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会場:幕張メッセ1~8ホール
入場料:1,000円(一般/前売り)、1,200円(一般/当日)
会場に集まったのは、128クランによるオンライン予選を勝ち抜いた「B.The best corps」、「猛者の集い」、「菊一文字」の3クラン。午前中にはこの中から決勝に進む2クランを選抜するための総当たりのリーグ戦3試合が行なわれ、午後にはテクモブースのメインステージで実況・解説を交えた決勝戦が行なわれた。今回の「TGS2008」でピックアップされたテクモタイトルの中でも一際の賑わいを見せたイベントだった。
本大会の主なレギュレーションは、砂漠に広がる街並みをモチーフにした「カドーロ」と廃墟をモチーフにした「マリエン」の各爆破マップを交互に行ない、2箇所の爆破ポイントを破壊するかいずれかの全滅でラウンド勝利が決まる。1マップ3ラウンド制で、2マップ先取で勝利となる。1クラン5名のプレーヤーで構成され、試合開始時に各マップでの攻守をコイントスで選択する。 「カドーロ」のマップは長方形の対角線上に攻守のリスポンポイントがあり、中央の建物群付近が主戦場になる。地形が入り組んでいるため、敵の背後に回りこむ「裏取り」がしやすく、守備側のリスポン地点とマップ上方に2箇所ある爆弾設置ポイントを巡る攻防というよりは、両軍の全滅で終わることが多いマップだ。この日「カドーロ」で行なわれたほとんどのラウンドで、片方の全滅で決着がついていた。 「マリエン」は広い正方形のマップで、双方のリスポンポイントからほぼ等距離に2箇所の爆弾設置ポイントがある。攻守共にスナイピングポイントがあり、普段のサーバーでも多くプレイされているオーソドックスなマップだ。 3クラン共オンライントーナメントを制してきただけあり、文字通りのツワモノ揃い。「WarRock」は戦車や兵器に搭乗できる大規模戦闘をウリにしているが、広大なマップ移動のために、前や左右へ転ぶローリングやダッシュするインターフェイスが設けられており、小規模のマップでは非常にスピーディーな試合が展開される。
移動し始めて足音が出る寸前に移動キーを入れなおして足音が出ない状態でスルスルと移動したり、敵とコンタクトした瞬間にローリングで横っ飛びしたりと、他のオンラインFPSタイトルでは類を見ない静と動を織り交ぜたアクションが展開される。参加した選手たちは、こうしたテクニックを難なく駆使しながら戦いを繰り広げていたのが印象的だった。
■ リーグ戦第1試合は「B.The best corps」対「菊一文字」 第1試合は「菊一文字」と「B.The best corps」で争われた。この試合では、「カドーロ」の攻めが「菊一文字」、守りが「B.The best corps」。「マリエン」も同じく攻めが「菊一文字」、守りが「B.The best corps」だ。 試合当日に準備されたPCには、「WarRock」のクライアントとボイスチャットソフトの「Team Speak 2」があらかじめインストールされ、ボイスチャットを使用した連携も取れるような配慮がなされていた。 しかし、騒音の激しいイベント会場内でのトーナメントだったため、ボイスチャットを使用するにはやや周囲がうるさかったと判断した「菊一文字」は、ボイスチャットではなくゲーム内のテキストチャットでメンバー間のコミュニケーションをとっていた。 かたや「B.The best corps」は、周囲の音を撥ね退けるように声を出しながら押せ押せの雰囲気を作っていった。「カドーロ」は「B.The best corps」のストレート勝ちで圧勝。「B.The best corps」は続く「マリエン」でも、最初の1ラウンド目こそ「菊一文字」に爆弾設置を許し落としたものの、以降のラウンドをすべて相手の全滅で押し切った。
地形が入り組んでいる「カドーロ」は、細やかな状況判断とクラン内の連携が特に重視される。クラン内の意思の共有方法に関する判断が明暗を分けてしまった。
■ リーグ戦第2試合は「猛者の集い」と「B.The best corps」 この試合は、両クラン共にラウンドの取り合いになる切迫した展開だった。「カドーロ」、「マリエン」ともに、「猛者の集い」が守備側、「B.The best corps」が攻撃側での対戦となった。「B.The best corps」は、「猛者の集い」との中央建物付近での陽動とけん制を挟みながら爆弾設置もきっちりと狙っていく作戦を展開した。 第1ラウンドでは、「B.The best corps」が中央付近での均衡を破ったところから一気にたたみかけラウンドゲット。続く第2ラウンドは同じ展開で「猛者の集い」が勝利する。戦闘兵が2つ所持しているグレネードの投げあいで、一角が崩れてからの展開がスピーディーだった。 第3ラウンドは、「B.The best corps」が一度は守備側のリスポン地点への爆弾設置を成功させるも解除されてしまう。交互にラウンド数を取り合い最終5ラウンドまでもつれ込む展開で、ラウンドカウント3-2で「猛者の集い」がマップを取る。 「マリエン」では双方のクランの衛生兵同士の活躍が光る戦いだった。「B.The best corps」は3人を戦闘兵、2人を衛生兵で構成し、マップによってメディックを中心に2:1:1や3:2といった分け方で主な接敵ポイントをカバーし、マップ全体をカバーしていく戦術だ。生存プレーヤー数で有利な状況に立っても決して深追いしようとせず、きっちりとリグループしなおして衛生兵に回復させていたのが印象的だった。 両クランとも衛生兵を担当する選手は速射力のあるMP7A1をチョイスし、攻撃力が低いという弱点を補って余りあるサブマシンガン系の武装で確実にヘッドショットを取っていくスタイルの選手が多かった。 第1ラウンドを「B.The best corps」、第2ラウンドを「猛者の集い」が取った。最後に残った衛生兵同士の戦いとなった第3ラウンドでは、Bポイントに設置を成功させた「B.The best corps」の衛生兵を担当するNovaEra選手とVillain選手の戦いだ。2対1の有利な状況でBポイントへの設置を成功させたNovaEra選手だったが、カバーに回っていた戦闘兵がVillain選手に倒されてしまう。 残った両名共衛生兵のため、守っているところにグレネードが飛んで来る心配はなくなったが、2箇所の入り口を同時に見張らなければならない。爆破まで15秒程残したところで、左脇通路から中をうかがってきたVillian選手をNovaEra選手が倒し「B.The best corps」が勝利した。 このマップも、「カドーロ」と同じく交互にラウンドを取り合い最終ラウンドまでもつれ込んだ結果「猛者の集い」が勝ち、マップカウント2-0で勝利が決まった。 続くリーグ戦第3試合「猛者の集い」対「菊一文字」の戦いでは、勢いに乗る「猛者の集い」が「カドーロ」を3-1、「マリエン」を3-0のストレートで勝利。「猛者の集い」対「B.The best corps」で決勝戦が争われる事になった。
決勝戦に残れなかった「菊一文字」は、試合を通じて雰囲気に飲まれてしまっていたようで、こうしたイベントを通じて試合慣れをして次回もぜひ優勝を狙って欲しい。
■ 決勝戦は「猛者の集い」が圧勝! テクモステージでピックアップされた決勝ステージでは、本作プロデューサーの河野順太郎氏が解説を担当し、実況のユキシロ氏を交えて行なわれた。「カドーロ」、「マリエン」で「猛者の集い」が攻撃側、「B.The best corps」が守備側となって試合が進められた。 「猛者の集い」は、クランリーダーの私は誰カナ? 選手が戦力の要として大活躍した。衛生兵を担当したStanSmith選手とVillain選手が、メディックパックをあらかじめ物陰に落としておき、遠距離から銃撃でけん制しあいながら、小競り合いで削られた体力を逐一回復していく。戦闘兵3、衛生兵2の布陣で、戦闘兵のグレネードで均衡が一旦破られると、あっという間に決着がつくエキサイティングな戦いが繰り広げられた。 それでも決勝戦というだけあって、両軍共に慎重に駆け引きを行なう場面も多かった。最初に投げ込んだグレネードで3人対3人、4人対3人といった場面になっても依然として駆け引きが続く場面もあり、緊迫した展開が続く。 午前中に行なわれたリーグ戦でも同じカードで対戦が行なわれて接戦だっただけに、あわよくば「B.The best corps」が勝つシーンもありえる展開だったが、緒戦の「カドーロ」ではラウンドカウント3-1で「猛者の集い」が勝利した。 「マリエン」では、1ラウンド目を「猛者の集い」が取った2ラウンド目、攻める「猛者の集い」が3対1の状況になったところで、中央のBポイントに爆弾設置を成功させる。「B.The best corps」で最後に1人残ったのはリーダーのHandMC選手。周囲を慎重に回りながら解除を試みる。 ここでHandMC選手の駆け引きの妙が光った。中央にあるBポイントは周囲が開けているため、うまく誘い出せば各個撃破が狙える。2人までは倒す事ができたが、最後の1人が爆弾設置エリアに引っ込み最後の抵抗を試みる。残り時間が残り数秒となったところでHandMC選手が最後の1人の排除に成功するが、解除可能時間が間に合わずに爆破されてしまった。3人抜きという大きな場面を作る事ができたが、爆弾の解除までほんの数秒足りなかった。惜しい! 第3ラウンド目は全滅で「猛者の集い」が勝利し、優勝が確定した。
接戦に見えた両クランの戦いだったが、勢いに乗った「猛者の集い」は強かった。試合終了後には、優勝した「猛者の集い」にBitCash20万円分などが贈られた。河野氏によれば、今後もこうしたオフラインでのイベントを企画していきたいとのことで、ぜひ期待したいところだ。
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□テクモのホームページ (2008年10月14日) [Reported by 三浦尋一]
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