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会場:幕張メッセ1~8ホール
入場料:1,000円(一般/前売り)、1,200円(一般/当日) 今回参加した取材できたタイトルは、7月にスパイクでの取り扱いを正式発表した英EIDOSの人気シリーズ最新作「Tomb Raider Underworld(トゥームレイダー:アンダーワールド)」。日本では、スパイクがテキストとボイスのフルローカライズを施し、今冬発売する。価格は未定。発売プラットフォームは、プレイステーション 3、Xbox 360のほか、Wii、プレイステーション 2、ニンテンドーDSと、5プラットフォームにも及ぶ。 今回は、その中でも中心的な存在となるXbox 360版の最新バージョンが披露された。ゲームとしての完成度は、E3バージョンからさらに高まっていたが、残念ながらまだ英語版のままだった。 スニークプレビューの対象者は、我々メディアや流通関係者ではなく、一般ユーザーというユニークなイベントで、事前に募集した“Spike特派員”をSpikeルームに招待し、プロデューサー同席のもとで約40分にわたってじっくりプレイしてもらい、その模様をユーザーのブログに掲載してもらおうという趣旨である。
というわけで、残念ながらE3に続いて最新ビルドの試遊は叶わなかったが、そのスニークプレビューから得られた新たなインプレッションと、日本語版プロデューサーに取材した内容を中心にゲームの魅力をたっぷりお届けしよう。 ■ ララの華麗なアクション、美しいビジュアルが魅力的な「トゥームレイダー:アンダーワールド」
弊誌で「トゥームレイダー:アンダーワールド」の取材を行なうのは7月のE3に続いて今回で2度目となる。E3ではウェットスーツを着たララ・クロフトが、水中を潜り、三次元の水中ステージを攻略していくという新しいギミックを取り入れた第1ステージを見ることができたが、今回は、その後に行くことになるというタイの遺跡を舞台にした第2ステージを見ることができた。 第2ステージも、第1ステージと同様に、海に浮かぶ船の上からスタートする。といっても、アクアラングを付けて水中に潜るのではなく、すぐ目の前の岸壁のわずかな岩場を足がかりに、ロッククライミングの要領でよじ登っていく。岸壁は、バンプマップや質感の処理が見事で、映画を見ているような臨場感がある。よくよく見るとオウムが飛んでおり、聞くところによれば、オウムが道しるべになっているという。 ぐんぐん足場を上がっていくうちに、単なる岩場ではなく、遺跡の一部のような石窟が露出してきた。試遊者は、飯島氏を含めて、足を滑らせて何度か海に落ちたりしながらも、わずかな足場からジャンプを繰り返し、わずかに残る石窟を両手で伝いながら、道なき道を進んでいく。岸壁を登り切ると、石でできたゲートのようなものが姿を現し、ようやく目的地の遺跡に到着したことを知らせてくれる。飯島氏によれば、「ここからが本番」だという。 遺跡は一見、行き止まりのように見えるが、ジャンプや三角飛び、岸壁伝いを駆使しながら、ルートを開拓していく。どこに行けばいいかわからない場合は、PDAのマップが手がかりになる。遺跡は正しいルートを覆い隠すように雑草や樹木が生い茂っているが、PDAでそれらをすべて取り除いたワイヤーフレーム状の3次元マップを表示することができる。これで足場となりうるわずかなデコボコなどを確認して、攻略に役立てることができるという寸法だ。 しかし、今回の「トゥームレイダー」はアクロバティックさにさらに磨きがかかっており、北京オリンピックの体操女子の段違い平行棒や平均台の演技を彷彿とさせる、曲芸のようなアクションシーンが連続する。わずかなタイミングのミスで大きく落下することもあり、かなりトライアンドエラーが繰り返されることになりそうだ。ただ、飯塚氏によれば、今回は、非常に細かくチェックポイントが設定されており、特に難所の直前に必ずチェックポイントがあるため、やり直すと、かなり前のシーンに戻されて萎えてしまうということはなくなっているという。 なお、開けたフィールドでは、トラやワニなどが襲ってくるシーンもあった。これらのモンスターは手持ちの銃器で撃退することもできるし、壁に上るなどしてやり過ごしても良い。銃器は基本的にオートエイムで、狙いを付けるプロセスは省かれている。ただし、謎解き等に使用する場合のために、手動で照準を付けることもできるようになっている。壁伝い中にも、空中でコウモリが襲ってきたりするが、片手にハンドガンを持って反撃することができる。見た目にも非常に格好良いシーンである。そのほかにも跳び蹴りやバク転、横転など、様々なアクションが用意されており、飯塚氏は、ツーマンセルで襲ってくるトラを華麗に避けながら、両手のサブマシンガンで撃退していた。 その後も、微妙に向きを変えてジャンプを繰り返したり、遺跡から鉄棒を抜き取り、別の穴に差し込んで、新たなルートを構築したりなど、「トゥームレイダー」らしい、遺跡パズルが待ち構えていた。よくよく見ると、お馴染みのユニフォームに身を包むララのボディには汚れが付着していて、探索感がよく表現されていた。「アンダーワールド」は新規エンジンで開発されているというが、ビジュアルに徹底的にこだわっている印象だ。 そうこうしているうちあっという間に40分が経過し、特派員の試遊は完了した。もうそろそろ遺跡の最奥なのかなと思わせたが、飯塚氏は、「まだ半分も来てません、だいたい30%ぐらい。どんなにがんばっても踏破するのに1時間以上はかかります」とのことだった。特派員には、記念品としてTGSのチケットと、「I Love LARA」と書かれたTシャツが贈られた。
■ 「アンダーワールド」の内容に自信、発売時期は果てして いつになるか?
サブタイトルの“アンダーワールド”については、今回ララが赴くことになる“古代の土地”の総称であり、今回見ることができた遺跡もそのひとつのようだ。父が追い求めてきた神秘的な土地”アバロン”と、突然の母の失踪の関連性。これらの謎を解くためにララはアンダーワールドへ足を踏み入れることになるというのが今回の大まかなバックグラウンドストーリーとなる。 なお、ララの衣装は、ステージごとに決まっているわけではなく、探検用のコスチューム、ウェットスーツ、革ジャンといった複数パターンの中から好みで選択可能だという。衣装はあくまでアバター要素に過ぎず、ウェットスーツを着たからといって水中での運動性能が上がるわけではないようだ。 最後に飯塚氏は、「原点回帰を果たした『トゥームレイダー:アンダーワールド』は、『トゥームレイダー』ファンを満足させる自信があります。フィールドのギミックを攻略する楽しみや、遺跡探索の楽しみなど、アクションゲームとしての魅力が最高のクオリティで詰まっている作品に仕上がっています。ぜひ楽しみにしていてください」とコメントを寄せてくれた。 今回、発売時期が7月の発表から変わらず今冬のままだったのが残念なところだが、E3から確実に完成度は高まっており、仮に会場で出展されていれば、必ずや高い注目を集めた作品になったことは間違いない。
「トゥームレイダー」シリーズは、遺跡探索型のアクションアドベンチャーとして、ヨーロッパを代表するアクションゲームとして金字塔を打ち立てた人気シリーズだが、近年は見せ方や演出に関して映画の影響が強くなり、もともとのファンが離れていった。それゆえの原点回帰であり、「アニバーサリー」で戻ってきた往年の「トゥームレイダー」ファンに送る新世代の「トゥームレイダー」が「アンダーワールド」ということになりそうだ。まだまだ未発表の情報が残っているため、今後の続報に期待したい。
Tomb Raider: Underworld (C) 2008 Eidos Interactive Ltd. Developed by Crystal Dynamics Inc. Tomb Raider is registered trademark of Eidos Interactive Ltd. Tomb Raider: Underworld, Crystal Dynamics, the Crystal Dynamics logo, Eidos, and the Eidos logo are trademarks of Eidos Interactive Ltd. All rights reserved. Marketed and distributed in Japan by Spike.
□コンピュータエンタテインメント協会(CESA)のホームページ (2008年10月13日) [Reported by 中村聖司]
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