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★PS3/Xbox 360ゲームレビュー★

世界的ヒット作ついに日本語版発売!!
犯罪都市で東欧の移民者が見た夢は?

「グランド・セフト・オートIV」

  • ジャンル:アクションアドベンチャー
  • 開発元:Rockstar Games
  • 発売元:カプコン
  • プラットフォーム:PS3 / Xbox 360
  • レーティング:CERO:Z (18歳以上のみ対象)
  • 価格:8,390円
  • 発売日:10月30日(発売中)



 世界的なヒットを記録した「グランド・セフト・オートIV(以下、「GTAIV」)」の日本語版がついに10月30日にカプコンから発売された。開発はもちろんRockstar Games(Rockstar North)だ。日本のファンには待ち望んだ発売だろう。

 「GTAIV」は巨大な都市“リバティーシティ”を3Dグラフィックスで再現。プレーヤーは主人公ニコ・ベリックとしてこの街で生きぬいていく。リバティーシティは繁華街から官庁街、住宅地、スラムなど実在の都市をモチーフに、その雰囲気をあますところなく再現している。

 街にはその地域や時間帯に合わせた人や車が行き交い、鉄道も走っていて、ファーストフード店や服屋、銀行など様々な施設がある。他の追随を許さないスケールで表現された街で語られるのは、“アメリカ”をテーマにした濃いストーリーだ。ユーモアやカリカチュアされているものの、根本には現代アメリカへのシビアな視点があり、それが東欧からアメリカに来たニコを通して描かれていく。「GTA」シリーズは、バイオレンス性ばかりが誇張して語られがちだが、舞台、物語、自由度、様々なポイントで世界最高峰のクオリティを持つゲームであることは間違いない。

 弊誌では本作の英語版を2回に渡って紹介している。本稿では日本語版だからこそわかる、細かい人物描写やストーリーなど、よりディテールにフォーカスを当てて紹介していきたい。


■ 移民達が抱くアメリカンドリーム。暴力という方法でニコは夢をつかむことができるか?

主人公ニコ・ベリック。さえない外見だが、武器の扱いや運転技術に高いスキルを持ち、不可能を可能にしていく
リバティーシティに入港する貨物船。ここから物語がはじまる
ワンボタンでできる車泥棒。街にある車はすべてニコのものだ
 ある夜、リバティーシティの港に貨物船が入港する。その中にニコ・ベリックはいた。彼は戦争状態の東ヨーロッパに生まれ、軍人として参加した後、マフィアとのトラブルもあり、アメリカのリバティーシティへ行くことを決意したのだ。

 彼を誘ったのは従兄弟であるローマンだ。ローマンは10年前にリバティーシティに来ており、手紙では大成功を収め、スポーツカーに美女、豪邸を手に入れ、アメリカンドリームを実現したという。しかし、ニコを迎えたローマンはタクシーに乗っていて、住んでいるアパートもゴキブリがはい回る汚い場所、話を聞いてみると小さなタクシー会社を切り盛りしているものの、あちこちで借金をして首も回らないような状態だという。

 タクシー事務所まで押しかけてきた借金取りをニコは簡単に撃退する。故郷での紛争から生き残ったニコは銃の扱い、運転技術、格闘術、そして無茶なことでもやり抜く胆力を身につけていた。ニコの力に目をつけ、ローマンの知り合いや、リバティーシティに巣くうマフィア達がニコに危険な仕事を依頼してくるようになる。ニコは金のために仕事を受け、淡々とこなしていくことになるが、実は彼にはもうひとつこのリバティーシティを訪れた目的があった……。

 本作の日本語化は字幕という形で行なわれている。ムービーシーンだけでなく、車内での何気ない会話、演劇などにも字幕が出て内容が把握できる。また、携帯電話のメッセージや、閲覧できる主要なWebサイト、警察端末などもすべて日本語に置き換えられており、英語が苦手なプレーヤーもストレスなくプレイできるだろう。

 本作の欧米版は2008年4月29日に発売されており、コアなファンは英語版を購入しているかもしれない。筆者も英語版をプレイしたが、今回改めて日本語版をプレイすることで、より深く本作を楽しむことができ、新しい発見もいくつもあった。

 「GTAIV」の基本システムは広大な3D空間を舞台としたアクションアドベンチャーである。プレーヤーはニコとなってマフィアなど様々な依頼人の仕事をこなし、ストーリーを進めていく。ちなみに、“Grand Theft Auto”とは車泥棒のこと。道行く車はすべてニコのもの、走っている車の前で乗車ボタンを押すといきなり中の人を引きずり出し車を奪うことができる。ニューヨークのマンハッタンをモチーフにした大都市アルゴンキンには、高級車を展示しているショールームもあり、そこから強奪することもできる。

 停車中の車は、より簡単に盗むことができるが、防犯装置がついていて警察に見つかる可能性もある。巡回中の警官やパトカーのいるときに車泥棒を働くと指名手配され、逃走に失敗すると逮捕され、身ぐるみをはがされてしまう。ちなみに、ゲームを進めると持てるようになるプレーヤーの隠れ家には数台の車をストックできる。リバティーシティ中からスポーツカーやバイクなど、お気に入りを集めて自分だけのコレクションを作ることも可能だ。

 今回面白く感じたのが、これまでのシリーズではチュートリアルで車を奪うシーンがあったのだが、今作ではそれがなかったことだ。オープニング後の最初のミッションで、ローマンのアパートの近くにあるタクシー会社に行けと指示されるのだが、シリーズ初挑戦の人はそこまでニコを歩かせるだろう。しかし、シリーズ経験者は自然に信号待ちをしている車に近付き、気軽に車を奪って移動するに違いない。筆者ももちろん強奪した。それが「GTA」シリーズのセオリーだからだ。

 冒頭に限らず、「GTA」シリーズはプレーヤーによって全く“プレイ風景”の違うゲームだと思う。筆者の運転は非常に荒い。車が渋滞をしていても他の車を押しのけて進むし、歩道を走って信号や消火栓を折ることもしょっちゅう、信号無視で交差点に突っ込み、横から走ってくる車に衝突することも意に介さない。衝突しすぎて車が潰れてしまったり、スポーツカーなどお気に入りの車を見かければそのまま乗り換える。この無茶苦茶な運転と行動ができるからこそ、筆者はこのシリーズが大好きなのだ。

 「GTAIV」はアクションゲームとしての要素も強いが、本質的にはドライブゲームであると思う。逃げる標的を追ったり、気がつかれないように尾行したり、パトカーから逃げたり、へべれけになりながら運転したり、ガールフレンドを隣に乗せたり、時には鈍重なトラックでカーチェイスをしたりと、様々なシチュエーションで運転する。このドライブの多様性と運転することの楽しさこそが本作の根底を支える魅力なのではないだろうか。

対向車線も信号待ちの車列も気にせず暴走。アクセルは常に床までベタ踏みだ ショールームから車を強奪。この高級車はいつでもこの場所で入手できる 酔っぱらうとブラーがかかり、まともな運転ができなくなる。パトカーに追われまくる危険な運転だ
天候や時間でリバティーシティは様々な顔を見せる。街の作り込みの細かさにも注目して欲しい

■ ニコという力を得て動き出すマフィアの野望。エキセントリックな人物達が織りなすドラマ

ニコの登場でローマンの運命は急転する。それでも生き残っていくタフさがローマンの魅力かもしれない
カメラの前で調子の良いことをしゃべり続けるマニー。軽薄さに思わず苛立ってしまう、そのベタな表現が本作の魅力である
思わず苦笑いしてしまうほどナルシストの筋肉バカ、ブルーシー。愛すべきバカである
 「GTAIV」はなんといってもストーリーが大きな魅力だ。ストリートギャング達が根城にする倉庫に単身飛び込み、彼らをすべて倒してしまうといった、不可能を可能にしてしまうニコの力に、マフィア達は酔い、暴走する。ただギャングが争うだけの世界ではなく、マフィアの人物の友情や、憎悪、悪事を繰り返すことへの倦怠など様々な人間ドラマが展開する。

 ストーリーの根底には、移民問題や、はびこる麻薬、格差社会、人種差別、刑務所から出てきた人物の社会復帰など、アメリカが抱える社会問題への問いかけがある。ローマンのささやかな成功と苦境、そして嘘として語るアメリカンドリームのギャップもデフォルメは感じるものの、アメリカという社会が根底に持つ夢と現実を語っていると思う。

 根底にシビアな現実を匂わせながらも、「GTAIV」のストーリーはバイオレンスに溢れ、ネジのゆるんだユーモアがある。特に人物の描き方が面白い。中でも特にローマンの“小物”っぷりが大好きだ。だらしなくて、ファーストフードが好きなメタボ体型で、大ボラ吹き、ギャンブルにのめり込み、まじめで気のつく出来過ぎの彼女がいるのに、ダンスショーで大はしゃぎと、愛すべきダメ男だ。

 マフィアの下っ端の高利貸しにいびられながらも、まじめにタクシー会社を経営していたローマンは、ニコの登場でその運命が急変する。自分を脅すギャングをやっつけてくれたとローマンが喜んだのは最初だけ、ニコの従兄弟ということでマフィアからつけねらわれるは、人質にされるは、住所を変えなくてはならないは……。ニコのパワーに一番振り回されてしまうのは、間違いなく彼だ。

 「お前が来てからメチャクチャだ!」。人質にされて助けられたとき、ローマンはニコにぶち切れる。実はトラブルを起こしているマフィアのギャンブル場にのこのこ行ってしまったローマンが悪いのだが、ローマンの気持ちもわかる。ニコも悪態をつきながらも強くローマンをやりこめることはできない。文句を言いながら別れる2人。

 しばらくしてからニコにローマンからメールが届く、「助けてくれてありがとうな、本当に感謝している」。人質を取られたときのニコの怒りなど、ニコとローマンの強い絆と繋がりは特に丁寧に語られている。2人で飯を食いに行くときのアメリカへの憧れや子供時代の思い出を語り合うシーンなどは、アメリカに渡る移民の心情が2人を通じてうまく語られていると感じた。

 もちろん他のキャラクタも強烈な個性を発揮している。ロシアンマフィアのファウスティンはいつも心の中にいらつきを感じていて、それを解消できないために過激な行動を取り、それが一層の自己嫌悪を生んでいる。ブラッドは人を見下す本当に嫌な高利貸しだし、黒人のマニーは「ストリートを救う」といってドキュメンタリー番組を作り、格好をつけてカメラの前でポーズを取るが、汚い仕事を全部ニコに押しつける上、平気で仲間を売る最低野郎だ。

 タフで気の良い女性だが、ヤクによる被害妄想が強くなっているヤクの売人エリザベータや、白い歯の筋肉バカでやたら金を持っているブルーシー、「ユナイテッド・リバティーペーパー」を名乗る謎の男、妹思いのアイルランドギャングのパッキーなど、様々な人物が登場する。彼らの個性は短いムービーシーンに凝縮されていて、プレーヤーに強いインパクトを与える。

 ニコはタフなキャラクタだが、その姿勢は受け身だ。そんな彼に、NPC達は様々な依頼をしてくる。納得でき、感情移入できる依頼も、理不尽だが受けざるを得ない依頼もある。その結果がさらなるドラマを生み、あるものはニコの前から姿を消す。ニコ自身は多くは語らないが、「やっぱりそうなるのか、仕方ないな」、「ええっそうなるの!」などなど、プレーヤーは展開するストーリーにのめり込み、彼らの行く末に思いをはせるだろう。

 「GTAIV」では何人かのキャラクタとフレンド、ガールフレンドになることができる。友好度を高めると様々な特典があるのだが、ゲームとしての特典以上に彼らとドライブする際にぽつりぽつりと語り始めるエピソードが興味深かった。意外な生い立ちを持っていたり、悩みや、ぶっ飛んだ性格などがより細やかに語られる。中でもリトル・ジェイコブは本当に良いニコの友人で、男同士の熱い友情を感じた。

調子に乗ったり落ち込んだり、ヒステリーになったり……肝っ玉の小さいローマンはニコに巻き込まれてとても大変そうだ。それでもニコとローマンには従兄弟同士ならではの強い繋がりがある
常に人を見下しているブラッド。メッセージの和訳により、本当に嫌な奴であることがよくわかる 二言目には殺せと叫ぶファウスティン。自身もそんな自分に嫌気をさしているが、感情を抑えられなくなっている 刑務所から出てきたドウェイン。周囲の変化に世の中の望みを失ってしまう
ユナイテッド・リバティーペーパーを名乗る謎の男。巨大なバックを感じさせる ジャマイカマフィアのバッドマン。リトル・ジェイコブのボスのような存在だ ローマンの彼女マロリー。犯罪関係の知り合いもいるが、彼女自身は極めてまともな仕事をしている女性だ


■ チェイス、強盗、銃撃戦……犯罪都市リバティーシティを駆け抜けるニコの明日は?

ローマンを助けにマフィアと銃撃戦。肉親を傷つけられたニコの怒りっぷりは迫力がある
ブルーシーとレースに挑戦。レースミッションも用意されている
リバティーシティ上空を舞台としたヘリでの空中戦
 「GTAIV」はアクション映画のようにニコの活躍を楽しむ作品である。ストリートギャングとのサブマシンガンを乱射しての銃撃戦、パトカーに追われるカーチェイスなど多彩なミッションが用意されている。

 「GTAIV」はサードパーソンシューティングとドライブゲームの2つの要素を併せ持っている。銃撃戦では多数の相手をしなくてはならない場面が多い。戦闘に臨む際には体力は満タンであるのはもちろんとして、武器屋での防弾チョッキの購入が必須である。銃は照準ボタンを押していればオートで敵をポイントする。この際、ほんのちょっと視点ボタンで照準を動かすことが可能で、これによって障害物から出した敵の手足を狙ったり、ヘッドショットが狙える。

 ゲームが進めばサブマシンガンやアサルトライフル、さらに手榴弾やロケットランチャーが使えるようになる。スナイパーライフルで安全な位置から建物の外側にいる敵を倒してしまったり、手榴弾でまとめて破壊したりと、武器をうまく使うことでゲームの難易度はずいぶん変わってくる。もちろん車で轢いてしまう方法もありだ。

 「GTAIV」はボリュームたっぷりなゲームであり、ミッションは多彩だ。またシチュエーションも凝っている。アダルトショップにみかじめ料を取りに行き、ビデオの上映会に踏み込んだり、空を飛ぶヘリを車で追跡したり、バイクで逃げる暴走族をそばにあるバイクで追いかけたりもする。鈍重なトラックで追いすがる敵を倒すために、窓から後ろに向かって手榴弾を投げるというシチュエーションや、ロケットランチャーを持つ相棒を乗せてヘリ同士の空中戦というものもある。

 車でのチェイスで一番気をつけたいのが“焦らないこと”だ。無理なショートカットや追い抜きで車が横転したり、走行不可能なところにはまってしまってはどうにもならない。焦らず的確に、普段以上に冷静に乗り物をコントロールしなくてはならない。特に障害物にぶつかったときに吹っ飛ばされてしまうバイクでのチェイスは、慎重な運転がミッションクリアの鍵だ。

 ゲームは中盤から警察の包囲網に囲まれるというシチュエーションが多くなる。与えられたミッションはクリアしたが、警察の囲みを突破しなくては完了とならない。ミッションによっては始める前に逃走用の車両を置いておくなどの準備をしておくと有利な場合もある。

 警察と本気でやり合わなくてはいけないのが銀行強盗のミッションだ。強盗の後、銀行の外を囲む警官隊と戦い、さらにチャイナタウンでパトカーをバリケードにした警官隊とも戦う、そして地下鉄に逃げ込んでも突入してくる警官隊と戦わなくてはいけない。アサルトライフルを使い、どれだけダメージを少なく敵を倒せるかに集中しなくてはクリアが難しいミッションである。

 また、弁護士事務所に面接を装って潜入する、というミッションもある。このときは高級衣料店でスーツを買ったり、偽のプロフィールを作ったりと裏工作が楽しい。携帯電話のカメラ機能を使ったり、携帯をかけ通話している人間を特定するといったミッションもあってスタッフのアイデアの豊富さに感心させられる。

 ちなみに、携帯の写真はターゲットを指定する写真が送ってこられたり、脅迫写真が送りつけられたり、デートをせがむ恋人の写真が送ってこられたりもする。浮気現場を旦那に送る、というサブミッションもある。ローマンはこっちが仕事中、ダンサーの尻のアップを送って自慢してきた。実にローマンらしい行動である。

 ミッションの中にはターゲットを殺すか生かすか選択を迫られる場合がある。生き残った人物によってサブミッションが派生する場合があるが、復讐を企てるような人物もいる。サブミッションはミッションに出てきた人物が再登場し、NPCのその後が描かれるエピローグ的なものもある。彼らは特定のミッションが終わると街角でニコを待っている。ミッションを集中して進めるだけでなく、たまには街を散策してサブミッションを探してみるのも楽しい。

銃撃戦では多数の敵を相手にする場面が多い ボートでのミッションも。チェイスシーンなどもある 車でヘリを追いかける。空を見ながらもちゃんと運転しなくてはならない
廃工場での銃撃戦 弁護士の試験と偽って事務所に潜入 スナイパーライフルを使うと遠距離から敵を倒せる
ターゲットを生かすか殺すかの選択を迫られることも トラックでのチェイス。追っ手を倒すために手榴弾を後ろに投げる 携帯電話でターゲットを特定する
ワケありのターゲットを出会い系サイトで誘い出す 生き残ったNPCによってサブミッションがはじまることも ヤクの売人を密かに追跡する
警官隊と正面から戦う銀行強盗ミッション。地下鉄に逃れ追跡をまく


■ ストーリーだけではないリバティーシティの楽しみ方。出会い系サイトでのデートも可能!

知り合った女性とデート。食事やショーに行って親交を深める
個室でのダンスショー、追加料金を払うとダンサーが1人から2人に
オンラインでの対戦。シングルプレイとは全く違う感触だ
 ミッションをただひたすら進めるだけでなく寄り道も「GTAIV」の楽しみ方だ。街の名所探索、お店巡りはもちろん、友情を育んだり、デートをするのも良いだろう。この他にも、友人の依頼による“仕事”も用意されている。サブミッションをこなしたり、友情を高めることで様々な特典を得ることができる。

 ガールフレンドはシナリオでの出会いだけでなく、なんと“出会い系”のサイトを通じても見つけることができる。ゲーム内のWebサイトは凝っていて、ニュースにはニコが引き起こした事件が報道されることもあるし、メールボックスにはエロ広告のメールが届くことも、故郷の母親からちょっとしんみりしたメールが届くこともある。これらがちゃんと和訳されているところがうれしい。

 友人達との友情を育むには、食事に行ったり、ショーを見たり、バーに行くことが一番だ。ダーツやビリヤードなどはミニゲームとしても楽しめる。特にガールフレンドは遊びの種類だけでなく、ニコの服装や車種にも好みがあるので、様々な服装でデートに臨みたい。ちなみに、バーでは必ず前後不覚になるほどに酔っぱらうことになる。酔っぱらい運転をするとパトカーに追いかけられることになるし、操作もままならないので注意が必要だ。

 友人達と一定以上親密になると、彼らが持つスペシャルアビリティを活用できるようになる。彼らのスペシャルアビリティを活用すればゲームを有利にしてくれる。ローマンはどこでもタダでタクシーを回してくれるようになり、ジェイコブは武器を格安で売ってくれる。ドウェインは手下を2人よこしてくれる。それから出会い系で会える弁護士のキキ(ネット上の名前はロウチック)は電話一発で手配度を消してくれるとても便利な特典をもっている。連続して使用はできないが、手配度が高くなるミッションでは、かなりゲームが楽になる。

 マルチプレイもゲームを楽しませてくれる要素だ。「GTAIV」のマルチプレイは携帯電話から参加できる。海外版は発売されてから半年以上経過しているがいまでも外国からの参加者が多い。日本人が部屋を作っている所にも参加できたが、そこでも海外ユーザーの数は多かった。

 マルチプレイは様々なルールが用意されているが、今回は「デスマッチ」と、「マフィアワーク」に参加してみた。マフィアワークは提示される命令をいかに早く遂行するかを競うものだが、知らない人とプレイする場合は少し盛り上がりに欠ける。不特定の人を招いて遊ぶにはやはりデスマッチが楽しかった。殺されてばかりだったが、車で突っ込んだり、遠くからロケットランチャーをぶっ飛ばしたりと様々な戦い方ができた。


 海外版の発売から、日本語版の発売までに時間がかかってしまったのは残念だが、それでも日本語版が発売されたことを喜びたい。翻訳が入ることで、「GTAIV」の最大の魅力ともいえるストーリーと、キャラクタ達の性格やエピソードをきちんと堪能できる。筆者にとって英語版以上に本作は面白い、魅力溢れるゲームとなった。日本語版を発売してくれたスタッフには心から感謝したい。

 冒頭でも触れたが「GTAIV」は暴力だけのゲームではない。スケールや技術、面白いストーリーだけでなく、タブーにも切り込む社会風刺の視点もある。日本ではここまで社会の暗部に切り込むようなゲームは作れないのではないだろうか。堅い話は抜きにしても、「GTAIV」は素直に面白いゲームである。Z指定のゲームであるが、多くの人に本作の魅力を知って欲しいと思う。

主要なWEBサイトやメール、警察の資料などもきちんと日本語化されている
ショーを見たり、ボーリングやダーツなど様々な遊びが用意されている。デートの終わりには勝負を賭けることも可能
武器を格安で売ってもらったり、手下をつけてもらったり、警備を解除してもらったり、友人やガールフレンドと親しくすることでゲームが有利に
ゲーム内の携帯電話から参加できるマルチプレイ。ボイスチャットは英語の人が多いようだ

(C) 2008 Rockstar Games, Inc.

□カプコンのホームページ
http://www.capcom.co.jp/
□「グランド・セフト・オート」シリーズのページ
http://www.grandtheftauto.jp/
□「グランド・セフト・オートIV」のページ
http://www.gtaiv.jp/
□関連情報
【10月24日】カプコン、PS3/Xbox 360「グランド・セフト・オートIV」遂に発売
Rockstar GamesのSam Houser社長らが駆けつけスピーチ
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081030/gtaiv.htm
【5月16日】Game Dudeの「大人のための海外ゲームレポート」
「Grand Theft Auto IV」(後編)
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080522/kaigai24.htm
【5月16日】Game Dudeの「大人のための海外ゲームレポート」
「Grand Theft Auto IV」 (前編)
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080516/kaigai23.htm

(2008年11月14日)

[Reported by 勝田哲也]



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