト時点のオープニングタイトルは固定の画像でしたが、今回はオープニングムービーを持ってきました。ということでオープニングのテーマ曲も決定しています。結構すごい方に1年くらいあたらせてもらいまして、タイアップのテーマ曲として使わせてもらうことが決定しましたので、あわせて発表したいと思います」とコメントした。
オープニングムービーの映像とともに流れてきたのは、ガンダム好きのアーティストとしても知られるGacktさんによる「哀・戦士」のカバー曲。続いてGacktさんによる参加者向けのコメントVTRも披露された。VTRの中でGacktさんは「僕にとってガンダムという作品はかけがえのない、バイブルのようなものです。今回僕が歌う『哀・戦士』が『ガンダムVS.ガンダムNEXT』のテーマ曲に決まりました。今回テーマ曲として選んでいただいたことを一人のガンダムファンとしても、ボーカリストとしても誇りに思います」とコメント。VTRの最後では参加者向けのメッセージとして「決勝大会にふさわしいバトルが繰り広げられることを期待しています。勝利の栄光を君に!」と「機動戦士ガンダム」に登場するシャア・アズナブルの名台詞で締めくくり、ガンダムフリークっぷりをアピールしていた。
■ 決勝トーナメントはいずれも時間内に決着する白熱した試合に! いよいよ始まった決勝トーナメント。各ブロックを勝ち上がってきたのは、この8チームだ。
8チームすべてにコスト3,000のフリーダムガンダムが入り、もう一方をコスト1,000のキュベレイMk-IIやグフカスタム、コスト2,000のマスターガンダムが入るチーム編成となっている。コスト3,000の機体の中でも機動性が高く、打たれ強いフリーダムガンダムの人気と実力を証明した格好といえるだろう。 先ほどのアトラクションイベント中に、「ベスト4に入ればPSP-3000が同梱されたPSP版『ガンダムVS.ガンダム』のプレミアムパックを賞品として用意しています」との発表があったこともあり、ベスト4を意識したコメントが目立つ。そんな中「優勝を狙っているので、『雑魚乙!』というチーム名にしました」と強気の発言をした「雑魚乙!」チームに注目が集まる準々決勝がスタートされた。
8チーム中、実に6チームがフリーダムガンダムとキュベレイMk-IIを選択するという、ややバラエティに欠けたチーム編成となったこともあり、マスターガンダムが入った「株式会社5りら」チーム、グフカスタムが入った「ヒグネコ」チームが注目を集めていた。特にヒグネコチームのグフカスタムを操るネコ選手は、ヒート・ロッドを駆使したフリーダムガンダムも顔負けの機動力で、雑魚乙!チームを翻弄していたのが印象的だった。最終的には雑魚乙!チームが勝利したものの、セットカウント1対1の状況から、最終セットもお互いの残りコストがあとわずかという接戦になった、雑魚乙!チームVS.ヒグネコチームの対戦が準々決勝のベストマッチいえるだろう。
・ 準決勝 ベスト4に勝ち残ったのは、この4チーム。
フリーダムガンダムとキュベレイMk-II以外のモビルスーツでは、最後の1機となったマスターガンダムを使うアル中選手に注目が集まる中、試合スタート。 フリーダムガンダムを落とすのはやはり難しいという中、お互いにもう1機のモビルスーツを狙いつつ、スキを見せたフリーダムガンダムにいかにダメージを与えていくかが、勝敗のカギとなっていた。フルカウントにもつれこむ好ゲームとなったこの試合だが、相手のGクロスオーバーからの回避に向かうアル中選手のマスターガンダムにファンネル攻撃を当てる形で決着し、明大モンテカルロチームの勝利となった。
フリーダムガンダムとキュベレイMk-II同士の対決となったこの試合、互いのキュベレイMk-IIを狙いあう展開となる中、メタボHくんチームが先にアカツキ選手のキュベレイMk-IIを落とし、常にリードする展開となっていく。あと1発攻撃を受ければフリーダムガンダムが落ちて大逆転という状況もあったものの、Gクロスオーバー中に戦況を見極めた色選手の冷静さもあり、第1セットはメタボHくんチームが先取。
第2セットでは、雑魚乙!チームも意地を見せ、メタボHくんチームを残りコスト1,000という場面まで追い詰めるも、カイマイ選手のフリーダムガンダムが落とされてしまう。第1セットで雑魚乙!チームが果たせなかった大逆転を、メタボHくんチームが決める形で、メタボHくんチームが決勝戦にコマを進めた。
・ 決勝戦
決勝戦では、やはりキュベレイMk-IIを狙いあう展開ながら、一進一退の白熱した展開。コスト3,000を切ったところでGクロスオーバーを発動し、互いのフリーダムガンダムを狙いあう。お互いあと1発でフリーダムを落とせるという状況の中、先にファンネル攻撃を当てることに成功した明大モンテカルロチームが第1セットを先取。
第2セットではメタボHくんチームがキュベレイMk-IIを2回落として優勢となるも、明大モンテカルロチームも早い段階でフリーダムガンダムを落とすことに成功し逆転を果たす。その後はキュベレイMk-IIを落としあう展開となるも、後半のGクロスオーバーまでまったく攻撃を受けなかったシュダ選手の安定した試合運びが光る形で、明大モンテカルロチームが日本一に輝いた。
■ 表彰式では次回作へかける想いを関係者が語っていた
賞状のプレゼンテーターとして登壇した、株式会社サンライズ・ガンダム事業部の向氏は、総評として「『ガンダムVS.ガンダム』を遊んでいただいてありがとうございます。最初に馬場プロデューサーから今作の企画を聞いたときは、成立するのだろうかと不安に思いましたが、実際に動いている画面を見て、これは面白いと純粋に思いました。『ガンダムVS.ガンダムNEXT』も鋭意製作中ですので、期待していてください。また、来年はガンダム30周年ということで、また皆さんと楽しいイベントをしたいと思っています。ありがとうございました」とコメントした。 大会を終えた感想として、馬場氏は「ここまでやり込んでもらえると、開発者冥利につきると思いました。今回の大会に関しては若干不安な部分もあって、フリーダム&フリーダムにならないか、とか、逃げプレイが主体にならないかと心配していたのですが、ヒットアンドアウェイがうまくて、勝ちにこだわったプレイが見れたのが嬉しかったです」とコメント。 広野氏は「参加者の熱気がすごかったです。でもフリーダムとキュベレイばっかりになってしまったのはちょっと残念。あのモビルスーツ使ったり、このモビルスーツ使ったり、もうちょっとチャレンジャーがいてくれたら」と感想を述べた。 土屋氏は「決勝トーナメントに進んだ8チームが前へ前へと志の高いプレイをしてくれたことにすごく感謝しています。またこの会場におとずれてくれた皆さんはもちろん、このゲームを支えてくれたプレーヤーの皆さんに感謝しています。今日いただいた気持ちを次回作の『ガンダムVS.ガンダムNEXT』に注ぎ込んで、いいゲームにしたい」とコメントし、ファンからパワーを受け取っていたようだ。
最後にコメントしたスペシャルゲストの古谷さんは「なんでフリーダムとキュベレイばっかりになってるの? コストとのバランス? ふーん、そう。なんでνガンダムとか使ってくれないのかな!」と不満げに馬場プロデューサーに詰め寄る場面も。「でも、キュベレイがあんなに強いと思わなかった。あの組み合わせが強いんだね」と納得のコメントを残していた。最後には「来年、機動戦士ガンダムはファーストから始まって30周年を迎えることになります。こうやって長い間ガンダムシリーズが人気を保って多くの人に愛され続けてこられたのも、その一翼をガンダムのゲームが担っていると思っています。そのゲームを支えているのは皆さんです。皆さんのお力でようやく30周年を迎えることができたと思っていますので、これからもガンダムに対する愛と情熱をこれからも持ち続けてほしいと思います。「機動戦士ガンダム00」も佳境に入っていきますので、テレビアニメのほうも応援してください、ありがとうございました」とコメントし、表彰式を締めくくっていた。
■ そのほか展示物等 決勝トーナメント終了後は、参加者すべてに当たるチャンスがある、ソフト3本を含めた豪華グッズの抽選会のほか、開発途中バージョンながら新機体の多くが選択できた「ガンダムVS.ガンダムNEXT」のフリープレイ体験会、メディア対抗ゲーム大会などが行なわれた。 また、入口ロビー付近では大河原邦男氏による直筆イラストの展示や、1/12サイズのRX-78ガンダム、シリーズ初のBru-layボックス化となる「機動戦士Zガンダム」やOVAシリーズ「MS IGLOO2 重力戦線」の展示のほか、フィギュアなどがもらえる輪投げ大会や射的大会など、休憩中にも来場者を飽きさせないさまざまなイベントが行なわれていた。
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□バンダイナムコゲームスのホームページ (2008年11月25日) [Reported by 菅原哲二]
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