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会場:韓国国際展示場(KINTEX)
入場料:4,000ウォン(前売2,000ウォン) 出展されたタイトルは、T3の看板タイトルである「Audition」のキャラクタと英会話の学習ができるエデュテイメントソフト「Audition English」、SFオンラインシューティング「WARCRY」、韓国ならではのスポーツを題材にしたオンライン足球「Spikegirls」、用兵システムが特徴のMMORPG「CAMON HERO」、3D横スクロールアクション「STARCRASH」の5タイトルだ。 いずれも粒の揃ったタイトルでブース全体としての集客も非常に良かった。試遊台を通じたスタンプラリー方式のイベントを行なっており、多くの試遊台で遊ぶほど豪華なノベルティ賞品が貰えるとあって、普段遊ばないジャンルの試遊台にもチャレンジしているユーザーが多く、良い試みだと感じた。
■ Hanbitのポータル事業を後押しするT3。M&A後初のG-Starで方向性が明らかに HanbitはこれまでBlizzard製品を中心とするパブリッシング事業を強力に推進してきたが、近年ヒット作に恵まれず、巨額の投資を行なったFlagship Studiosの「Hellgate :London」の失敗をトドメに今年5月にT3に買収されることになった。 デベロッパーであるT3は現在まで同社のコンテンツのパブリッシングやチャネリングをHanbitの持つゲームポータル「Hanbit ON」でも展開できるように進めており、今回の出展でもT3の社名よりはHanbitの社名を冠した「Hanbit ON」を押す展開になった。 ブースはHanbitがFlagship Studiosからようやく取り戻した「Hellgate :London」や「Mythos」といった大型IPは出展されず、自社開発タイトルや新作のパブリッシングタイトルが中心となった。Hanbitがこれまでもっていたハードコア路線が薄まった分、カジュアル寄りの路線にシフトしたラインナップになった。
■ Auditionのキャラクタと英語でお話しよう!新作「Audition English」 「Audition English」はT3の看板タイトルである「Audition」のキャラクタとロールプレイを通じて英語を学習することができる、エデュテイメントソフトだ。本作の面白いところは、「Auditon」のキャラクタになりきってロールプレイを行ない、表示される字幕を発音する。登場するキャラクタは「Liz」とその家族や彼氏などで、チャプターに応じて登場人物が変化する。 今回デモされていたのは、リビングに座る女の子の「Liz」と彼氏の「Tom」の会話で、「ああ~ 最近髪の毛伸びたわね」と自分の髪の毛を触るLizに対して、Tomが美容院に行こうという会話。キャラクタ選択時にTomを選択するとリビングに座るTomの視点で、Lizとの会話を英語でのロールプレイで楽しむことができる。マイクに向かって話すことで会話を練習することができ、しっかり発音できていれば、文章ごとに「Audition」のようにExcellentやGoodといった評価を貰い得点を重ねることができる。 本作の何よりすごい点は、非常に多くのユーザーを抱える「Audition」の世界でまったく実現できなかったユーザーとキャラクタとのインタラクションを一足飛びに実現してしまったことだ。一緒に美容院にいこうかといわれてはにかむLizに恋心を抱かずにはいられない。Lizを取り巻く環境はまさに「ビバリーヒルズ青春白書」のような北米の学園ドラマのノリで、母国語では歯が浮いてしまいそうな言葉も英語ではあっさり言えてしまうところが面白かった。 開発はDreams Edutainment。ビジネスモデルは3万ウォン(約2,100円)程度の月額課金の見込み。「Audition」ではアイテム課金で提供されているアバターなどは、学習の「ごほうび」となるように、ロールプレイの際に貰ったポイントで貰えるようになるとのことだ。サービスはオンラインで提供され、チャプターの内容に応じて最大2人まで同時にロールプレイができるような仕組みを開発中との事だ。12月からクローズドベータテストを行い、正式サービスは2009年1月を予定している。
■ 新作SFオンラインシューティング「WARCRY」。中世的な世界観でマシンガンをぶっ放せ!
現在クローズドベータテスト中で、正式サービスは未定。課金方法はアイテム課金を予定しており、マップやスキルなどのチューニングに関する開発が現在行なわれている。キャラクタ達は非常によく世界観が描きこまれてはいるものの、ストーリー的な要素は無く、Xbox 360/PC「Shadowrun」を髣髴とさせるデザインだ。洋ゲーのRPGの世界から抜け出してきたようなキャラクタ達がアサルトライフルやスナイパーライフルで武装していること自体面白い光景だ。各勢力ごとに6種類の職業があり、1つを選択して出撃するため、常に相手チームとは異なる条件の元で戦うことになる。Empireは鎧を着込んだ「Paladin」が一時的に防御を大幅に高めるスキルを持っていたり、「Hunter」はスコープつきのスナイパーライフルで武装していたりと職業別で戦い方に大きな特徴がある 試遊台ではチームデスマッチモードを遊ぶことができ、ライフルを撃って距離を縮めながら、接近戦では木槌や剣で応戦するといった戦いが繰り広げられており非常に面白かった。体力を示すHPの他、ダッシュやスキルの使用で減っていくSPの概念が存在し、スキルを駆使しながら戦っていく様子が面白かった。戦っていない時には徐々にHPとSPが回復していくため、アクションにおける動と静の戦術的なかけひきも楽しめた。 また、本作は「真・三國無双Online」に良く似た成長システムを採用しており、1回のセッションの中でレベルがあがっていき、セッション終了時にレベルがリセットされるデザインをとっている。ゲーム中の与ダメージや被ダメージに応じて少しずつ経験値がたまっていき、レベルが上がるとスキルポイントを得て能力やアクティブスキルを強化していける。 ゲームの進行は一般的なオンラインFPSのものと同じく、ロビーに接続した後にセッションに入場すると、職業と武装を選択して戦うことになる。各職業共斧や槍などの近接武器、拳銃やショットガンなどの近距離用武器、アサルトライフルやスナイパーライフルなどの中・遠距離用の武器、投擲武器という形で4種類の武装が用意されている。「Paladin」では槍、「Hunter」ではスナイパーライフルといった得意とする武器が設定されており、それに沿ったスキルが用意されている。 実際プレイした感じでは、プレイする両軍でキャラクタの条件がまったく異なるため、とにかく相手とのバランス調整は大変だろうと感じた。担当者によれば職業間のバランス調整のチューニングに取り組んでいるとの事だったが、対戦型の3Dアクションでユーザーが離れてしまう原因がゲームバランスであることも多いため慎重に進めてほしいところだ。「WARCRY」は筆者にとっても今回のG-Starで試遊台の列に何度も並びなおしたイチオシタイトルであり、バランスの問題さえクリアできれば要注目の1作と言えそうだ。時間をかけてしっかりチューニングされた上で、日本市場でプレイできることを期待したい。
■ オンライン美少女足球「Spikegirls」。セクシーな女子高生たちがボールを蹴りまくる!
本作は普段は主に男性が楽しんでいる足球に女子高生の女の子たちが挑戦するというものだ。プレーヤーキャラクタは背の低いカワイイ系の「シュー」、普通タイプの「ユナ」、お姉さまタイプの「アリス」の3キャラクタが用意されており、今後増えていく予定だ。とにかく女の子ばかりが登場するゲームで、ストーリー仕立てのチュートリアルでは怖い(けどセクシーな)先輩や、商店では多様なコスチュームが用意されている。ログインするとメインメニューからマッチングロビーや商店の他、公園を模した広場のビジュアルロビーに接続することができる。30人まで入場可能な広場では、アバターの状態で自由に動き回ることができ、セクシーな女の子ばかりという面白い光景が目に飛び込んでくる。 広場ではキャラクタ同士で服を交換したり、ベンチに座ることもできる。これだけでも楽しそうな光景だが、水を飲んだり、遊具に乗るなど環境へのインタラクションの強化には期待したいところだ。また、携帯電話のUIを使って友達と直接メッセージのやりとりができたり、パーティーを組んでセッションに行ったり、自分のいるセッションに招くことができる。 ブースでは女子高生世代のキャラクタが登場する数少ない作品だけに必然的に多くの男性ファンから熱いまなざしを受けることになった。ゲームは2対2、3対3で遊ぶことができる。方向キーでの移動の他に攻撃に割り当てられたAボタンと、サーブ・レシーブ・トスに割り当てられたSボタンの非常にシンプルな操作が特徴だ。スキルは強打がWキーで、ネット際に落とし込む弱いスパイクがQキーで発動できる。 「Spikegirls」は今年8月にクローズドベータを行ない、G-Starに出展されたのは今年8月に行なわれたクローズドベータテストと同じバージョンで出展されていた。現在はテストが行なわれておらず、今後の動きとして時期は未定だが次回はオープンベータテストが行なわれ、ビジネスモデルはアイテム課金が予定されている。開発会社のMOVONはBlueTooth製品などを作るメーカーだが、本作をきっかけに開発スタジオを設けてゲームデベロッパーとしての事業に参入した。 現状キャラクタのかわいらしさはあともう一歩というところだが、ゲーム性においてはボールとキックのタイミングを合わせてうまく蹴り返すという操作は意外に難易度が高く、年齢層が高めのユーザー向けのコアな作品に仕上がっている。これまでの開発経緯の中で様々にバランスが変化しているタイトルであり、開発チームがどういったバランスに落としどころを見つけるのか楽しみなタイトルだ。
□G-Star 2008のホームページ http://www.gstar.or.kr/ (2008年11月15日) [Reported by 三浦尋一]
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