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【連載第32回】大人による大人のための洋ゲー連載

Game Dudeの「大人のための海外ゲームレポート」

2008年ホリデーシーズンの目玉がついに起爆!!
核戦争後のワシントンDCは本当に地獄だぜ!?

「Fallout 3」

  • ジャンル:アクションアドベンチャー
  • デベロッパー:Bethesda Softworks
  • パブリッシャー:Bethesda Softworks
  • プラットフォーム:プレイステーション 3 / Xbox 360 / PC
  • 価格:通常版:59.99ドル、コレクターズエディション:79.99ドル
  • レーティング:ESRB:Mature (17歳以上推奨)
  • 発売日:2008年10月28日(発売中)


 核戦争後の荒廃したアメリカの未来社会という壮大なIF世界を扱った話題作「Fallout 3」がいよいよ発売された。

 米国では、既に今年のホリデーシーズンを代表するヒット作になることが確定しており、来る12月4日のXbox 360版、2009年1月22日のプレイステーション 3版と順次発売される日本版にも期待がかかる。今回もやっぱり日本版を待ちきれなかったため、秋葉原のゲームショップに入荷と同時にコレクターズエディションを入手した。

 米中両大国による核の応酬により荒廃したアメリカだが、どっこい人類は滅んではおらず、地中深くに構築された巨大な核シェルター「Vault」での社会活動が細々と行なわれていた。主人公は「Vault」で生を受け、父の謎の失踪により、生まれて初めて地上に降り立つことになる。主人公がそこで見たものとは……!?

 ゲームデザインは、同社の人気作「The Elider Scrolls IV: Oblivion」をベースに、FPSライクな戦闘システムを採用。欧米のゲームファンが好むツボをバッチリおさえた隙のない作りと、秀逸なシナリオによるRPG嫌いでも楽しく遊べる濃厚なゲーム性は、新たなプレイ層を開拓することに成功したようだ。

 今回は北米向けのPS3版を入手し、ひととおりプレイしてみた感触をレポートしよう。なお、本稿では序盤部分の若干のネタバレを含むので、ネタバレを嫌う人はご注意いただきたい。また、日本と北米版ではレーティングの違いから、一部の仕様が異なることが予想される。筆者は日本語版をプレイしていないし、そもそも比較する意図もないが、本稿での記述内容は、日本語版の内容を必ずしも保証するものではないのでその点もあらかじめご了承いただきたい。

【お断り】
 当連載でご紹介したゲームは日本国内で流通しているハードウェアでは動作を保証するものではありません。編集部では海外版ハードウェア・ソフトウェアを輸入して紹介しています
 この記事を読んで行なった行為によって、生じた損害はGAME Watch編集部および、メーカー、購入したショップもその責を負いません
 GAME Watch編集部では、この記事についての個別のご質問・お問い合わせにお答えすることはできません



■ 名作なんだけど目立たない、不遇なシリーズ「Fallout」に脚光が!!

核戦争後に世界を描いた傑作RPGの続編がいよいよ登場だ
Vault Boy欲しさにコレクターズエディションを購入!!
 本作「Fallout 3」は、「3」とついているからには当然前に2つの作品が存在する。しかし日本語版はリリースされていないため、知っていてもプレイした人は極端に限られるはずだ。

 もともと「Fallout」シリーズは米国の老舗パブリッシャーであるInterPlayのフランチャイズで、PC向けのRPGとして世に送り出されている。米国と中国、二大大国の間で勃発した核戦争後のアメリカを描いた同作は、Blizzardの大ヒットアクションRPG「Diablo」と発売時期がかぶってしまった影響で隠れた名作扱いになってしまったが、そのゲーム性は「Diablo」を破って1997年のベストRPGにノミネートされるほどだった。

 2作目となる「Fallout 2」は1999年に発売され、前作同様の高い評価を受けたが、母体となるInterPlayが経営悪化に伴い会社がクローズされると、その後の展開は暗礁に乗り上げてしまった。この“名作なんだけど不遇な扱い”をされていた「Fallout」を拾い上げたのが、「The Elider Scrolls IV: Oblivion」で世界的に知名度上げた、Bethesda Softworksだ。

 同社は、シングルプレイ専用の「Fallout」フランチャイズの開発、パブリッシングをする権利を買い、「Oblivion」の開発完了からシリーズ直系の最新作「Fallout 3」の開発を続けてきた。そして2008年の10月28日にワールドワイドで発売をされ、既に470万本以上の出荷を記録して「Oblivion」を上回る大ヒットタイトルに一躍躍り出た訳である。

 この人気は、もちろん「Fallout」人気もあるにはあるが、それ以上に“あの「Oblivion」を手がけたクリエイターが作ったゲームだから”という側面が強い。世の中に売れないけど名作、名作なんだけど誰も知らないゲームはごまんとあるが、「Fallout 3」はそうした隠れた名作シリーズを、超人気作のクリエイターが拾い上げて命を吹き込み直した、希有なケースと言えるだろう。

 ちなみに、その一方でオリジナル版を手がけたスタッフたちは現在何をしてるのかというと、InterPlay解散後は専ら同作とは関係のないタイトルで仕事をしており、「Fallout 3」の開発には関わっていない。主要クリエイターのうち、クリストファー・テイラーは「ロード・オブ・ザ・リングス オンライン」を手がけ、レオナルド・ボウヤースキー(「Fallout」シリーズのイメージキャラ、Vault Boyの生みの親)は、現在Blizzardで「Diablo III」のデザイナーを務めている。

 さて、今回はPS3版のコレクターズエディションを購入した。中身は、ゲームソフトのほかに、ブリキ製のランチボックスに、メイキング映像を収録したDVD、アートワークを多数収録した冊子、そしてゲームのマスコットキャラと化している「Vault Boy」の首ふり人形が同梱されている。内容的には「Vault Boy」ファンなら買いかな? という印象。

ブリキでできた特製のランチボックス 中にはコレクターズエディションだけの特典が



■ 父を探して三千里!? 核戦争で荒廃した世界を旅する毎日

主人公誕生の瞬間。さて男か女か…?
父親の愛情を一身に受けて育つ主人公
 「Fallout 3」は、1960年前後に核戦争が発生し、そのまま数世紀野ざらしのまま年月を経たような架空の世界が舞台になっている。来る核戦争のため、地下に長期間生活できる設備を備えた大規模なシェルター「Vault」が主人公の生まれた場所だ。米国と中国の間で勃発した核戦争は、土地を徹底的に荒廃させ、何も生み出すことはなかったが「Vault」に予め避難していた人々は安全に地下深くで世代を経て生き延びてきたのだ。

 そして主人公(=あなた自身)はシェルターの1つ「Vault 101」で生を受ける。母は主人公を出産直後に亡くなり、16歳まで父親の手で育てられることになる。途中成長の過程では「SPECIAL」という基本的なパラメータの決定と、「GOAT」という得意な能力の決定を行なう要素がある。キャラクターメイキングの一環として、人間としての成長を描いているのは見事な演出だ。

 ちなみにキャラクターメイキングの外見部分については、性別、人種、顔のカスタマイズは可能だが、ボディ部分には手を加えることはできない。これはやや残念なところではあるが、眼鏡やゴーグルなどのアパレル系アイテムと、髪型などで個性を出すことは十分できる。

 ゲームのシステム部分に関しては、元のエンジン(GameBryo+Havokなど)は「Obilvion」と同じ影響なのか基本的な部分は極めて似通っている。視点をFPSかTPSに変えられるという点も同じ。ただし今回は銃撃戦が多いためFPS視点が多くなるだろう。その他の違いとしては、その場で時間を経過させても体力が回復しないこと、放射能汚染された食料や飲み物を口にしたり、汚染されている土地に入ると体内に放射能が蓄積され、一定数たまると身体に影響が出てくることなど、世界観に沿った細かい差異はあるものの、「Oblivion」経験者であればすんなりとゲームのルールは飲み込めるはずだ。

 そんなこんなでゲームを進めていくと、ある日突然友人に唯一の肉親である父親が「Vault 101」から脱出したことを伝えられる。自分の身辺に危険が迫る前に主人公はVaultを脱出する。そこには核戦争から長い年月を経て荒廃しきったアメリカの大地が広がる。主人公は初めて見る陽の光と外の空気に一歩を踏み出し、危険極まる世界を1人で父の行方を追って行かなければならない。

 世界は核でメチャクチャになったとはいえ、Vault以外でも生き残りの子孫が生活を営んでいる。その様子はまるで「北斗の拳」の彷彿とさせる世紀末世界を地で行くもので、男は銃の所持必須、物は作るものではなく、奪うもの、生産性のない街はボロボロ、外にはモヒカンの悪漢といった具合で、さらにスーパーミュータントやクリーチャーといった“人外の生物ま”で跋扈している始末だ。オマケに水はもれなく放射能汚染されている。快適な設備の整ったVaultと比較するとものすごい落差であり、この世界で生き抜くのはかなり大変なのである。

基本的なパラメータを決めるSPECIAL。赤ちゃん用の絵本になっている 誕生日に端末Pip-Boy 3000がプレゼントされる
GOATでは10問の質問に答える事で特長付けがされる 人種と顔、髪型のカスタマイズが可能
父の脱走により自らもVault 101から出ることに はじめての外はまぶしく、どこまでも荒れ果てていた



■ メガトンの街でいきなり究極の選択に遭遇!!

クズ鉄の山にエンジンが鎮座しているようなメガトンの街
内部はクレーターのようなくぼみに沿ってバラックが立ち並ぶ
 危険きわまりない世界を1人で旅する羽目になった主人公。まずは道なりに廃墟化した街をテクテクと歩くと、小高い丘の上に巨大なゴミ屋敷を彷彿とさせるメガトンの街にたどり着く。廃品を適当にペタペタと貼り合わせたようなこの街は、ベースはトタンでできているが、門を開ける動力に飛行機用ジェットエンジンを使ったりと妙なところがハイテクなのがいかにもな感じだ。

 中は終戦直後の日本もさもありなんと思わせるバラック小屋が階層を連ねている。立体的な構造になっており、慣れるまでは迷うこと必須だ。そして街の中心の窪地には核の不発弾が街の象徴としてデデーンと鎮座している。この凄まじい風景にしばし圧倒されたあと、街で聞き込みを開始すると、この町の最初のクエストは、核爆弾を起爆させるか、させないかの2択を迫られる。いきなりあまりにも大きな決断だ。

 主人公の決断が実際にゲーム世界にどのような影響をもたらすのかどちらの場合もやってみたが、起爆する方を選択すると本当に核爆発が発生して街が吹き飛んでしまう。大量のカルマを失うだけでなく、大量の人々との繋がりが失われてしまう。そして最大の問題は父ちゃん探しの手がかりがプッツリと途切れてしまう。セオリーとしては、やはり起爆装置を無効化して、街を助けた方が何かと良い。メガトンのシェリフに報告すると、大喜びして、主人公に様々なメリットをもたらしてくれる。

 思うにこの選択は、1度クリアした後にもう1度異なるシチュエーションで楽しむために用意されているものではないかと考える。善と悪、どちらの側に立って生きて行くのかは本作の主要な課題の1つになっている。どちらの側で進めても結末にはたどり着けるが、悪の道は相当手強いように感じる。

 ゲームの展開は、基本的に父親の足跡をたどるたびになる。父は自分と同じ背中に「101」と刺繍された場違いなジャンプスーツを着て移動したためか、「父ちゃんを見た!」という人は意外に多い。ワシントンDC一帯を舞台にした本作は、マップのあちこちに街や施設が点在しているが、「Oblivion」とは異なり、一度行った場所にしか直行(=マップ上から場所指定で一瞬で飛ぶ)できない。つまり初めて行く場所は自力でテクテクと歩いていくしかない。

 荒れ果てたかつての首都を旅する様子はなかなか雰囲気が出ていて楽しいのだが、それぞれの目的地は結構な遠さなので、ゲーム序盤~中盤はアグレッシブな父ちゃんの行動に終止振り回されることになるだろう。しかし、それもまた本作の面白さで「Oblivion」とは異なる、一本筋の通ったストーリー性を堪能できる。

街を守るルーカス。ある悩みを抱えているようだ 中心に行くと、何やらでかい不発弾発見。これはまさか……!?
街の名物を通り越して信仰の対象にまでなってしまっている 起爆させるか無力化をするか、いきなり人生の分岐点
メガトンを吹き飛ばすように依頼してくるMr.バーク メガトン消失の瞬間。主人公には困難な道のりが待っている




■ FPSとRPGのエッセンスを加味した濃密な戦闘を実現した「VATS」システム

ゲームの基本はFPS視点で
TPS視点に切り替えることも可能だ
 次にバトルに関して。今回「Fallout 3」ではFPS寄りの戦闘になるため、RPGっぽさを出すためなのか、新たに「VATS」と呼ばれる戦闘システムを導入している。これはどういうものかというと、戦闘中に時間を止めてAPと呼ばれるポイントを消費して頭、手足、胴体などの特定の部位を狙って撃ち、見事ヒットするとリアルタイムで戦うよりも大ダメージを与えられるという代物で、ゲームの大きな特長のひとつになっている。

 特定部位を攻撃できるRPGは国産、海外を問わず珍しいものではないが、本作では攻撃した部位が吹き飛ぶという欠損表現があるという点で、戦闘の生々しさが格段に違う。欠損表現もボーンと首や手足が飛ぶようなものではなく、例えば頭部に弾がクリティカルヒットした時は、衝撃で頭部が粉々に割れる様子がスローモーションで描かれる。戦闘の緊迫感を出すためかもしれないが、切断面などもリアルで、人型の敵と戦うときは、相当エグい表現に出くわすこともしばしばだ。

 ちなみにバトルは銃撃戦がメインになってくるが、バットや警棒、ナイフなどの近接武器も用意されている。ただ序盤からすぐに殴るだけでは対応できないスゴいのが目白押しなので、あまり活躍する場はない。一応これらの武器や格闘を強くするスキルもあるが、そっちに貴重なスキルを割り振るのはちょっと勿体ない気も。今の所弱くなったモヒカンの悪党を追い回して殴ることか、弾薬が全く尽きてしまった際に最終手段程度にしかならない。

 戦闘システムに欠損を入れたのは、前回紹介した「Dead Space」と同じく部位破壊による戦闘力低下と戦闘方法の変化を描き、戦略性を持たせたかったのだろうという点と、クリティカルヒットした際に敵が派手に倒れるFPSゲーム的な爽快感、達成感を狙ったものと思われる。ゲーム的にはおおいに「有り」なシステムで、ワラワラと襲ってくる敵をいかに効率よく倒すかという点で戦闘を楽しくさせるのに役立っている。

 実は、筆者はまだうまいVATSの活用法を確立させられていないのだが、基本は単体の敵や弱いザコ敵、あるいは狙いやすい敵にはVATSを使わずに対応し、クリティカルヒットをうまく狙えるポジションにいる敵がいた場合に即発動させるというやり方が無駄弾を使わずに効率よく戦闘をこなせる方法かなと考えている。

 説明する順序が逆になってしまったが、「Fallout 3」の武器や防具は、「Oblivion」と同じく武器は使えば金属疲労がたまって壊れるし、防具も敵から攻撃を受ければいつかは使い物にならなくなる。こまめな修理が必要だし、剣とは違って銃は弾が必要だ。弾は拾うか買うかの2択しかなく、作ることはできない。限りある銃弾を効率的に使うという点でも「VATS」の活用は重要だ。

VATSで時間を止めて、その瞬間露になった急所を狙うべし VATSを発動させると様々な視点で攻撃シーンを見せてくれる
接近してきたグールの頭を撃ち抜いた瞬間 悪漢の基本はモヒカンです。(この後頭を撃たれてれて死亡)
スーパーミュータントの攻撃力はかなり高い かなり派手に頭などの部位が吹き飛ぶ




■ スーパーミュータント、ブラザーフッド……。世界の謎は深まるばかり

ブラザーフッドとの遭遇、どのように主人公に関係してくるのだろう
彼らと一緒に戦闘行動に入ることも
 主人公が父親の後を追ううちに、様々な人物やクリーチャーに出くわすことになる。中でも大きな存在となるのが「スーパーミュータント」と呼ばれる放射能により変異を起こした人類と戦う「ブラザーフッド」と呼ばれる組織との出会いだ。最近のFPSゲームっぽい演出が展開され、プレーヤーの興味をひくことは間違いない。この「ブラザーフッド」はゲームのタイトルやパッケージにも使われている、いかついアーマーに身を包んだ兵士達で、ある意味「Fallout 3」を象徴とする存在と言っても差し支えない。

 ワシントンDCの中心とおぼしき一帯は地下鉄網がのびており、使われなくなったトンネルと駅を移動して目的地を移動することが多い。トンネルや地下施設内には「グール」と呼ばれるこれまた放射能で自我を失い、ゾンビ化した連中がウヨウヨしているほか、盗賊の類いや前述のスーパーミュータントも闊歩している超危険地帯。ここでの生き残りが序盤最大の盛り上がりになるだろう。

 RPGにネタバレは禁物なので、これ以上先の話は伏せたい。ひとつだけ言っておきたいのは、メガトンの街を代表するように「Fallout 3」の世界では核戦争もなんのその、たくましく人類は生きているということだ。このリアリティには好印象を持った。

 ただ、ミュータントやクリーチャーの存在は、やや“放射能”という存在を自由に活用しすぎた感はある。たとえば、核戦争から相当な年月を経ているのにも関わらず残留放射能がそこかしこに存在するという設定は、さすがに無理があるのではないか。

 もっとも、ランチャーで発射する小型核ミサイルや、そこいら中に遺棄されている車のエンジン動力にも原子力が使われているなど、「Fallout 3」における1960年前後は、核が非常にポピュラーだったという設定になっているため(実際、クルマが戦闘などで爆発炎上すると、近づいただけで被爆する)、放射能がいつまでたっても蔓延しているという解釈なのかもしれない。しかし、そうであれば水に限らず、大気全体がやられていてもおかしくない。核という現実を、一種のファンタジーとして扱ったゲームだと捉えるべきかもしれない。

ギャラクシー・ニュース・ラジオの放送局。この世界にはラジオが生きている 崩壊した世界とは思えない豪華さが漂うこのビルは……!?
破壊された航空母艦の中に築かれた街、リベットシティ リベットシティは街なので空母内部には当然市場もつくられている
Vault 112の入口。そう、Vaultはひとつだけではないのだ この大型機械はどういう用途に使うのだろうか……




■ おまけ:プレイステーション 3版について

核で消し飛んだメガトンの街、近づくと放射能を食らう
かなり遠くまで見渡せる
 今回はPS3版をプレイしてお届けした。他機種版にあるかどうかは不明だが、バグが散見される点が気になったので、書き留めておく。PS3版については既に海外の各メディアでレビューが出ているが、他機種版に比べていささか評価が低くなっている。見た目云々に関しては例えばXbox 360版とPS3版を並べてプレイしている訳ではないから、私にはわからない。

 PS3版をプレイしていて気になったのはむしろバグの方だ。普通にプレイしていて気になるのは、第1にフレンドがPSNにサインイン、サインアウトした際にポップアップが表示されると、その間ゲームの進行が止まるというものだ。これは再現率100%でゲーム自体も完全に進行が数秒ストップするし、稀にPS3自体がフリーズする。

 第2にスクリプトが進行しなくなる。これはゲーム序盤でGOATのテストを受ける際に、プレーヤーが着席する位置が問題なのか、タイミングが悪いのか、延々とテストが始まらない上に席から立つこともできないため、ロードしてやり直すしか無いという状況に陥ったことがあった。ゲームはデフォルトでオートセーブがONになっているが、このような際の復帰には大いに助かる機能なので、OFFにしない方がガックリ感を味わわずに済む。

 第3にフィールドを歩いていると一瞬ガクっと止まることがある。フレームレートが落ちるのではなく0になる。これは長時間地上を歩いていると発生する減少だ。また、稀だがテクスチャが化ける。地上を移動中、突然空に浮かぶ雲が真っ暗になったので雷雲の演出か!?と一瞬勘違いしてしまった位だ。

 以上3点だが、いずれも比較的クリティカルなバグであるため、オンラインアップデートでの早急の対応を期待したいところだ。来年の1月22日の日本版の発売時にはぜひとも修正パッチがリリースされていて欲しいところだ。

 最後に、今回たっぷり英語版を紹介しておいて何だが、ゲームのストーリーや登場人物の会話を深く理解する上でも、日本版の発売を待った方が良い。本作の英語は率直に言って難易度が高く、うんざりするほど膨大だ。コレクターズエディションなどの付加価値を求める場合や、PCでやりたいという場合には英語版という選択肢もあるが、FPSと同じように強引にカンだけでゲームを進めていけるほど本作は甘いゲームではない。英語がネイティブ並に自由に扱える人でない限り、素直に日本語版を待った方が賢明だというアドバイスはしておきたい。ちなみに筆者は今回ばかりは若干後悔している(泣)。

光源処理も美しく、満足できるビジュアル表現である 主人公の旅はまだまだ続く……


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□「Fallout 3」公式ホームページ(英語)
http://fallout.bethsoft.com/index.html

(2008年11月18日)

[Reported by Game Dude]



当連載でご紹介したゲームは日本国内で流通しているハードウェアでは動作を保証するものではありません。編集部では海外版ハードウェア・ソフトウェアを輸入して紹介しています
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